『            』


日本で…世界で…

ひとの命がかくも軽く奪われてしまう。

私は今、『鳥越俊太郎氏を都知事に』の運動で毎日声をあげている・・・。

政治は何が出来るのか。
私ひとりに政治を変えられる力なんてない。

そう、深く思い沈みながら、それでも声を上げている…

世界で、いとも簡単に人が殺されていくことも、日本で起きた信じられないような個人の犯罪も…
でも、どこかできっとつながっている。

それは。政治と無関係でなどない。


社会を変えていくのは、私たちひとりひとりの意識である。
悪い方へ向かわせてしまうのも、いい方へ引き戻すのも、個々の人間の、
そのときどきの選択の総和なのである。


亡くなられた方々への深い悼みの想いを抱いて、これを記しておく…












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『とりごえ勝手連@・・・』


都知事選まであと6日。

ぐずぐず言ってても仕方ないので、とにかくできることはしようと、『鳥越氏を都知事に!』
の勝手連に参加して、ふたたびビラ配りなど毎日している…

今日は講演会のビラ配り。
ビラ配りの場所は、駅前の広場なのだが、そこには、いつもと違う光景が今、出現している…
例の『ポケモンGO』というものでしょうか?
それをやっているらしき若者たちが、駅前に何十人と集まって、でも互いに顔見知り、などと
言うのでもないらしく、ただ隣り合わせに座りこんで、スマホ画面を覗き込んでいるのである。
『トレーナー』さんっていうのかな?

ビラ配りしながら、みていると、歩いているトレーナー同士が、ぶつかったりしている。
画面に気を取られていて、前を見ないで歩くので、お互いにぶつかりあうのだ。
私も、一度、とん!と後ろからぶつかられた。
でも、私にぶつかったことにも、気がついていないみたいだった。
ぶつかられた私が、『あ!ごめんなさい!』なんて言ってたんだけれども><反応なく。

危ないよ。
大きな事故に遭わないように。 

選挙にも関心持っておくれ。








『国民投票とはどんなものか ① 露骨な情報操作の中で』


次から次にいろんなことが起こって、昨日のことがあっと言う間に遠い日のことの
ようになってしまう。
こうやって世の中のめまぐるしい動きに流されているうちに、着々と改憲の動きは
自公によって水面下で進められているのであろう。
続きを書かなくては。だがもう、参院選について語っても仕方あるまい。

どのような重大な事も、それがいったん決定してしまうと容易にそれを受け入れ、
そこで思考をストップさせてしまう性癖の強い日本人


…昔からそうだった…
もう、恐ろしいことに、改憲阻止勢力の敗退と共に、『国民投票』も『憲法改正』さえもが、
国民の間で規定の事実として認められ受け入れられつつあるようだ。

また後手後手にならないよう、憲法改訂のための国民投票についてしっかり書いていこう。
まずは、国民投票の道順を一応確認して知っておこう。


3.憲法改定までの道順

  
(1)憲法改正原案の発議(例:衆議院発議の場合)
  改訂提案議員
(複数名)が、衆議院なら100名以上の賛成議員の氏名
  (参議院なら、50名以上)を連ねて、
衆議院に改正原案を発議

(2)衆議院憲法審査会(委員数50名)による憲法改正原案の審議。
  ここで大事なことは、以下の下線のところです。
  この『委員』は、衆参それぞれの議席数に応じ各党に委員が配分される。 

(3)衆議院憲法審査会による憲法改正原案の議決。
  出席議員の過半数の賛成で可決。

(4)衆議院本会議(475名)における憲法改正原案の審議と議決。
  衆議院議員総数の3分の2(317名)以上の賛成で可決。

(5)参議院憲法審査会(委員数45名)に送られて審議される。
  ここで大事なことは、やはり、『参議院の議席数に応じ各党に委員が配分される。』
  ということです。

(6)参議院憲法審査会で採決。
  出席議員の過半数の賛成で可決。

(7)参議院本会議(242名)における憲法改正原案の審議と議決。
  参議院議員総数の3分の2(162名)以上の賛成で可決。

(8)これで、憲法改正案の発議はなされ、そのことが国民に告示される。


(9)発議から60日~180日の間に、国民投票が行われる。
 この国民の考慮期間の長さは、国会にて議決されて決められる。
 ここで大事なのは、最悪の場合、わずか60日で、国民投票に至る。その長さも、
 国会議員が決める。

 ということなのです。

(10)憲法改正案が、国民投票にかけられる。
 国民の有効投票数の2分の1以上で憲法改正案成立。





上記、(1)から(10)までの過程を、背景に色をつけてみた。
なぜ、こうしたか。
憲法改正に関する過程の(1)から(9)の途中までは、実に、国会議員が
これを行う、
ということである。国民が携われるのは、実に、(9)と(10)の
最終段階に過ぎない。



このことで何が言いたいか。
安倍首相は、改憲について尋ねられるたびに、少し鼻白んで、『だって、それは、国民の
皆さんが、最終的にお決めになることなんですよ』
と、言う。
総理の発言は、国民投票法の手順としては確かにそうだが、国民投票の理念としては、
その理解があまりにも傲慢だ、ということである。

私たちは今回の参院選で、おそらく国民のかなりの部分の人々が、この憲法の
改憲要件、『衆参それぞれの議員の3分の2』ということを知らぬまま、あるいは
それをよく知らされぬまま、投票行動を行った。
実際は、どんな改憲案が出てくるのかも、どの程度、国民がそれを十分に理解するまでの
公平かつ十分な議論や報道が行われるのか、ということは、その時になってみなければ
わからないのである。
この政府の
●『集団的自衛権行使容認の閣議決定』、●『国会での同じ答弁の繰り返しによる時間稼ぎ』
●『安保関連法制一項目あたりは平均すれば僅か11時間程度の審議時間にすぎない』
●『強行採決ともいえる強引な国会議決』●『秘密保護法、●TPP、などの審議の秘密主義』…
などの、過去の案件で示された
十分な審議してくれ!という国民の願いを無視した強引で傲慢な手法
を考えると、憲法改定というこの国のかたちまで変えてしまうような大事な議論が、
これから、安倍首相の息のかかった国会議員たちと、『偏向と忖度』ばかりの
報道の下、行われていくのか
と思うと、私は本当に心配でならないのである…

私は20日あまり前、こんな記事を書いた。
http://clusteramaryllis45.blog61.fc2.com/blog-entry-1876.html

『報道の自由』国民の知る権利』がいかに何物にもまして大事か、という記事だったのだが、
そこで私は、こういう意見を引用した。

 この表現の自由が保障されることによって、国民は自分の政治的な意見を持つことができ、
 自分たちの代表者である国会議員を選ぶことができます。
 逆に言うと、表現の自由が憲法違反の法律や行政処分で違憲状態にまで制限されると、
 国民の政治的意見が損なわれてしまい、国会議員の構成まで本来と違うメンバーが
 選ばれてしまう
ことになります。
 このような違憲状態で選ばれた国会議員は憲法違反の法律を改めようとは絶対にしないでしょう。
 なぜならそういう違憲な法律でこそ、自分は選ばれたんですから。』



ここでいう『表現の自由』を、『知る権利』という言葉に置き換えれば、私の危惧がよく
おわかりいただけるだろうか。
国民が憲法改定の国民投票に対する十分な情報もない中で選んだ国会議員たちによって
国民投票が発議され、審議され議決される。しかも、上記手順のところで注意喚起したように、
憲法審査会の委員は、衆参両院とも、それぞれの議席数に応じ各党に委員が配分される
多少の斟酌はされるであろうが、衆参両院とも改憲勢力の議員が3分の2を占める中で、
憲法審査会の委員が各党にその議席数に応じて配分されるのである。
識者など参考人も召喚されるであろうが、これもまた、改憲勢力の圧倒的主導によって
選任されることだろう。(2015年6月4日。衆院憲法審査会で、参考人として意見陳述した
長谷部恭男、小林節さんらの三人の憲法学者が、『安保法制は憲法違反』と明言した
例で懲りているので、今度は自公は自分らの改憲案に沿うバリバリの改憲論者を
選任してくるであろう…)
これでどうして、国会における憲法改正討議が、公正に公平に行われ得るだろう?

私は本当に嘆く。

憲法改正が政権の悲願でありながら、そのことが争点であるということを表に極力出さず、
参院選前と最中は、改憲について露骨に発言を封印した自公政権と、
それに露骨に加担したジャーナリズム。
そのような中で行われた国会議員選挙で選ばれた議員たちによって、これから
憲法改正の国民投票が発議され、主導されていくのだろうか、と。
本当は順序が逆なのである。
①憲法改定の意思を、政権が明確に国民に示す。
       ↓
②憲法改定に必要な衆参議員数の3分の2、ということの意味も、国民に周知させる。
       ↓ 
③その上で、衆参両院選を行う。

これでなければ。なぜならば、ここで選んだ国会議員たちによって、国民投票に至るまでの
すべての過程は行われるからである。その人々が、最初からある偏りを持って選出された
人々であるならば、どうしてその審議が公平公正に行われることがあろうか。

これに関しては、前の前の記事の報道ステーション、富川アナの
『国会での発議が行われる前に、さらに言うならば、その国会議員を選ぶ前に、
安倍政権が行おうとしている改憲の意志と意図を国民の前に明らかにし

改憲を問う国民投票というものの意味を十分に国民が周知せしめ
られた上で、今度の参院選は戦われるべきだったのではなかったか


という懸念は、あきらかに、憲法改正国民投票の本当の意味を理解している、といえる。


これに関しては、7月18日付朝日新聞、長谷部恭男、杉田敦による『考×論』記事の
杉田氏の言葉が、一番要点をわかりやすく伝えてくれているので引用しよう。

『安倍さんはいま、「政治の技術」を発揮し、しきりに国民投票があるんだから、最後に決めるのは国民だと強調していますね。しかし、レファレンダム(国民投票)と、プレビシット(人民投票)は違う。プレビシットは民意を聞くためではなく、為政者への人民の信任を求めるために行われる国民投票で、為政者が自らの権力維持を図る狙いで行われるものです。行政の長たる首相が主導する形で行われる国民投票はプレビシットの典型です。その腑(ふ)分けをきちんとしておく必要があります』

自公政権がこれから行おうとしている憲法改定のための国民投票は、
まずそれを発議する国会議員たちを選ぶのに国民が知っておくべき最低限の情報知識さえ
あらかじめきちんと与えられないまま選挙がおこなわれた。そしてそれによって選出された
国会議員たちによって、これからその原案が発議される。そしておそらく3分の2の威力を持って
極めて予定調和の国会審議が行われた後、正式に発議され、国民投票が行われるという、
まさにプレビシット的な国民投票になっていくであろう!

