『時雨の土曜日に』

11月14日。土曜日早朝。
眠れぬままに床の中でラジオを聞いていると、パリが襲撃されたとのニュースが
耳に飛び込んできた…。
ああ…!またしても……

この日は、私の街で『戦争反対』の、集会が行われることになっていた。
駅前で街宣しつつ、署名集めもするという。
しかし、朝からあいにくの雨。
ニュースで重くなったこころを抱えて、それでも出かけていく。
今日は署名を集めることに注力したいと前々から思っていたから。
集める署名はこれだ。


2000万人 戦争法の廃止を求める統一署名


皆さんは、安倍自民党を支持する日本会議などの面々が、これとは全く反対の立場から、
『改憲を目指す』1000万人署名を集めているのをご存じでいらっしゃるだろうか。
彼らは政権を後ろ盾にして、金と力を持って、総力挙げて、この国に改憲ムードを
生みだそうとしている……。
こんなのご存知だろうか。
日本の至るところの神社に、このような幟旗が建てられているのを…
https://mobile.twitter.com/reborn52601577/status/574063586068205568

11月10日には、憲法改正を目指す市民団体「美しい日本の憲法をつくる国民の会」が
日本武道館で集会を開いた。主催者によると約1万1千人が参加。おそらく動員をかけられて
集まった人々であろう。
安倍晋三首相もビデオメッセージを寄せ、国民の会の共同代表を務めるジャーナリストの
桜井よしこ氏が挨拶した。
改憲派も、安倍氏が首相のうちに一気に改憲を、と必死である。
この国では、国家を挙げて、今の平和憲法を、時代錯誤な戦前回帰の自民党案に
変えようという露骨な動きが進行しているのである!しかもそれは、現行憲法の
『国民主権』の理念をかなぐり捨て、国家が国民の諸権利を『公』の名のもとにあらゆる点で
拘束するというおぞましい改憲案である!


今、黙っていては、私たちはこの今の憲法を失ってしまう!戦争法をあのような
憲法に違反するような手法で通してしまい、憲法を形骸化してもいいのか。
市議会議員やいくつもの市民グループ、九条の会などの人々が、次々に街宣車の上に立って
スピーチする中、私は、雨合羽を着て傘もさして署名を集めていた。
雨合羽は自分が濡れないようにするため。大きなビニール傘は、署名用紙が
濡れないようにするためだ。
人口数十万の大きな市である。駅前は雨にもかかわらず、そこそこの人出。
…しかし、さすがに雨の中、わざわざ立ち止まって署名に応じてくれる人は少ない…

『戦争法反対の署名を集めています!』

大きな声で道行く大勢の人々に呼びかけても、皆足早に通り過ぎていく…
そりゃそうだろうなあ…この雨だもの…
この日、二時間ほどで私が集めたのは、わずかに14名分。
いつも私、ビラ配りとか署名集めとか、妙なことがとても上手いだけれどなあ。
こういうことは気合いと真心なのである。来る人の目を見て訴えかけること…。

嬉しかったのは、その半数が、高校生くらいの若い人たちだったということだった。
男の子も女の子もいた。いずれもむこうから近寄ってきてくれた。
二人連れの男子高校生たちは、『戦争なんてことになったら行くのは多分僕らの世代ですもんね』
と言って、去るときには『がんばってください』と言ってくれた。

例のごとく、20代~40代くらいの男女が、一番反応が悪い。
署名は無論のこと、耳を貸すそぶりさえ見せず、足早に通り過ぎていく。
中高年の女性たちが、やはり一番、真剣な顔して応じてくれる…
中の数人は、『署名用紙、一枚ください。コピー取って、私も知り合いとかから
集めますから』と言って、用紙を持っていってくれた。

通り過ぎながら、『私は安倍政権に賛成だから』と言って行く人が結構いた。
『戦争法っていう言い方はレッテル貼りじゃないの』と言った人が二人。
一人の中年男性は、横目でちらっと見て取り過ぎたあと私の方に振り返ると、
薄笑いを浮かべて、『反日!』とひとこと言い、急ぎ足で去って行った…

