『TPPについて思うこと』


さてさて。
アメリカのいないTPPはさほど危険でなくなった。ただし、その代わりに、
日米安保条約と連携した日米二国間の『戦略的』経済連携協定が
TPPよりさらに日本側にとって厳しい条件で持ち出されるであろうことは言っておく。

TPPなどの自由貿易協定がはらむ問題の本質については、まだそのほんの一部しか
語っていないし、まだ語る必要はあるであろうと思う。
とても大きなテーマなので順不同になるが、思いつくままに書き記しておく。

福島第一原発事故が起きる前までは割合政治に関心がなかった私が、世界のありよう
について眼を見開かれた本の一冊。著者はラジ・パテル。
TPPを勉強する前に、いや、同時くらいかな、買ったのは。第三刷が2010年11月に
出ているから、少なくともそのあとだ。
『世界の食料生産から消費、そして食生活のあり方までコントロールするグローバル・
フードシステムの実態と全貌― 』帯の紹介文より


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●TPPになぜ反対していたか

私がTPPにかくも危機感を持って反対していたのは、おもに以下のようなことからである。
その細かいことについては、おいおいまた詳しく書いていきたいが、最初にその
TPPに関する私の大きな捉え方をここにさきに挙げておきたい。
わたしがTPPに反対する理由。

第一に、それが、アメリカを中心とした巨大多国籍企業による巨大多国籍企業のための
EPA(経済連携協定)であって、そこには力の差による不平等と搾取の構造が
潜在的に存在している
からである。
第二に、TPPはずっと、単に『経済効果』の側面でしか語られることが少なかったが、
しかし突き詰めていけば、それは、参加国の主権やその社会構造や文化までを変質させて
しまう恐れをその内にはらんでいる
ものでもあるからである。
第三に、その交渉過程の不透明さにもずっと危険を感じてきた。
なぜ不透明になるのか。外に向けてか内に向けてかその両方か、要するに明白に
したくないことがそこに存在するからであろう。
第四に、TPPは、そもそものスタート時は本来『経済連携協定』であったはずである。
しかし、そこに経済連携以外の要素、日米安保条約などとも連携したアメリカと日本の
アジア戦略、はっきり言えば、日米豪、フィリピンなどによる、中国封じ込め政策とリンクする
防衛協定の要素が、とりわけ安倍政権になってから濃厚に入り込んできたこと

私は危険を感じていた。
日本のことに限って言えば、中国や北朝鮮に脅威を感じる日本が、アメリカの核の
抑止力に守ってもらおう、アメリカの軍事力を後ろ盾にすることを続けようとする限り、
TPPであろうが二国間のFTAであろうがEPAであろうが、それが本質的に『平等』なもの
にはなりえない恐れが出てくる、ということを考えるから
である。


●TPPの今後

オバマが推し進めてきたTPPは、トランプが当選してもヒラリーが当選しても、また仮に
サンダースであったとしても、アメリカ側からの見直しは避けられなかった、ということに
なる。ただし、前二者のTPP反対と、サンダースのそれとでは、意味が大きく違っていたが。
トランプ、ヒラリーの反対は、今の条件下でのTPPはアメリカに不利、だからさらに
アメリカにとって有利な条件のものにしようという意味での反対であり、サンダースの反対は、
TPPのような自由貿易協定が本質的にそのうちに含む不公平、不平等の搾取構造を
指摘していたのだという大きな違いがあった。
私のTPPに反対する理由は、サンダースのそれに近い。

とにもかくにも、TPPはいったん停止だ。
安倍政権が、いかに日本側での批准を急いで国会で強行採決しようがすまいが、
アメリカがこれから身を引く限り、TPPはこのままの形では発効しない。
それでは、TPPがらみで今後どんなことが可能性として考えられるかちょっと整理しておこう。
日・EU間、米・EU間などのその他の動きはややこしくなるので、ここでは触れない。
また、ごく大雑把な分け方なので、当然、ここに掲げた選択肢以外の道もあるであろう。
それらの組み合わせもあるであろう。たとえば、①と④、およびと②と④などは同じことの裏表を
言っているので、同時に起こる可能性が大である。


①TPPは、ほかの11カ国でも最終合意に達しないまま消滅。
②アメリカ抜きで、ほかの11カ国が、ルールなどを再構築(これも大変な作業になろう)。
 アメリカ抜きのTPPを発足する。
③上記②に、トランプのアメリカが再度考え直して参加してくる。トランプのアメリカが
 考え直すのが先か、11カ国の発足が先かはわからないが、とにかく結局アメリカも参加する。
④アメリカはトランプの言通り、もう明確に参加しない。TPP、NAFTA、TTIP(米・EU)
 のような多国間貿易協定をやめ、アメリカが必要と感じる国と(その最大のターゲットは、
 むろん日本だ!)二国間のFTAまたはEPAの形で、さらにアメリカにとって有利な形で協定を結ぶ。
⑤日本は、今のところは中国中心だが日本も一応参加はしているRCEP(東アジア地域包括的
 経済連携)、日中韓FTAなどに軸足を切り替える。中国と協力して(それもかなりの困難を
 伴うだろうがそれは覚悟の上で)、東アジアの貿易の新ルールを築いていく。
⑥②と⑤の合わさったもの、FTAAP(アジア太平洋自由貿易圏)に発展させる。
 この場合も、アメリカも入る場合と入らないケースの二通りある。
⑦日本も保護貿易主義をとっていく。完全にか、自由貿易と並立させていくかはまた
 別の選択肢としてある。

フローチャートやベン図のような図形にしてすっきりと表せればいいのだが、
残念ながらパソコンでの作図能力がないのと、そのもととなる頭脳がない。
でも、およその選択肢はお分かりいただけるのではないだろうか。

一応、アメリカがまだ離脱していない状態のベン図をこちらのサイトからお借りして載せておく。
http://www.jiji.com/jc/article?k=2016111400662&g=use

経済連携 ベン図


さて……
一つ大事なことは、自由貿易を進めていくのならば、本来条文上も平等で
公平であるべき貿易協定が、参加国・参加集団間の顕在的力の圧倒的な差によって
その交渉・実施段階において、不平等・不公平なものになっていかないよう、
人類の知恵を総集していくということである。


さて。日本はどういう道をこれからたどっていくのであろう…
今まで通り、日米安保体制を堅持。経済協定でもアメリカとの関係を最優先していくのか。
それとも、日米安保体制は維持。しかし中国などアジアの国々とも連携。その両立を
探っていくのか。
日米安保体制を見直し、アメリカ依存から脱し、アメリカとは対等な立場で友好関係は
維持しつつも、アジアにより大きく比重を移していくのか。
同じく日米安保体制を見直し、アメリカ依存から脱する。アメリカとは対等な立場で
友好関係は維持しアジアとも連携しつつも、日本独自の生き方を探っていくのか。
それをさらにおし進め、世界の大きな緩やかな連携…現行日本国憲法前文に
掲げたような人類の理想を実現していくことに貢献していくのか。
それとも。
アメリカの核の傘から脱し完全独立を目指すが、そのために、核武装し、軍国化。
日本を(再び敗戦前の日本のような?! ><)世界の強国に押し上げるというような
愚かな野心を抱くのか。

今の安倍政権下の日本は、アメリカ隷属の道をさらに突き進む動きの中にあるように思う。
この選択肢しかないと、ひたすらアメリカに追随する形である。
一国の首相が、大統領になる前の人物に慌てて自ら詣でて、挙句の果てに見事に梯子を
外されるという情けない出来事も、アメリカしか見ていないから起こってくること。
この政権の人々はさらには、彼らの願望として、最後の核武装の選択肢もあわよくば、
と考えているように見える。安倍首相以下、稲田防衛相など現役閣僚、また
周辺の人々の過去発言にもそのような考えはたびたび端々に出てきている。

TPPはもはや、私たちにとって単なる経済連携協定ではなくなっている。
米や牛肉、自動車の関税などだけの話ではとっくにない。
そこには、私たち日本人が、自分の国をどういう風にしていきたいのか、また
人類が、どういう世界を目指していきたいのかという大きな問題が関わってきている。
TPPやその他自由貿易協定の問題は、まだ終わっていない。
上にも書いたように、日本に限って言えば、トランプのアメリカのもとで、さらに厳しい
日米二国間経済協定を、それも、日米安保条約や日米ガイドラインなど防衛問題と
絡めて、今度はむしろもっと水面下で行うという危険性も出てくるであろう。
世界的な規模で語っても、自由貿易はどうあるべきか、否応なしに進行する
『グローバル化』の問題を、人類はどう考え解決していくべきなのか、という
大きな大きな疑問を、そのうちにはらんでいるのである。
わたしたちはよほどしっかりと、政治のありようと世界の動きを見ていなければ
ならないはずなのだが…。

次回以降は、上記のあれこれについてもっと具体的に書いていくつもり。
時々、柔らかい記事も入れていきます。^^



*FTAとEPAの違い
FTA:関税の撤廃・削減を定める自由貿易協定。 
EPA:関税だけでなく知的財産の保護や投資ルールの整備なども含めた経済連携協定。

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『口笛』


さてなあ…。
日本では、粛々と、TPPの批准の手順が踏まれていっているが、その先行きが
見えなくなって、私もおかげでほんのちょっと一息ついている。

こんなものを昔書いた。もうやめてしまったブログの記事である…。
再掲にあたって、少し手直ししてある。



              ***



             『口笛』



男の人の口笛をあまり聞かなくなって、もうどれくらいたつだろう。
私が小さい頃、そして娘時代にも、男というものは、心楽しい時、寂しい時、
とにかくよく口笛を吹いたものだった。

兄も口笛を吹いた。
昔々。ある温泉街の家に住んでいた頃。
兄は17,8歳の青年、私は幼稚園か小学一年生だった。
その頃父母はまだ一緒に商売をしていて、兄は高校に行きながら時々はその商売の
手伝いをしていた。
父は人に頭を下げてものを売る、などということの苦手な人だったので、
兄が自転車を飛ばして、あちこちの得意先などを回る。

でも、学校が休みの時の夕暮れ時などには、普段は商品が載っている自転車の荷台に、
小さい私を載せて、近くの海などへ連れて行ってくれた。

その行き帰り、兄はよく、楽しそうに口笛を吹いた。
私はその兄の背中にしがみついて、兄の体を通して口笛を聴く。
浜辺に着いて、何をするでもなく、二人で暮れゆく空と海を眺めている時も、
兄は時には楽しげな、そして時には淋しくて自然と涙が出てきそうな曲を、
ひゅうひゅうと口笛で吹いた。
音程はいつも正確で、微妙なビブラートがきいて、兄の口笛はとてもうまい方だったと思う。
勿論子供の私に当時そんなことがわかっていたわけではない。
しかし、後年、私が歌うのが好きになり、誰に習ったことがあるわけでもないのに、
また、うちにはピアノもオルガンも勿論無く、レコードプレーヤーも無いのに、
絶対音感が自然と身について、初見の難しい楽譜でも歌え、旋律聴音や和声聴音など
ソルフェージュなどが得意になったのは、ひとえに日本の小学校教育のおかげと、
そしてこの兄の口笛が正確だったからなのではないか、と、今にして思うのである。

だから私は男の人は口笛を吹くものと思っていた。
そして上手に口笛を吹く男が好きである。

ところが、いつからか、男の人は口笛を吹かなくなった。
いつ頃からだろう……。
そう…、団塊世代が若い頃、フォークソングなどが流行っていた頃は、まだ確実に
男は口笛を吹いた。ハモニカも吹いた。
しかし、世の中の景気が上向いて、バブルなどという言葉が出てきた頃あたりから、
歌はマイナーコードの曲が減ってメジャーコードの歌が増えていき、それと共に、
人は口笛を吹くことを忘れていったのではなかろうか。

残念ながら、私の亭主は口笛を吹かないし、歌も歌わない。
声の質はいいのだが、リズム感がめっぽう悪いので、音痴に聞こえてしまうのである。
私と知り合うとっくの以前に、それをからかわれるかなにかしたのか、歌うことを嫌った。
若かった私が洗濯物を干したりしながら、イタリア民謡などを気持ちよく歌っていると、
窓をがらりと開けて、「君、うるさいよ。」などとのたまう。
娘は私に似て歌うのが好きに育った。よく二人で唱歌やポップスの名曲などを
ハモったものだ。するとまた、彼がふすまをがらりと開けて、『君たち少しうるさいね』
と言う。私たちが低い音で音楽を聴いていても、またふすまががらりだ。ひどいでしょう?(笑)
カラオケブームになっても、彼は宴会などで歌えずしょんぼりしているらしかった。
だから飲み会がある日は、娘と私で、たった一つの彼の持ち歌の、リズム特訓を
充分にしてやってから送り出したものだ。

娘も大きくなって家を出て行き、そんなこんなで、私自身もいつからか、
周りに歌が聞こえないのに慣れていき、かつては台所で水仕事をするときなどには
自然に好きな歌を口ずさんでいたのに、いつしか自分も歌うことを忘れて行った…。
絶対音感の能力もいつからか失ってしまって、
口笛が聞こえなくなったことも、寂しくは思っても、そういうものなのだろうかなあ、
と思うようになっていた。

そんなある夜。
それは私がまだ塾の教師をしていた頃…10年かそれ以上も前のことだ。
授業を終えて、色々な報告書類や翌日のテストの準備などをして、塾を出、
帰りの電車に乗る頃は、大抵夜の11時をとっくに回っている。

