『TPPに関して願うこと』

さて、TPPについてであるが、私も完全にはとてもわかると言いきれない。
全部については、無論語れない。しかし、いくつかの項目に関しては
私なりの考えはある。それを述べてみよう。

1、米作をアメリカに明け渡すの?

米作は、日本の根幹をなす文化でもある。
だから、日本はこれまで、米作を守るために、輸入米に他の品目に比べはるかに
高い関税をかけてきた。
ところが、関税が撤廃されるとどうなるだろう。
そこそこ美味しい、日本米と遜色ないと言われているカリフォルニア米が、
10キロ1000円くらいで買えるとしたら、多くの日本人が買うようになるのではなかろうか。
とすると、日本米だって、価格を下げなければ太刀打ち出来まい?当然米価は下がる。
無論米だけはなく、その他の穀類も野菜や肉も海外産のものが安く手に入れられるようになる。
消費者にとっては、TPP参加の大きなメリットである。

しかし。日本の米作農家はどうなるであろう。
日本人は米にはうるさい。日本の新潟魚沼産コシヒカリに太刀打ちできる
外米などない。高級品志向の人は、変わらずそうしたブランド米を買うであろうし、
逆に言えば、日本のおいしい米をどんどん海外に売り込めばいい…
日本の桃などは高級品としてそうなっているそうである。
逆に大きな市場拡大のチャンスではないか。
…そう、TPP推進派は言う。
しかし、そううまくいくであろうか。
現実を見てみよう。福島第一原発の事故があって、日本の農産物に対する
海外の目は非常に厳しくなっている。私がブログにお邪魔させていただく、
ドイツ在住のヘルブラウさんのお話によると、ドイツでも、日本の食品の放射能汚染には
厳しい措置が取られ、これまで手に入りやすかった日本食品が、極めて
手に入りにくくなっているそうだ。日本の食品が安全と(日本政府が言うのではなく)、
輸入国側の感情が認めるまでは、日本の食品に対するこの厳しい目は
当分の間続くのではないだろうか。
また、この不景気の中、おいしいカリフォルニア米が10キロ1000円ほどで
買えるようになれば、外食産業は勿論、一般家庭だって相当、そちらを買うのでは
あるまいか。
日本の農産品はあまり売れずに、海外の安い農産品はどんどん輸入される。買わされる……。

日本の農家は海外からの安い農産品に価格競争で負けて、廃業が相次ぐようになり、
日本の食が輸入品に頼るようになってしまうとどうなるか。

もし、世界的な干ばつや大洪水が起きて、日本に海外の米が入らなくなってきたら
どうであろう。価格は当然高騰する。日本に大量に売り込むために10キロ1000円
という安い値を最初『戦略的に』つけていたアメリカは、ここぞとばかりに、10キロ3000円、
4000円と値を釣り上げていくかもしれない。それどころか、『米を駆け引きの材料に
他の重要問題で、日本に妥協を迫ってくる』かもしれない。
食料を海外に依存するということはそういうことである。
つまり、国民のいのちを、海外に委ねてしまうということである。

いますでに、小麦もトウモロコシも海外に大きく頼っている現状、さらに米、という
最後の食の砦を失っては絶対にいけない、と私は思う。


その他に困ったことは起きないだろうか。

一つ言われていることは、農地とりわけ水田というものが果たしている、
普段あまり気づかれない大きな役割というものがある。
一つはその保水能力である。
もし、農地がどんどん減ってそこが宅地や駐車場や工場などに変わっていってしまったら、
雨水は下水路を通って川に流れ込み、あっという間に海に流れ出ていってしまう。
水田というものは、小さな規模のダムの働きもしているのである。
水田や畑に降った雨は、地中に浸みこみ、地下水となって、やがて、私たちの
飲料水や工業用水、またより低い土地の農業用水となる。

また。田畑が多く、そこで植物を育てるということは、その炭酸同化作用によって
日本の空気をよくしている効果だってあるのではなかろうか。


それから、これは、目に見えにくいものであるけれど、
日本の文化、というものは、古来からの稲作にその起源を発しているものが
たくさんある。小さな氏神様の祭りから、大きな祭りまで、収穫の豊穣を
祈願し、またそれに感謝することから、祭りは生まれたと言っていいであろう。
日本語そのものも、農耕から生まれた言葉は数限りなくある。
そういった、日本文化の底流となるもの、そこから生まれる情調というものも、
農業を捨てるということは、同時に捨てていくということである。