私が、国民投票を危ない手法だ、と考え続けてきたことの意味が、この杉田氏の言で
よくわかった…。
ヒットラーが、数度にわたる選挙と国民投票で、言わば民主的な方法によって、
あれほどの権力をわが手に集中させていった、あれがまさにこのプレビシットであったのだ。




ヒットラーの投票用紙


これ。なんだと思いになりますか?
1938年4月10日、オーストリアではヒトラー率いるドイツ第三帝国(ナチス・ドイツ)と、
オーストリアが合併するかどうかの国民投票が行われたが、その国民投票は実質ナチス・ドイツの
手によって行われたものだった。
これはその投票用紙だという。
ナチス・ドイツに統合されることに関して「はい(Ja)」と「いいえ(Nein)」の欄が圧倒的に
大きさが異なり、しかも、アドルフ・ヒトラーの名前が大きく書かれている。
マジですか?これは。悪い冗談としか思えないが?
ヒットラーの名のあとに?マークがついているように見えるが、誰かが強烈な皮肉として
作ったものか? 
この投票用紙の真贋は保留ということにしておくが、このくらい、その当事者の力関係も
歪な国民投票であった、ということは明らかに言えよう。
ちなみにこの国民投票で、97%が合併に賛成したと発表された。
関係記事こちら。http://clusteramaryllis45.blog61.fc2.com/blog-entry-1890.html


【追記】
出典があった!やはり本物らしい。
合邦を問う国民投票用紙。
「あなたは1938年3月13日に制定されたオーストリアとドイツ国の再統一に賛成し、
我々の指導者アドルフ・ヒトラーの党へ賛成の票を投ずるか」
』という文だそうだ。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%83%AB%E3%82%B9

マジっすか…!歴史でほんとにこんなことが…びっくりする。



思わず笑ってしまったが、笑いごっちゃない!
我々の国民投票は、おそらく、本当に短い、しかも不十分な議論の後,じきにやってくるであろう。
あれよあれよという間に。

国民投票という最後の砦で、私たちは果たして、
現行憲法を粗悪で低劣な憲法に変えることを阻止できるのであろうか。














『理不尽』


宇都宮健児さんが、都知事立候補を取り下げたという。
…理不尽だ。

この人こそ、都知事になってほしいと思っていたのに。

既存政党の支援などなくとも戦ってほしかった。が、革新陣営が二つに割れることを
考えて、自ら身をひかれたのだという。
そのお気持ちお察しすると、ほんとうになんともいえない気持ちになる。

鳥越俊太郎さんも個人的には好きな人ではある。だが…。
石田純一さん、古賀茂明さん。この二人も、大局?のために潔く身を引いた。

宇都宮さん…。都知事にしたかった……






『参院選に思う ①』


2016夏。参院選はかくの如く終わった。

もう終わったことをぐずぐず言うのは趣味ではない。今は何を言っても『負け犬の遠吠え』
になってしまうだろう。
だが、反省すべきことは反省し、言うべきことはやはり言っておかないと。
後々のために書いておく。


1.個人的反省


朝日新聞調査によると、投票にあたり選挙民が一番重視したことは、各年代を通じて、
やはり『景気・雇用』であり、大体30数%の人がこれを挙げている。
次に来るのが『社会保障』『子育て支援』で、この2つは合わせて30%以上ある。
問題の『憲法』となると、どの世代も10%台半ば、11~16%、というところ。
詳しくは、18,19歳は11%。20歳代は12%。30代11%、40代12%、50代15%、
60代16%、70歳以上15%。

ちなみに、『消費税』重視は4~11%、『外交・安全保障』は7~9%である。
これは、調査機関によって多少数値は違うかもしれないが、まあ大体こんなものだろう。


さて。7月5日付の高知新聞が、こんな記事を載せていた。タイトルをクリックすると
記事全文を読めます。一部引用。

              ***

『改憲への「3分の2」 高知で83%意味知らず』

■争点が見事に隠れる■
 今選挙注目の「3分の2」とは? 今回の参議院選挙は、憲法改正に前向きな勢力が
「3分の2」の議席を確保できるか否かが一大焦点となっている。結果いかんでは戦後政治、
人々の暮らしの大きな転換となる。が、この「3分の2」の意味や存在、有権者はどの程度
知っているのだろうか。高知新聞記者が2~4日に高知市内で100人に聞くと、
全く知らない人は5分の4に当たる83人、知る人17人という結果
が出た。
■高知市で100人調査■
Q1【「3分の2」という数字、さて何のことでしょう?】
 「1票の格差」的なこと?」(21歳女子大学生、帯屋町アーケード街で)
 「選挙に無関心な国民の割合?」(38歳自営業男性、中央公園で)
 「合区に腹が立ち今回は興味がない。憲法のこと? えっ、そんなことが。全然知らなかった」
  (香南市の74歳男性、ひろめ市場で)


              ***

調査数が少ないので、参考データ、というところにとどまるかもしれないが、それにしても
100人中83人が、『改憲勢力3分の2』の意味を知らなかったとは驚く。
高知は、昔から、自由民権運動の発祥の地、と言われるほど、政治には関心の高い土地柄、と
なんとなく思っていたのだが。

『知らなかったひと』への批判とかということではない。
自分は何をやっていたんだろう!という愕然とする想いである。
私も、もっと早くからこの改憲発議要件について書いておくべきだったし、これを広める
活動すべきだった!!!
いや、選挙前にもう一度書いておくつもりではいたのだ。だが書かなかった…

自分の過去記事を遡って行ってみると、経済関連の記事が多い。
それは。私の最大の懸念が自民党の改憲案の底に流れる思想の危険性についてであって、
そのことについてはもちろん、ずいぶん記事にしている。
だが一般の人の関心はそうではない。雇用・景気など、消費税増税延期が決まるまでは消費税、
という経済関連のことが多い。
だからこそ、それゆえに。そこのところをしっかり書こうと思ったからだ。

消費税というものが果たして唯一の財政収入増の道なのか、アベノミクスが本当に効果を
上げているのか…

苦手な経済問題を、私なりに一所懸命調べて書いていた…
だが、改憲のための国民投票の発議要件自体、については、なんと、一回しかまともに書いていない。
それもあまり詳しくなくだ。
この高知の例が、もしもおおよその日本の傾向を示すのだとすれば、国民投票そのもの
について、街頭などでももっと具体的にわかりやすく語るべきだった!


2.安倍政権の争点隠し


本当に安倍政権のやり口は狡猾だった。
選挙直前、選挙期間中は、改憲について、本当にピタリと
口を閉ざして語らず、開票速報で勝利が確定した途端に、
改憲の意欲を前面に押し出して語る。


これを『争点隠し』と言わずしてなんと呼ぶ。本当に卑怯なやり口である。
これについては、選挙後、ずいぶんジャーナリズムも取ってつけたように(!)取り上げて
いたので、もう詳しくは書かないが、一つだけ、誰もまだ言っているのを聞かないが、
安倍氏のこの問題についての談話の中で、私がすごく問題だ、と思う点について書いておこう。

それは。自公プラス改憲勢力の大幅勝利がおよそ確定した後の報道ステーションで
富川悠太アナの『憲法改正が国会で発議される前に民意を問う必要はないのか』
という質問に対しての安倍総理の答えのことである。

安倍総理:『国会での発議後に国民投票が行われるのだから、
発議前に民意を問うのはおかしい』


そう、総理は、富川アナの無知にあきれたように苦笑しながら答えている。
また、国民投票の危うさについての富川アナの問いかけに、総理は、
『国民投票自体を疑うということは、民主主義の基本を否定することだ』とも言って、
富川アナを諫めている。
この2人のやり取りについて、ネットなどでは、富川アナの無知ぶりをあざ笑う投稿ばかりが
流れているようだ。『国民投票前に民意を問う?はああ?何言ってんの、こいつ!』という類の。
また、誰も、このやり取りに隠れている、大事なことを指摘しない。

富川アナが、ほんとうに安倍総理に訊きたかったのは、
『国会での発議が行われる前に、さらに言うならば、その国会議員を選ぶ前に、
安倍政権が行おうとしている改憲の意志と意図を国民の前に明らかにし

改憲を問う国民投票というものの意味を十分に国民が周知せしめ
られた上で、今度の参院選は戦われるべきだったのではなかったか


ということであったろう。

ところが、富川アナの追及が不慣れであったがゆえに、富川アナの無知、ということで
片づけられてしまった…。
彼は、『今度の参院選で改憲勢力が3分の2を獲得すれば、改憲のための国民投票発議
の要件が整ってしまう。その重要な選挙の前に、政権が『改憲』について何も語らないで、
国民が十分に選挙の争点の認識をすることを妨げていていいのか

ということが訊きたかったのだ。

この質問にはとても肝心な要点が含まれていたのに、安倍総理の反応も、ネット市民の
反応も、富川アナの無知ぶりをあざ笑うことに終わってしまった…。
私は富川アナが無知でなどあるものか!と思う。
本質をついたとても大事な質問であったのに、それがはぐらかされ、問題がすり変えられた
ということだったと思う。

大事なことなので、あらためて記事にしよう…





『キャンドル・ナイト 64』


そうか。今日はキャンドル・ナイトの日だった…と、午後になって気づく。


選挙結果は予測していたことだけれども、それでも気は重い…

ほんと。
悲しいとも何とも言いようがない。

これから、どういう運動が可能なのだろう…


結局、私には、愚直に語り続けることしかないのだろうか、な……




そんな重い心で、それでも日々のことはしなければならないから、
買い物にいこうと、私道から大通りへ出る角まで、自転車押してとぼとぼ歩いていたら、

蜻蛉が一匹。落ちていた。


自転車にでもぶつかったか。
羽も綺麗で、どこにも傷などなさそうなのに、死んでいる…
気を失っているだけならばいいが、とそっと拾い上げ、様子を見たが、やはりダメなようだ。
このまま道の真ん中に置いておけば、車の出入りの多いところなので、踏みつぶされてしまう。
そっと掌にのせて家まで戻って、庭の葉陰に置いておいた。
もし、もしも気を失っているだけなら、私が買い物から帰ってくるころにはどこかへ
飛んでいっているだろう…



CIMG6563.jpg




やはりだめだった…。
なんというトンボかわからなかったので調べたら、コシアキトンボ、というのらしかった。
『腰空トンボ』。
全身黒いのに、腰の一部が白く空いているから。
この子は、オスらしい。