その日もなにかで帰りが遅くなり、駅に着いたのはもう11時半を過ぎていたと思う。
私の勤めていた塾は市街地を外れた住宅地にあって、駅の乗降客も
その時間帯になると、ほとんどいない。



夜の駅
写真はこちらからお借りしました。記事の中の駅ではありません。 https://youtu.be/1cOy0B47t4A



私はその夜も一人、暗いホームのベンチに掛けて、電車の来るのを待っていた。
季節は早春。オーバーは脱ぎ捨てても、まだ薄いコートは欲しいくらいの頃。
向かい側の上り方面のホームにも、人影はなかった。

と、一人の男性が、向かいのホームの階段を昇ってきた。
カーキ色っぽい色の、長い丈のコートの前をはだけてだらしなく着て、
足元がどことなくおぼつかない。どうやら飲んでいるらしい。

年の頃はたぶん私と同じくらいか少し若いか。
(その頃私は50歳を過ぎていくつかというくらい。)
サラリーマン風で、酒のせいもあろうが、どこかくたびれて崩れた感じのする男だった。
コートの着方も、今時の大企業の紳士のようにきちんと着ていないところが、
昔の男…、まだやくざ映画などの流行っていた時代、
酒と女に爛れた暮らしをしているような男がたくさんいた時代の男のような
どこか崩れてかすかにやさぐれた感じをその男に与えていた。
まるで、昔、夢破れてすさんでいた頃の兄の姿を想わせて。

男は最初、向かいのホームに一人座っている私には気付かず、
かすかに左右に揺れるような歩き方をして、ちょうど私の正面にある
ベンチのところまで来ると、そこにどかりと座った。

そうして辺りを見回していたが、ふと、向かいの暗いホームにいる私の姿に気づいた。
何となくばつの悪そうな感じ。完全に酔っているのではないらしい。
照れ隠しのように、上り下り方向を電車が来ないか確かめるように見たり、
前屈みになって、開いたコートの両足の間に両腕をだらりと下げて、何となくもじもじし、
ふ~ぅ、と、わざとらしく息を吐いたりする風。
そのままうつむいたまま、しばらく動かない。
何となく、いたずらを見とがめられた少年のような風情があって、私は面白く見ていた。

と、男が口笛をふきだしたのである。
私のよく知っている、そして、私が少女のころから好きだった曲。
少女である妹が好むにしては、あまりに暗い曲であることを悲しんだか、
あの兄でさえ、「お前、そんな歌、歌うのやめろ!」と禁じた曲。

男は口笛がとてもうまかった。
私から顔を背けるようにして、
上り方面のあらぬ方を眺めながらひゅうひゅうと口笛を、
微妙な音の表情も、ビブラートをきかせて豊かに繊細に、
二人しかいない夜のホームで吹き続けた……。




曲は、「暗い港のブルース」。 









       

『TPPとトランプ現象② トランプで世界は変わるか』


TPP問題とトランプ現象…。

…トランプ大統領決定の翌日に、日本の国会、衆院が、敢えてTPPの承認と
関連法案を可決したこと。
そのことは、単なる日程上の偶然ではない。TPPとトランプ大統領誕生は、深い
因果関係や相関関係を持っていると私は思って、この数日間一所懸命、これらのことを
考え続けてきた…

で。いつもの私の記事の書き方というか私の姿勢として、記事のテーマを、問題提起から
因果関係の追及、途中の経過、結論までを一つの環として捉えたい、といういつもの悪い癖
(そのためにいつも、テーマがどんどん膨らんでいき、記事が長くなる!そして
結局シリーズは尻切れトンボになる!苦笑)が出て、
なんとかこの二つを一つのテーマにまとめたいと四苦八苦していたのである…

どちらも、単に経済問題とか外交問題などという点だけで見るわけには
行かない、いわば、私たちの世界観、未来観を問われる問題である、ということは
言えるであろうと思う。
私たちは今、いろんな意味で分岐点に立っている。

方針を改めて。
個別に書いていこう。
内容が前後したり、他へ飛んだり、ということがあるかもしれないが、記事のシリーズが
終わったとき、全体としての私の考えが伝わればいいかなと思うことにして。



              ***


『トランプで世界は変わるか』 

御存じのように、今回トランプに票を投じた人々の不満の大元には、自分たちの暮らしが
よくなっていかないことへの閉塞感があったと思う。
まじめに働いても賃金が思うように上がっていかない。いくつもの割の悪い仕事を
掛け持ちしても生活はかつかつ。
だが、そうした不満を抱える人々の一方には、自宅や事務所にいながらにして、不動産を
動かしたり株を売り買いしたりさらにはもっと実体のない金融商品を売り買いしたりして
瞬時に何千万、というような金を得る富裕層というものがいる。
また、スティーブ・ジョブズなどのように、その高い能力を生かして起業し、巨万の富を
築いた人々もいる…
その周りで同じく地位と富を獲得していく企業専門の弁護士、法律顧問などがいる…
(アメリカは名にしおう『訴訟社会』である! TPPでそれがやってくる!!!)
そして往々にしてそれらの身分から政治家に転じた二重三重の有利な地位を持つ者さえいる…。
一方にそうした『選ばれた』人々がいるのだ。

今回の選挙結果をみると、クリントンが獲得した州は、本当にわずかな地域である。
ニューヨークを中心とした東部海岸。セレブ達が多く住むカリフォルニアなど西海岸の州。
それら以外の州は、ほとんどがトランプ支持の赤色に染められた。
一つ一つの州を取り上げても、その州の州都など都会部ではクリントンが強く、
周辺では圧倒的にトランプ票が多かった…

怒れるアメリカ人たちの、その怒りの原因はいろいろに語れるだろう。
増えて行く移民たち。彼らがそれでなくとも苦しい自分たちの仕事を奪う…
それなのに、貧しい移民や食い詰めた黒人たちの生活は自分たちの税金で保護される…
だが。それを口に出して言えば、『人種差別主義者』『非人道的』などといって、周りの者や
マスコミから叩かれる…。
綺麗事の理想主義を振り回す取り澄ましたジャーナリストたちや学者、評論家たちも、
同じく『選ばれた人々』であることに変わりはない…

誰もおれたちの私たちの悩みと怒りをわかってくれない…。
そうした鬱屈した怒りを、トランプは代弁したのである…

だが、私は、トランプが、そうした怒れる人々の怒りのもとの状況を変えてくれる人とは思わない。
彼自身が、彼の批判するところの『既得権益層』だからである。
彼の激しい攻撃の対象であったヒラリーとなんの変わりもないのだ。

彼の本質は、『ビジネスマン』である。
彼の(おそらく)優れたビジネス感覚が、アメリカの…世界の…これまでの悪しき既成概念を
打ち壊して、いい意味で『理』にかなった選択をしていってくれればいいが、
そうして、アメリカの人々の暮らしを改善し、また、硬直した世界の外交関係を新しい感覚で
より良きものにしていってくれればいいが、と、私も心から願うものである…。

だが、ビジネスの世界は、非情である…

トランプが勝って、世界を駆け巡った驚きの声。
私自身驚いたのは驚いたが、その騒ぎの中で私が非常に興味深く思ったのは、
トランプの勝ちが見えてきた日本時間9日の午後には、日本では株価が暴落。
一時は前日終値から1,000円も下げる『悲観的な』動きとなったのだが
(ご存じのように翌日には回復)、当のアメリカでは、トランプリスクがあれほど
言われて悲観的予測が囁かれていたのに、一日と経たずして、市場はトランプ
大統領誕生を、『好感』。
結果的には大統領選の間、ニューヨークダウは一度も下げることなく5日続伸、
過去最高値更新、選挙ウイークで1,000ドルも上昇という動きとなったことである。
それは、トランプが、勝利確定すると同時にその攻撃的姿勢をひっこめたことにより、
極端な政策転換がすぐには生じない見通しが立ったことへの安心感と、トランプが
明言した公共投資拡大、金融緩和、減税などへの期待感から、関連株が買われた
ことなどがあったからだという…

やれやれ、投資家というものはたくましいものだな……
結局、この市場の動きが象徴しているように、世の中が嘆くほどトランプが大統領になっても、
世界もアメリカも、そう悪い方向にも良い方向にも変わらないんじゃないか。
そう、溜息とともに、私は思ったものだ…。

まず。彼は『既得権益層』の打破などしない。彼自身がエスタブリッシュメントだからである。
その意味で、怒れる白人層の、トランプが自分たちの怒りを代弁し、その根本原因を
取り去って生活を改善してくれるだろうなどというと期待は、叶えられるかどうかわからないと
私は大いに疑っている。


このグラフを見てほしい。

GDP推移世界の

国民一人当たり名目GDP推移
どちらのグラフもこちらのサイトからお借りしました。http://www.garbagenews.net/archives/1335765.html

主要国の名目GDP(対ドルベース)と、同じく国民一人当たりのGDPを、1980年から
IMFによる2020年の予測までをくわえてグラフ化したものである。

日本のGDPの伸び率の低さや中国の急伸はともかくとして、アメリカのところを見てほしい。
アメリカは、2009年のリーマンショック時に、一時落ち込みはしたものの、GDPは
国家レベル、国民一人当たりのどちらをとっても、順調に伸びているのがわかるだろう。
リーマンショックで確かに国民の失業率は10%にまで増えた。だがその後は順調に
回復し、オバマ政権下では5%にまで戻っている。

それなのに、どうして今回の選挙で、アメリカのとりわけ中下層の怒りは爆発したのか。
なぜ働いても働いても家計所得は上がらず、生活は苦しくなるばかり。大学を出ているのに
職がなく、仕方なし給料の安くて不安定なパート労働でしのがざるを得ない…
かつては自分はアメリカでは『中流』の暮らしができていると思っていたのに、いつの間にか
『下層』の暮らしに陥っていた…
そうした蓄積した不満がついに爆発したのだ。

では、このグラフに見るように、アメリカの経済は決して不況などではなく、むしろ
世界でも、恵まれている方だった。それなのになぜ、庶民の給料は上がらないないどころか、
むしろ十年前、二十年前より下がったなどという人が出てきたのか。
(ちなみに、日本も同じような状況である…)
わかりきったことだ。上位1割の富裕層が、その果実を独り占めにしたからである!
アメリカでは、トリクルダウンは起きていないのである。

あとでまた書けたら書きたいが、アメリカでかつてそこそこ中流の生活をしていた
ものまでが下層に落ちるような羽目になった。その契機は、主にあのリーマン・ショックである。
リーマン・ショックは、アメリカにおける実体経済を伴わないサブプライムローンという
金融商品と、そのローンの証券化商品の破綻から、世界に広まった…

本来なら家を持つのが資金的にも信用的にも苦しいはずの人々でも安く家が
買えますよ、という美味しい話を信じて、結局不動産バブルがはじけて、
それらの人々は家も貯金も何もかも失ってしまった…。
中下層の人々の苦しみの始まりの大きな一因である…

そういう人々を救うと言って票を集めたトランプ。
NAFTAのような自由貿易協定をご破算にして保護主義をとり、交通インフラなど
国内の雇用を生み出す公共事業などに公的資金を投入すると約束しているトランプ。
いわば、実体のある経済への切り替えだ。それはいいと思う。

だが、彼のそういう姿勢は本心か。
トランプ氏は当選した途端、『反ウォール街』から『親ウォール街』に翻意しそうなのである。
『ウォール街の顔』であるJPモルガンのジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)、
リーマンショックの反省から生まれた『ドッド・フランク法』(金融規制改革法)の廃止を
推進してきたジェブ・ヘンサリング下院金融サービス委員長、ゴールドマン出身で
トランプ陣営の財務責任者を務めたスティーブン・ムニューチン氏らを新政権の
最重要経済閣僚(財務長官)候補とし 、ウォール街との関係改善を目指す姿勢を明確に
していると言われるからである。トランプ氏自身を含め、これらはみな、彼が選挙戦中
猛烈に攻撃してきた既得権益層だ。
ダイモン氏率いるJPモルガン・チェースは総資産でアメリカ最大の銀行。
『ドッド・フランク法』の廃止を訴えてきたヘンサリング下院金融サービス委員長は、
金融業界からの献金が今年だけで、100万ドル(約1億円)を超える人物だという。
トランプ氏自身も『ドッド・フランク法』の廃止を訴えている。『ドッド・フランク法』は、
2008年のリーマン・ショックの反省から作られた。金融危機の再発を防ぐため、
銀行が自己資金でリスクの高い取引を行うことなどを禁止している。
これが撤廃されれば、世界的な金融規制の強化路線が後退して、新たな金融危機に
つながっていく恐れもあるという…。

(青文字部分、朝日新聞11月12日長官より要約。)


彼が選挙民に示して見せた怒りは、ポーズではないか。
ウォール街とだけでなく、共和党主流派との一見不和も、既にはやばやと溶解している。
トランプも共和党主流派も、選挙戦中のようにたがいに敵意をむき出しにしたままでは、
これからをやっていけないからである。
トランプ大統領の今後の姿勢は、その人事を見れば一目瞭然。共和党とのパイプを
生かしつつ、自分を大統領に押し上げてくれた貧しき民の期待にも背かないよう、
もっとも要職である大統領首席補佐官にはプリーバス氏を、そして自分の選対最高
責任者であったバノン氏を首席戦略官・上級顧問に据えたということは、自分の主義は
変えないけれども、実際の政治は現実路線でいくということではないだろうか。
バノン氏は、最右翼で国家主義的、人種差別的な発言をする人物で、共和党主流派批判の
最先鋒であったという。
トランプは極めて変わり身の早い人なのではなかろうか。

そう言った意味で、今、日本政府など、TPPが座礁するかもしれないと嘆く声が
多いようであるけれども、何のことはない、あっさりと方向転換してTPP推進に
変わるんじゃないか。
だって、仮に。
①これまでアメリカ主導だったTPPが座礁しても、アメリカ抜きでTPPが
あとの11カ国で進められることになって、アメリカが蚊帳の外にいざるを得なくなる、とか、
(ニュージーランドは愚かなことに、15日、日本より先に国会で関連法律を通して、TPPを
批准したようだ!)
②TPPが全く駄目になって、代わりに中国主導のRCEPが勢いを増して、日本、韓国なども
そちらに加わっているから、中日韓を含む大きな自由貿易圏がアジアに生まれることになったら、
トランプ氏のビジネス本能がそれをみすみす指をくわえて見ていることなど許すだろうか?