それは単に、里山があって、田んぼがあって、その間を続く細い農道があって、
小川があって、春には菜の花が咲き、夏は蛙が鳴きかわし、秋は赤とんぼが飛ぶ、…
などという、日本人がこころの底に懐かしむ風景。私のような年配のものが
懐古趣味で、ああ、無くしたくない!と思うような風景や心情のことだけを
さして言っているのではない。
そういったものだけならば、すでに、若い世代には守り抜くべきほどのものでは
もうなくなってしまっていっているのではなかろうか。

…私が『農耕から生まれた日本人の情調』と言っているものは、
もっと深い精神の奥底にあるもの、そして、日本の社会の根底に流れる
情調のことである。
説明するのは難しいけれど、一言で言えば、それは、
『八百万の神に感謝し、産土の大地に感謝しそこに根を下ろして生きていく』
ということであろうか。
日本は、四季の変化に富んだ、緑と水が奇跡的に豊かな島国である。
森林が多く、平地は少ない。空から見ればわかるが、
とりわけ悲しいことに、今回の東北大震災で、多くの人が目にしたように、
日本人はその山地の多い島国の、川沿いや海岸線近くの、扇状地や三角州のような
ところにびっしりと家を建て、そこで田畑を耕し、漁業をして生きてきた。
あるいは、山地の傾斜地を少しずつ少しづつ耕し耕しして段々畑を作り、
細々とそこで農業を営んで生きてきた。 
ところが、日本は台風の国、地震津波の国である。
何百年に一度、数十年に一度、大きな地震や津波に襲われ、壊滅的な
害を受ける。
それでも、他に生きていくところはない。
アメリカの農民だって大地に感謝する,命を育てるということでは同じじゃないか、
という考えかたもあるかもしれないが、ご存じのように、アメリカの農業は
基本的に壮大な『移動』=『開拓』というところから始まっている。
無論、日本にだって、北海道の開拓民というような歴史だってあるわけだが、
大きな国民的心情から言って、移動=開拓と、よりよい土地を追い求めて行った
アメリカの農民と、いかに土地が狭かろうと痩せていようと、津波で流されようと、
そこで生まれたらそこで何とか工夫努力して農業をやり続けて行かねば
ならなかった日本の農民とは大きな違いが当然生まれ、それは後の時代になっても、
心情、気質として残るだろうと思うのである。

津波に遭った日本の人々は、瓦礫を片付け家を同じところに建て、
再び田畑を耕し、そこに種をまいて、暮らしを続けてきた。
今度の大災害で、多くの人が住む場所を失った。しかし、多くの人が
元の町に戻りたい、と言う。放射能に汚染された福島原発近くの住人でさえ、
出来るものなら、住み慣れた家に戻りたい、近所の親しい人々とまた
同じように暮らしたい、先祖の墓を守りたい、と言う。

私は過去に24回も引っ越しをしてきた、根無し草である。
私には、原発周辺の住人のそうした気持ちが、正直言っていま一つわからないのである。
そうまでして、汚染されてしまった土地に住みたいのだろうか、と思う。
頼むから子供を連れて、さっさと危険な場所から避難し、生活は苦しくなっても、
家族が揃って、新天地で力を合わせて生きて行ってくれないか!、と思う。
…しかしながら、これは私が土地、大地というものに、根を下ろしていない
都市生活者、いつでもどこに行っても、職は何とか見つけて生きていける、と考える
心理的漂流者だからなのではなかろうか、と思うのである。

日本が農業を捨てたなら、捨てはしなくともアメリカ型の巨大資本による
大農場経営の農業になっていったら、私のような都市生活者、こころの漂流者は
比率的にますます増えていくことであろう。

…そうしたら日本はどんな国になるか。良くも悪くも、日本という国の民の、
優しさ、辛抱強さ、踏まれても津波に襲われてもなおめげずに立ち上がろうとするこころ。
昔から、貧しい農村が生きていくために皆で支え合った『結い』の精神…
そういったものは徐々に薄れていって、極めて希薄な人間関係の、
極めて合理的だけれど、ある意味ドライな国民が増えていくのではなかろうか。
そう。この『結い』の精神こそ、農業から生まれた日本人の基本的情調の例だ!
例えばそれは、農村だけでなく、『会社』『関連会社』というものの内にも心情としてある。
日本型企業経営の特徴であるが、そんなところにも。

土地を守る。土地に定着し、そこの隣人たちと濃密な人間関係を築き、
互いに助け合い支え合って生きていく…それがいいとか悪いとかいうことではなく、
農業人口が減り、いつでも自分の意思次第で移動、移住が可能な人間が多くなった社会…
それは、当然、そのこころ模様も変えていくであろう。
農耕民族、狩猟民族、牧畜民族に明らかに性格の違いが大昔から認められてきたように。
都市生活者、とりわけ現代の投資家などというものは、一種の
狩猟民族の気質を持っているのではあるまいか。
彼らは耕さない。
自然にそこにあるもの、人の作ったものを動かして、利潤を狩り求める。
時には『もの』という実体さえ扱わず、コンピューター上で数字だけを動かす。