面と向かって『反日!』などと言われたのは、生まれて初めてだ。
別にショックでもなんでもない。逆になんだか、可笑しくなってしまった…。
そんな言葉、彼自身、生まれて初めて使ったんじゃなかろうか、と。
なかなか他人に面と向かってそのようなことばを投げつける機会はないものだから。
…あのうす笑い。なんとまあ…。(悪いけれどとても醜い…)

雨はやまない……
とにかく署名を一人でも多く、と、私はそれだけ考えていた。

印象的だったのは、集会の終了時間ぎりぎりに立ち止まった女性。
『あたしは安部自民党しかないと思うから署名しない』と言いつつ、こちらの話を
聞いているうちに、だんだん考えが変わって来たらしく、しまいには今の政治に対する
批判を始めて、私より過激なことを言いだしたくらい…(笑)
私より二つ年下だという。同じ世代、というだけで通じる話もあって。
最後には、『またどこかでお会いするかもですね』と、笑って別れた。

ああ…これなんだよな、と思う。
皆が、くっきりと自分の考えを持っているわけでもないのだ。こころを開いて話し合えば、
それを機に政治をわが身にひきつけて考えるようになり、考えを変える人もたくさんいるのだろう…

政治というものは、自分の暮らしと密接に関係しているものだ。
今私たちが当然のこととして憲法で守られている諸権利は、政治が変われば、あっという間に
いとも容易に奪い去られてしまうものである…


自民党は、改憲の第一歩として、『国民があまり抵抗を感じない』であろう、『緊急事態条項』
を付け加えることからやって行こうとしているのは、皆さんもご存じでおいでだろう。

これは、我が国に外部からの武力攻撃が加えられたり、内乱による社会秩序の混乱、
地震等による大規模な自然災害その他の緊急事態が起きたときには、法律の定めるところ
により、国民の生命、身体及び財産を守るために行われる措置に関して発せられる
国その他公の機関の指示に従わなければならない
、という条文である。

ああ…東日本大震災のようなことがあったら…、また、仮にどこかの隣国が日本に
侵攻してきたら…そういう条文も必要かもなあ。
そう感じる国民は多いのじゃなかろうか。
だからこそ、安倍政権と日本会議などは、そこが手をつけやすいと考えて、この条項を
付け加えることから改憲を進めようとしているのである。
だが。
この、『内乱』という『等』が深刻な問題である。
『等』の中には、時の政権の恣意で、なんでも加え得るからである。
しかも、自民党改憲案では、緊急事態が宣言された場合には、法律の定めるところにより、
その宣言が効力を有する期間、衆議院は解散されないし、両議院の議員の任期及び
その選挙期日の特例を設けることができる、
という条項が、あとに続く。
つまり、時の政権が、緊急事態を宣言すれば、国会も動かなくなり、実質上『立法府』
の機能も行使されなくなるということなのである。
これはもう、『戒厳令』に近い。
戒厳(かいげん)とは、戦時において兵力をもって一地域あるいは全国を警備する場合に、
国民の権利を保障した法律の一部の効力を停止し、行政権・司法権の一部ないし全部を
軍隊の権力下に移行する
ことをいう。



この朝の、ISによるパリ襲撃のニュース・・・。
犠牲者の方々に心からのお悔やみを申しあげたい。
これらの人々は、何の罪もない一般市民たちである…。
ISの凶行は決して決して許されるものではない。彼等の人命軽視。
彼等は人間のこころも失ってしまっているのであろうか。

だが。国家としてのフランスに罪はないであろうか。

世界に充ち満ちた憎悪を想うと、本当にため息しか出ない……
これからフランスは無論、欧州の国々では、中東アフリカなどからの難民に、厳しい
目が向けられて行くようになるであろう。マリーヌ・ル・ペン女史率いる、極右政党国民戦線
などのようなものが、国民の不安や不満を吸い上げて、勢力を拡大していくであろう…
右傾化の流れは、日本だけのものではないのである。