もともとトランプ氏がNAFTAをやめると言ったりTPPはやらないと言ったりしたのは、
それらの自由貿易協定が、強者が弱者からさらに奪うという不公平不公正なシステム
だから反対だというサンダースのような主張からではなく、アメリカが損をしている、
不公平だ!と言って、さらにアメリカが儲けられるようにという意味で反対していたのだから。

もしTPPをやらないとしても、日本などとの二国間協議を、TPPよりもっとアメリカに
有利な条件で強固に進めようとするかもしれない。そうなったらTPPよりさらに悪い。

TPPで、日本をアメリカの強欲な巨大企業に差し出そうとしている現政府が、さらに
経済交渉ではタフな大統領になったアメリカに抵抗しうるのだろうか?
ぺル-でのAPECに出るついでとは言いながら、まだ大統領になってさえいない
トランプ詣でに、日本の首相自らが出かける。
どこまでいったい、アメリカがそんなに大事なの?

私は、安倍首相とトランプ氏の親和性はすごく高いんじゃないかと思っている。><
う~ん…何をいったい約束してくることやら…
TPPには、金融サービスの自由化、という項目もあるのだ。
訴訟好きなアメリカの、したたかな弁護士たちが、日本の富を狙って手ぐすね引いて
いますよ。お人よしの日本はそれに耐えられるのか。

また一方、ビジネスマン、トランプは驚くような行動に出ることもあるかもしれない。
中国やロシアとの、経済上の融和政策だ。
日本はアメリカだけをせつなく潤んだ目で見つめていていいのだろうか?(比喩表現です)


                   
今まで話したこととは別に、一つだけ、トランプが出たことによって、世界が変わるだろう
と思うことはある。
それは、『慎み』の喪失だ。『畏れ』の喪失だ。
相手を傷つける恐れがあっても言いたいことは言ってしまうという…。
『言ったもの勝ち』『やったもの勝ち』の世界。そしてそれが非難されることなく、なんと
ぐずぐずとなし崩しに容認されてしまう世界。いやむしろ、賞賛さえされる世界…。
『自分が言ったことも都合が悪くなるとすぐに「言ってない」と言い張る』
『自らの不利不徳などを、だれかほかの者のせいにする』……
そうした極めて乱暴な言動と思考が、これから増えて行くであろう。



世界はこれからいろんな意味で良くも悪くも動いていくだろう…
トランプが出なくても、その傾向は既にあった…
大きく緩やかに、世界は旋回していくのだ…何処かへと……
その時に、日本は、どういう国でありたいのか?
あなたは、どういう世界に生きたいだろうか?


『キャンドル・ナイト 68』



68回目のキャンドル・ナイト。


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世界が大きく動いている・・・
そして、その動きは、危うい方へ方へと向かっているような気がする。

トランプの勝利。そのどさくさの間に強行されたTPP承認。
福島第一原発事故の徹底した検証と被災者の救済はまだなされぬままに、日本から
インドへの原発輸出を可能にする日印原子力協定。

…溜息の出るようなことばかりだが、そんな11日の朝日の朝刊に、ふうっと
張りつめた力の抜けるような優しい記事が載っていた。

著名人がそのお父さんのことを語る『おやじのせなか』という連載。
今回は、憲法学者の木村草太氏だったのだが、ご存じのとおり、木村氏は、
その顔貌、その全身から発する佇まい、その語り口も、すべてが非常に
静かで端正な印象のひとである。しかし、語る内容は、剃刀のような切れ味だ。


②木村草太
写真は、こちらのサイトからお借りしました。この記事もいいのでぜひお読みください。
http://www.kanaloco.jp/article/170011


木村氏は、自衛隊の集団的自衛権の行使容認に関する法案…それを明らかに
『違憲である』と、憲法学者の立場から明言してくれた。
その静かではあるけれども確信に満ちた語りを聴く時、安倍政権のやり口に
ささくれ立った心がどれほど鎮められたか今も助けられているかわからない。
このような人のお父さんという人は一体どういう人なのだろう…

その『おやじのせなか』という朝日の記事を一部引用する。
タイトルは、『ドン・ガバチョの歌「大事だ」』。 (!)

『NHKの人形劇「ひょっこりひょうたん島」が大好きな父でした。
父と一緒にリメイク版を見ていた小学生の時、「ドン・ガバチョの未来を信ずる歌」が流れたんです。
井上ひさしさんらが作詞した
「今日がダメなら明日(あした)にしまちょ 明日がダメなら明後日(あさって)にしまちょ」っていう歌。
「これはお前にとって大事だから覚えておけ」と言われました。理由も言わず、何のことか
わかりませんでした』


思わず噴き出した。
木村草太氏のいつも端正な語りと、『明日にしまちょ』『明後日にしまちょ
という歌詞との組み合わせが、ものすごく意外で、可愛らしかったからである。

ほほ笑んだその後で、木村草太~井上ひさし~『ひょっこりひょうたん島』~
蓬莱島~岩手県大槌町というつながりに、ふっと涙が出てきそうになった。
この『キャンドル・ナイト』の過去記事に、私も『ひょっこりひょうたん島』と井上ひさし氏のことを
書いたことがあったからである。
68回もキャンドル・ナイトの記事を書いてきたが、その中でも、その『キャンドル・ナイト 31』は、
私が最も好きな記事だ。
ここには私の言いたいことがぜんぶ詰まっている…

そして、全くの偶然だが、木村草太氏のこのお父さんについての記事とも、引用した
写真の記事とも、それは不思議にリンクしていくのである。
ぜひぜひ、一緒にお読みくださると嬉しいです。下に載せておきます。


木村草太氏の記事は続く。
かつて、父君から、『これはお前にとって大事だから覚えておけ』と言われた、その
『ひょっこりひょうたん島』中の『ドン・ガバチョの未来を信ずる歌』。
木村氏は、安全保障関連法が成立した昨年、お子さんと見ていたテレビ番組で、
その歌が流れるのを偶然見た、というのである。
集団的自衛権行使は違憲だ、という我々の声、大勢の人々の声、は届かなかった…。
『でも、諦めようとは思いません』、と、木村草太氏は言う。
四半世紀たって、父の教えの意味がわかりました』、と。

木村氏の父君は、『自由人でした』という。
川崎市の税務畑の職員。出世欲はなく仕事はそこそこ。本を集めるのが好きで、
哲学書が多かった。レビストロースとかバタイユが本棚に並んでいた。
『読んでいる姿は記憶にないんですが』
子供の教育にも口出ししない。木村氏の進路にも何も言わなかったという。
58歳の若さで脳腫瘍で亡くなられた。
『私自身、二児の父になって振り返ってみると、優しく包み込んでくれる存在だったなあ、
と思います』




「今日がダメなら明日(あした)にしまちょ 明日がダメなら明後日(あさって)にしまちょ」

こんな歌詞の『ドン・ガバチョの未来を信ずる歌』。
木村草太氏のお父さんは、いったいどういう想いや願いを込めて、小学生の彼に
『これはお前にとって大事だから覚えておけ』と言ったのだったろうか。

聴いてください。






思わず笑ってしまうのですが、木村氏の父君のこと、違憲の安保法制、井上ひさし、
ひょっこりひょうたん島のモデルとなった岩手県大槌町の蓬莱島、津波……
言論の委縮…。教育ということの意味。…いろんなことを合わせて考えると泣けてきます。
ぜひぜひ『キャンドル・ナイト 31』も合わせてお読みくださいね。私なりの渾身の記事です…。
この68と、二つで一つの記事、と言ってもいいくらいです…

とりわけ、『サンデー先生』の言葉を…。井上ひさしさんが書いた釜石小学校の校歌を…。

  ↓



                    ***



『キャンドル・ナイト 31』

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今夜は、こんなコップ…。
夏に一人旅した折、これもKの街で買って来たものだ。
高価なものではないけれど、磨りガラスに赤と緑の色が綺麗なので気に入って買って来た…
小さなつまみが横にくっついている。高さ9センチ。

秋らしい色でしょう…
だいぶ冷たくなった秋のお水をほんの一口、こくっと飲みたいときに。

            ***

今月はこんな歌をお送りしよう。
NHK『ひょっこりひょうたん島』は、皆さんご記憶のかたも多くていらっしゃるだろう。
岩手県大槌町にある蓬莱島が、この島のモデルと言われていることも。
蓬莱島は周囲約200mの小島で、大小2つの丘が連なったひょうたん形をしている。
小さな方の丘には高さ7.4mの大槌港灯台があったが、2年7か月前、東日本大震災で根元から倒壊。
その後、再建され、2012年12月13日に初点灯した。
島は、かつては大槌町漁業協同組合が所有していたが、同漁協は東日本大震災の影響で自己破産を申請。
島は破産管財人によって管理され、第三者の手に渡る可能性も生じたため、大槌町が2013年8月にも
この島を取得することになった。(以上Wikiより)


『ひょっこりひょうたん島』の中のこの歌。





聴いてください、メロディがせつないです。
歌は楠トシエさん。ご存じの方も多いでしょうが、当時のCMソングの女王とも言うべき
実力派歌手の歌唱が素晴らしいです。



『勉強なさい』 ★全作詞:井上ひさし&山元譲久/全作曲・編曲:宇野誠一郎


(子どもたち)しち はち くう じゅう
 勉強なさい 勉強なさい
 大人はこどもに命令するよ 勉強なさい

(博士)えらくなるために お金持ちになるために
(子どもたち) あーあーあーあーそんなの聞き飽きた

(サンデー先生)いいえ賢くなるためよ
 男らしい男 女らしい女
 人間らしい人間 そうよ人間になるために 
さあ勉強なさい

(トラヒゲ)そうだとも 泣けちゃうな 今の一言
 みんな忘れるな

(テケ)トラさんもね

(サンデー先生)さんにがろく

(子どもたち)さんにがろく

(サンデー先生)さざんが

(子どもたち)きゅう じゅう じゅういち じゅうに じゅうさん
 良い子になあれ 良い子になあれ
 大人は子どもを教育するよ 良い子になあれ

(博士)人にほめられるために お気に入りになるために

(子どもたち)あーあーあーあーそんなの聞き飽きた

(サンデー先生)いいえよい大人になるためよ
 男らしい男 女らしい女
 人間らしい人間 そうよ人間になるために
 さあ良い子になりなさい

(トラヒゲ)そうだとも 泣けちゃうな 今の一言
 それも忘れねえ


一見、先生が子供たちに『勉強しなさい』の決まり文句を言って、子供たちがうんざりして
いるかのように聞こえる。
偉くなるため、お金持ちになるため、人に誉められるため、気に入られるために
勉強するの?いいこにならなきゃならないの?

だが、サンデー先生はこういうのだ。

いいえ賢くなるためよ
 男らしい男 女らしい女
 人間らしい人間 そうよ人間になるために

いいえよい大人になるためよ
 男らしい男 女らしい女
 人間らしい人間 そうよ人間になるために


私はここのところを聞くと泣けてくる。
ああ…なんていい歌詞なんだろう!

男らしい男!
女らしい女!
これを、男の役割、女の役割を決めつけている、などという浅薄なジェンダー論で
裁いたりしないでほしい。そんな単純な歌ではない。
女を家庭に押し戻そうとしているどこかの国の改憲論などと夢夢一緒にしてはならない!

男が男であり、女が女であることは美しいことなのである!
でも、それ以前に…。

男が本当に人間らしい人間になったとき…
女が本当に人間らしい人間になったとき…、
人間は、男女に関係なく、真に人間らしい人間であるとき美しい。


男が男らしくあるということを、何かはき違えて、やたら勇ましがっている政治家がいる…
迷彩服を着てヘルメットをかぶり、戦車の上から自衛隊員に向かって手を振り、敬礼を受けるのが
男らしい行為なのか。アメリカのいいなりになって、地球の反対側にだって自衛隊を武装させて
送り出すのが男の甲斐性なのか。
子供が小さいうちは、母親は家にいて子供の面倒を見た方がいいのだと云わんばかりに、
憲法の条文のニュアンスや労働環境を微妙に変えて、『女は家に』いるようにすることが
この国が思う『女の女らしさ』なのだろうか?

そうじゃないだろう?
『人間が人間らしくあること』こそが大事なのだ。
今、この国は、人間が人間らしく生きられないような国になりつつあるのだぞ。

福島の子供たちは、外で思いきり遊べない。
仮設住宅の子供たちは、大きな声を出して走り回って遊ぶことを遠慮する。
お年寄りたちは父祖の眠る墓の守も出来なくなった。
米農家が米を作れない。
果樹園主は、林檎や桃を出荷できない。
酪農家は手塩にかけて育てた牛や豚を殺さざるを得なかった。
漁師は魚を獲ってはならない。
母親は安心して自分の乳房を赤ん坊の口に含ませてやることが出来ない。
そのうちに、サトウキビ栽培農家はサトウキビを栽培しても仕方がなくなるだろう…(TPP!)


