『右傾化をほんとうに望む?』 其の二

さて。
今度の選挙は本当にいろいろなことを考えさせられた。
今も、言葉にして説明できない複雑な想いが胸を去来する。
それを順序立てて整理して書きたいのだが、あまりに難しい。
思いつくところから書いて行こう。

まず。民主党に対する複雑な想いについて書いておこうか。
私は、野田佳彦、前原誠司という松下政経塾育ちの二人の政治家が大嫌いであった。
とりわけ、野田氏に対しては、この1年3カ月ほどでしてきたことの罪の重さを思えば、
到底許せない!と今も思う。
何が許せないか、と言って何よりいちばん許せないのは、彼がおのれのその、
たいして思想的深さもない、単なる右派的な好みを強く打ち出して、
民主党を自民党と同じ色合いにしてしまったことである。
鳩山氏、菅氏にはそれぞれ大きな欠点はあったかもしれないが、すくなくとも
2009年の衆議院選で、国民が自分たちを大勝させてくれたその理由を認識していたと思う。
国民は、自民党と違う政治を民主党に求めていたのである!

官僚主導の政治。天下り先を次々と作ってそこに国民の血税をどぶどぶ垂れ流す政治。
公共投資という名のもとに、大手ゼネコンなど一部の大企業だけが潤う巨大箱モノや
道路、新幹線などにカネをつぎ込む政治。
大企業や大金持ちの税金負担は軽減し、逆に貧者からは奪い取って貧富の差が拡大する一方の政治。
二代目三代目の世襲政治家たちが親や祖父の地盤とかばんをそのまま受け継ぎ、
楽に選挙に勝って、そういった者以外の政治的背景を持たない者は立候補しても当選しにくい仕組み…。
そして、あの、3月11日以降は、原発という巨大な利権に群がる利権集団の存在…。

そうしたものを改めて欲しい、自民党とは違う国民目線の政治をして欲しい!、というのが
おおかたの国民が民主党に託した切なる願いではなかったろうか!
ところが、野田佳彦という民主党の政治家は、そのことごとくの期待を裏切り、
自民党と経済界のドンにすり寄って、民主党を自民党となんら変わりのない、
いわば存在価値のあまりくっきりと見えてこない凡庸な政党にしてしまったのである!
そして彼はこともあろうに、自党の仲間をみすみす離党もしくは落選させて、
国民がわずか3年前に託した308もの議席を、なんとわずか57議席にまで激減させ、
民主党をほとんど維新の54と変わらない中小政党にまで転落させてしまった!
野田さん。あなたの罪は、単に自党の議員に対する責任なだけではないのだよ。
あなたは、国民の預けた、託した希望をここまで無残に打ち砕いたのである!
その罪は、あなたがいくら後悔しても到底負いきれないほど実は重い!

まあ、野田氏一人を責めても酷かもしれない。結局、民主党の議員たちは、
そんな彼を再選することで、国民の、『自民党と違う政治を!』という悲願のともしびを
無残に消してしまったのである!
何をいまさら、落選して慌てることがあろうか!結果はもう、1年前から見えていたはずじゃないか。

だが…そう私が民主党を責めるその気持ちの裏には、もうちょっと頑張ってほしかった…
もうしばらく猶予を与えて、この政党を自民党に対抗し得るしっかりした政党に
育ててみたかった…、という悔いが強くあるからなのである。
こう無残に負けてしまった後でも、まだ、その残念な想いは強くある…

何度も書くけれど、私たちは、民主党にあまりに急速な効果を求めすぎはしなかったろうか!
鳩山元総理の普天間移設発言だって、あれは本来、沖縄以外の国民が沖縄の人々と一緒になって
政治を後押しして、アメリカとの関係を真剣に考えるいい機会だったのではなかろうか?
菅政権だって、脱原発をいうただ一人の政治家を、マスメディアのバッシング報道にのっかって
その性格的欠点をあげつらって、足を引っ張り引きずり下ろすことばかり、私たちはやってきはしなかったか?