これから安倍自民党は、こんどのフランスの悲劇を…大勢の人々の流した血を…
(そこには自爆したり射殺されたISの血も混じっている…)逆に利用さえして、
『こういったテロリズムに対処するためにこそ、緊急事態条項は絶対必要だ』という
論理をおそらく持ちだしてくることであろう。

フランスは、シリアへの空爆をまた行ったという…
報復が報復を生み、憎悪が憎悪を増幅させる…どこまでいってもきりがない……
今度のパリの悲劇は、これまでとはまた違った恐怖と不安を世界に与えたことに
なるであろう。
もう、どこにいても人々は、『ひょっとしたらここも…?』とおびえて暮らすことに
なってしまった…恐怖の新局面が開けてしまったのだ。

だが、考えてもみよう。パレスチナの人々は…シリアの人々は…レバノン、
アフガニスタン、イラクの人々は……
この殺戮が日常である国々が世界にはたくさんあるのである。
それらはこのように、大きくニュースで取り上げられることも少ない…

あるシリア出身UAE在住の女性アナウンサーのものというこんなことばがtwitterで
紹介されていた。
『敬愛するパリよ、貴女が目にした犯罪を悲しく思います。でもこのようなことは、
私たちのアラブ諸国では毎日起こっていることなのです。全世界が貴女の味方に
なってくれるのを、ただ羨ましく思います。』

人の命の重さや尊さは国によって、人種によって、宗教によって、その地位によって
健康を含めた力によって差別されるものではない。

この混乱してしまった世界は、一体どうやって、今の憎しみの連鎖から脱することが
できるのであろう?それは決して、武力や暴力によってはもたらされない……
日本国憲法は、もしかしたら、その、今の世界に100年も200年も進んだ、
優れて先見的な回答を、その理念のうちに含んでいるのではなかったかと私は思うのだが。
だが、その日本国憲法は、安倍政権という一内閣によって、今、地に引きずり
下ろされようとしている……

私は、この憲法を守るため、戦争法の廃止のため、 これからも街頭に立とうと思っている。


2000万人「戦争法の廃止を求める統一署名」に、ぜひ
ご協力ください

http://sogakari.com/?p=1095



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『キャンドル・ナイト 56』 


早いなあ。もう11月だ。
あと少しで今年も終わる……

56回目のキャンドル・ナイトだ。


本当にひどい政治がおこなわれているんだが、何事もないかのように世の中は
動いていく…


ふ~ぅ………

ためいきつきつつ、今夜も蝋燭だけはともそう。



2015_1111_212847-CIMG5548.jpg





これは、我が家の庭に咲いた菊の花たち。

裏の川べりで、桜の落ち葉を拾ってきて、菊といっしょに、小さなろうそくの足元を飾る…





2015_1111_204027-CIMG5523.jpg




キャンドル灯し終わった後は、花たちは小さな花器に挿してやる…

『清浄』とでもいうべき微かな菊の香が胸を打つ。










心ひとつに キャンドルナイト






南亭さんバナー②


葉っぱさん、れんげちゃん。NANTEIさん。
今月もバナーお借りします。




















『素敵なあなた』

浅田真央がグランプリ(GP)シリーズ第3戦となる中国杯で、一年のブランクを
ものともせず見事優勝。
たいしたものである。
しかも、久しぶりの試合だからと、技の構成面で妥協することなく、ショートプログラム
では、むしろ女子の最高難度と言われるようなプログラムにしてきた。
このチャレンジ精神…本当に頭が下がる…
どれほど強い意志を持っているのか…そう思ってしまう。
浅田真央のストイックさを私は愛する。


浅田真央が、ショートプログラムで選んだ曲『素敵なあなた』は、このブログで一度
取り上げたことがあるのだが、ご記憶の方いらっしゃるだろうか。
私は、この曲がそもそもとても好きなのだが、この曲を素材にして作った、あるヴィデオの遊び心に
すごく惹かれてしまい、ここで紹介したのだった。