政治は、国民が安心して『人間らしい』生活が出来るようにするのが第一の使命であろう。
おとなは、子どもたちが安心して大きくなることが出来る、そんな国を作るために、そんな国を守るために、
これまで学校に行ったり本を読んだり新聞を読んだり、ニュースを見たり
『勉強してきた』んじゃなかったの???

おとなは、ただお金持ちになるために、そのお金持ちたちをさらに肥え太らせるために、
偉くなるために、経済界やらアメリカから誉められるために、そのお気に入りになるために、
これまで大学に行ったりアメリカに留学したり、本を読んだり新聞を読んだりニュースを見たりして
『勉強して』きたの?
勉強はそのためだったの?

ちがう。
人間は、人間になるために勉強するのよ。
人任せにしていては、人間は人間になれない。

お金持ちになるためにさらに富を溜めるためにこの世を理不尽に動かしている者たちがいる…
人間から人間らしさを奪う戦争をするために、武器を殺人兵器を作っている者たちがいる…
それを買おうとする者、自分たちも作って売りたいと思う者、実際に使用したいと思う者たちがいる…
人間を分断するために大金をばらまいて土地を買い、そこに危険とわかっている原発を
作り売ろうとする者がいる…
都合の悪い情報は国民の目から見えないようにしてしまい、国民をおとなしいもの言わぬ羊の群れに
してしまおうと思う者たちがいる…

こういう者たちから、自分たちの正当な人間としての権利を守るために、
私達は、一人一人が勉強しなければならない。
声をあげていかねばならない。

人間らしい人間 そうよ人間になるために勉強するのよ。

ああ!楠トシエの歌うここの箇所のなんてすばらしいことだろう!
泣けちゃうな。この一言!


井上ひさし。
彼はこんな素晴らしい校歌も作っている。


『釜石小学校校歌』
【作詞】井上 ひさし
【作曲】宇野 誠一郎

いきいき生きる いきいき生きる
ひとりで立って まっすぐ生きる
困ったときは 目をあげて
星を目あてに まっすぐ生きる
息あるうちは いきいき生きる

はっきり話す はっきり話す
びくびくせずに はっきり話す
困ったときは あわてずに
人間について よく考える
考えたなら はっきり話す

しっかりつかむ しっかりつかむ
まことの知恵を しっかりつかむ
困ったときは 手を出して
ともだちの手を しっかりつかむ
手と手をつないで しっかり生きる








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『TPPとトランプ現象 ①』


今日午後3時から、一応衆院本会議が開かれ、そこで与党はTPP承認と関連法の
強行採決を目指しているようである。
(こんな大事な採決をテレビで中継しないので、インターネット中継で見ながら、これを
書いている。国会の外で反対を叫んでいる人々と連帯し、強い抗議のつもりで。)

TPP反対を明確に打ち出しているトランプ。肝心のアメリカの批准がどうなるか
わからない状況で、なぜ日本がTPP採決をそんなに急ぐ必要があるのか。

トランプやがクリントンがTPPに反対していた意味は、サンダースや私がここで反対
している意味とは大きく違う。トランプらは、アメリカの企業が自由貿易によって損を
することのないようTPPのルールをよりアメリカに有利にしなければならないと言って
反対しているのであり、サンダースや私は、TPPというものが、巨大企業による
巨大企業のためのルールで営まれようとしているいわばさらなる簒奪のシステムで
あるから反対しているのだという点である。

このことについては、次回以降の記事で書いていきたい。
だが実は、もうTPPの基本については、私も記事をいっぱい書いてきている。
新たに書く記事は、それとは別のことを書きたいので、下のところに、私のこれまでの
TPPに関連した記事のURLをリストアップしておくので、興味おありの方は覗いてみてください。

それらの記事の中でも、私がこれだけは一番言っておきたいこと。
それは、TPPというのは、アメリカの巨大企業のための協定だ、ということである。
もう一度、この記事を掲載しておこう。


『TPPで私たちが闘わなければならなくなる相手』
http://clusteramaryllis45.blog61.fc2.com/blog-entry-1166.html



アメリカで「TPP」を推進して米政府を操る黒幕たちの正体』

では、アメリカの誰がこのTPPを推進している黒幕なのか?以下のサイトがその正体です。
NATIONAL FOREIGN TRADE COUNCIL

http://www.nftc.org/
NFTC.png



この「全国貿易協議会」、略して「NFTC」という財界団体・同業組合がTPPの裏にいる存在であり、TPPを強力に推進しているわけです。NFTCは1914年に設立され、オープンでルールに基づいた国際貿易システムを主張する最も古く、そして最大の規模を誇っています。会員社数は300を超えており、ワシントンとニューヨークにオフィスを構えています。つまり、オープンな国際貿易と投資制度を促進する公共政策を主張し、専門知識および主要問題についての情報をフル動員して広め、さらに政策決定者とオピニオン・リーダーとの対話によって公開討論に影響を及ぼすことでグローバルな通商を進めることです。

もっとわかりやすく身もふたもない言い方をすると、政府関係者にロビー活動を行って自分たちの会員企業に有利な法律を政府に作らせるのがお仕事、というわけです。

TPPを推進している企業の名前がずらっと並んでいます。

以下がそのリストです。かなり膨大な量になっていますが、インテル、マイクロソフト、IBM、GAP、コカコーラ、ファイザー、シティグループ、ダウ・ケミカル、GE、ヒューレット・パッカード、ジョンソン・エンド・ジョンソン、リーバイス、オラクル、P&G、タイム・ワーナー、Visa、ウォルマート、ゼロックスなどといった有名企業も山ほどあり、つまりTPPでの交渉とは、これらすべての企業を相手にするのと同じ意味なのだ、ということです。

有名企業以外にも日本では知られていないが非常に強力なロビー活動のための組織が山ほどあり、TPPでなぜあれだけ多くの分野が上がっているのか、その理由がわかるはずです。加盟社数、会員社数、構成員数、これまでの歴史、アメリカはTPPのためにこれまでアメリカが築き上げてきたすべてのものを総動員しているというのが、一目瞭然です。


----ここから----

Abbott Laboratories(アボット・ラボラトリーズ、1888年設立の製薬会社、世界130カ国で事業展開を行っており、1985年に世界初のHIV血液検査薬を開発)

ACE Group(エースグループ、生命保険会社で主にロンドンのロイズ保険市場を使っている)

Advanced Medical Technology Association (AdvaMed)(先進医療技術工業会)

American Apparel & Footwear Association (AAPC)(アメリカの服とフットウェアの協会、何百もの下請け業者を代表する産業業界団体)

American Automotive Policy Council (AAPC)(クライスラー、フォード・モーター、ゼネラル・モーターズの自動車大手3社がアメリカの自動車推進政策会議として組織し、国際貿易と経済政策に関する自動車推進の通商政策会議を行っている)

American Business Conference (ABC)(1981年に設立されたアメリカ営業会議、経済の中型の高度成長セクターの公共政策についてロビー活動を行う団体で、主に製造業・公共事業・先端技術・金融サービスがメンバー)

American Chamber of Commerce in New Zealand(AmCham)(ニュージーランド米国商工会議所、フォーチュン500の会社などがメンバーで、45年以上もの間、アメリカとニュージーランドの貿易・投資・観光旅行を促進してきた)

American Chamber of Commerce in Singapore(AmCham Singapore)(シンガポール米国商工会議所。アメリカ国外では最大規模の米国商工会議所のうちの1つ、ASEANで最大の米国商工会議所であり、シンガポールで最大の外国の商工会議所。シンガポールで概算250億ドル(約1.9兆円)の投資を行っている。4500人のメンバーと700を超える会社が加盟しており、1年あたり280を超えるビジネス・イベントを開催し、13の産業に焦点を置いた委員会を所有する)

American Chamber of Commerce in Vietnam (Hanoi)(AmCham Hanoi)(1994年設立のベトナム・ハノイ米国商工会議所。メンバー数は450人、立法および行政改革・ネットワーキング・ビジネス状況報告・貿易使節団・有益な出版物を取り扱い、政府に対して景気を増強するロビー活動も行う)

American Chamber of Commerce in Vietnam (Ho Chi Minh City)(AmCham Vietnam in HCM City)(ベトナム・ホーチミン米国商工会議所。1996年設立で700の会社と1500人の会員を有する)

American Council of Life Insurers (ACLI)(生命保険産業のためにワシントンD.C.でロビー活動を行う業界団体。米国生命保険産業の総資産の90パーセントを占める300社の保険会社を代表している)

American Forest & Paper Association (AF&PA)(米国森林・製紙協会。林業協会と米国製紙工業会の合併によって1993年1月1日設立。米国のパルプおよび製紙業のおよそ80%および木製建築資材キャパシティーの50%のメーカーを代表する林産品産業の国立同業組合)

American Import Shippers Association (AISA)(米国輸入運送協会。1987年設立で、織物・衣服・フットウェアおよび他の消費財のアメリカの輸入業者をとりまとめる世界最大の国際的発送協会のうちの1つ)

American Soybean Association (ASA)(アメリカ大豆協会。アメリカの大豆生産者2万2000人で構成された非営利農業団体で、1920年設立。過去90年間にわたって政府に対するロビー活動、生産者の教育、啓蒙活動を行っている)

ANSAC(ANSAC: American Natural Soda Ash Corporation)(1984年設立、アメリカン・ナチュラル・ソーダ灰株式会社。アメリカのソーダ灰3社のための国際的な物流部門。グラス、洗剤およびいくつかのナトリウムに基づいた化学薬品の製造の中で使用される本質的な原料である炭酸ナトリウム(Na2CO3)であるソーダ灰を扱っている)

Applied Materials, Inc.(アプライドマテリアルズ、アメリカ半導体製造装置最大手で1967年設立。半導体(集積回路)チップ、コンピューターとテレビのための平面パネルディスプレー、家と建物のためのグラスコーティング、産業と光起電力の太陽電池のためのフレキシブル基板コーティング)

Association of American Publishers (AAP)(米国出版社協会。アメリカの本出版産業の国立同業組合で、より小さく非営利的な出版者、大学出版局などアメリカのほとんどの主な商用出版者を含む300人を超えるメンバーを擁する。知的財産と国際著作権を扱う)

Association of Equipment Manufacturers (AEM)(設備メーカー協会。農業、建築、採鉱および公益事業の産業用設備を製造する会社のための同業組合)

AT&T(エイ ティ アンド ティ、アメリカ最大手のモバイルと固定電話の電話会社。1877年にグラハム・ベルが設立したベル電話会社が前身で、現在では1億70万人以上の携帯電話ユーザーを持っている)

Bechtel Corporation(ベクテル、石油コンビナート、原子力発電所、キング・ファハド国際空港、ホンコン国際空港、英仏海峡トンネルなどの建設を請け負う世界最大級の建設会社)

Boeing Company(ボーイング、1916年設立の多国籍航空宇宙および防衛関係請負業者。アメリカで唯一の大型旅客機メーカーであり、ヨーロッパのエアバスと世界市場を二分する巨大企業。民間機だけでなく軍用機・ミサイルなどの研究開発・設計製造も行っている)

Biotechnology Industry Organization (BIO)(バイオテクノロジー産業協会。産業ロビー団体で1100人を超えるメンバーで構成された世界最大のバイオテクノロジー団体)

C.V. Starr & Co., Inc.(CV Starr)(革新的なリスク管理解決策を提供するグローバルな保険および金融サービス組織。飛行機、船舶、エネルギー、財産および超過災害保険を扱う)

Cargill, Incorporated(カーギル、1865年設立のアメリカ最大の個人所有企業で、もし公開企業であればフォーチュン500のトップ10に入ると言われている穀物メジャー。食品、農産品、金融商品、工業用品および関連サポートをグローバルに生産して提供し、63か国でビジネスを展開、総従業員数は13万8000人)

Caterpillar, Inc.(キャタピラー、建設および採鉱設備、ディーゼル機関および天然ガス機関の世界で最大のメーカー。機械類とエンジンを売り、世界的な販売網によって顧客に金融商品と保険も売っている)

Chevron Corporation(シェブロン、1879年創業の石油関連企業。世界の石油関連企業の中でも特に巨大な規模を持つ国際石油資本、いわゆるスーパーメジャーと総称される6社の内の一社)

Citigroup, Inc.(シティグループ、1812年に前身である会社が創業された多国籍金融サービス企業。世界140カ国に1万6000のオフィスを持ち、世界で最大の金融サービス・ネットワークを所有、社員数は26万人、顧客の口座は2億以上開設されている)

Coalition of Service Industries (CSI)(サービス業連合。サービス業全般を代表しており、アメリカの労働力の80%を使用し、全国経済生産高のうちの4分の3を占めている。保険、テレコミュニケーション、情報技術、速達便、オーディオビジュアル、エネルギー・サービス、また他のサービス業を含んでおり、銀行業務から国際的大企業まで世界100カ国を網羅する)

The Coca-Cola Company(コカ・コーラ、多国籍飲料企業大手。現在200か国以上で500を超える商標を展開し、毎日17億杯もコカコーラを売っている)

