『身辺スケッチ』

            第一話

私の若い頃からの唯一の持病と言っていい、時折の激しいめまいと吐き気。
病院にも行かないので、原因などわからないけれど、久しぶりにまた。
でも、だいじょうぶ。
そうなるきっかけを自分でつかんでから、若い頃より頻度が少なくなっている。

きっかけ。
①油あたり。胡麻油に弱い、ということがわかっている。胡麻そのものは平気なのに。
 疲れていると、バターでもなる。
②ウールあたり。ウールの匂いに弱いようだ。だから、かつて好きだった編み物を
 最近はしない。もっとも、着せてやりたい子がもう大きくなって、分厚い手編みのものを
 着てくれなくなったせいもある。
 洋裁も好きだが、オーバーコートなどの生地を求めて、大きな布地やさんの
 たくさん積み重ねたウールの反物の間にいたりすると、ふわあっとめまいと吐き気がして、
 それから3日間ほど水を飲んでも吐くという苦しい目に逢うことがある。
 好きでもウールの反物はくわばらくわばら…
 もっとも、毛糸もウールも新しいものの時に限るし、コットン売り場でもなることがあるので、
 新しい繊維の糊とか染料の匂いが原因なのかもしれない。
③コーヒーの飲み過ぎと活字の見過ぎ
④暖気あたり。冬から春への移行期。数日前の東京のように、1月2月なのに
 4月の陽気、というような、もわあっと突然暖かい日がある。これに一番弱いかな。

これになったらどうするか。
ひたすら右側を下にして横になっている…頭の向きをちょっと変えてもぐらあっと吐き気が襲うので。
そして吐く。胃がひっくり返りそうになって、なにも出なくても吐く。水は飲むがまた吐く。
げっ!無粋な話ね。すみません。
こうして2日。昔、ひどかった頃は3日間ほど、仕方ないのでめまいと吐き気と戦う。
気分が回復してきたら、いつも決まって讃岐うどん風のあっさりした素うどんを作って少し食べる…
ああ、その塩気のきいたつゆの美味しいったら!
もう少し良くなったら、あっさり味のお稲荷さんを買ってきてもらって食べるか
おかゆを炊いて、海苔のつくだ煮と梅干で食べる。
ああ、お粥の自然の甘みと梅干しなどの塩気がおいし!

そしてもう一つ割といい方法。
脱ぐ。カーディガン、シャツ、スカート、靴下…着ているものを、ぱっと脱ぎすてる。
全身の肌で酸素を呼吸するの。
スリップだけで青い顔をして横になっている彼岸花さんを想像したら。
ね。ちょっと色っぽくないですか。…そうでもないかな…。てへ。


 
 
            第二話

さて。少しよくなって、一昨々日、いつもの大きなスーパーに出かけた。
昼過ぎまで寝ていて気がつかなかったが、細かい雨が降っていたらしく地面が濡れている。
空はもう晴れてきていて傘はいらないが、まだ、時折、細かな雨粒が顔にあたるのを感じた。
上空に部分的に雲が残っている箇所があった…。
買い物を終わって、広い駐車場の脇を通っていると、一組の老夫婦が私の前を歩いていた。
奥さんが小さな声で何か言ったらしく、ご老人が応えたのだが、その言葉が……

「だ~から!出てんじゃん!」

とひとこと。吐き捨てるように…!
奥さんはそのご主人の冷たい物言いに会話を続ける気を失くしたか、
束の間空を見上げたが、あとは寂しげにうつ向いて私の前を行く。二人、沈黙したまま。

『何が出てるんだろう…あんなきつい言い方をしなくても良さそうなものなのになあ…』
私はそう思いながら、老夫婦を追い越しざま、ふとはっと空を見上げた…

出ていた!

虹が!


2013_0204_155431-CIMG9599.jpg



冬の虹が。くっきりと北東の空に。
冬の午後の低く傾いた弱々しい日差しだったから、そう濃く鮮やかではなかったけれど、
大きな大きなアーチが、東京独特の淡い色の冬空にかかっていた…!

 
 
            第三話

1月。
この時期、町中や川べりの道を歩いていると、ふと懐かしい甘い香りに出くわすことがある。
東京でも山寄りのこのあたりは都心より寒く、梅はまだ咲いていない。蝋梅もまだである。
冬枯れの川べりには、春の草花なども、無論生えていはしない。
ひょっとして、今すれ違った、犬を連れたご老人が香水をつけていた?
違うな。世の中にはそういう粋なご仁もいらっしゃらなくはないだろうが、今の人は違うな…。

何の香に似ていると譬えようか…。
春の香りのいい花の代表と言えば、水仙、ヒヤシンス…?…違うな。
ストック、スイートピー。…沈丁花。…違う。
無論、薔薇や牡丹や、百合のような、晩春から夏にかけての花とも違う。
そう。どちらかと言えば、食品系の香りのような。
昔むか~し、夢の中か、淡い記憶の中で嗅いだような、懐かしさを誘う香りである。
子供のころ食べたことがあるか、ただ単に食べたと想像したことがある駄菓子の甘い香りでもあるような。
でも、バニラのようにただ甘ったるい香りではなく、どこかにすうっとしたところもある、
気品のある香りである。
ニッケ水…そんな名前の駄菓子屋の飲み物があったなあ…
飲んだことがあったろうかなかったろうか…あれならひょっとしてこんな香りがしたろうか……

私はどちらかというと鼻がいい。
花の香の嗅ぎ分けなど得意だと思っている。香水も。

ああ、この香りはなんだろう…!