なんか。
いろいろ想って、涙が出てきた……
こんなに繊細で綺麗なのに。
いまにも羽を震わし、手足を動かしそうなのに。







夜。
キャンドルを灯す。


一つの命と出会った。
これも何かの縁だろう。

今夜のキャンドルは、この子の思い出に捧げよう…








CIMG6568.jpg




この子にぴったりの器があった・・・

今夜は怒らない。明日から怒ろう。








心ひとつに キャンドルナイト






南亭さんバナー②


葉っぱさん、れんげちゃん。NANTEIさん。
今月もバナーお借りします。
 









『参院選を前に』


運命の(と私は考えている)参院選がいよいよやってきます。

街は静かなものです…。
幹線道路に近いので、時折、ほんとに時折、候補者名を連呼する宣伝カーが
すごい勢いで通過していくのが聞こえるだけ。

一昨日、連れ合いの病院通いにつきあって、帰りもタクシーに乗って、
まあ、ひと時の雑談に、『この頃景気はどうですか』と、お決まりの質問をしましたら、
珍しく若い運転手さんは、
『全然よくなりませんね~』と一言。そして付け加えて、
『特に、参院選に入ってから、極端に客が減ってますね。大体街に人けがないですもん』

『へえ。それ、どういうことでしょうか』と問いましたが、
『さあ。なんでだかわかりませんね。とにかく人がいないんですよ』と。

私も理由を考えてみたけれど、わかりませんでした。
東京郊外のこの街だけの現象なのかも、と思いますが、気にはなります。
確かに妙に静かなんです…

焦点のはっきりしない、どこに入れていいやらどの政党もろくでもなさそうな、そんな
参院選の、でも選挙に関心は持たなくちゃ、というプレッシャーの中で、みんな息をひそめて
でもいるのでしょうか。




参院はあっても無駄だ、一院制にしちゃえ、という乱暴な議論をする人がいます。
とんでもないことです。
やはり参院はなければだめです。
でも、確かに今は、参院がその機能を十分に果たしているとは言えない。
なぜか。それは、今の日本の参院が、ただの『衆院の決定の追認機関』になり下がって
しまっているからです。
本来、参院は、もし、衆院が暴走した時にも、『良識』で持って、その暴れ馬の手綱を
ぐっと引き戻す役割があると思います。今の参院はその役割を果たしていない。

それじゃあ、もうそんな役に立たない議院に無駄に金使うのも腹立たしいから、参院なんて
廃止しちゃえ!という議論は、しかし、愚かです。
私たちは、参院が参院の役割を果たすよう、選挙で慎重に議員を選ばなくてはならない。


私は、参院は、ねじれ状態にあるか、ねじれすれすれのところで、野党議員数が
与党議員数に肉薄している、という状態がいいのではないかと思っています。
ただしこの場合の『野党』とは、与党の補完勢力は含みません。それらは『与党』側に
カウントします。

つまり、参院は、常に与野党伯仲して、議論が活発に行われた方がいい。
無論、衆院もそうです!それに越したことはない。
ただ、これは今の日本の政治状況に合わせて語っていますので。今の衆院の圧倒的
与党多数という状況の中で語っています。
衆参を『ねじれ』状態に追い込めれば一番いいのですが。
なぜ、『ねじれ』がいいことなんてあるものか!
それでは『決められない政治』が続いて、国政が停滞するじゃないか!?
そうですね…でも、逆に、『決められる政治』ほど怖いものはないです。



独裁者を望みますか?あるいはそのような手法の政権を?


という質問に、YES、と答える人は、まず少ないでしょう。
これは、いい独裁者ならいい、とかいう議論ではない。
一人の人間に権力が集まり過ぎることはよくないのです。
いい独裁、を続けていた政治家も、いつかは権力の座に固執して悪い独裁者に
変わっていってしまうかもしれない…。

個人というものに権力が集まる独裁も、特定の集団に権力が集中してしまう『独裁政権』も、
よくないということは、だれでも認めるでしょう。
ドイツナチスの歴史をちょっと見ればよくわかる。ヒットラーは、合法的に『独裁者』に
なって行きました。数度にわたる選挙や、国民投票で、徐々にすべての権力を自分の下に
集めていったのです。



それでは。日本では、今、どのようにしてこの政権の暴走を防いでいるでしょうか。
前にも何度も記事にしたことがありますが、もう一度書いておきます。

①憲法。
  第99条『天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、
  この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。
②三権分立。
③両院制。
④政権党内の良識派の存在。
⑤内閣法制局
⑥ジャーナリズム
⑦教育
⑧国民


福島第一原発は、『二重三重四重の防護をしてあるから、事故などあり得ない』
と言われてきて、それでもあの事故は起きてしまいました。
上に書いた、『時の政権が暴走しないための防護壁①~⑧』は、今、①から⑦まで
破られたも同然です。

いつの時代のどの政権がどうというのではない、いつの時代だって、こういうことが
起きてはまずいのです。
『最後の砦』たる国民の皆さん、政治を私たち国民の手に
しっかり握っておきましょう!


これが私の最後の訴えです。









『これでもアベノミクス支持する?③』



ああ!もう!時間がない・・・・・・

書いておきたいことはまだ山ほどあるのだけれど、
アベノミクスに関しては、この図ですべてが言いきれているように思う。


彼らは勿論嘘はついていない。
数値は正直だ。
『アベノミクスの好循環』も、本当なのだろう。

ただ、それが、この図を見れば一目瞭然な通り、『好循環』が、一部富裕層、…
いわゆる上位1%の人々の間で、ぐるぐる回っているということなのだろう

と思う。









jiminntounofutokoro.jpg





『これでもアベノミクス支持する? ②』


2.有効求人倍率24年ぶりに高水準 
  史上初めて47都道府県すべてで1倍超 


これ、ほんと?

ほんとです。
その意味では、アベノミクス効果は、数字上では現れて来ているように見えます。


下のグラフを見ても、有効求人倍率が最悪だった民主党政権時代の平成21年に比べれば、
有効求人倍率は上昇し続け、逆に失業率は低下し続けている。



完全失業率と有効求人倍率


しかし。です。きちんと見れば、民主党政権時代(平成21年~24年)から既にその傾向は
始まっていることが一目瞭然ではありませんか?
民主党政権の平成21年(2009年)が最悪で、それ以降は、アベノミクスなどなかった
(当然です。民主党政権だったのだから)民主党政権の頃から、失業率は下がり求人倍率は
上がるという傾向は始まっている
ということがこれですぐにわかります。

なんで、2009年が最悪だったか。
もう何度も何度もこのブログで言ってきたように、これは前年2008年に、リーマン・ショック
起きたからである。

日本だけのことでない、ということも何度も言ってきたが、ここで、先進諸外国の
失業率グラフをちょっと出してみる。

失業率の推移 主要国
こちらのサイトからお借りしました。http://www2.ttcn.ne.jp/~honkawa/3080.html



ちょっと見にくいが、ここで気づくのは、ここ10数年の日本の推移と、アメリカ、英国の
それがとても似ていることだ。いずれも、リーマン・ショックの翌年の2009年に、
失業率が急激に増えている。そしてそれ以降は、失業率が減っている。


わかりにくいなら、日米だけの比較をしてみよう。
9.11のあった2001年以降あたりからは、ほんとに連動している感じだ。
両国とも、リーマン・ショック翌年の2009に失業率が上がり、それ以降は減っている。

米国にアベノミクスはあるか?  …ない。

このことからわかるのは、最悪だったリーマン・ショック後のここ数年は、アベノミクスなどに
関係なく、日米とも、自然に景気が回復しているという…ただそれだけのことではないのだろうか?



失業率推移日米


さらに推論してみるならば、英国も含めた日米英のグラフが似ているということは、
これらの国が為替相場の影響を受けやすい、すなわち金融グローバリズムの影響に
左右されやすい経済構造をもっている、ということではないのだろうか?

すなわち、金融資本主義の側面が強く、実体経済の要因が弱い、という?
ドイツ・イタリア・オランダなどが全く別の動きをしているのを見ると、これらの国では、
失業率が増減する要因は、別のところにある、と考えていいのではないだろうか。
どちらがいいとか悪いとかいうことではなく。


安倍氏とその閣僚たちは、なにかと言うと『民主党時代』を引き合いに出し、『民主党政権時代
に比べてどうだこうだ』という言い方を、国会論戦でも今選挙戦でも盛んに言うが、
有効求人倍率は、失業率と逆のグラフの動きを取るので、

●『安倍政権になって有効求人倍率が上がった』、というよりは、
日米英に共通するリーマン・ショック後の自然な回復の動きということ
であって、それは民主党政権時代にすでに始まっていたのだ、

ということを、ここでしっかりと確認しておきたい。


さらに。
私には、いくら安倍さんなどに『景気はよくなっている』『良くなっている』と繰り返されても、
自分自身の暮らしにはどうもその実感がなく、また新聞などを読んでも、生活苦にあえぐ
若い子育て世代や要介護老人を抱えた世帯などの話がほんとに多いので、
『ほんとに、アベノミクスの効果は徐々に出て来て、そんなに有効求人倍率も上がり、
失業率は下がり、企業の倒産は減っているのか?』という疑いが消えないのである。


でも、ネットなどで見ても、『有効求人倍率24年ぶりに高水準』『失業率下がった』
というコピペばかり。
『おかしいなあ…、なんか単純に信じきれないなあ…』と思っていた。
ご存じのように、有効求人倍率は、
『(公共職業安定所で扱った月間有効求人数)÷(月間有効求職者)』
で出す。
つまり、念のために言っておくが、この『有効求人倍率』は厚労省が出す職業安定業務統計を
もとにして出されるのだが、この統計は、公共職業安定所(愛称:ハローワーク)を通じた
求人・求職情報を利用する。そのため、いわゆる求人情報誌等の求人情報は含まれない。 
また、中・高・大卒などの新規求人数も含まない。


さて。私の疑問というのは、この割り算だが、『分母が小さくなれば、求人倍率は上がるよなぁ…』
ということであった。求人数が全然増えていなくても、分母の求職者が減れば、割り算の『商』は
すなわち求人倍率は上がる。

そこで調べていたら、あった!


生産年齢人口と求人倍率


このグラフの『生産年齢人口』とはなんだろうか。
『生産年齢人口』とは、15~64歳の働ける人の数のこと。
日本では、1995年の8726万人をピークに少しずつ減少してきたが、2013年と2014年は
117万人も減少し、2015年も同じくらい減少する見通しにあるという。
2015年10月の段階ではそれが7701万人にまで減少している。2012年の労働力人口が
17万人の減少であったのに対して、なぜそんなに生産年齢人口がここにきて急減しているか。
それは、特に2012年からの数年間は団塊世代が65歳に達するようになって、
彼らが、この『生産年齢人口』にカウントされなくなっていくからである!