Corn Refiners Association (CRA)(コーン精製者協会。コーン精製とはコーンスターチ、トウモロコシ油、ブドウ糖果糖液糖(HFCS)の生産のこと)

Council of the Americas (COA)(アメリカ評議会。自由貿易、民主主義および公開市場を促進しているアメリカの事業組織。経済・社会開発、公開市場、法の支配および西半球の至る所での民主主義に対する共通の責任を共有しており、委員会の会員は銀行業務、金融、コンサルティング・サービス、消費者製品、エネルギー、採鉱を含む広範囲のセクター、製造、メディア、技術、輸送を代表する主要な国際会社から成り立っています)

CropLife America(CROP、農業のバイオ企業の国際的な連合)

DHL(ディーエイチエル、世界最大の国際輸送物流会社。国際ロジスティクス会社ドイツ・ポストの1部門)

Diageo(ディアジオ、イギリスの酒造メーカー。世界で最大のビールとワインの主要製造業者でもあり、スミノフ、ジョニーウォーカー、ギネス、キルケニー、ベイリーズ、J&B、キャプテンモルガン、クエルボ、タンカレー、ボーリューヴィニャード、スターリングヴィンヤーズワインなどのブランドを持つ。180か国以上で販売を行い、80か国にオフィスを持っている)

Distilled Spirits Council of the United States (DISCUS)(合衆国蒸留酒会議。数十年間存在した3つの組織(ブルボン研究所、酒精協会およびライセンスト・ビバレッジ・インダストリーズ社)の合併によって1973年に結成された。アメリカで販売されているすべての蒸留酒の80%を代表している)

The Dow Chemical Company(ダウ・ケミカル、世界最大級の化学メーカー。175か国以上に4万6000人の従業員を持ち、1897年設立。米国化学工業協会の会員)

Eli Lilly and Company(イーライリリー・アンド・カンパニー、1876年設立の製薬会社。糖尿病治療のためのインスリン製剤で有名で、今日世界で最大のインスリンメーカーであり、精神医学薬剤の配給元でもある)

Emergency Committee for American Trade (ECAT)(米国貿易緊急委員会。米財界有力者が結成した自由貿易推進団体で1967年結成)

Emerson(エマソン、多国籍企業。広い範囲にエンジニアリング・サービスを提供し、アメリカで最大のコングロマリットのうちの一つ。150か国に12万7700人の従業員を持つ)

Express Association of America (EAA)(アメリカ速達便協会。4つの大きな統合速達便会社であるDP DHL、フェデックス、TNT、UPSが作った新連合)

Fashion Accessories Shippers Association (FASA)(ファッションアクセサリ運送協会。国立ファッション・アクセサリーズ協会社(NFAA)によって1986年に設立され、政府の事務に助言したり、価値のある米国関税情報を供給することが役割)

FedEx Express(フェデックス、物流サービスを提供する世界最大手の会社)

Fluor(Fluor Corporation、石油およびガスの建設会社でフォーチュン500のうちの1社。4万1000人を超える国際的な従業員を雇用し、25か国以上に展開している)

Footwear Distributors & Retailers of America (FDRA)(アメリカ履物配給者・小売り業者協会。フットウェアの小売り業者、配給者、メーカー、サプライヤーおよび国際貿易協会)

Freeport-McMoRan Copper & Gold Inc.(Freeport、世界で最も低コストの銅生産者および金の世界で最大の生産者のうちの1つ)

Gap, Inc.(Gap、アメリカで最大の衣類および付属品小売り業者。13万5000人の従業員がおり、世界中に3076の店舗を展開、そのうち2551はアメリカ国内)

General Electric Company(GE、世界最大のコングロマリット(複合企業)であり、売上高世界第二位のメーカー。1878年創業でエネルギー、技術インフラストラクチャー、資本財政および消費者産業の4つのセクションを持つ)

GlaxoSmithKline(グラクソ・スミスクライン、イギリスの医療用医薬品製薬会社。医療用では呼吸器系・抗ウィルス・ワクチンの分野で高シェアを持っている)

Grocery Manufacturers Association (GMA)(食料品店メーカー協会。1908年以来、食物、飲料およびコンシューマ製品のブランド化に努めており、公共政策に産業規模の効率を増加させるためにロビー活動を行っている。最大のメンバーはコカ・コーラ、ネスレ、ペプシコ、プロクター・アンド・ギャンブル、デル・モンテ・フーズおよびユニリーバ)

Hanesbrands, Inc.(ヘインズブランズ、世界的な一般消費財企業で主にアパレルを扱う衣料品会社。Wikileaksの公電の中では国務省にロビー活動を行ってハイチの1時間あたりの最低賃金を0.61ドルから0.31ドルまで下げさせたことが暴露されている)

Herbalife Ltd.(ハーバライフ・インターナショナル、健康食品とスキンケア商品の企業。210万人のネットワークビジネスを駆使し、76か国でMLM方式のビジネスを展開。社員数は4000人)

Hewlett-Packard Company(ヒューレット・パッカード、製品、技術、ソフトウェア、ソリューション、および政府の顧客を含む個別消費者、中・小型のビジネス(SMB)および大企業に対する製品を提供するアメリカの多国籍情報技術企業)

IBM Corporation(IBM、コンピューター・ハードウェアとソフトウェア、メインフレーム・コンピューターからナノテクノロジーまで及ぶコンサルティング・サービスも含む多国籍技術企業。時価総額では世界2番目の規模の技術会社)

Information Technology Industry Council (ITI)(米国情報技術工業協議会、米国の主要なハイテク企業によって構成される団体で世界各国の首都、WTO(世界貿易機関)におけるロビー活動を最も効果的に行うテクノロジ産業の業界団体として広く知られている)

International Intellectual Property Alliance (IIPA)(国際知的財産連合。1984年に形成された、7つの同業組合の民間部門連合。著作権法によって保護されたコンピューター・ソフトウェア、フィルム、テレビ番組、音楽、本およびジャーナルを対象としている)

Independent Film & Television Alliance (IFTA)(インディーズ映画&テレビ連合。構成は22か国で150を超える会員会社を持っており、販売代理店、テレビ会社、スタジオ関係会社および金融機関などを含む)

Intel Corporation(インテル、世界最大の半導体チップ・メーカー)

J.C. Penney Corporation, Inc.(J. C. Penney、アメリカの中程度のデパートチェーン、50の米国の州およびプエルトリコすべてに1107のデパートを展開している)

Johnson & Johnson(ジョンソン・エンド・ジョンソン、アメリカの医薬品・ヘルスケア製品メーカー。1886年設立で、世界に250以上のグループ企業を保有しており、医薬品・医療用機器・診断薬を製造。救急絆創膏「バンドエイド」で有名。世界企業ランキングでは製薬ヘルスケア部門で世界第2位)

Kraft Foods(クラフト・フーズ、アメリカの菓子、食物および飲料コングロマリット大手。155か国以上で多くの商標を売り、そのうちの12個で毎年10億ドル以上を得ている。キャドバリー、ジェーコブス、クラフト、LU、マックスウェル・ハウス、ミルカ、ナビスコ、オスカーメイヤー、フィラデルフィア、トライデントなどを持っている)

Levi Strauss & Co.(リーバイス、デニム・ジーンズのリーバイス・ブランドで世界的に知られている個人所有のアメリカの衣料品会社)

Mars, Incorporated(MARS、菓子、ペットフードおよび他の食品の世界的なメーカーでフォーブズによってアメリカで5番めに大きな私企業に位置付けられている)

McDermott International(McDermott、アメリカ、中東、カスピ海および環太平洋で事業で主に海を舞台にした国際的なエンジニアリング会社)

The McGraw-Hill Companies(マグロウヒル、出版社。ビジネスウィーク誌などの雑誌の出版や、教育、放送、金融事業などを行っており、スタンダード&プアーズやJDパワーの親会社)

Merck & Co., Inc.(メルク、世界140カ国以上で事業を展開している世界的な医薬品大手企業で1891年設立。従業員数は約9万3000名。世界に七つある巨大製薬会社の1つ)

Microsoft Corporation(マイクロソフト、多国籍コンピューティング企業。マイクロソフト・オフィスとウインドウズで超有名)

Monsanto Company(モンサント、遺伝子組み換え作物の種の世界シェアは90%を占め、研究費などでロックフェラー財団の援助を受けている多国籍バイオ化学メーカー)

Motion Picture Association of America (MPAA)(アメリカ映画協会。映画産業の業界団体であり、ハリウッドのメジャースタジオなどをメンバーとする)

National Association of Manufacturers (NAM)(全米製造業者協会。アメリカ最大の産業同業組合)

National Cattlemen’s Beef Association (NCBA)(全国牧畜業者牛肉協会。牛肉生産者の集まりで、「景気および消費者需要の増強により牛および牛肉生産者のための利益獲得機会を増加させる」のが目的)

National Center for APEC (NCAPEC)(アジア太平洋経済協力会議(APEC)のための米国のナショナル・センター。APECのための唯一の米国商業組合で、APECのプロセスへのアメリカの民間部門としてロビー活動を繰り広げている)

National Confectioners Association (NCA)(国立菓子屋協会。69の菓子会社の代表によってシカゴで1884年に設立され、世界で最も古い同業組合のうちの1つ)

National Foreign Trade Council (NFTC)(全国貿易協議会、TPPの総元締め)

National Music Publishers Association (NMPA)(全米音楽出版社協会。音楽出版社の全米団体で著作権保護を活動の中心としており、1917年設立。800を超える音楽出版社が加盟しており、アメリカの音楽著作権の60%を処理している)

National Pork Producers Council (NPPC)(国立豚肉生産者評議会。国内と世界市場への高品質の豚肉の一貫して信頼できるサプライヤーとして米国豚肉産業を確立することにより、米国豚肉生産者および他の産業ステイクホルダーの成功の機会を増強して、その43の合併された州協会を代表して公共政策に関与するロビー団体)

National Retail Federation (NRF)(全国小売連盟。世界で最大の小売り業協会で、デパート・専門店・ディスカウントストア・通信販売・ネットショッピング・独立小売業者およびチェーン・レストランおよび食料雑貨店を含む。4兆4000億ドル売上、2400万人を超える従業員、160万軒以上の米国の小売店を含んでおり、さらに100を超える協会をも含んでいる)

News Corporation(ニューズ・コーポレーション、アメリカの多国籍巨大メディア企業。タイムズ・20世紀フォックス・FOXテレビジョンなど大手新聞、テレビ、映画会社などを傘下におさめるオーストラリア発祥の世界的なメディア・コングロマリット。)

Oracle Corporation(オラクル、アメリカの多国籍コンピューター技術企業。世界で第2位のソフトウェア会社。世界市場のトップシェアを占めるデータベース管理システムソフトを持つ。)

Outdoor Industry Association(OIA)(アウトドア企業団体。アウトドア産業で4000社以上のメーカー、配給者、サプライヤー、販売代理人および小売り業者に貿易サービスを提供している同業組合)

Pacific Sunwear of California, Inc.(PACSUN、小売り衣料品会社。南カリフォルニアの若者文化および流行に定着している。十代とヤングアダルトのためにデザインされた限定アクセサリーやフットウェアなどが有名で、50の州およびプエルトリコに826の店を展開している)

Pfizer, Inc.(ファイザー、世界売上1位のアメリカの多国籍製薬企業。1849年創業、11万6500人の従業員を抱える。バイアグラを作ったのはここ)

Pharmaceutical Research and Manufacturers of America (PhRMA)(米国研究製薬工業協会。米国で事業を行っている主要な研究開発志向型の製薬企業とバイオテクノロジー企業を代表する団体)

Principal Financial Group(プリンシパル・ファイナンシャル・グループ、1879年に設立された約130年におよぶ歴史を持つ世界有数のグローバル金融サービス機関。傘下の会社を通じて個人や法人の投資家に対してリタイアメント・サービス、資産運用、保険等の様々な金融商品ならびにサービスを提供している)

Procter & Gamble(P&G、プロクター・アンド・ギャンブル、世界最大の一般消費財メーカー。2011年度の売上は826億ドル(約6.4兆円))

Recording Industry Association of America (RIAA)(アメリカレコード協会。アメリカで生産され売られたすべての正当なレコード音楽のおよそ85%を作成・製造・分配している)

Retail Industry Leaders Association (RILA)(小売り業界リーダー協会。公共政策と産業によって消費者の選択および経済的自由を促進することを目的とした同業組合)

Sanofi-Aventis(サノフィ・アベンティス、フランス・パリを本拠とする製薬・バイオテクノロジー企業でヨーロッパ最大手。循環器系・代謝系・中枢神経系・内科系・血栓症・がんなどの医薬品やワクチンを製造している)

Securities Industry and Financial Markets Association (SIFMA)(証券業界および金融市場協会。アメリカと香港で証券会社、銀行および資産運用会社を代表する主要な証券業界業界団体の1つ)

Skyway Luggage Company(Skyway、1910年設立の荷物メーカー。カナダ、メキシコ、ヨーロッパ、オーストラリアおよびニュージーランドへの国際的卸売業者でもあり、アメリカで最大の独立して所有された荷物サプライヤー)

Smart Apparel U.S., Inc.(Smart Apparel、紳士服やスポーツウェアおよび礼装用ワイシャツなどのアパレルメーカー)

Society of Chemical Manufacturers and Affiliates (SOCMA)(化学メーカー協会。国際貿易協会であり、合理的なルールを求める団体)

Target Corporation(ターゲット、小売業者。ウォルマートに次ぐアメリカ2番目のディスカウントチェーンで、アメリカ全企業の収入ランキングでは33位)