時代は変わっていくものである。大きな流れは変えられないであろう。
経済、というものが一国の内にとどまらず、グローバルなものになっていく、
その流れはおそらく止められないであろう。
しかし、私は、平地の少ない国土で,自然の脅威と闘いながら、
辛抱強く田畑を耕し、この土地が孫子の代まで続くと信じて農業を
営んできた農耕民族日本人の、つつましさと辛抱強さとたくましさとを愛する。
そう。土地に定着し、そこでものを育てるということは、『未来を信じている』
ということであると思うのだ。
子が生まれ、そこで生きる。孫が出来、命が繋がっていく…
作物を大地で作っていく、ということは、そういうことである。
未来を信じ、未来に命をつないでいこうとする人間の根本的営みである、
と思うのだ。
基本的に言って、投機的に農作物を考えがちなアメリカ型の農業というものは、
現世の欲望しか考えていない。未来が汚染されようが、自分の利益追求のために
隣人が困ろうが一切気にしない。
…先祖から受け継いだこの土地、傾斜地の林を少しづつ少しづつ開墾して
段々畑を数世代にわたって増やしていく、そこは水の便さえままならず、
土地は痩せて、蕎麦や芋くらいしか採れない…。それでも、その土地を
自分の孫子のために残そうとする…貧しい隣組同士で『結い』を組んで
助け合い融通し合う…そういった、日本型の農業とは根本的に違うのである。

日本人がこうして長い間、農業で培ってきた日本人の心性。
それは、私のような都市生活者、まして流浪を重ねて、幼馴染などというものもなく
帰る故郷の家などというものもない都市の移住者にも、実は色濃くこの体の内に
残っている…そう思うのである。
例えば、食事の前に「いただきます」と、当たり前のように言う。
これだってお米を作ってくれる農家や白く輝くお米そのもの、命をくれた獣や魚に感謝して
いつからか、日本人が言うようになった言葉であろう。
キリスト教国のアメリカには、「いただきます」「ごちそうさま」に該当する言葉はない。
それでも敬虔な家族では揃って食前の祈りをするではないか、と言われるかもしれないが、
あれは、神に食べものをお恵み下さったことを感謝しているのである。
食物を作ってくれた農家や、ましてお米や野菜そのものに感謝しているわけではない。
そこには根本的な違いがある。

一方で、農村というものは、黒沢明の『七人の侍』で見る通り、
土地に定着して生活し、そこを守るしたたかな人々である。ムラの内同士では
強力な助け合いをするが、他から入ってきた者に対しては、えてして排他的である。
つい最近、どこで読んだのだったろう…飢えた旅人が、農村によれよれと入っていっても、
農村の人々は厄病神でも来たかのように戸を立て旅人を入れようとしない、と。
ところが同じ日本でも、飢えた旅人は漁村に行けば、大らかに迎え入れられ、
食べものを恵まれるであろう……。そんな内容の文を。

『原子力ムラ』……おっとっと! 話が変な方向へ行ってしまうな(苦笑)。


TPP…。それは何も経済の開国、ということだけを意味しない。
日本人の、日本人のアイデンティティまでをも変えていきかねない仕組みである。
もう少し、いや、極めて慎重であっていい、と私は思っている。
慎重すぎるくらいであっていい、と。

そうそう。こんな歌。これも、検索しているとき、どなたかが
『ごちそうさま』という日本の文化に関連してこの歌を例にとっていた。
使わせていただこう…。これこそ、日本人のアイデンティティの
一環をなす基本的情調から生まれた歌だと思うのだ…。


『おべんとう』

おべんと おべんと うれしいな
おてても きれいに なりました
みんな そろって ごあいさつ (いただきます)

おべんと おべんと うれしいな
なんでも たべましょ よくかんで
みんな すんだら ごあいさつ (ごちそうさま)

天野蝶作詞・一宮道子作曲/矢田部宏編曲



『みんなそろって』ということろが、泣かせるではないか!……



[続く]




 



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『TPPという得体のしれないもの』

日本政府は、TPP(環太平洋経済連携協定)に加わろうとしている。
でも、TPPって何? いいことなの、駄目なことなの?