なるほど、それでなくても少子化が一方でどんどん進む中、団塊世代が去って行って、
働く人の数が激減しているわけだ。大変なことだ…

しかし。団塊世代が生産年齢人口にカウントされなくなって行っても、彼らが65歳後も
働ける間は働き続けたいと、求職する場合も多いだろう。
生産年齢人口の減少≒有効求職者の減少、とはならないな。

もっと探そう…
あった!


有効求人・有効求職
厚労省のサイトからお借りしました。http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000113155.html



これを見れば、平成15年から今年28年1月までの有効求人数、有効求職数、そして
有効求人倍率の変化がわかる。
それを見ると。
上記で、生産年齢人口が減った、と書いた。やはり少子化と団塊世代の退職の
影響はあって、分母となる有効求職者数(水色棒グラフ)は減っている!
一方分子となる有効求人数(青色棒グラフ)はどうか。こちらは増加している。職自体も増えているのだ。
分母が小さくなり、分子が大きくなれば、それはどうしたって有効求人倍率(折れ線グラフ)が
増加するわけだ!

ちなみに、ここでもまた、求職者が一番増え、求人数が逆に一番少なくなっている
最悪の時、というのは、やはりリーマン・ショック翌年の平成21年(2009年)であり、
そこからは、民主党政権時代、安倍政権時代を通じて、有効求人倍率は
改善されて行っている
のである!


どうでしょうか…。
このページの問題提起、『2.(アベノミクスで)有効求人倍率24年ぶりに高水準』
という、安倍政権の選挙用プロパガンダは、嘘は言っていないにしても、意図的に
リーマン・ショックのことは言わず、民主党政権時代とくらべいかにも
安倍政権になってから経済指標が好転したような印象操作をしている
ことは明らかではないでしょうか?




怖いのは、こんな単純なことを、当の民進党を含む
野党も反論せず、ジャーナリズムも追及せず、
『(安倍政権になって)有効求人倍率24年ぶりに高水準』
という、自民党の宣伝文句だけが独り歩きし、私たち国民
も、それを深く考えずなんとなく信じてしまうということなの
です。
 



と言って、有権者みんなが、こんなことをいちいちとても調べてはいられません。
ジャーナリズムの役割ではないでしょうか。
そのジャーナリストの怠慢とともに、『赤旗』をもつ共産党以外の野党の議員さんたちも、
もっと国民にわかりやすく説明する努力が足りないように思います。
決まりきった同じ文言の批判でなく、具体的な数字を示して、わかりやすく政治を語って欲しい。
残念ながら、宣伝力という点では、自民党の方が何枚も上手です。
















『これでもアベノミクス支持する?』


いよいよ参院選が近づいてきました。

どうやら、このままいけば、自公プラス改憲勢力で三分の二を取ってしまいそうです!
それがどんなに忌まわしいことか
、国民の皆さん、ほんとにわかってらっしゃるのかなあ?

経済回復なんかほんとはニの次。一番やりたいことは、祖父の叶えられなかった
憲法改定の夢を自分の任期中に叶えたい…

安倍総理の本心は、ひたすらそこだと思います。
でも、選挙前選挙中にそのことを言うと批判を食うから、ひたすらそのことには触れないで、
選挙に勝ったら、『国民の信任を得ました』と、改憲におそらく突き進む…

秘密保護法でも安保法制論議でも同じでした。 その安倍総理の、その手法を、
国民は許すのですか?

日本国憲法を自民党案のようなものに変えたいですか?最悪の草案ですよ。


それでも、アベノミクスはまあまあ成果を上げている。他にいい政党も
ないし、もう少しやらせてみよう?



そうなんでしょうか?
アベノミクスの成果は、ほんとにほんとなんでしょうか?
そこに何かのトリックというかごまかしはないのでしょうか?

参院選まで時間と競争で、ちょっと一つずつ検証してみようと思います。



1.アベノミクスで8年ぶりに正規雇用者26万人増加って、ほんと?


ほんとです。
下のグラフは、自民党の公式サイトから引用したものです。
2007年を起点にして、毎年の正規雇用者数を前年度に比べてみたのが下のグラフです。
確かに、2015年までは、正規雇用者数が前年度よりずっと減り続けているけれど
(自公がしつこくよく引き合いに出すように、民主党政権時代も減り続けている)
2015年にアベノミクス効果が現れたか、前年度より確かに26万人増えているようです。


正規雇用者8年ぶりに26万人増加。



しかしね。皆さん。
前の記事でも、権力者の言う甘い言葉にだまされるな、と言ったでしょう。
新聞やテレビの情報もあまり頼りにならない。
自分の頭で、『ほんとかな?』と、ぐっと考えてみることが必要なのです。


それでは、この、自民党のサイトが意図的に切り取って示したグラフを、もっと長い
時間軸で見てみましょう。それが下のグラフです。


正規雇用者と非正規雇用者


青い棒グラフが、正規雇用者の実数の増減を示します。
2007年からの動きを見てみましょう。
……確かに、2007年から、民主党政権時代の2008年~2012年も含め、
正規雇用者数は前年度より減り続けていて、2015年から増加に転じています。
自民党サイトは嘘を言っていない。安倍政権の自慢はほんとです!

でもね、皆さん。
よく棒グラフ見てください。
2015年に増えた増えたと自慢していますが、それは、2007年を起点に短いスパンで
見るからであって、こうやって1990年からの長い時間軸で見てみれば、アベノミクスの
3年間は、ピークごろの1997年の正規雇用者数に比べれば、はるかに少ないことがわかります。
ご自身の安倍第一次政権の2006年~2007年の頃よりも人数としては少ないのです!

これで『正規雇用者が増えた増えた』と、果たして胸をはれる成果と言えるのでしょうか。
『民主党政権の2011年なんかすごく低いじゃないか!』?
…よく見てください。グラフの下に、『2011年は、(東日本大震災があったので)岩手・宮城・
福島は除く』と、但し書きがあります。ご承知の通り、この年は、この3県はたいへんな状況下に
ありました。雇用の実態など把握できなかったのです。この3県の人数はこの中に入っていない。
棒グラフが低いのはその故です。

問題は、日本ではこのように非正規雇用者比率(折れ線グラフが示すもの)がずうっと
増え続けていることではないでしょうか。
『非正規比率も2015,16年は下がっている』と反論があるかもしれないけれども、
見てください。民主党政権の2008年から2012年までの方が非正規率は低いのです。

何も自民党に限りませんが、政治家は選挙前には美味しい数字ばかり出します。
そこのところを国民はよく見定めなければ。

このシリーズでは、こういうほんとにほんとなの?ということを、随時付け加えて
行きたいと思います。
まずは、ここまでを一旦アップします。




『英国のEU離脱とアベノミクス ④』

大きな出来事も、あっという間に人々の関心から逸れていき、
人の死も、またたく間に忘れ去られていくこの世界。

私が、この英国のEU離脱劇で訴えたかったことは、『英国のEU離脱とアベノミクス②』
で紹介した第一次世界大戦の映像に関する、あるかたへの私のコメントで、既に
ほぼ言ってある。


             ***



載せるべきかどうか迷いつつなお載せたのは、壮大な人類の愚かさを見て欲しかったからです。
名などない、ごくそこらにいるひとりひとりの『あなた』や『私』が、こうやって歴史を作って
いくのだということを実感として皆さんに掴んで欲しかった、という気持ちがあったからです。
例えば冒頭に近いシーンで、自ら率先して志願して、戦地に送られていく途中の
駅と思しき所で、ふざけて小躍りしている少年がいる。
まだ少年としか言いようのない若者たちの顔顔顔…。
そうして、そのひとりひとりの『生』が、いかに簡単におそらく奪われたかということ。

逆に言えば、ここに出てくるような政治家や有名人たちが、一人一人人格的に
優れて立派だったわけではないかもしれない。ごく普通の私たちと同じように、
時に迷い、時に逡巡した揚句に、大きな取り返しのつかぬ過ちを犯す『愚かで弱い存在』
でもあるということを知っていた方がいいのではないかと思いました。

そうしたひとりひとりの意思や決定の総和が『歴史』となるということ…
今、イギリスで起こっていることがそうです。
アメリカで今進行している選択もそうです。
今、日本で私たちがもうすぐ下そうとしている判断がそうです。
後になって(イギリスの場合、翌日には既に後悔している人がいる!)
『あの時、私たちはどうしてあのような選択をしたのだろう!』と後悔しても遅い。

今、ここに生きている自分、名もない市井の民である自分、
それが下すちっぽけな判断など、何も世界の大勢とは関係ない…そう思って
ごく気軽に下す判断が…、あるいは無作為、あるいは無行動が…、
どのような重大な結果をもたらすか、ということに、私たちは普通、あまりにも鈍感だ。



              ***



正直言って、私は、英国の将来については、そう心配などしていない。
痩せても枯れてもあの『英国』だ。
良くも悪くも彼らは、世界でどう生き抜いていくかを知りつくしていると思う。
このまま離脱に向かっても、また交渉の過程で再び考えなおす機会がありEUに
残留するようなことが起きようとも、彼らはただ大人しく世界の表舞台から引っ込みなど
絶対にしない。何かはわからないが、逆に何かを得て、相変わらず、世界の中心国の
一つであり続けるだろう、と思う。
英国はしたたかだ。

この英国の離脱劇に関連していろいろ読んでいく中に、『イギリスの罪』という視点から
今回の問題を論じている者がわずかながら見られた。
私が、この英国のEU離脱を、『移民問題』に限って論じてみたのは、それが国民投票に
臨む際に、英国の一般庶民にとって一番生活感覚に直結した問題でおそらくあり、その故に、
『離脱』を目論むリーダーたちにとっては、一番争点として『煽りやすい』問題であったろうこと、
その点に注目したからである。
『移民が急増することによって、職が奪われたり、社会保障費の負担が増えたり、
病院・学校・交通などあらゆる生活サービスの質が低下したりする』ということの他に、
シリアなどからの難民も流入してそこにはテロリストも混じって入ってくるだろうという
テロリズムへの恐怖。それも、離脱派のリーダーたちは煽った。
現に、離脱派の急先鋒である英独立党(UKIP)が発表した広報用ポスターは、
中東からとみられる難民が行列をつくる様子の写真に「(移民受け入れは)限界点に達した」
との標語を掲げ、離脱を訴えている。
EUにとどまれば、トルコなどを通じて難民が何百万人も押し寄せ、経済や治安が脅かされる
という、根拠の大雑把な宣伝文句と共に、国民の排外主義と移民・難民への憎悪を煽るための
イメージ操作を含んでいた。
このポスターは、『差別的』『ナチスの宣伝のようだ』との反発と批判を多くの人々に、
離脱派の人々にさえ引き起こした。 


ポスター離脱派



現に、この国民投票に絡んで、両派の感情的分断は高まっていき、シリア支援や
女性の権利擁護に取り組んでいた、人権派の超党派議員団のひとりだったジョー・コックスが
英・米のネオ・ナチ団体に影響を受けていたらしい男性に射殺されるという悲劇も起きた。

ご存じのように、離脱を煽ったリーダーたちのその後の行動は、卑怯そのものであった。
EUへの拠出金について、離脱派の主張ではEUには週3億5000万ポンド(約480億円)の拠出金を
支払っており離脱すればそれを丸ごと国営医療制度に充てられるというような印象を流していたのに、
離脱決定後、離脱派のリーダーは『そんなことは言っていない。かなりの額を国営医療制度に
充てられると言ったまでだ』と主張。メディアもそのことに気づいていたのなら、早く指摘すれば
いいじゃないかと、開き直った。
メディアの怠慢も確かにそうだが、だが現実には離脱派は、バスの車体にまでこの美味しい
うたい文句を掲げていたのであり、その宣伝に影響された市民もおそらく多かったのである!