私たちが政治改革を託した期待の政権…。生まれたばかりの政権だった。
それを私たちは、それがよちよち歩きのうちにもう、「ああ、何も決められない!」と
突き離してしまったのではなかったろうか……

民主党の中には、なかなか骨のある政治家もいたのである。
それらを私たちは、ただ民主党であるというだけで選挙演説でも罵詈を浴びせかけ、
老獪妍獪の仙石氏などといっしょくたにして表舞台から引きずり下ろしてしまった…!
川内博史氏などはいい仕事をしていたのに!である。

思い返せば、まだ石原氏などが政局をかきまわす前のこの10月19日の朝日新聞に、
政治学者の豊永郁子さんという方が『二大政党制をあきらめない』という、いい記事を
書いていらした。
骨子はこうである。
『政権交代、二大政党制のうまくゆかぬこと…政治との付き合いに倦んだ私たちを
豊永郁子さんは叱咤激励する。(自民党から民主党に)政権交代したのは無駄ではなかった。
見限るのは早過ぎる。まだまだ幸せになる努力が足りない」』

ああ。彼女は指摘していた!二大政党制をあきらめずに育てる努力をしろ、と!

いい記事だなあ、と思いつつ、私はこれを紹介する時機を失してしまった…
他にも、いい記事、いい本がたくさんあった…
なぜ、私は政治がこんなことになるまで、事態がこんな絶望的な状況になるまで、
いい意見だなと思うことを紹介するほんの少々の手間を惜しんだのだろう!
疲れたなどと言っている場合じゃなかったのだ!
倦んでいる場合などではなかったのだ!

私たちには、こうなる前に出来た筈のことがどれほどたくさんあっただろうか!
私自身、あまりに野田総理を憎むあまり、民主党に早々と見切りをつけてしまった。
その私を含め、私たちは、叩くべきところ、守るべきところのピントが少し狂ってはいなかっただろうか?
3年前、私たちが希望を託した民主党は、もっと大事に皆で育てる価値があったのでは
なかったろうか。悪いことは悪いよ、と教え、
いい政党に、立派な政党に育て上げる手間を、私たちは惜しみすぎたのではなかったろうか…

そのことが悔やまれるのである…。


3年前、私たちが希望を託した民主党は、今回厳しい批判を受けて、このような体たらく。
しかし。さあ、とにかく…また、再スタートである。

民主党は次の代表に誰を選ぶであろうか。前原氏なら野田氏と全然変わらない!
民主党よ!あなたたちの党としての存在意義は、自民党と異なる目線の政党というところにある。
その原点をもう一度思い出してほしい。
もし今回また、自民党と似た考えかたの党首を戴く道を選んだら、民主党という党は
その存在意義を失い、国民はさらに厳しい視線を注ぐだけになり、やがて、党は
再解体して、自民党に吸収されるか、ただ埋没してしまうであろう…

民主党よ。リベラルの道を行け。
それしかあなたたちが再び浮き上がる道はない!



この記事、『其の三』に続く。


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Re: 大門先生へ

大門先生。こんばんは。
お久しぶりです!
きっと先生は、彼岸花ががっくり来ているだろうと、元気づけに
おいでくださったんですね。^^
先生のお声を聞くと?ほっとしま~す!
先生。ありがとうございます。
そちらはもう雪なんですね~。

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ばあ~~お久しブリブリ~~~~ですぅうううう~~~♪
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彼岸花さん

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『しだかれて十薬忿怒の息吐けり』

『南亭雑記』の南亭師から頂戴した句。このブログになんともぴったりな句と思い、使わせていただきます。
十薬とはどくだみのこと。どくだみは踏みしだかれると
鮮烈な香りを発します。その青い香りは、さながら虐げられた若者の体から発する忿怒と抗議のエネルギーのよう。
暑い季節には、この強い歌を入口に掲げて、私も一民衆としての想いを熱く語りましょう。

そして季節は秋。
一足早いけれども、同じく南亭師からいただいた、この冬の句も掲げておきましょう。

『埋火に理不尽を焼べどくだみ荘』

埋火(うずみび)は、寝る前に囲炉裏や火鉢の燠火に灰をかぶせて火が消えてしまわぬようにしておいた炭火などのこと。翌朝またこの小さな火を掻き立てて新たな炭をくべ、朝餉の支度にかかるのです…

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