AnnTaylor Stores Corporation(アン・テイラー、女性向け衣類小売りチェーン。クラシックスタイルのスーツやドレス、靴やアクセサリーを製造・販売していて、46の州で907の店や工場を展開している)

TechAmerica(テックアメリカ。アメリカを中心としたハイテク技術産業団体で、1200の企業が所属。目標として「草の根からグローバルへ」を掲げています)

Time Warner, Inc.(タイム・ワーナー、世界最大のメディア企業の1つ。CNN、ワーナーブラザーズ、カートゥーンネットワーク、ブルームバーグ、TIME、ニューラインシネマ、DCコミックなどを傘下に持つ)

Travel Goods Association (TGA)(旅行用品産業の全国組織で、製造業者、代理店、小売業、プロモーター、販売店、そして下請け業者までがメンバーに含まれている)

TTI Global Resources, Inc.(TTIグローバルリソース。アパレルや靴下関係のビジネスを背後に持つ投資グループが2001年に作った企業で、最初はタイで細々と事業を営んでいましたが、国際サプライチェーン化して、今やタイの他に中国やベトナムで生産や経営のサポートをしている)

Tumi(トゥミ、スーツケースやカバンを作っているメーカー。ペルーで平和活動を行っていたチャーリー・クリフォードが1975年に設立。世界に直営店舗を120店舗出店している)

U.S.-ASEAN Business Council(米国ASEANビジネス協議会。ワシントンD.C.、バンコク、ハノイ、ジャカルタ、マニラ、シンガポールにオフィスを置き、アメリカとASEAN諸国との間の市場問題を解決している)

U.S. Association of Importers of Textiles and Apparel (USA-ITA)(アメリカ繊維アパレル輸入協会。国内の布や衣類の輸入業者が一体となった主張をするべく1989年に設立。アメリカの小売業者やブランド、輸入業者のニーズを代表し、ビジネスの障害を取り除くべく活動している)

U.S. Chamber of Commerce(アメリカ商工会議所、ロビー団体。多数の企業や産業団体の利益を代弁するためにロビイストのほかに政策専門家や弁護士が所属する、アメリカ最大のロビー団体の一つ)

United States Council for International Business (USCIB)(米国国際ビジネス評議会。1945年に「開かれた国際取引システム」促進のために設立され、300以上の多国籍企業や法律事務所、商業組合が加盟している)

United Technologies Corporation(ユナイテッド・テクノロジーズ、多国籍企業。航空機のエンジンやヘリコプター、燃料電池、エレベーターやエスカレーター、防火や警備などの建物システムなど幅広い製品を扱うコングロマリット。軍事企業でもあり、攻撃ヘリのブラック・ホークやミサイル関連も扱っている)

United Parcel Service (UPS)(ユナイテッド・パーセル・サービス、貨物運送会社。世界中の220の国や地域に展開していて、1日の顧客は610万人、運ぶ荷物の数は1500万個以上)

US-New Zealand Council(アメリカ・ニュージーランド評議会、超党派非営利組織。アメリカとニュージーランドとの間の貿易拡大や投資、業務提携促進のために活動している団体。評議会メンバーやスポンサー合計38社のうち34社はアメリカ企業や多国籍企業、4社がニュージーランド企業)

Visa Inc.(ビザ、カード会社。200カ国以上で使用可能なクレジットカードのブランド。クレジット以外に支払いと同時に引き落としが行われるデビットや先に入金して積み立てておくプリペイドのサービスも行っており、アメリカでは70%以上がこちらの利用方法)

Wal-Mart Stores, Inc.(ウォルマート、ディスカウントショップ最大手。従業員数が200万人もいる世界最大の企業で、収益も世界18番目。世界15カ国にいろいろな名前で合計8500店舗を展開している)

Xerox Corporation(ゼロックス、印刷機器製造会社。世界160カ国に展開しており、従業員の数は13万6000人。イギリス女王エリザベス2世とチャールズ皇太子の「御用達リスト」に加えられている)

----ここまで----



これらのリストを見れば分かるが、「アメリカ」という国一つを相手にしているのではなく、その裏にいるこれだけの多国籍企業をTPPは相手にしており、TPPでアメリカと交渉するということは、これらすべての企業を代表するアメリカ政府と交渉する、ということを意味する。

 *******       


さて。以前に書いた記事の中で、私が恐れるものは、無論食の自給率の低下もそうであるが、
訴訟大国のアメリカの企業が、日本に乗り込んできて、アメリカのルールを押しとおそうとする
ことであると書いた。そしてそのことの怖さを予感させるものとして、下記に米韓FTAに
明記された条項を挙げておいた。TPPの中にもおそらく盛り込まれる条項である。
その中でも特に心配な物をもう一度いくつか挙げておく。
日本は上記のような企業組合やロビー団体と、下記のような条項で争わなければならなく
なるかもしれないのである。

公平を期すれば、日本にも、本当に素晴らしい企業がたくさんある。もしこれと同じように、
日本の有名・有力企業、組合団体をリストアップすれば、それもまた世界があらためて
「おお~ッ!」と再認識して驚くほど、一流大企業はたくさんあるだろう。
その質や量において、日本はアメリカをそう恐れることなどないと言えるかもしれない。
それは私も認める。実際そうであろうと思う。
日本の商品がアメリカのものにただ負けたりするもんか!
…そう思う。
しかし、対外的な交渉力がすごいというか、自分に有利になることなら相手方政府を相手取ってでも
訴訟に持ち込もうとする強さのあるアメリカ企業。
下に書いておいたが、私が懸念するISD条項。これは、相手国に投資した企業が
相手国の政策によって損害を被った場合、世界銀行のもとにある国際投資紛争仲裁センターに
提訴できるという条項である。
外務省によれば、アメリカがカナダやメキシコと結んだNAFTAにおいて、このISD条項で
この2国を訴えて勝訴したのは、30件中7件。敗訴は逆に10件と言うから、なんだ、アメリカを
恐れることはないじゃないか、と思うかもしれないが、逆に2国からアメリカが訴えられたケースでは、
15件中アメリカの敗訴は0。訴えたカナダの敗訴は7、という。
(農政・農協ニュースhttp://www.jacom.or.jp/news/2012/03/news120307-16353.php
アメリカの戦い上手がわかる。
しかし実は、これらの問題が起きた時の提訴先の国際投資紛争仲裁センターは世界銀行傘下。
世銀総裁は必ず米国人で最大の融資国も米国である。アメリカにとってそもそも有利なのだ
ということも頭に入れておいた方がいい。

TPPに日本が参加し、実際にこれが動き始めたら、怒涛のようにアメリカの企業が、
日本の市場を求めて雪崩込んでくるであろう。(その逆もまた、無論ある。
アメリカの自動車業界や民主党支持者には日本のTPP参加を警戒している者もいるようだ。)

コカ・コーラボトラーズが、日本の綺麗な水に目をつけて、水源地購買のための
障壁である国立公園法や自治体の条例の撤廃を求めて提訴したりしなきゃいいがなあ…
日本の映画、音楽シーンが度々著作権問題で訴えられ、私たちも息苦しくならなきゃいいがなあ…
アメリカの製薬会社や保険会社が、日本の健康保険法をさらに解体しなければいいがなあ…
アメリカのバイオ企業と大規模農家が入りこんできて、隣の日本の零細農家の作物から
うちの稲の遺伝子を持つ稲が発見されたと、訴えたりしなければいいがなあ…。

それらと丁々発止とやり合う覚悟を決めて、日本政府も日本の企業も、TPPの交渉に
臨もうと果たしてしているだろうか。

…『無論覚悟しているし、また法的交渉力においても営業力においても、当然商品の実力においても
負けない』と言って欲しい。
対米追従外交をしない、と言って欲しいところだが、
いったんTPPに参加してしまったら、日本の曖昧な是々非々主義など通用しない
世界であろうことも、しっかり頭に入れておいてほしい。

ここにこんなリストを掲げたのは、私の老婆心であった…
全く私、臆病だわねえ…
そう、あとになってからも笑えるといいのだが…
心からそう願う私である。


                *******

(1)サービス市場開放のNegative list:
   サービス市場を全面的に開放する。例外的に禁止する品目だけを明記する。
(2)Ratchet条項:
   一度規制を緩和するとどんなことがあっても元に戻せない、狂牛病が発生
   しても牛肉の輸入を中断できない。

(3)Future most-favored-nation treatment:
未来最恵国待遇:今後、韓国が他の国とFTAを締結した場合、その条件が
米国に対する条件よりも有利な場合は、米にも同じ条件を適用する。
(5)ISD:Investor-State Dispute Settlement:
韓国に投資した企業が、韓国の政策によって損害を被った場合、世界銀行
傘下の国際投資紛争仲裁センターに提訴できる。韓国で裁判は行わない。
韓国にだけ適用。

(6)Non-Violation Complaint:
米国企業が期待した利益を得られなかった場合、韓国がFTAに違反していな
くても、米国政府が米国企業の代わりに、国際機関に対して韓国を提訴で
きる。例えば米の民間医療保険会社が「韓国の公共制度である国民医療保険
のせいで営業がうまくいかない」として、米国政府に対し韓国を提訴するよ
う求める可能性がある。韓米FTAに反対する人たちはこれが乱用されるので
はないかと恐れている。

(9)知的財産権を米が直接規制
  例えば米国企業が、韓国のWEBサイトを閉鎖することができるようになる。
韓国では現在、非営利目的で映画のレビューを書くためであれば、映画シー
ンのキャプチャー画像を1~2枚載せても、誰も文句を言わない。しかし、米
国から見るとこれは著作権違反。このため、その掲示物い対して訴訟が始ま
れば、サイト閉鎖に追い込まれることが十分ありえる。非営利目的のBlogや
SNSであっても、転載などで訴訟が多発する可能性あり。
(10)公企業の民営化  





                 ***


どくだみ荘 TPP関連の記事

『TPPという得体のしれないもの』
『TPPに関して願うこと』
『米韓FTAから学ぶべきTPPの危険』
『基本にかえって考える』 其の一
『基本に戻って考える』其の二 『TPP と混合診療』
『基本に戻って考える』 其の三
『TPP反対も選挙の大きな争点に』 ①
『TPP反対も選挙の大きな争点に』 ②
『TPP反対も選挙の争点に』 ③
『TPPで私たちが闘わなければならなくなる相手』
 




『トランプ勝利に思うこと』


ドナルド・トランプ氏が、アメリカ合衆国第45代大統領になることがほぼ確定した。
『ほぼ』というのは、今日の『一般人による選挙人選挙』の結果を受けて、
『12月の第二水曜日の次の月曜日』という決まりだから今年は12月19日になるのかな、
その12月19日に、大統領選挙人たちによって投票が行われる。そこで勝利して初めて
トランプに確定、ということになるからである。まあ、今日の結果がそこで覆ることは
まずないのだが。

アメリカの選挙制度は複雑怪奇だ。日本の選挙制度もろくでもないけれども。

世界中が、クリントン敗北に驚き、がっかりしているようだ。
私も、同じ女性として、アメリカ初の女性大統領がそろそろ誕生してもいいのではないかな
と思っていたので、クリントンが負けたのは、やはり残念である。
朝日新聞に、ヒラリーの大学時代、ビル・クリントンとの出会いから今日までの
経歴がシリーズで掲載されていたけれども、好き嫌いは別にして、やはり彼女は
学生時代からずば抜けて優秀な、たぐいまれな女性であったのだなと思わされた。
一人の女性として極めて魅力的でもあった…。

しかし、残念ながら、ヒラリーほどの政治経験豊かな女性であっても、大統領の座は
遠かった。
ヒラリーのどこがいったいそんなに嫌われたのか?
その権高な性格か。オバマよりはタカ派なところか。…その詳しいことはわからないけれども、
トランプが、その経歴上、非常に自己イメージの操作に巧みであったのと反対に、
全くの局外者の私から見ても、ヒラリーの戦い方はあまり感心しなかった。
トランプに勝たせたくないばかりに多くのビッグ・アーテイストなどがヒラリー応援に駆け付け、
かたやトランプの方は、ムードを盛り上げるために音楽を使いたくても
当のアーテイストたちに楽曲使用を断られるなど、大新聞も有名アーティストも、
ヒラリー応援に一方的に偏ったという図は、ヒラリーが、『既得権益の象徴だ』と訴える
トランプ側の主張を、妙に心情的に民に納得させてしまうような所があったように思う。
その恵まれすぎているところが、自分の不遇を嘆く人々…とりわけ中下層の白人層の
心を解離させていきはしなかったか…。
愚直に、懸命に、自分の政策を訴える、という姿勢が果たして国民に見えたかどうか…



アメリカでは、日本のように、ある年齢に達すれば、全員に選挙権が自動的に
与えられ、選挙が近付けば、選挙管理委員会から何もしなくても知らせが来るという
仕組みではないのをご存じだろうか。
移民などで人口の流入や移動が昔から激しいアメリカでは、我が国のような戸籍簿が
よくも悪くも整っていない。
国民は、18歳になると選挙の資格を得はするが、自分で登録所に行って登録しないと
選挙権は得られないのである。
その登録用紙に 「 あなたはどの政党に所属しますか 」
という欄があり、その欄に、共和党、あるいは民主党と書くことによって、それぞれの党の
予備選挙に参加できる。 
この登録をしている人の割合は、1996年の大統領選挙のデータだと 54.2%。 
24歳以下の登録率は30%強と低く、年齢が上がると登録率も上がる。また、人種別では、
白人が56%、黒人が51%なのに対し、ヒスパニックは27%にとどまっていたという。
今は多分もっと比率は上がっているだろうが、それでも、弱者になればなるほど、選挙権という
国民としての最低限の権利からさえ遠ざかるというアメリカの実情に変わりはない。