そもそも、離脱することを声高く叫びはするが、EU離脱後どうするのかというところまで
計画を立てている離脱派のリーダーがいたのかどうか。
離脱は、EU加盟国27カ国のうち20カ国以上が賛成すれば、という条件つき。しかもその
賛成国がEU全体の65%以上の人口があることという条件があり、これらを2年以内に
クリアしなければならない。また離脱がかなったとしても、英国を待ち受けているのは、
失った経済・人的移動を含めた交流の自由権を取り戻すための各国との厳しい交渉である。

英国民が驚いたのは、離脱派の最大のリーダーとして人気を博し、辞任するキャメロンに
代わって首相になるであろうと思われていたボリス・ジョンソン下院議員が、キャメロン首相の
後任を選ぶ与党、保守党の党首選の立候補受け付けの締め切りの30日正午直前に
なんと突然、出馬断念を表明したことである。
ジョンソン氏自身は、離脱派の盟友であったゴーブ氏の立候補表明に伴い、『議会の状況を
考えると、私が首相になることはありえない』と発言。自ら党首選から『勇退』するような
印象を与えたかったようだが、何のことはない。おそらく実際に離脱、ということになってみると、
国を率いてこれから離脱交渉をして行くことの大変さに気付き、どっち道泥をかぶることになる
次期首相の椅子が、自分にとって魅力的でないと判断しただけのことだろう、と
私は思っている。
上記ポスターの前で演説している離脱派のもう一人の中心人物、UKIPのファラージ党首も
党首の座から自ら下りた。

なんという無責任!
無責任ということでは、キャメロンの無責任がその最たるものだろう。
自分の政権維持のために、言わば単なる政権闘争のために、国民投票という危険な手法
を採用して国民を分断し、負けが決まるとさっさと退陣表明。
これも、自らまいた種から生まれた国論と国の行方を劇的に左右する離脱劇の顛末を
責任を持って見届けようとはしないで、つまり、自らは泥をかぶることなく、後任首相に
超難しい仕事を押し付けて、自らは戦線から体よく逃げ出してしまった!
そもそもキャメロン首相は、パナマ文書の公開で、亡父の イアン・キャメロン氏がオフショアに
設立した法人から利益を得たことを認め、また、過去にサマンサ夫人と共同で
パナマ文書で名前が挙がったブレアモア・インベストメント・トラストに投資口を保有
していたことを明らかにしている。
首相に就任する数ヶ月前にはこれを売却したとはいうが、国民には厳しい緊縮財政政策で
負担を強いておきながら、自らと身内は、そうやって過去に税逃れをしていた、ということへの
国民の怒りは、今回の国民投票の結果にも必ず影響は与えているはずである。
キャメロンが嫌いだから、離脱に一票投じた、という人も多かったであろう。


…こうやって、英国のEU離脱・残留をかけた国民投票という、世界に衝撃を与えた、
そしてこれからも大きな経済上、そしておそらくは防衛上も、の影響と混乱を引き起こしかねない
一大イベントの双方の立役者たちは、無責任にもさっさとこうやって自らこの大混乱の
泥をかぶることなく引っ込んでしまった…!

英国民が今回『離脱』に舵を切ることを選んだのは、キャメロンらエリート政治家たちの
無策への不満ということが、国民が今回の国民投票にその憤懣をぶつける一因となった
ということが無論あったろう。
現実に、見よ。この国民投票劇の責任者たちの責任の取り方を。
こういう無責任な人々に引きずられて英国民は国を二分するような選択に追い込まれて
しまったのである…


何度も言うように、押し寄せる移民・難民への反発や恐怖、といった『排外感情』の
側面が大きかったということは否めないだろうと思う。
だが。
そもそも、シリア難民など、中東地域、またアフリカもそうだが、この地域の政情不安や
どうしようもない分断、そしてISの台頭などテロリズムの温床を育ててしまった遠因は
どこにあったか、ということも考えてみよう。
それは、英国を含めた欧州先進国の身勝手な拡張主義とそれらの膨大な地域の植民地化
ということに端を発していると言わねばならない。

今度の、日本人の7名の方が命を失ってしまったバングラデシュ、ダッカでのテロリズム。
犠牲となったかたがたとそのご家族には、ほんとになんと言っていいか言葉もない…

だが、そのバングラデシュも、言ってみれば、旧大英帝国の植民地政策の影響を
大きく受けた国である。
15世紀末にはヨーロッパの貿易商人がこの地を訪れるようになり、18世紀末にイギリスの
東インド会社により植民地化された。イギリスは支配をベンガルからインド全域に拡大。
(『ベンガル地方』とは、ガンジス川とブラマプトラ川の下流にあるデルタ一帯のことで、
インドの西ベンガル州とバングラデシュ(旧東パキスタン)に分断されている。)
やがて、インドの他地域同様、バングラデシュでも1820年代ごろから民族運動が
盛んになっていく。これを食い止めるため、イギリスはベンガルのインド人勢力の分断を意図し、
1905年に『ベンガル分割令』を発布し、ベンガルをヒンドゥー教徒中心の西ベンガルと
イスラム教徒中心の東ベンガルとに分割したのである。
このベンガル分割令自体は、6年後の1911年には撤回されるが、このイギリスの自国の
植民地支配を容易にするための介入が、ヒンドゥー教徒とムスリムの分断を生む。
英領インドは1947年に独立を達成したものの、宗教上の問題から、ヒンドゥー教地域はインド、
イスラム教地域はインドを挟んで東西に分かれたパキスタンとして分離独立することになったことは
少し年配の皆さんならご存じの通り。現在のバングラデシュ地域は東パキスタンとなった。
さらに、1971年、バングラデシュ独立戦争が起こる。西側パキスタンと対立していたインドは
東側パキスタンの独立を支持し、また第三次印パ戦争がインドの勝利で終わった結果、
バングラデシュの独立が確定したことも皆さんご存じでおいでだろう。
今回、テロの犯人たちは、店の客にムスリムかどうかを確認して回り、コーランの一節を
唱えさせて、出来た者は解放したという。すなわち、彼らはムスリムかヒンドゥー教徒かで
生死を決めていったのである。日本人の方々は、『ムスリム以外の者』とみなされて
彼らの手にかかってしまった……!

バングラデシュの宗教対立がイギリスのせいばかりとは言えない。大英帝国の植民地化
以前にも小競り合いはあったのであろう。だが、世界をこうやって植民地化していくと同時に、
支配の便宜のために、その土地の人々の宗教も言語も暮らしの実態も無視して、勝手に
その地の分断をして行ったかつての大英帝国、そしてフランス、オランダ、ベルギー、ポルトガル、
スペイン、ドイツなど今のEUの大国、そして旧ロシア(ソ連)などの罪は測り知れないのである。
そしてアメリカ!アメリカの罪!


イギリスの人々が恐れ忌避したシリアなどからの難民の流入とテロリストの潜入。
その遠因の一端は、イギリス自身の過去の行いにある…
また、東欧など貧しい国々からの新たな移民が大々的に流入してくるのを嫌った『離脱派』
の人々の中には、自分たち自身がこうしたかつての大英帝国の植民地にルーツを持つ
自らも移民ニ世三世また、イギリス人やその他のEU圏の人々との混血である、といった人々も
いたという…
彼らの心理は、『自分たちまではいい。もうイギリスに同化して、税金のような
経済面でも文化面でもそれなりに貢献しているのだから。常識の範囲内での新たな移民も
許せる。だけど、貧しい東欧地域などからのあまり多すぎる移民はお断り。まして
テロリストが潜んでいるかもしれないシリアなどからの難民は断然断る。』というものでは
なかったろうか。

少し話は脱線するが、イギリス、フランスなど、これらかつて世界の国々を植民地化していった
国々の悪辣は容認できないとしても、旧植民地地域が次々に独立を果たしていったあとは、
旧植民地からの人々の移民受け入れを、積極的に行ったこと、そしてそれなりに同化・融和
に努力してきたことは評価できると思うのだ。差別はまだまだ残っているにしても。
ひるがえって日本はどうか。
朝鮮半島・台湾などを事実上併合し、中国大陸にその野望を広げていった旧大日本帝国は、
戦争が終わった途端に、朝鮮半島の人々を、もう自国の民とは認めずにその権利をはく奪した。
同じく戦った朝鮮人兵士に軍人恩給も遺族年金も与えず、残留した人々にそれ以降何十年も、
差別を続けて来ている…。いまだに『ヘイト』活動は半ば公然と行われているのだ。




話を元に戻そう。

国家、というものが引き起こす大きな決断は、それはたいていの場合、一般の庶民とは
関係のない上の方で企図され、その悪影響を最も受けるのは下の方にいる庶民である。
そこには大きな利益が絡み、国民もまたその利益を享受しようと、国の決断を
むしろ歓迎し積極的に協賛していくことも多いだろう。
国を引っ張っていくリーダーたちが、必ずしも賢いとは限らない。
ほんとうに国の実情を憂い国民のために働こうと純粋にしている高潔な政治家も
中にはいるだろうが、そういう人士ばかりとは限らない。
単に自分の名誉と野望を実現・持続させるために政治家を志しその地位に
固執する者も多いであろう。
その全部とは無論云わないが、その一部は、おそらく、無責任でもある。
キャメロンやボリス・ジョンソンの身の振る舞いかたを見れば、その無責任は明らかだ。
言いだしっぺが責任を最後まで取らないで、誰にいったい責任を取れというのか!