原発にばかり目を取られちゃいられない。
いつもお訪ねさせていただいているhasutama さんのところで、こんな
わかりやすい解説ページを紹介していただきました。

極めてまじめな、説得力のあるTPP参加への警告記事です。
何ページにもわたる力作です。
まず、出だしのところから、一部引用してみましょう。
TPPはこのような、大変な困った事態を生む、ということが、まずまとめてありますから。


『サルでもわかるTPP』    



http://luna-organic.org/tpp/tpp.html


TPPは農業問題じゃないヨ!

放射能のように、日本人すべての上に降りかかってくる大問題!

原発よりも危険かも!!

だって、日本がTPPに加盟したら…

 〇国民皆保険制度がなくなってしまうかも。盲腸の手術だけで500万円、それが
払えない貧乏人は死ぬような社会がやって来る!?

〇日本の食料自給率は39%から13%に下がる。近いうちに必ず世界的な食料危機
が起こるから、突然食料輸入が途絶えて餓死者が出るようなことになるかも。

〇遺伝子組換え食品が蔓延し、そうでない食品を選ぶ自由すら奪われちゃう。

〇牛肉の月齢制限や添加物など食の安全基準が緩くなって、健康への悪影響が心配。

〇低賃金労働者が外国から入ってくるから、日本人の給料はますます下がる。職を
奪われて失業も増えるよ。そのうち外国まで出稼ぎに行かなきゃならなくなるかも。

〇デフレがますます加速するよ。今まで日本国内で回っていたお金がどんどん海外
へ流出しちゃうよ。景気はますます悪くなり、日本はどんどん貧しくなるよ。

〇そして何よりも問題なこと……国民を守るために、国民の代表が決めた法律や制
度が、アメリカ企業の都合によって、いくらでも変更してしまえるようになる。
国民の主権が奪われちゃうよ。民主主義の崩壊だよ。


私は、常日頃から、日本はもっと農林業、漁業などの一次産業を
大事にしなければいけない、と思ってきました。
ただ、農業をやらない代わりに、お金で補償する、といったような農業保護策では
根本的にダメだと。
農業を大事に守り育てていかない国はだめになります。
地球の環境は年々厳しくなっていっている。
干ばつと洪水の極端な差。そしてその被害も、前にはなかったような、
極端な規模になっていっている。
一方で地球の人口は増え続けていってる。
石油などのエネルギー資源などの奪い合いと共に、いつか、この地球に大飢饉が
訪れて、食糧の奪い合いが起きねばいいが…私はそれを恐れています。

国というものは、経済の側面から輸出入の採算ばかりを考えるのではなく、
常に自国の食料は自国で確保できるようにしておくべきだと思っています。
その考えで言うと、TPPというものは、日本の農業漁業などに
深刻な影響を及ぼしかねない。
そういった意味で、TPPへの大きな流れを警戒していました。

でも、ただ農業の崩壊ということだけでなく、多くの重大な問題を
引き起こしかねないものだということが、これを読むとわかります。

私には、原発問題のほかに、日本の農業の崩壊、、将来必ず起こるであろう
水の奪い合い、そして、遺伝子組み換えの独占企業、悪の権化のようなモンサント社
のこと。それから、日本の医療保険制度が崩壊してアメリカのようにならねばいいが、
など、気にかかることがいくつかありました。
それらのすべてに、このTPP問題は関わってきます。

何となくわからない、それで、政府にお任せしているうちに、
とんでもないことが決定されてしまうかもしれません。
かつて、原発が導入され、この狭い日本に54基もの原発が
建設されてきたのと同じに。

筆者はこんなひと。


著者:安田美絵
ルナ・オーガニック・インスティテュート(マクロビオティック料理教室&
持続可能な食の学校)主宰。早稲田大学卒。食と健康、農業、貿易などの
関係を調べるうちに、大企業(主にアメリカの)の数々の悪事を知り、
世間の大部分の人々が搾取されているのにそれを全く自覚していない現状に
気付く。食の選択によって健康が実現できるだけでなく、環境問題、南北問題、
グローバリゼーションの問題など、さまざまな問題を解決できることを、
料理教室や講演によって訴えている。

ルナ・オーガニック・インスティテュート
〒141-0001東京都品川区北品川5-16-19
ホームページ http://luna-organic.org


『音楽の贈り物』



sung by Sting 





他のヴァージョンがお聴きになりたい方は、次をどうぞ。

続きを読む

『仲のいいふたりが…』 

葉っぱさん、れんげちゃん企画の計画節電のキャンドルナイト。


心ひとつに キャンドルナイト
 


10月11日。

ああ、もう7回目のキャンドルナイトか……。
早いなあ……





一日遅れだけれど、こんなの用意してみました。


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寄り添うように立つ鶴のカップル …。
…もしかしたら、恋人同士ではなく、親子でしょうか…。