2012年の選挙では、18歳以上で年収2万ドル(約200万円か)以下の米国民
1430万人のうち、890万人しか有権者登録をしていなかった。
理由の一端として、貧困ライン以下で生活する人々は引っ越しの頻度が多く、
有権者登録に際しての書類作業が煩雑になっていることがその一因という。
マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究によると、登録上の問題により2012年、
120万票が失われたと推定されている。こうした人々は投票所に出向いたものの、
登録に関する問題が原因で投票できなかった。
また、アメリカでは選挙は平日に行われるため、特に時給で働いている人々にとっては
投票所に行って長い間列に並ぶことそのことがもう大きな経済的ロスとなる。
さらには、投票所に行くための交通費も負担を増加させる。
こうした問題が、年収2万ドル以下の人々のうち28%が投票に行かなかった要因と
なっているというのである…。

つまり、生活苦にあえぐ人々は、自分の暮らしを良くするために一票を投じる
その権利さえ、構造的制度的に最初から奪われているのと同様なのだ。

クリントン陣営にも、トランプ陣営にも、こうした人々は目に映っていたのだろうか…。
『既得権益の打破』を訴えるトランプ自身の直近の人々は、私の眼には彼ら自身が
同じく『既得権益』の恩恵を十二分以上に受けている贅沢そうな人々に見えたのだが……


そう。そう。
ヒラリーは、国民皆保険制度を、その政治家人生の生涯の目的に掲げていたのだった!
彼女はオバマと協力し、一応曲がりなりにもそれを実現した。いわゆる『オバマケア』だ。
オバマケアについてはその不備がいろいろ言われているけれども、貧しい人々にも
安心して受けられる医療を、というその基本概念は絶対に間違っていない。
ヒラリーにはこのことだけでも、『ヒラリー、ありがとう』と言っていいのじゃないか。
また、女性が社会に進出するそのモデルでもあったことについても彼女は大きな
働きをしたじゃないか。

私は言おう。ヒラリー、ありがとう。
大統領選に負けてもがっかりしないでほしい。今度は野党の側から、引き続き
国民皆保険のような制度をより民にとって使いやすいものに磨き上げ、トランプの
共和党によって時代が逆行することなどないよう戦ってほしい。

そして。
ヒラリーが負けて、会場で泣いていた少女たちよ。今度はあなたたちが、ヒラリーの
跡を継いで、本当の男女同権、この世界に満ちた貧富の差や不幸の解消のために、
働く人になってほしい。
政治の世界に関心を持ち続け、あなたたちが女性大統領を目指して欲しい…



ホームレスアメリカ 
写真はこちらのサイトからお借りしました。



ともかく。結果は出た。

世の中の反応は、『株価が下がった』とか『いや持ち直した』とか、『円高の心配』とか、
世界経済、日米関係に与える影響とか、その心配もまあわからないではないけれども、
私が一番憂うのは、トランプ勝利に続けと、世界の『排外主義』や『差別主義』が
力を増していくことである。フランスの極右政党の党首マリーヌ・ル・ペンが、いち早く
トランプに祝辞を送ったことが象徴しているように。
あらゆる組織で、トップが変わると、下の者たちの雰囲気が良くも悪くも変わるのは、
今日本で、安倍政権下、歴史修正主義やそれに親和性のある言動が力を盛り返しているのと
同じこと。トランプのアメリカが世界の移民排斥運動や人種差別の雰囲気を進めるかも
しれないのが心配だ。

そして。
アメリカという国が、これで、大統領、上院下院、そしてその結果として最高裁長官人事も…
すべて共和党が握る、という『一強』の体制になったことである。日本と同じだ…。
どこの国にせよ、一つの色に国が染まり権力が集中するというのを本能的に私は嫌う。
オバマのアメリカとがらりとその雰囲気は変わり、共和党色がもろに全面に出てくるであろう。
トランプが共和党の中では異質のアウトサイダーであるということは、おそらくこの後は
なんら問題になることなく、両者は互いに歩み寄っていくであろう。
政治素人のトランプは、共和党人脈を頼らざるを得ないだろうし、共和党もまた、
今回その人気で、上下両院で共和党を勝たせたトランプを、そう無碍にするわけにもいくまい
からである。
同じく、世界に対しても、トランプは、選挙期間中に発言したような乱暴なことは
おそらくできまい。
今夜、勝利宣言をした途端に、トランプの顔が変わった!と思ったのは私だけでは
あるまい。これまでの『乱暴者』の顔をあっという間に振り捨てて、「彼は大統領の顔、
になった」、と私は感じた。
アメリカ合衆国第45代大統領という地位はやはり重い。その自覚が、人に変化を
与えるということもなくはなかろう。
一方で、女性蔑視や人種差別というような人間の根本的な性格は、変わりはすまい
とも思う。トランプが計算の上でか何だか知らないが、これまでにしてきた暴言の数々を
思い出せば、おぞけが振るう。

とにもかくにも、アメリカ国民はドナルド・トランプを次期アメリカ大統領に選んだ。
彼がどういう大統領になるのか、まあ、見ていくしかない。

実は、正直に言って、トランプの人種差別や女性や社会的マイノリティに対する
暴言や行動がもし無かったとしたら、彼の言っている主張の一部には、賛成だ、
と思わされることもあるのである。
たとえば、『既得権益層への批判』などがそうであるし、また
『アメリカがいつまでも世界の警察官でいられるわけではない』という主張などが
それである。
NAFTAやTPPの見直し、という主張もそうだ。
彼の『アメリカの不利を解消する』という立場とは違って、私は、『大企業の論理でことが
決められているそのこと自体』に反対するという大きな違いはあるけれども、TPP反対、と
いうことの一点においては、共通するところがある。
日米関係の見直し。いいじゃないですか。アメリカは沖縄から去ってくれ。金は払わない。

むろんこれらの彼の主張の根本にあるものに賛成しているわけではない。
その表に現れた形だけが一見似ているというのにすぎないが、ただ一つ。世界が今、
大きな転換点に立っていて、今までの考え方に縛られていては、今世界が抱える
難問の数々は解決しないどころか、拡大悪化する一方である、という点では、
認識が一致するところもあるのかな、と思うのである。

ただし。『既得権益をぶっ潰す』とか、『強い偉大なアメリカを取り戻す』とか、表現こそ違え
どこかの国で聞いたことのあるような、そんなキャッチコピーのような政治家の美辞麗句に
民は惑わされてはいけない。
既得権益をぶっ潰した先が、同じような既得権益の巣になるのでは何の意味もなく、
『強い国を取り戻した』つもりが、ただの強権国家になって、言論・表現・移動などの自由や、
国民の主権が奪われるような、そんな息苦しい国になったのではなんにもならない。
今アメリカを、いや、今世界を覆っている暗い雲は、中身を伴わない勇ましい言葉だけではむろん
解決されない。その原因が、元がどこにあるのかということを突き詰めて、その解消に
個人的レベルから、そしてまた世界的規模でまでで立ち向かわなければ、本当には
軽減されて行かないだろうと思う。

そうしてまた。何もかもぶっ壊した先が、これまで人類が営々と築いてきた人類の知恵をも
否定する反知性主義や、すべてがうまくいかないことの原因を自分よりさらに弱いものに
ぶつけるような、人心の荒廃、憎悪の増幅、などというものであってはならないのである。


私たちは今、大きな曲がり角に来ている…そのことは確かだ。
これを、すべての人々がより安心に生きていけるような世界にするのか、
それともこのまま一部の人間に富も権力も集中する、よりひどい格差社会にしてしまって
そしてそれがさらなる紛争や戦争を生む憎悪に満ちた世界にしていくのか、
私たちが選びとる時期が来ている。

トランプのアメリカがどうなっていくのか。
そして日本は世界はどうなっていくのか。わからないことだらけだが、しっかり見つめて行こう。


『蜜柑』


知人にお蜜柑いただいた。


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お庭に蜜柑の木があると聞いて、『ひとつ下さいな』と、桃太郎の猿たちのように
お願いしたら、こんなにたくさん。


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見事に大きな蜜柑なのだ。
でも、こんなちっちゃい子も添えてくださっていた。
先日友にいただいた林檎もそうだったけれど、中にこういうちっちゃい可愛い子が入っていると、
すごく嬉しい。最後まで食べないで残しておいて可愛がる。^^


実は、私が、ひとにおねだりするなんて珍しいことである。
大きくなった実の娘にさえ、『ママ、・・・が欲しいな』、などと自分から言ったことは、多分一度もない。

その私がどうしてお蜜柑いっこおねだりしてみたか。
甘みとともに酸味があって薫り高い美味しい蜜柑が店でなかなか手に入りにくく
なったからである。
林檎の時にも書いたが、私は、甘いだけの果物はそう好きじゃない。
ところが、今どきの蜜柑。なぜ、ああ早くぱあっと香りと酸味が抜けてしまうのであろう。
昔の蜜柑は、もっと実がパンパンに張りつめていて、少なくともお正月の頃くらいまでは
十分な酸味とむろん甘さと水気があった。小さくてもずっしりと重かった。
ところが、今の蜜柑は、酢っぱいのは、9月、青切り蜜柑の出回るあの時期の青い蜜柑
だけである。ひどい時には、まだ青いのに、既に酸味の抜けているものもある。
よほど高級品でも買えば美味しいのはあるのかもしれないけれど、私が近くのスーパー
などで手に入れられる蜜柑は、10月ごろにはすでに、なんというのかなあ、皮と身が
離れて、ブカブカな感じになっているものがあったりする。むろん、蜜柑特有のあの
清冽な香気や酸味は抜けてしまって、ただ甘いだけ。いや、甘みさえなく、ただぱあっと
した味である。正月ごろには、もう味が著しく落ちて何やらセメダインっぽい臭いがして
いるのさえある。
私はもう、9月のほんの1週間ほどの間のあの青切り蜜柑以外は、最近ほとんど蜜柑を
自分のためには買わなくなっていた…

ああ…ほんとのお蜜柑が食べたいな。昔の蜜柑の味をもう一度味わいたいな…
どうして最近、あのようなぱあっとした味の蜜柑しかないのだろう…
流通のため、完全に熟さないうちに早く収穫して『追熟』させたりするからかしら。
もぎたての蜜柑なら、昔のように美味しいのかしらん…
もぎたての蜜柑を食べて比べてみたいものだ…

そうずっと思っていたが、その知人の家に蜜柑の木があると聞いて、思わず一個下さいと
言ってしまったというわけだ。


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さて。
念願の、木からもぎたての蜜柑。
まずは、皮に爪を立ててほんの少し剥いて、その匂いをかぐ……。
ああ!これこれ! この香気ですよ!
蜜柑の香りはこうでなくっちゃ!

…もう、香りだけでも大満足だ…


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あんまり嬉しかったものだから、蜜柑の皮は、へたの方から剥いた方が、あの白い筋が
少なく剥けるのを忘れてしまっていた。
(あれ、あの筋の部分を含めた果皮の内側の白い部分を 『アルべド』っていうんですってよ。
ちなみに、外側の蜜柑色の部分は、『フラべド』。)
もっとも、私は、ふだんから、あの白い筋をそう気にしない。
少々白いのがあっても、袋ごと食べてしまう。
人によっては、ものすごく綺麗に丁寧にあの白い筋を取ってから食べる人もいるけれど。
も一つちなみに、蜜柑の皮をむくのがすごく下手な人がいるが、見ていてなんだか微笑ましい。
昔、友人で、そういう人がいた。
彼女が剥くと、皮がぽろぽろ小さくちぎれてしまって、焦れば焦るほど、ますますぷつぷつに
ちぎれて、そして非常に時間がかかる。(笑)
私が、こんな風にほとんどこぼさず皮をむいて、食べ終わったら、丸く元の形みたいに
して伏せておくのを、『どうしてそんな風にできるの~!』と驚いていたが、可愛い人だった。


さて!
蜜柑の美味しかったことったら!
う~……そうそう。この香り。この酸味♪ 甘さも十分。
これですこれです。昔食べたお蜜柑の味と香りは。
やっぱり、木からもぎたてのはこんなに美味しかったんだ!
目が覚めるような新鮮さだ。
やっぱりなあ…
ほんとに、一房一房。大事に味わっていただきました。
美味しいなあ…

私一人が、ただ記憶の中の蜜柑を幻のように求めているのかな、と思ってネットを少し
検索してみたら、『蜜柑が味が薄くて酸味がなくておいしくない』と書いている人が
いっぱいいた。やはり私だけじゃなかったんだ……。

ああ…この味・・・そして果皮のこの香り…


思い出すのは、昔々。おおむかし。
多分、私が4歳か5歳かそこらのことだ。
九州の高原の村。母の姉の嫁ぎ先で大きな婚礼があった。
私は、父と母に連れられて宴に出ていた。
田舎の家の広い座敷をいくつかぶち抜きにして、大勢の人がいて賑やかだった。
その時の祝い膳は…いわゆる『本膳料理』というやつで、座敷に座った一人ひとりの前に、
『高脚膳』で、本膳、二の膳、三の膳、与の膳、五の膳というのが並べられていた。
小さな子供の目にも『豪華だなあ・・・』と思えたものだった。
昔は正式の祝いの膳はそれが当たり前だったのだろうが、今、ああいうのはないだろうなあ。
画像検索してみても、私が記憶するような豪華さを彷彿させるようなものは見つからない。

ようやくあった!