そんな中、そうした国家のような大きなものがともすればもたらす、大きな分断や排斥を
なくそうと努力していた、一人の女性議員の命が消えた……

また。英国のEU離脱決定に世界が眉をひそめ、世界のメディアがそれに関する報道一色に
なっていた時に、ダッカの悲劇は起こり、またイラクで大きな自爆テロが続いて起こって、
罪もない人々が命を奪われた…

世界はもっともっとさらに混とんとしている。
しかも一つの出来事は、世界の、過去のことも含む他の出来事と連動している……

そうした混とんの中で、命を奪われるのは、多くは大きな国家の政治などとは
ほとんど縁もない罪もない一般の人々であり子供たちであり、
また、そうした国家同士や民族対立などによる悲劇を何とか回避しよう、争いの
遠因となる貧困や格差を少しでもなくそう、人々の暮らしを改善しようと努力していた
善意の団体の人々または個人であったりする……
なぜ、世界を少しでも良くしていこうと努力していた人々が暴力の犠牲になって
しまうのだろう…そのことがとても悲しい。
そうしてまた、そういう事件が起きることによって、その実行犯を憎む気持が、さらには
関係ないムスリムの人々を排斥する心情となっていったりしてさらに分断を生む…。
今回のダッカの事件も、そうかどうかそういうことにならないで欲しい。
バングラデシュの人々は、一緒に悲しんでくれている。


             ***


英国はなんとかやっていくだろうと思う。
それについてそう心配はしない。イングランドの人々ひとりひとりが決めることだ。

EUについての想いは、実は、私の中で揺れがある。
この記事の冒頭で書いたように、EUという構想自体は、第一次、第二次の世界大戦の
死者それぞれ、3,700万人、5000~8000万人とも言われる大きな悲劇への反省から、
二度と同じような戦争の悲惨を経験したくない、未来の人々にもさせたくないという願いの
中から生まれてきたものである。ドイツ・フランス両国間のアルザス・ロレーヌ地方が象徴
しているように、国家と国家の紛争や戦争は、資源をめぐる経済問題などから古来多く
起きてきた。また、宗教や人種問題、国家感情などで起きることもある。
そうしたことを少しでもなくするために、欧州という地を大きく一つの地域としてまとめよう。
経済も共通の利益を協力して追及することによって、国家間の争いを防ぎ、また貧富の差を
長いスパンで解消もして行って、欧州が共に発展していこう、とする壮大な人類的実験で
あったのである。国境も取り払って、人や経済の流れを自由にした。通貨も(原則)一つにした。

一つには、第二次世界大戦後のソ連を中心とした共産主義圏とアメリカとの冷戦構造の
激化予測の間にあって、欧州が一つにまとまり、揺るがぬ立場を維持していこうという
安全保障上の意味合いもあった。

この壮大な実験が成功しているか、といえば、残念ながら・・・問題は山積だ。

ご存じのように、EU離脱を試みる国や勢力はイギリスだけではなく、ギリシャ、デンマーク、
フランスのル・ペン党首率る『国民戦線』など、たくさんある。
なぜ、EU離脱したい国が次々と出てきそうで、それを抑えるのが大変なのか。
EUという機構そのものが壮大な無駄をしているとか(瑣末な規則や議論など)、
徹底した緊縮財政政策で、もともと強い国には富や権力が集まるが、ギリシャなど
疲弊した国々は立ち上がるすべがなく、EU内での貧富の差が拡大していっているとか、
EUも、金融グローバリズムと新自由主義に侵されていて、さまざまな決定は、そうした
巨大多国籍企業や一部富裕層の強烈なロビー活動に左右され、富のますますの
一極集中と貧困層の拡大という事情は、アメリカなど世界が抱える問題と何ら変わらない、
とか、ウクライナ問題などEU内、または周辺地域での大きな問題の解決に及び腰で
非力であるとか、…いろいろ数限りなく批判はある!

EU自身が、自らの機構・制度が抱える根本的問題点や矛盾を改革していこうと
大きく舵を切らない限り、いつかはEU解体、ということも起こるのかもしれない…

そうすると。世界はどうなっていくのであろう…
再び、欧州は国家と国家に分解していき、またそれらが互いに利益を争う状態に
戻るのであろうか。
アメリカはご存じのように、『世界の警察』と自負するほどの一時ほどの力はもたない。
一方、ロシアや中国はそれぞれに大きな世界戦略をもってその存在感を増している。
アメリカが日本・韓国・オーストラリア、フィリピンなどと軍事・経済同盟を強化していく
その一方で、対抗勢力としてロシアと中国が手を組むこともありうる。
小さな国々は、身を守るために、仕方なしそれら両陣営に与していくことになるかもしれない…
また、これらの動きとまったく別個に、イスラム過激派のテロ行為は止むことなく
世界に拡散していき、恐怖と憎悪と、さらなる排外主義や人種差別を拡大していくだろう。

この同じ地球上に住む人類としての大きな融和や協調、の理想や理念は大きく後退し、
共にこの地球が抱える大きな問題…激しい気候変動や汚染の問題の解決などは
脇に追いやられ、
逆に、人間というものが根っこにどうしようもなく持っている『飽くなき欲望』が、野放しに
解き放たれて、この世界は、また混迷の度合いを深めていくのだろうか…。


                 ***


私は、今度の英国の離脱劇で、何を自分がそう悲しんでいるのか、自分でも実は
よくわからないのである。
イギリスのために悲しんでいるのとは違う。
EUがこれをきっかけにもしも分解していくならば、それはとても悲しいのだが、でも
そのことだけではないようにも思う。
それでは何がそんなに悲しいか、というと、人類のなすことの先の見えなさ…、とでも言おうか、
人間の愚かさの方が、時に人間の叡智よりも勝ってしまうことへの悲しみと言おうか…
一般大衆が、ともすれば、理性よりも、耳触りがよく甘い煽動に乗せられやすいということへの、
嘆きも正直言ってある…。
本当のことを口にする政治家はともすれば敬遠される。本当のこと、は苦いからである。

そう。…私は、『理想』というものが『現実』というものの前で、かくももろいのか!
ということを見続けていることが、何よりかより悲しいのかもしれない…



今度のことで、私たちも学べることがあるとすればそれはなにか。
一つにはそれは、AかBか、白か黒か、という二分法的思考で物事を語り、物事を決定して
いくことの危険さである。
国民投票などというものは、その最たるものであろう。
ヒットラーの再三の国民投票の利用に見るごとく、国民投票というものは、その時々の
為政者の、権力掌握の手段に使われかねない。

第二には、英国のEU残留・離脱を問う国民投票、という一つの問題で、あれほどまでに
世界の市場に激震が走る、そのような構造の危うさである。これはEUもどこも同じなのだが、
とりわけ『アベノミクス』は、異次元金融緩和で円安をつくり、海外から投機マネーを呼び込んで、
株価をつり上げる、投機マネー頼みの円安・株高政策である。
だから、世界情勢に敏感に反応して為替レートや株価が乱高下する。
日本経済は、投機マネーの動きにきわめて弱い経済なのである。
もう何度もグラフを載せて、世界の大きな出来事と日本の経済の連動を、ここで
示してきたけれど、実際、アベノミクスは世界経済の不安定要因に対応など
出来ていないのではないか。
いい加減、『アベノミクス』という神話にみんな、見切りをつけたらどうだろう。

さらにもう一つ。
もう一度繰り返す。
今回の英国の国民投票に際して、『自分のようなちっぽけな存在の一票が、まさか
このような世界的動揺を引き起こすことになろうとは思ってもみなかった』と
しょんぼりしていた一人の英国民の話を紹介した。
『どうせ残留派が勝つだろうから、それなら自分は、と、離脱派に入れた』という人の話も
どこかで読んだ。
この国民投票劇から、ぜひ、皆さんに学んで欲しいこと。
それは、『一票の怖さ』である。『一票の力』と言ってもいい。
どうせ自分の一票などなんになるものか、などと思わないで欲しい。
参院選まであと5日。



               ***


『まとめ』と銘打ちつつ、どこまでも取りとめもなく論点が広がっていってしまった…
自分の本当に伝えたいことが書ききれていない歯がゆさというものだけが残る…

仕方ない。個々の書き足りない問題は、また別の記事としてそれぞれに書いていこう。


              



 



続きを読む

『英国のEU離脱とアベノミクス ③』


3.EUからの移民問題とは

離脱派への批判的視点から、前の2つの記事は書いてきたが、今度は少し
逆の側から見てみよう。離脱派の掲げる離脱の理由は幾つもあろうが、ここではとりあえず
その中でも大きな理由となったであろう移民の問題を取り上げる。


それでは、ここで、離脱派が唱える、移民による被害、というものを列挙してみようか。

①移民とりわけ東欧からの移民が、安い賃金で働くため、賃金・労働条件両面の
 低下を招き
その上彼らによって英国民の仕事が奪われている。
②彼らに英国民と同程度の医療・教育などの高福祉を提供するために、
 英国民の税負担が増えている。

③移民が増えすぎたために英国民にも深刻な住宅不足が生じ、それとともに
 住宅価格、賃貸価格などが高騰するという迷惑も被っている。
移民が増えすぎたために、病院で待ち時間が増えたり診療時間や入院期間が
 カットされたり病院の食事の質が落ちたり、地下鉄が混んだり、とにかく、
 諸々のサービスの質が低下した


これは、今、ネットで盛んに拡散されている、海外経験豊富なある女性の実際の
イギリス生活経験談による、移民被害の例である。
彼女の主張自体は、移民への偏見に少し傾いているように私には思えるので、
敢えてサイト名は書かないが、それでも実際こういうことは起きているのだろうなと思う。
彼女だけが言っていることではないので。
そのいくつかについて、私の考えたことを書いていってみたい。