大震災のあと。
おつきあいをしていた男女が、婚約や結婚に踏み切り、
エンゲージリングがよく売れているとか。
また、家族の間では、これまでだったら、週末は会社のお付き合いなどで
家を空けることの多かったお父さんが、土日を子供たちと過ごしたいと
家で過ごすことが多くなったそうです。
今日の夕刊には、東京で、私立小学校の受験者が今秋は減るのではないか、
という記事が載っていました。
なにかまた、地震などの大事故が起きたとき、家族が少しでも傍に
いられる状況にしておきたい、という願いの表れだろうと言います。
一人暮らしの若者も、離れて暮らす両親に会いに帰る回数が増えているようだとも…。

人々が、ひととの絆を大事にしたい、と思うようになった気持ち。
痛いほどよくわかる気がします。

その一方で。
この鶴たちのように仲のよかった、こうしたふたりが、
地震と津波によって永久に引き裂かれ、
あるいは、折角のいのち、お互いに助かっても、
その直後に起きた原発事故で、家族がばらばらに住まなければならなくなった
かたなども、たくさんおいでになるでしょう…

その無念、その悔しさ、その悲しみを想います。

どうか、せめてこころだけは、こうして愛する者同士がいつまでもいつまでも
寄り添っていられますように。
また、今、愛し合って共にいられるひとたちであるならば、
どうか、お互いを大切に思い合って、その愛の灯を
消さないでいてくれますように…。


そんな願いを込めて、火を点してみました……










『日本の政治』…

『脱原発に舵を切る前の菅さん』を含め、民主党、いや
日本の政治は一体何を目指して来、これからどこへ行こうとしているのだろう。

野田総理は、国連では、『日本の原発の安全性を世界最高水準に高める』と発言。
冷温停止が随分近いような趣旨のことを言っていたけれども、
『冷温停止』というのは、燃料が圧力容器にまだ入っているという
前提で、それを人間の手で冷却出来ている、という意味である。
(7月政府発表の工程表による、政府自身による定義)
ところが、誰も、誰一人として、
現在、1~3号機の溶け落ちた燃料がどこにあるのか、確かめようがないのである。
チェルノブイリは、事故から25年経った今でさえ、炉心がどうなっているのか、
確かめるすべがない。福島第一原発の1~3号機もそうなるのであろう。

10月2日付朝日新聞朝刊に、東電がこんな試算を出したという記事があった。
復旧作業中の1~3号機。
今は炉内の温度は『冷温停止の条件になる100度未満まで下がっている』が、
仮に原子炉への注水が、何かの事情で中断されたままになると、1時間で
48~51度上がり、18~19時間で1200度に達し、38~50時間で
燃料の再溶融が始まり、圧力容器の底にたまった燃料がさらに格納容器に
漏れ出す、再び大量の放射性物質が放出される、というのである。
『複数のトラブルが起きても、3時間程度で注水が復旧できる見込みだ』
と、東電は語っていると言う。
東電自身が、まだ、また地震やなにかで、注水出来なくなれば、
燃料の再溶融が起こりうる、ということを認めたわけである。
…そんな危険の去らない場所に、政府は、避難先にいる人々を
とにかく、とにかく、戻したがっているようにしか思えない。
そうして、政府も福島県も、人口が流出していくのを止めたがっている。
つまり、そこに住む人々の健康よりも、県としての形や、経済活動を
優先し、補償費用を少しでも抑えたいというのが本音なのであろう。

その一方、こんな記事を見た。

『外国人1万人、旅費無料で日本招待…観光庁方針』
読売新聞 10月10日(月)3時0分配信

 観光庁は、東日本大震災後に激減している外国人観光客の回復を狙い、
2012年度に全世界から、旅費無料で1万人の一般観光客を日本に招待する方針を固めた。
 募集は主にインターネットを通じて行い、応募者の旅行計画などが
審査に合格すれば、日本への往復航空券を提供する。
 こうして来日する旅行者には、日本滞在中にインターネットで世界へ
情報発信してもらう方針だ。日本国内の滞在が安全・安心であることを
口コミで世界的に広げる効果を見込んでいる。旅行者にはこのほか、震災後の
日本旅行についてアンケート調査をしたり、新たな日本旅行のモデルとなるような
旅行プランを提案してもらったりする。
事業費として、観光庁は12年度予算の概算要求に11億円を盛り込んだ。
最終更新:10月10日(月)3時0分


福島の事故で放射能汚染された土壌や空気、食品は、どこまで汚染され、
どのくらいの広がりをこれから見せて行くのか、また、それによる健康被害が
これからどのような形でどの程度出て来るか、モニタリング数とデータの開示は
まだまだ不十分どころか、許容量を意図的に引き上げることによって、
何とか影響の印象を出来るだけ軽く見せよう、そうして今後の補償も、
出来るだけ軽くなるように持って行こう持って行こうとしているように見える
この国の政府。
汚染されているとわかっている汚泥を肥料として、全国にばらまくことも平気な国。
そんな中で11億ものお金を使って、海外に、日本の安全をアピール?

