『桜 其の二』
前の記事の写真を撮った日の夕暮れ。
美しい夕焼けになった。
ほのかに紅を帯びた染井吉野。
しかし、夕焼けはそれよりさらに紅く、淡雪のように咲く染井吉野と
美しいピンクの諧調を見せてくれた。
美しいのだが、何やら寂しい。
紅く点々と写っているのは、提灯。
毎年この時期、町会の人々が手分けして、桜に明かりを点す。
そばに行くとこんな感じ。
これがずっと、2つ先の橋のあたりまで続く。
時折、夜桜見物の人も通るが、皆静かである。
写真がぼけているせいもあるが、何か、幽玄の世界から出てきたひとのように、
皆、足音をさせないで歩いている、といった感じだ。
いつも私が買い物帰りに佇む橋の上から、夕焼けと桜を見てみた。
川面に提灯の紅い色が滲んで映っている……
もう少し遅い時間になると、この水面の紅が、幾筋も伸び、
橋のたもとにあるパチンコ店の紅いネオンサインも川面に同じく
映し出されて、本当に綺麗なのだが、夜景をとる写真技術がなく、
お見せできないのが残念。
今年の桜は、何やらせつなさを伴う桜であったような…。
彼岸花。明日から少し旅をしてきます。