移民が英国民の職を奪う。
世界が、英国の国民投票の結果が出るのをかたずをのんで見守っていた6月24日
日本時間でお昼頃だったかな。私もテレビを見ていた。ある民放局である。
お昼の支度をしていて台所と居間をちょこちょこ行ったり来たりしていたので
記憶違い聞きちがいがあるかもしれないが、離脱派のレポートとしてロンドンの北にある
ある小さな町のことをやっていたのである。
その町は、人口およそ4万人ほど。そのうち1万人が実にルーマニアなどからの移民で
あるという。4人に一人が移民…これは多い。
さて。その町の一人の英国人女性がある農園でパートタイムの仕事に就こうとした。
だが、面接で、彼女は、『あなたは英国人ですか?』と訊ねられた。
そうだ、と答えると、『では、不採用!』と言われたという。

なぜ、英国人だと断られたのか。
英国人だとパートタイム賃金が高くなるからである。ルーマニア人を雇えば、およそ
時給5~600円で長時間働いてくれる。英国人の最低パートタイム賃金は1,000円。

そりゃ、農園主としては移民を雇った方が人件費が削減できる。

ルーマニアの移民たちは、本国に帰れば、平均月収4~6万円、月数千円で
暮らしている者さえいるという。
だから、夫婦2人でイギリスに来て、いっしょけんめい働いてつつましく暮らして貯金していけば
貯めたお金でルーマニアに豪邸が建てられるのだという。実際その豪邸の映像もあった。
ああ…これでは誰でも、イギリスに移民したくなるだろう。どんどん流入してくるわけだ。

…『ああ…ここに、離脱を唱える人々の憤懣はあるのだろうなあ…』と、私も思った。
その怒りはとてもよくわかる。



税負担の問題
しかもイギリスは、高福祉の国である。公的機関例えば病院や学校の費用は無料。
それは移民に対しても同じ扱いである。EU域内からの移民ならビザもいらない。
しかし、その高福祉のシステムを、高分担で支えているのは英国民だ。
『なんであたしたちが移民の分まで負担しなきゃならないのよ。しかも仕事まで
奪われてさ!』と、英国人が怒るのももっともだ。

上記のルーマニアからの移民の例で、私が疑問に思うのは、彼らの税金はどうなって
いるのだろう、ということであった。
移民は移動が激しいというから、労働状況の把握が出来にくく、ひょっとして彼らは多く
税逃れをしているのであろうか?

それならば、イギリスの人々が、『なんで俺たちがあいつらのために高い税金払わなければならない!』
と怒るのも無理はない。
だが、もし、移民からの税徴収もきちんと行われているのであるとすれば、彼らは
イギリスに、労働力と税金ということで貢献しているということになる。

実際のところ、英国民は、増え過ぎる移民たちによって、どれほどの害を
被っているのか。あるいは多少はメリットはあるのか?
その正確なデータが与えられた後の十分な点検の末の国民投票であったろうか?
英国民自身さえも、その正確なところは知らないままに、自分たちの生活に対する全般的な
鬱勃とした不満を移民にぶつけて、『俺たちは移民の被害者だ!』という憤懣が先走りして
離脱派のポピュリスト政治家などの煽りに乗せられてしまったということはなかったろうか?
…とにかく、正確なところが知りたい…

移民たちは税金をきちんと払っているのか。

私はその疑問を持って、いろいろ自分で調べられる範囲でずうっと情報探していたけれども
見つからない!
ようやくこんなサイトを見つけたので引用する。2014年の記事だが、状況は今と
そう違っていまい。
http://news.livedoor.com/article/detail/9448131/

『英国 過去11年間に移民から税金200億ポンドを徴収』
2014年11月9日 12時12分
新華ニュース
排外感情の高まりにともない、英国国民は移民が国の財政に負担をもたらすと見ている。
英国国内で、英紙「ガーディアン」の5日付の報道によると、事実はそれと正反対だ。移民は英国財政の収入源である。移民に対する課税により、英国は2000年-2011年の間に税金200億ポンドを得ている。

中でも、150億ポンドはフランスやドイツ、イタリアなど15ヶ国の欧州各国からの移民から得たもので、50億ポンドは東欧移民から得たものである。欧州移民の大半は良好な教育を受けた若者である。しかし、現地英国人と比べて欧州移民の福利待遇は悪い。移民の43%は過去10年間に英国の福祉を与えられず、7%は格安賃貸住宅を利用することができない。

専門家はこの状況を懸念している。欧州移民の就業率が高いとは言え、給仕やカフェスタッフなどの底辺の仕事が多数を占める。英政府は社会福祉体制にメスを入れ、英国に貢献する合法な移民を公平に扱う方針である。



新華ニュースは中国の新華社配信である。英国情勢を語るのに第三者の一応
中立的立場と言ってよかろう。11年間で200億ポンドというとちょっとピンとこないが、
2011年の円との為替レートでいうと、2兆5600億円くらい。それを11で割ると、
1年あたり約18億ポンド(2300億円)の税収ということになる。

イギリス国家予算は2015年度はおよそ7500億ポンド。そのうちの16%、1200億ポンドが
NHS( 国民保健サービス)に
使われているという。
イギリスの人口に占めるUKからの移民の比率はおよそ5%だそうである。
1200億ポンドの5%は60億ポンド。つまり、移民が払う1年の税金約18億ポンドでは
彼らにかかる国民保険サービス60億ポンドには、ぜんぜん足りない。

移民にかかる費用は医療サービスだけではない教育、住宅…ありとあらゆる項目があろうから、
なるほどやはり、移民は、イギリスの社会福祉費用を圧迫していると言っていいだろう。
これは飽くまで、私が集めた情報から推測したものであって、無論正確な数値では
あるまいが。

それでもまず、移民たちに費用がかかっていること。その全部ではないにしても、多くを
従来からのイギリス国民が負担している、ということはおよそわかった。
だが、移民たちも税金をこうして一応は納めているということもわかった。

問題は、①移動の激しい移民たちの税徴収がうまく機能していたのか。
②その税額が妥当だったのか。もしかすると彼らが受ける恩恵に比べて低すぎたのではないか。
③問題は移民ではない、EUとキャメロン政府の行きすぎた緊縮財政政策だ、ということはなかったか。
④移民の流入に制限をかけないというEU及びイギリスの従来の方針に、無理が生じる
根本原因があったのではないか。
などということである。



それでは、次に実際、イギリス国民は職を失っているのか。失業率を見てみよう。

失業率の問題
これは明らかなデータがあった。

イギリスの失業率の推移である。
データは『『世界経済のネタ帳』
さんからお借りした。コピペしたこのグラフでは横軸の年度表示が実際の折れ線グラフの
どの部分にあたるのか正確につかみづらいが、上記ネタ帳さんのサイトでは、折れ線グラフに
ポインターを当てると年度が出てくるし、年度ごとの表もあるのでそちらをご覧ください。



推移イギリスの失業率の


1984年には、なんと失業率11.75%もある!
1993年。EUが発足した年からの失業率の動きを見ていこう。1993年は、グラフで言うと、
ピークが3つある、その2つ目のピークの一番高いところである。失業率10.38。
EU発足の1993年から域内の人の流れは始まったと思うが、それから10年間ずっと
イギリスの失業率は減少し続けている

問題の、2004年。イギリスがポーランド、ルーマニアなどの東欧からの貧しい移民を
受け入れ始めた時からの動きを見ていこう。
2004年は、4.75%。実はこの年がグラフの中で失業率が一番低い箇所である。
受け入れを容認したからと言ってすぐ東欧からの移民が増えるわけではあるまいから、
数年は微増程度でほぼ横ばいである。
同じ『世界経済のネタ帳』さんのページに、イギリスの人口増加のグラフも載っているから見て欲しい。
なるほど、人口は急激に増え続けているが、そのわりには失業率の数値は変わっていないで、
むしろEUが発足した1993年から2008年までの15年間ほどは、イギリスの失業率は
逆に低下を続け低い水準を保っていた
ことがわかる。

イギリスの失業率が急増し始めるのは、2009年の7.63%からだ。2008年の5.73%から
グラフが跳ね上がっている。

この境期にいったい何が起こったのか?
実は、前年の2008年9月。例のリーマン・ショックが世界を駆け抜け、翌年から数年間、
世界経済はどん底に落ち込んでいるのである。

なるほど。イギリスの失業率は上がった。離脱派の言うとおりだ。
だが、この原因を、2004年東欧からの移民が来始めたからだ、ということのみに帰するのは
上のグラフを見ても無理があるのではないか。人口は変わらず急増し続けているが、
イギリスの失業率はリーマンショック後の数年間こそ高かったが、また下がってきているからである。

今年2016年には、2004年の一番失業率が低かったレベルに届こうとしている。
日米の失業率推移と比べてみるとそのことがよくわかる。


推移日米失業率の


どうだろう。イギリスの失業率の推移は、日米のそれと似ていないだろうか。
とりわけアメリカの失業率のグラフとは酷似している。
日米英共に、失業率が跳ね上がったのは、2009年。

2008年9月のリーマン・ショックの翌年である。
そして日米英とも数年の苦しみの後、徐々に失業率が下がって来ているのがわかる。

これを見れば、離脱派の人々がいう、『移民のために私たちの職が奪われ、失業率が
上がった』というのは、一部真実ではあっても、原因をそこに全て帰すことはできないと
いうことは、EUからの移民の影響などない日本とアメリカのグラフを見ればわかるのでは
ないだろうか。リーマンショックの影響はおそらく大きい……。
(アメリカにおいては2001年の同時多発テロによる影響で、そこも失業率のグラフの
上がり幅が他より大きい)

同じように、参院選前なので一言いっておくが、安倍政権はなにかというと民主党
政権時代を引き合いに出し、『民主党のころに比べれば、失業がこれだけ減りました。
倒産がこれだけ減りました』などという。国民も、『ああ、そうかな』と納得する。

しかし、それは、民主党に少し酷であると私は思う。
何度でも言うが、民主党政権は何十年にもわたる自民党政権の放漫財政が行き詰って
そこで国民が政権交代を望んだから誕生したのであった。
言わば、民主党は、現政権の安倍氏や副総理麻生氏なども直近に総理をした
自民党政権の政治の尻拭いをする形で政権の座に就いた
のである。
しかも、リーマン・ショックのいちばん影響下にあった2009年に
こうやって見ると、イギリスもアメリカも同じ状況である!
さらに、日本では、民主党政権が少し経済を上向きに仕掛けたときに、あの東日本大震災
起きたのである…!
私はなにも、民主党政権をだからいい、と言っているのではない。だが少なくとも、
安倍氏がなにかというと国会答弁の場でもまたこの選挙戦の間ででも、『民主党
政権のころに比べて、私たちの政権になってこれこれ改善しました』、
『あの暗い時代にもう一度戻りたいのですか』
などというのは、フェアじゃない
また国民も、そういう単純なレトリックに容易に騙されないで欲しい。このグラフを見れば、
ここ数年で日本の失業率が下がったのは、アベノミクスの効果などではなく、
リーマンショックの後遺症から、ようやく世界が立ち直ってきたからであるということは、
この日米英のここ数年間の同じ動きを見れば明らかではないか。



アベノミクスがないアメリカでもイギリスでも、失業率は、ここ3年
同じく下がっている!