また、9月にはこういう記事もあった。9月19日、毎日新聞朝刊

『東日本大震災:「日本安全」つぶやいて 風評対策、
海外からツイッター発信者ら招待』

 外務省は、東京電力福島第1原発事故による日本の農産物や観光などへの
風評被害対策として、フェイスブックやツイッターなどソーシャルメディアの
発信者を海外から招く準備に入った。
世界で5億人以上が利用するとされるソーシャルメディアが、中東政変などで
大きな影響力を見せていることに着目した試験事業。
被災地を回った発信者に、安全性や感動を伝えてもらうことで、風評被害の緩和を狙う。
 東日本大震災からの復旧に向けた11年度第2次補正予算で、
外務省は風評対策のため、15億円を計上した。
外務省として初めての発信者招待は、この対策の一環。
 11月ごろから、欧米や中国、中東などから、読者の多い発信者約15人を
数回に分けて、福島、宮城、岩手県などに招く方向で、在外公館を通じて参加者を選ぶ。
 ソーシャルメディア関係者が、日本に好意的な書き込みをする保証はないが、
外務省の担当課は「現地に足を運び、特産物を食べてもらった上での発信だけに、
風評ではない信頼性の高い内容になる可能性が高い。迅速、大量、広範囲に
情報を届けることもできるはず」と期待。
さらに、海外の新聞やテレビ関係者を数十人ずつ被災地に招き、
より広範囲に日本の農産物、観光情報を発信したい考えだ。
 風評対策事業ではこのほか、日本産品の安全性を伝える著名人の
テレビコマーシャルを海外で流し、各国の在外公館で被災地産品の物産展や
試食会の開催も計画している。【犬飼直幸】


日本についてはたしてこれらの人々が、いい情報を流してくれるかどうかさえ
わからないのに、15億円?!!!

観光庁、と言えば国土交通省の外局、外務省とは別だよなあ。
ということは、合わせて26億ものお金を、今すぐから来年にかけて
こんなことに使おうとしているわけである。
さらに、ここにも書いてあるように、海外で日本は安全です、などという
テレビコマーシャルなども流すと言うが、それに一体15億の中のいくらのお金を
つぎ込むつもりであろうか…おそらくこれも億単位のお金になるだろう。

そんなことに使わず、福島の子供たちを1年、いや半年でも、より安全なところに
避難させるための補助として使うなら、一人100万円づつかけるとすれば、
2600人の子供たちを救えるではないか。
誠実に国民の健康を守るために、必死になって手立てを打って行くこと…
本当に日本が世界に安全な国だと思ってもらうためには、それしかないと思うがなあ。

福島の事故以来、私は数字の大きさになんだか鈍感になってしまっている…
何が大きくて何が大したことない数字なのか…。

10月3日付NEWSポストセブンの記事。

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20111003-00000011-pseven-pol

ざっとまとめると。
政府は年間被ばく線量が1ミリシーベルト以上の場所で、自治体が除染する費用を
負担する考えらしいが、福島全土を除染するとすれば、数百兆円はかかるだろうと、
東日本大震災復興対策本部の幹部が言っていた、という。
『東日本大震災復興対策本部の幹部』というだけでは、そのままは信じられないけれど、
経済学者池田信夫氏は、『「年間5ミリシーベルト以上」に該当する地域が
福島県全体の17.5%に当たるとして計算すると約2412平方キロメートル。
かつて公害病のひとつ「イタイイタイ病」で問題となったカドミウムの除染で
投じられた金額を適用した。政府が負担したのは、1500~1600ヘクタールで8000億円。
これを当てはめると、除染費用は118兆円になる』という試算を出している。
5ミリシーベルトで福島の17.5%でも、この金額。
1ミリシーベルトで福島全土を除染、ということになると、確かに数百兆円はいくであろう。

待ってくださいよ。福島県の世帯数は76万世帯ほどだそうである。
仮に除染、ということをやめて、福島全世帯を移住させるということを
考えてみると、一世帯当たり平均2千万円の補償をしたとして、152兆円である。
無論、平均、ということで、76万世帯が移住可能で、また当人たちが
それを望むか、ということは考えない乱暴な話ではあるが……。