真央ちゃんの復活を祝って、もう一度アップしてみようかな。
ぐだぐだしている自分に活を入れる意味でも。


まずは、元歌のイディッシュ語のヴァージョンを。
原曲は1933年のイディッシュのミュージカル。原題は、"Bei mir bist du schejn "。
意味は『私にとって、あなたは美しい』というような意味らしい。
作曲ショローム・セクンダ、作詞ヤコブ・ヤコブス。
イディッシュとは、東欧やドイツにおもに住んでいるアシュケナージ系ユダヤ人の言語のこと。
それを37年にサミー・カーンがアメリカに持ち込んで、以降ジャズの名曲として、
多くのアーテイストがカバーしている。邦題は『素敵なあなた』。

http://www.youtube.com/watch?v=ZUVEq6NC7mM

最初は今の時代からすれば、少しゆっくり過ぎる感じがするかもしれないが、
一分を経過した頃から、テンポの速い軽快な曲となる。



さて。私が紹介したかったのは、この、"Bei mir bist du schejn "を、Waldeckがアレンジした
ヴィデオ・クリップ。"Bei mir bist du schön."
."Waldeck は、90年代に活動を始めたオーストリアのグループで、20年代のタンゴ、30年代のジャズ
などを融合した、不思議な世界を作り出す。

紹介する映像は、Waldeckが、1920年、30年代などの古い映像を切り貼りして、
この曲にぴったりシンクロするように編集したもののようなのである。

ここで使われている20~30年代くらいのショーの演出が、とにかくとても気がきいていて、
楽しいのである。
使われている楽器も、演奏ぶりも、歌手もダンサーもみんな、とても古めかしいのだけれど、
凄くキュートでお洒落。
昔、こんな楽しいショーをやっていたんだなあ。
ベースの人とかダンサーたち、それぞれの動きをよくご覧ください。
ひとりで男と女の抱き合っているように見える衣装や、ベース弾きのパフォーマンスや
ひとりひとりの踊りや演奏姿が本当に楽しい。
それをこういう風にうまく現在の演奏にあてはめたのだとすると、感動的に凄い編集だ。

映像冒頭部の、レコードをプレスしているシーンなども貴重な映像ではなかろうか。
あの、レコード盤がこういうふうにプレスされて、それからスタジオで録音されるシーン
など、あまり見たことないでしょう?
映像の最後では、出来上がったレコードにWaldeck のラベルを貼るところなど
添えてあって、お茶目である。





30~50年代に活躍したアンドリューシスターズというグループも歌っている。
その歌もアップしておこう。
このビデオクリップも、『お熱いのがお好き』のジャック・レモンとか、
ルシル・ポールとかクリストファ・リーとか往年の怪優、迷花(!)が次々と出てきて
なかなか楽しい映像である。

http://www.youtube.com/watch?v=Xe2UXccid40


プロフィール

彼岸花さん

Author:彼岸花さん
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『しだかれて十薬忿怒の息吐けり』

『南亭雑記』の南亭師から頂戴した句。このブログになんともぴったりな句と思い、使わせていただきます。
十薬とはどくだみのこと。どくだみは踏みしだかれると
鮮烈な香りを発します。その青い香りは、さながら虐げられた若者の体から発する忿怒と抗議のエネルギーのよう。
暑い季節には、この強い歌を入口に掲げて、私も一民衆としての想いを熱く語りましょう。

そして季節は秋。
一足早いけれども、同じく南亭師からいただいた、この冬の句も掲げておきましょう。

『埋火に理不尽を焼べどくだみ荘』

埋火(うずみび)は、寝る前に囲炉裏や火鉢の燠火に灰をかぶせて火が消えてしまわぬようにしておいた炭火などのこと。翌朝またこの小さな火を掻き立てて新たな炭をくべ、朝餉の支度にかかるのです…

ペシャワール会
http://www1a.biglobe.ne.jp/peshawar/pekai/signup.html
国境なき医師団
http://www.msf.or.jp/donate/?grid=header02
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