本膳料理
写真はこちらからお借りしました。http://www.chufang001.com/lab/show/165.html

結婚式だったから、これよりもっと豪華だった気がするなあ。
大人たちが酒を飲みながらつまむ煮物や、刺身や、てんぷらや、酢のものなどといった
ものはむろん品数多くあったと思うが、子供の目を惹いたのは、寒天で作った富士山や
松や梅などの(多分そういう形の)お菓子や、色鮮やかな宝船や鶴亀などの形の蒲鉾だった。
一人ひとりの膳にはむろん、尾頭付きの大きな焼鯛がついていたし。
鯛は、檜の『敷き葉』の上に載せられていて、檜のいい香りが移っていた。
…赤飯やこうしたごちそうは、客は手をつけないで持って帰るのである。
持って帰る用の折詰箱が用意されていて、客は家で待つ子供らや留守番のおばあさん
などのために、これらをきれいに折に詰めていく。自分でやらないで、婚礼の家の手伝い衆が
詰めてくれたのだったかもしれない。

この時は私は、自分も式に行っていたけれど、家で留守番をしていて、父らが持って帰る
土産の折詰を、兄などと一緒に嬉々として食べたこともあったように思う。

…ああ…!
その折詰の香りが、この、少しまだ青みを残すような蜜柑の香りだったのだ!
本膳料理の、どこかの膳に、蜜柑を横に半分に飾り切りしたものが入っていた。
鯛の折に添えてあったのだったかもしれない。
香ばしい焦げ目のついた焼き鯛の下に敷いた檜の葉っぱと、この清冽な蜜柑の香り!
そして、杉や檜で作った折箱自体の香り。
その三つが、結婚式の祝い膳の香りだ。

もう、このような形式の結婚式自体がほとんど行われていまい…
私自身ももう結婚式に呼ばれて出ることもあるまい。


遠い遠い昔の、私がまだ幼くて、父と母が一緒に暮らしていたころの思い出。
私にとっては、永遠のごちそうの幻である。
眠くなった私を父がおぶって、暗い田舎道を母と三人で帰ったのはその時のことだったか…。


さてそして。
ひと房ひと房を惜しみつつ味わいつつ食べた一つ目の蜜柑。
『乱暴に食べる』二つ目以降の蜜柑。^^
どう乱暴に食べるか、と言うと。
『蜜柑』と言えばそりゃ、『こたつ蜜柑』ですよね~~~!
今日、炬燵を出しまして。 炬燵にすっぽり入ってぬくぬくほこほこしながら、蜜柑を剥くのです~。


ほんとにごちそうさま~~♪

















『日本国憲法公布の日に』


こんな調査のデータがある。
ご覧になったことおありだろうか。


世界の憲法に謳われている権利ランキング


これは、今からちょうど4年半前、2012年5月3日付の朝日新聞に載っていた
記事中のデータである。
本文を、下の方に引用させていただくが、簡単に言うとこういうことだ。

                   ***  

2012年、ワシントン大学(米ミズーリ州)のデービッド・ロー教授と、バージニア大学の
ミラ・バースティーグ准教授が、成文化された世界のすべての憲法188カ国分を分析した。
第2次大戦後の1946年から2006年まで、各国憲法の改正や独立国の新憲法をチェックし、
国民の権利とその保障の仕組みを項目ごとにデータ化。国際的な変化が年代別に分かるように
した
のである。
上の表は、その結果のうち、日本とアメリカを比較したもの。

少し説明しよう。
ご存じのように、私たちの日本国憲法は、今からちょうど70年前の1946年11月3日に
公布され、翌年1947年の5月3日に施行された。
私たちの憲法は要するに今から70年前に作られたのだが、信教の自由、報道・表現の自由、
平等の保障、集会の権利、団結権、女性の権利、移動の自由の権利、労働権…などなど
以上にあげた国民の諸権利を、70年前にすでに憲法で国民に保障している、
極めて先見性に富んだものであって、それは今も、世界の憲法の最先端を行っている、
ということなのである。


アメリカの合衆国憲法と比べてみよう。
アメリカ合衆国憲法では、日本国憲法で保障されている『団結権』『女性の権利』
『移動の自由』『労働権』『教育の権利』『違憲立法審査権』『身体的権利』などが
2012年のこの時点でまだ成文化されていないのである!


横軸に、『1946年』『1976年』『2006年』とあるが、この下の数字列が何を意味するかというと、
たとえば、『女性の権利』でいえば、1946年の時点では、世界の憲法中、それを
明文化してある割合は35%しかなかった、ということである。ところが1976年には70%、
2006年には91%の国で、憲法に『女性の権利』が謳われることになった、ということである。
『身体的権利』については、いまだに79%の国でしか憲法で保障されていない。
日本ではどうか。

奴隷的拘束・苦役からの自由(18条)
適正手続を受ける権利(31条)
不法な身体拘束からの自由(33条)
理由の告知・弁護人依頼権を与えられなければ抑留・拘禁されない権利,正当な理由なく拘留されない権利(34条)
令状がなければ住居侵入・捜索・押収されない権利(35条)
拷問・残虐な刑を受けない権利(36条)
公平な裁判所の迅速な公開の刑事裁判を受ける権利,刑事被告人の証人審問権,弁護人依頼権(37条)
自己に不利益な供述を強制されない権利(38条)


…こんなに多くの条項で、国民が不当に身体的拘束を受けないよう、憲法で守っているのである!
既に70年も前に。
『アメリカから押し付けられた恥ずかしい憲法である!』、と、今、一部の人々が
これを根本から変えてしまおうとしている私たちの現行憲法は。

最後の60番目に挙げられている『武装する権利』のところを見てみようか。
当然アメリカは、憲法でこれを保障している。だが日本では、ご存じのように、憲法第9条
で不戦の誓いをし、『戦力はこれを保持しない』と謳っているので、この項目は×印に
なっている。
今、自衛隊を今のあいまいな位置づけから『国防軍』と明確に位置づけ、内閣総理大臣を
その最高指揮官と位置付け、国民にも国とともに国土を守ることを義務付けした
憲法草案が、自民党によって出されている。
『軍隊を持つ普通の国』と、総理やその周辺の人々などは盛んに言うが、しかし、
この表を見ると、憲法で『武装する権利』を明文化などしている国は、世界の188カ国中、
わずかに2%しかないのである!
しかも、それは、1946年の10%から、2006年の2%へと、減ってきているのである!



               ***

この調査は、今日本を分断する『護憲か改憲か』、などという二項対立から全く離れたところで、
アメリカの大学教授たちが客観的に行った調査である。
『日本では、米国の「押しつけ」憲法を捨てて、自主憲法をつくるべきだという議論もあるが』
という問いに対して、デーヴィッド・ロー教授の言った言葉。
『奇妙なことだ。日本の憲法が変わらずにきた最大の理由は、国民の自主的な支持が強固
だったから。経済発展と平和の維持に貢献してきた成功モデル。それをあえて変更する
政争の道を選ばなかったのは、日本人の賢明さではないでしょうか』




この言葉を、改憲を目指す政府与党だけでなく、憲法のことをあまり考える機会の少ない
国民全員に、11月3日というこの日に、もう一度しっかり噛みしめてもらいたいと、私は思う。

確かに、ドイツ、カナダなど、憲法の条文を何回も変えて、時代や環境に合わせるように
改善してきた国はたくさんある。
だが。 これらの国々に見る通り、

憲法をもし変えるのであれば、前のものより優れた
ものになっていなければならないはずだ。

およそ先進国とも名乗る国で、憲法を改悪する国などどこにあろう。

世界にこうして誇れる私たちの日本国憲法が70年前に公布された
この日が、それを時代に逆行する悪法に変えようとしている勢力によって、
復古主義的な『明治の日』に変えられることなど、私は断固として反対する。




               ***


   『日本国憲法、今も最先端 米法学者ら、188カ国を分析』
                  2012年5月3日付「朝日新聞」          
世界に民主化を説く米国の憲法は、急速に時代遅れになっている。一方、日本の憲法は今でも先進モデル――。米国の法学者たちが世界の国々の憲法をデータ化して分析した結果だ。日本の憲法は3日、「65歳」になるが、世界の最新版と比べても遜色がない。
■最古の米国、時代遅れに
 分析したのは、ワシントン大学(米ミズーリ州)のデービッド・ロー教授と、バージニア大学のミラ・バースティーグ准教授。対象は成文化された世界のすべての憲法188カ国分。
 第2次大戦後の1946年から2006年まで、各国憲法の改正や独立国の新憲法をチェックし、国民の権利とその保障の仕組みを項目ごとにデータ化。国際的な変化が年代別に分かるようにした。
 それを見れば、時代とともに新しい人権の概念が生まれ、明文化された流れが読める。たとえば、女性の権利をうたった憲法は1946年は世界の35%だけだったのが06年は91%に、移動の自由も50%から88%に達した。最近では、お年寄りの権利も上昇中だ。
 国別に見ると、国際情勢の断面が浮かぶ。独立後間もない18世紀に定めた世界最古の成文憲法を抱える米国は、長らく民主憲法の代表モデルとされてきた。だが、この研究の結果、特に1980年代以降、世界の流れから取り残される「孤立」傾向が確認された。
 女性の権利や移動の自由のほか、教育や労働組合の権利など、今では世界の7割以上が盛る基本的な権利がいまだに明文化されていない。一方で、武装する権利という世界の2%しかない「絶滅」寸前の条文を大切に守り続けている。
 米連邦最高裁判所のギンズバーグ判事は、民衆革命を昨年春に遂げたエジプトを訪ねた際、地元テレビでこう語った。「今から憲法を創設する時、私なら米国の憲法は参考にしない」。憲法の番人である最高裁判事自らが時代遅れを認めた発言として注目された。
 米国に代わって最先端の規範として頻繁に引用されるのは、82年に権利章典を定めたカナダや、ドイツ、南アフリカ、インド。政治や人権の変化に伴い改廃を加えてきた国々だ。憲法の世界でも、米国の一極支配から、多極化へ移っている現実がうかがえる。
■不朽の先進性、実践次第
 一方、日本。すぐに思い浮かぶ特徴は戦力の不保持と戦争の放棄をうたった9条だが、シカゴ大学のトム・ギンズバーグ教授によると、一部でも似た条文をもった国は、ドイツのほか、コスタリカ、クウェート、アゼルバイジャン、バングラデシュ、ハンガリーなどけっこう例がある。
 世界から見ると、日本の最大の特徴は、改正されず手つかずで生き続けた長さだ。同教授によると、現存する憲法の中では「最高齢」だ。歴史的に見ても、19~20世紀前半のイタリアとウルグアイに次いで史上3番目だという。
130502kenpou  だからといって内容が古びているわけではない。むしろ逆で、世界でいま主流になった人権の上位19項目までをすべて満たす先進ぶり。人気項目を網羅的に備えた標準モデルとしては、カナダさえも上回る。バースティーグ氏は「65年も前に画期的な人権の先取りをした、とてもユニークな憲法といえる」と話す。
 ただ、憲法がその内容を現実の政治にどれほど反映しているかは別の問題だ。同氏らの分析では、皮肉なことに、独裁で知られるアフリカなどの一部の国々も、国際人権規約などと同様の文言を盛り込んでいるケースが増えている。
 「同じ条文であっても、どう実践するかは国ごとに違う。世界の憲法は時代とともに均一化の方向に動いているが、人権と民主化のばらつきは今も大きい」。確かに日本でも、女性の権利は65年前から保障されてはいても、実際の社会進出はほかの先進国と比べて鈍い。逆に9条をめぐっては、いわゆる「解釈改憲」を重ねることで、自衛隊の創設拡大や海外派遣などの政策を積み上げてきた。
 日本では、米国の「押しつけ」憲法を捨てて、自主憲法をつくるべきだという議論もある。それについてロー氏は「奇妙なことだ」と語る。「日本の憲法が変わらずにきた最大の理由は、国民の自主的な支持が強固だったから。経済発展と平和の維持に貢献してきた成功モデル。それをあえて変更する政争の道を選ばなかったのは、日本人の賢明さではないでしょうか」(ワシントン=立野純二)」



プロフィール

彼岸花さん

Author:彼岸花さん
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『しだかれて十薬忿怒の息吐けり』

『南亭雑記』の南亭師から頂戴した句。このブログになんともぴったりな句と思い、使わせていただきます。
十薬とはどくだみのこと。どくだみは踏みしだかれると
鮮烈な香りを発します。その青い香りは、さながら虐げられた若者の体から発する忿怒と抗議のエネルギーのよう。
暑い季節には、この強い歌を入口に掲げて、私も一民衆としての想いを熱く語りましょう。

そして季節は秋。
一足早いけれども、同じく南亭師からいただいた、この冬の句も掲げておきましょう。

『埋火に理不尽を焼べどくだみ荘』

埋火(うずみび)は、寝る前に囲炉裏や火鉢の燠火に灰をかぶせて火が消えてしまわぬようにしておいた炭火などのこと。翌朝またこの小さな火を掻き立てて新たな炭をくべ、朝餉の支度にかかるのです…

ペシャワール会
http://www1a.biglobe.ne.jp/peshawar/pekai/signup.html
国境なき医師団
http://www.msf.or.jp/donate/?grid=header02
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