数百兆円…。そんなお金!除染だけで!
しかも、土地の7割が山林という福島県。一度住宅地を除染しても、雨が降れば、
また山から落ち葉や土砂が流れてきて線量が上がってしまう。現地では除染に不安、
という記事が今日の毎日新聞にある。除染は一度では済まない。
何十年といういたちごっこになるかもしれないのである。

(*今日11日の朝日夕刊の報道によれば、政府は、9月に5ミリシーベルト以上のところ、
という除染方針で、その時示した見積もりは、国としては1兆2千億円で
あったという。今回それを改め1ミリシーベルトにしたが、そうすると、どのくらいの
予算を出してくるのだろうか!)



原子力発電をこれでも安い、原子力発電がないと国の経済が立ち行かない、と、
言う人がまだたくさんいる!!!
野田政権は、原発をまだ動かしたい?まだ発展途上にある海外の国に売り込み、
あわよくば、日本でも『最高水準の安全な原発』を作っていきたい???!!!

原子力安全・保安院は、6月6日。福島原発事故で放出された放射性物質の総量は
85万テラベクレルと修正。テラは一兆。
海に流した放射性物質は総量1万5千テラベクレル(9月9日現在。
日本原子力研究開発機構の小林卓也研究副主幹らがまとめたもの。)

…ふ~う。……
なんて大きな数字!

これはもう、ほとんどの人が知っているとは思うが、

文部科学省が原子力教育を主な目的として進めてきた自治体への交付金事業で、
同省が2002年から昨年度までの9年間に、計42億円の予算を計上し、
ほぼ半分が使われていなかったことが分かった。
予算が余っても、毎年度ほぼ同額の予算を計上していた、という。
 事業は「原子力・エネルギー教育支援事業交付金」。
毎年4億円ものお金を、原発安全教育の刷り込みを小、中、高生にしようという
目的で計上してきたわけである。
原発宣伝用の立派なパンフレットを、子供たちにばらまこうとしたのなどはこれかな。
原発教育を率先して行う教師は良い教師、ということにされていたらしい。
半分しか使われなかったのは自治体の良識か。
しかもその『交付金の原資は、電力会社の販売電力に応じて課税される
電源開発促進税で、最終的には電気料金として消費者が負担している。』

その上、
『原子力教育をめぐっては、同省などが09~10年度に
一般競争入札で教材作成などを委託した事業のうち、六割以上が一者応札だった
ことが本紙の取材で判明。落札したのはすべて官僚OBや電力会社の
現役または元役員が理事などを務める公益法人だった。』(10月10日付。東京新聞朝刊)


原子力行政にかかわらず、たとえば、岩手、宮城、福島の瓦礫処理だって、
そこへ投入される多額のお金は、大手のゼネコンが仕切ってしまえば、
被災した地元中小企業に流れていく金はわずかなものになってしまう。

除染だって、1ミリシーベルトのラインで国が責任持ってやるとなると、
先ほども述べたように、何兆という途方もないお金が動く。
そこに、大手のゼネコンや、東電などの電力会社・官僚などとその息のかかる者、
学界などの、これまで原発事業で甘い汁を吸ってきた者たちが、たちまちまた
群がることになるのかもしれない。

そのお金は、わたしたちが、電気代や、税金という形で、これから
払い続けて行くわけである…

そうして私たちが地震津波の被災地の人々や福島の人々を想って払ったお金…。
それらは、これからもまた、原発を守るために東電を守るために使われていくのであろうか…。
『風評被害対策のため』の15億円?……
そう言えば、これとは別の組織によるもので、関連して思い出したことがある。
あれは何省の管轄だったか…、
そうだ!資源エネルギー庁だった。私、一度記事にちょっと書いたかな、
コメントで触れたんだったかな。こういう組織がひそかに日本にはあった。

7月14日の新聞『赤旗』の記事。
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik11/2011-07-14/2011071401_01_1.html

これも要約すると、
名称は『平成23年度原子力安全規制情報広聴・広報事業(不正確情報対応)』。
ツイッター、ブログなどインターネット上に掲載される原子力等に関する
不正確な情報又は不適切な情報を常時モニタリングし、それに対して
速やかに正確な情報を提供し、又は正確な情報へ導くことで、原子力発電所の事故等に
対する風評被害を防止する