一番イメージに近いとすれば、私の幻の春の花。
4歳までいた九州の高原の村の、田んぼから生家へつながる道の土手に、
春、一輪のピンクの花が咲いていた。私はそれをなぜか『ショウジョウバカマ』という
亜高山植物だったとずうっと思いこんでいる。いい香りがした。春の香りがした…。
だが、実はそれ以来大人になるまでショウジョウバカマを見たこともその香りを
嗅いだこともない。
その、夢のような淡い記憶の花が果たしてショウジョウバカマであったのか、
その香りがこれに似ているかどうか、などというのは、私の頭の中の
勝手な想像と思いこみなだけなのだ…

あ!あった!
香りの主はこれだった……


2013_0108_151241-CIMG9487.jpg


枇杷の花。
意外であった。
枇杷の花がこんな気品あるいい香りとは、この年になるまで迂闊なことに知らなかった…。
その果実の香ともまた違う。
枇杷の花は11月から2月頃にわたって咲く…。
ああ!この地味な花は、こうやっていい匂いを出して、わずかに晩秋まだ活動している
蜂たちなどを誘い寄せるのだろうか!

調べてみたら、枇杷の花の香を、杏仁の香だと形容する人が多いようである。
ああ、杏仁豆腐…確かに。桜餅の匂いと言う人も…
桜餅の香りはクマリンとか。
ヘリピン…アニシルアセテート…ニトロベンゼン…? ええ!もう!
枇杷の花は枇杷の花の香だ…
ほんとにいい香り。この香り、かなり好きだ。

寒冷期に咲く花らしく、密生した産毛にくるまれている…
真冬に咲く花は、この枇杷の花と山茶花、やつでの花くらいで、他にあまり多くないせいか、
枇杷の花を詠んだ句は多いようだ…
その中で一つ気に入ったものを。
いかにもこの地味な花らしき一抹の寂しみと、子規らしい飄逸味とがあって好きだ。


職業の分らぬ家や枇杷の花  
                              正岡子規



            第四話


一月半ば頃のこと。
冬には珍しく数日前にかなりの雨が降っていた。
買い物帰りのいつものある箇所まで差しかかると、雨後、いつもそこがそうであるように、
道端に大きな水たまりが出来ていた。ここの水たまりはいつも数日消えないのだ。
夏ならば、あめんぼがどこからか飛んできて浮いていたりする。
自転車で近づくと、その水たまりの中にカラスが一羽、足を浸していた。
足が濡れるのもかまわず、真ん中の深い方へ歩いていく…

水を飲んでいる?
いや、違うようだ。
彼(彼女)は、パンのかけらの様なものを口に咥えていた。
…どうやら、そのパンのかけらが大きすぎて、しかもカチカチに固くなっているので
食べられないらしかった。
彼は、パンを水たまりに浸してやわらかくしてから食べようという魂胆らしかった。

あら!愉快!

私は水たまりの近くに自転車をとめて、カラスを見ていることにした。

彼は悠々としていて逃げない。
水に濡れたパンは、少し柔らかくなったか、端っこを少しつついて食べた!
でも、全体はまだ固い。咥えたくちばしの中で向きを変えてみるが、とても飲み込める大きさと
固さではなかったらしい。
彼は再び、咥え上げたパンをポトンと水の中に落とす。
そして、水の中をちょっと歩き回ったりして待っている…

一組の中年のご夫婦が近づいてきた。
最初に、ご主人が、水たまりの縁に自転車を停めてじっと何かを見ている私に気づいた。
一瞬不審げな顔。
「カラスだ。カラスが水浴びか?」
御主人は後ろから来る奥さんの方を振り返って言った。そしてそれ以上の興味は示さず
先を歩いて行く。
水たまりのところに近付いた奥さんの方は足を止めた。ちょっと頬笑みあって会釈を交わす。
彼女は私に近く並んだ。