雇用問題の本質
さて。もう一度冒頭の、イギリスの小さな町の話に戻ろう。
移民が来て安い賃金で働くからイギリス人の職が奪われたという話。
それは実際あるだろう。安くて雇えるなら、人件費はかからない方が農園主は助かる。
だが。ここでちょっと考えよう。
移民労働者でもない、職を奪われたイギリス人でもない、明らかに大きな利益を
上げている者がいるじゃないか?
…そう。農園主だ。

農園主は、移民がいなければ、本来パートタイム労働者に、イギリスの最低賃金時給1000円は
払わなければならなかったはずだ。だが、ルーマニア移民のおかげで、時給五百数十円で済んでいる。
つまり農園主は移民のおかげで大きく人件費をカット出来ているはずだ。
たった一人の農園主、ならさほど大きな金額ではあるまい。だが、こういうことがイギリスの
あらゆる農園、また工場などで、単純作業には賃金の安い移民を雇おう、ということに
なっているとしたらどうだ?そこに巨大資本家たちの意思が働いているとしたらどうだ?

また、日本の例などではこうしたことにつきものなのだが、就職斡旋業者
による中間搾取、ということがイギリスでもあるのではなかろうか?


どうしてここに目がいかない?
移民に職を奪われたと考えるイギリス人の怒りはわからないではない。
だが、怒るべき相手は、本当は別のところにいるのではあるまいか?

もしも、単に選挙前のうたい文句などでなく、ほんとうの意味で『同一労働同一賃金』
ということがイギリスで徹底していたならば、同じ賃金なら農園主は、ルーマニア人
でなく英国人を雇うのではなかったか?
移民しようとしても雇ってもらえない。さすれば、ルーマニア人が大挙して押し寄せる、
ということも、完全にとは言わなくとも多少はコントロールできたはずだ。少しは、だが。

日本ばかりではない。世界的に言って、海外からの労働者の待遇の問題は、
きちんと考えていかなければならないと思う。
無論、未熟練労働に高い賃金は払えまい。それはわかる。
だからこそ。
移民を大々的に受け入れるときには、
【職業訓練→同一労働同一賃金→税徴収】のシステムを
最初にしっかりと構築しておかなければならないだろう。


日本にとっても移民、難民の問題は、他人事ではない。
日本の場合は、もう待ったなしの超高齢化と少子社会が目の前に来ている。
それについては記事にしているので、興味のおありの方はこちらをどうぞ。
http://clusteramaryllis45.blog61.fc2.com/blog-entry-1531.html

今のこの日本の社会心理から言って、ここ数年の間に出産率が急上昇し、20年後くらいに
働き手が急増している、ということはありえまい。2025年には人口の3人に1人が
65歳以上の老人という社会は目の前である。介護を必要とする老人も当然ぞっとするほど
多いであろう。(私なども2025年には、生きていれば77歳だ!…)
昨日の朝日新聞では、政府には移民政策を本格的に進める意思はなく消極的で、
当分の間、海外研修制度のような小規模なもので、実験的にやっていくつもりのようだ。
まあ、いずれそう遠くない日に介護の手を借りなければならなくなるかもしれない私も、
実を言うと、海外の若者を、まるで『介護のために特化して日本で学ばせ働かせる』という
発想自体が好きではない。アジアの人々を『介護』や『福祉』のための人『材』としてしか
見ない上から目線がそもそも嫌なのである。


だがまあ、そんな好き嫌いなどは関係なく、否応なしに海外から働き手を招かなければ
ならないということも日本で将来起きてくると考えていた方がいい。
移民問題は他人事ではないのである。
その時に、海外からの労働者だからと言って、給与が安くていい、という考えは、これは
根本的に変えていかねばならないと私は思う。
ましてや、就職斡旋業者による二重三重の中間搾取などもってのほか。
今でも、『農業研修生』という名目で、日本に来ているアジアの若者たちが、
『研修生』というのは名ばかり、劣悪な住環境と労働条件の下で働かされているなどという話は
しょっちゅう聞く。研修所や職場や宿舎から逃げ出して日本のどこかに紛れ込んでしまう
者も多いという…。


イギリスで同じようなことが起きているのではないか
そう思って探していたら、あった!
このサイトをご覧ください。
『移民を苦しめる 闇ビジネスの実態』

簡単にまとめてみよう。
イギリス中部・ボストン。
2004年に東ヨーロッパ各国がEUに加盟して以降、移民が多く住む街となった。
最初は、移民の人たちが社会に溶け込めるよう、地域ぐるみで多様な宗教や文化、
価値観を受け入れてきたのである。
ところが、移民が急増して状況は一変。ボストンの人口は、この10年間で15%以上も増えた。
そして流入する移民が劣悪な環境で働かされているという実態が明らかになってきた。

ボストンのラトビア系移民団体が、大使館を通じてイギリス政府に提出した告発文書によると。
従業員のほとんどが東ヨーロッパからの移民だという大手野菜加工工場。
敷地には、移民の労働者たちが暮らすキャラバンハウスが100軒以上も建ち並んでいる。
鉄柵に囲まれた、ものものしい住宅。近隣住民の話では、8~10畳ほどの部屋に
6~7人で暮らしているケースもあり、移民の従業員の数は数百人とも見られている。
最低賃金以下で、保障もなく働かされる移民たち。
背景には、英語が十分話せず、法律もよく知らない移民の弱みに
つけ込む「闇ビジネス」の存在がやはりあるという。


雇用主と移民の間には、仕事を紹介したり、住宅を提供したりする仲介業者がいる。
給与は、仲介業者を通して支払われるが、移民の弱みにつけ込む悪徳業者も多く、
手数料を不当にピンハネし、国の最低賃金を大幅に下回る額しか支払わないケースが
後を絶たない。中には、銀行のカードやパスポートを「管理する」という名目で取り上げて、
移民の身動きを取れなくする業者まで現れていると言う。

だが、当のラトビア系労働者など、移民の多くは、職を失うのを恐れ、公の場では
口を閉ざしてしまうのだという。


2015年12月にイングランド銀行が移民と賃金の関連性についてのレポートを出した。
そのレポートによれば、移民の比率が10パーセント増加すると非熟練労働者の平均賃金が
2パーセント低下するという。イングランド銀行は大量の移民によって求職活動者の賃金が
下がると警告しており、経済学者も移民の増加によって介護福祉士・清掃業者・ウェイターなど
の業種が移民と競争に晒され給料が下がる
ことに気付いた。

冒頭の農場主のように、イギリス社会は、農場や工場、医療や建設現場で働く移民の力が
欠かせなくなっている。つまり雇う側が移民を必要としているのである。
イギリス経済は移民で成り立っている面もあるということだ。

多国籍企業がルーマニアやブルガリアなどからの
移民労働者をイギリスに呼び寄せて労働者の賃金を不当に下げる。

それら移民労働者は低賃金でも働くことを厭わない。
イギリスのEU残留を望む企業はEU残留によって企業側が従業員の賃金を低く抑えたい
のだという疑いがある
ということである。

イギリス国民は、移民問題に関して、当の移民たちに職を奪われたという怒りや
自分たちの暮らしの質が低下することへの憤懣をぶつけてもしようがないのではないか。
その奥には、移民ビジネスで、こうやって大きな利益を上げている自分たちの仲間の農場主や、
仲介業者や大企業などの存在がある
のである。


ものごとの表面だけを見て、感情を生にぶつけてはいけない。
その奥にいったいどういうことが隠されているのか、を考えなければ。

警察当局によると、国民投票以降のヘイトクライムの件数は、前の月の
同時期に比べ57パーセントも増加したという!



悲しいことに、今回のEU離脱か残留かを問うイギリスの国民投票は、国民の間に
感情の分断を生んでしまった。
それは。国民投票の問いが、『AかBか』、を問うものである以上、
その間にある無数の…形にならない選択肢、声にならない国民の声
というものを、必然的に排除していく仕組みになっているからである。


この記事を書くためにいろんな人の書いた現地からの報告も読んだ。
その中で、私が、一番この国民投票に関して現在のイギリス人の抱える戸惑いや
悲しみを正確にとらえて報告してくれているのではないかと思ったのがこの記事だ。

http://bylines.news.yahoo.co.jp/bradymikako/20160625-00059237/

いい記事である。あとで是非ゆっくりお読みください…
今回のことに関する私の気持ちは、ここに描かれた労働党党首ジェレミー・コービンの
気持ちに、おそらく一番近いかもしれない…


                 ***
      


どうだろうか。
移民の問題だけ取り上げても、ほんとうに難しい。
ここにはまだ語られていない『難民』の問題もあるし。離脱派はトルコなどがいずれEUに
加盟して、そこから難民が大量に流入し、その中にテロリストなどが混じっていても、
チェックできないということを恐れていた。
移民・難民へのイギリスの人々の想いは、なかなか日本人には解らない…
今回の問題には、EUそのものが内包する大きな問題点も多くあるようだ。
巨大化した組織の硬直や、その政策の妥当性など、数え上げればきりがないほど、
EUそのものが自ら改革していかなければならないことがたくさんある。

なかなかまとめに入れなくて途方にくれるが、選挙のことも書きたいので、ここらで
一応切り上げ、次回、まとめを書いてEU離脱の件についての記事は終わりにしよう。




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彼岸花さん

Author:彼岸花さん
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『しだかれて十薬忿怒の息吐けり』

『南亭雑記』の南亭師から頂戴した句。このブログになんともぴったりな句と思い、使わせていただきます。
十薬とはどくだみのこと。どくだみは踏みしだかれると
鮮烈な香りを発します。その青い香りは、さながら虐げられた若者の体から発する忿怒と抗議のエネルギーのよう。
暑い季節には、この強い歌を入口に掲げて、私も一民衆としての想いを熱く語りましょう。

そして季節は秋。
一足早いけれども、同じく南亭師からいただいた、この冬の句も掲げておきましょう。

『埋火に理不尽を焼べどくだみ荘』

埋火(うずみび)は、寝る前に囲炉裏や火鉢の燠火に灰をかぶせて火が消えてしまわぬようにしておいた炭火などのこと。翌朝またこの小さな火を掻き立てて新たな炭をくべ、朝餉の支度にかかるのです…

ペシャワール会
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