ことが目的の事業が立ちあげられたわけである。これを資源エネルギー庁は外部に委託。
期間は、委託契約締結日から平成24年3月30日まで。

実はこうした監視を資源エネルギー庁は2008年からやっていた。
ただし、監視の対象としていたのは、「朝日」や「読売」など全国紙や
「日刊工業」など専門紙、福井や青森、福島など原発立地県の地方紙など約30紙。
事業費は約1000万円から2300万円。
今年はそれらに加え、ツイッタ―、ブログなど、ネットの監視もすることになったのである。

さて、結果としてどこが、これを請け負うことになったか、というと、
たとえば、2010年度の例でいうと、『財団法人エネルギー総合工学研究所』。
ここがどんな会社か。これも赤旗によれば、
「理事長が東京電力元副社長の白土良一氏で、副理事長は元通商産業省環境立地局長の並木徹氏。
理事には、木村滋電気事業連合会副会長(東京電力取締役)や阪口正敏中部電力副社長
など電力業界幹部や、市川祐三日本鉄鋼連盟専務理事(元経済産業省大臣官房審議官)、
松井英生石油連盟専務理事(元経済産業省商務流通審議官)」


どこまでも、どこまで行っても、原子力発電をどうしても守り抜きたい者が
いるということ…。

ふ~。……

今日は、お金の問題中心に絞った記事になったけれど、
これはほんの一部。
私が、その大きさの前で打ちひしがれるのも、無理はない、でしょうか…。
誰にも収束法が見えていない。
誰も、全体図をつかんでいない。
誰も、責任を取ろうとするものがない…


そんななかで、こんな印象的な話をあるブログで読みました。
3月だったか、4月になっていたか…。
偶然辿り着いたブログ。探してみたけれど、もう見つけられなかった。

福島の、ある若い父親の話です。

幼い娘が保育園に通っている。
送迎バスが来る間、若い父親は、小さな娘を肩車してやっていた…

すると、保育園の先生だったかな。
「あら!…ちゃん!いいわねえ!お父さんに肩車してもらって!」と
明るい声が向けられた。
その声に悪意はない。だが、若い父親は、ひそかに心の中で思う。

「ああ、この先生さえ、わかってくれていない。自分が我が子を肩車しているのは、
送迎バスを待つ、このほんの少しの間でも、この子を放射能に汚染された
大地から遠ざけたいからなんだ、ということを!…」














『桜落葉の丘』

昨日は、広い武蔵野の、丘陵地帯の一つを
歩いてきました。

暑くも寒くもなく、絶好の散歩日和。
わずかに金色味を帯びた秋の陽に崖のススキが輝き。
曲がりくねって上っていく道には、松やくぬぎ、桜の林。
高台の住宅街には、金木犀の香りが満ちていました。

カメラをもって行かなかったので、散歩の記録はないけれど、
今日のスヴ二ール代わりに拾った落ち葉。
そして帰りに駅ビルの輸入食品のお店で買った、シードル。



2011_1009_104043-CIMG5442.jpg



桜の落ち葉は、フランスの古い小説本の間に挟んでおきましょう。
間もなく乾ききって、本の間で朽ち、いつか再びこの本を開いたとき、
はらはらとこぼれ落ちるだろうけれど、それでもいい。
ここに眠らせておきましょう。


2011_1009_105810-CIMG5448.jpg


『枯葉』と言えば、イヴ・モンタンやジュリエット・グレコでしょうが、
今日はこんな『枯葉』をおとどけしましょう。


http://youtu.be/fpuJo62_gLQ




……
ああ!やっぱり、『枯葉』はこれじゃないと、あたし、駄目…
プラシド・ドミンゴさん。ごめんなさいっ


http://youtu.be/kLlBOmDpn1s



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彼岸花さん

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『しだかれて十薬忿怒の息吐けり』

『南亭雑記』の南亭師から頂戴した句。このブログになんともぴったりな句と思い、使わせていただきます。
十薬とはどくだみのこと。どくだみは踏みしだかれると
鮮烈な香りを発します。その青い香りは、さながら虐げられた若者の体から発する忿怒と抗議のエネルギーのよう。
暑い季節には、この強い歌を入口に掲げて、私も一民衆としての想いを熱く語りましょう。

そして季節は秋。
一足早いけれども、同じく南亭師からいただいた、この冬の句も掲げておきましょう。

『埋火に理不尽を焼べどくだみ荘』

埋火(うずみび)は、寝る前に囲炉裏や火鉢の燠火に灰をかぶせて火が消えてしまわぬようにしておいた炭火などのこと。翌朝またこの小さな火を掻き立てて新たな炭をくべ、朝餉の支度にかかるのです…

ペシャワール会
http://www1a.biglobe.ne.jp/peshawar/pekai/signup.html
国境なき医師団
http://www.msf.or.jp/donate/?grid=header02
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