「あら~。水飲んでるのね。まあ、あんなに水の真ん中に入っていって!」と奥さん。

「いえ。あの…。パンを水の中に浸して柔らかくして食べようとしている」と私。

奥さんは驚いて、前を行くご主人を呼び止めた。
「見て見て!おとうさん!ほら、パンが固いから!ああやって。あら~~、賢いわね~~~!」

戻ってきた御主人とその奥さんと私と。
3人も見物人がいることなど構わぬように、カラスはパンを水に落としてはちょっと待ち、
柔らかくなったかどうか確かめるようにつついて咥え上げ、またぽたりと口から落とすという動作を
繰り返していた…

これは去年の10月頃の写真。
季節は違うけれど、もうずいぶん干上がって小さくなっているけれど、ここの水たまりである…。
かのカラスは、このあたりを最近テリトリーに決めたらしく、今日も土手の枯れ草の上を
散歩しているのを見かけた……


2012_1025_140648-CIMG8787.jpg



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Re: うみそら居士さんへ

うみそら居士さん。こんにちは~。

> こういう世の中ですから、政治的な記事などもお書きになっていますが、
> 本当はこういうエッセイを一番お書きになりたいんだろうな~と思いながら読ませていただきました。

ありがとうございます。おっしゃる通りで、本当言って、こういう記事ばかり
書いていたいなあ、と思うことが、ままあります。
読んだ本のこと、映画のこと、気軽なお散歩のこと、日々の雑感……

でも、3.11以降、それが出来なくなってしまいました……
こんな記事を書いていても、常に気にかかることが出来てしまった…
あの日の前は、自分でも、なんと純朴だったのだろう!と思います。
反原発の立場を取りつつ、まだなにか政治の善性とか、ジャーナリズムの正義とか
民主主義とか人権とか、いろんなものを単純に信じていました…

苦しさを言うなら、うみそら居士さんなどはどれほど苦しくておいでだろう…!
いつもそう思いながら、ブログをお訪ねしています。
音楽とかお好きなこと造詣が深くておいでのこと、たくさんたくさん書きたいことおありでしょうのに、
一切そうした自分の嗜好などお出しにならず、脱原発記事に特化しておいでになる…
その苦しさは、僭越ながら、ようくよくわかります!
私もしょっちゅう悩んでいます。固い記事ばかり書いていると、自分が味気ないし、
じゃあと言ってこうした気楽な記事を書いていると、自分で自分を責めるんです。
こんなこと書いてる場合じゃないだろう!って。
だから、ブログを2つ作って記事を分けようかな、とも考えたこともありますが、
それはそれでおそらくまた、自分の中で葛藤は生まれそうな気がします。

ほんとうに、うみそら居士さんは、ご自分でもおっしゃってらっしゃるように、
なにかある意味での修行をご自分に課しておいででもあるかのように…。^^
でも、おかげさまで、なにか遡って調べたくなるとお伺いすればいいので、
ほんとうにいつもありがたいことと思います。^^
わたしこそ、心の中で「合掌」です!

ビワのこと。伯父さまがお小さいうちに…そうですか…。
昔は、そうして、子供が疫痢、赤痢、結核、脚気などで、本当にあっけなく
死んで行ったりしてたんですよね~。
枇杷、生の梅、…子供の頃は食べちゃいけないと言われて育った人多いのでは
ないでしょうか。でも、今、枇杷を食べてどうのこうのとは聞かないから、
私の姉が亡くなったのなども、枇杷そのものがどうだったということではなかったのかも
知れませんね。
今は大粒の枇杷はほんとうに高級品。何年も前に、手土産に大粒の見事な
化粧箱入りの枇杷いただいて。そのときは、この世にこんな上品な味の果物有るかしら!
と思いました。
私の中のイメージで、『天上の果物』と言えば、枇杷と桃を意味する、というくらいです。^^
これらの実の姿の美しさや、その柔らかさ、みずみずしさ、香りと味の高貴さ……

枇杷の実は無論、果実酒などにするようですが、この花もね、焼酎につけたという
のをネットで見ました。まあ、この地味な小さな白い花だけを集めるって
どれほど大変でしょう!
でもきっと素晴らしい香りのお酒になるだろうなあ…

ライフワークとして自然療法の勉強…
すてきですねえ。
確かに枇杷は、いろんな薬効があるようですね。
この花の香を嗅いだだけで、私、どれほど元気が出るか知れません。^^
私も植えたいのですが、うちの庭は日当たりが悪いからなあ…
どくだみだけはたくさん生えるんですけれど(笑)。

ありがとうございま~す♪




No title

彼岸花さん、おはようございます。
とても良い記事をありがとうございます。
こういう世の中ですから、政治的な記事などもお書きになっていますが、
本当はこういうエッセイを一番お書きになりたいんだろうな~と思いながら読ませていただきました。

ところで、lily姫さんへのお返事で、
お姉様が枇杷を食べて亡くなっていることを書いていらっしゃいましたが、
実は、私の父親の兄も子供の頃に同じ原因で亡くなっているのだそうです。
その影響で、今でも父親も叔母もビワだけは絶対に食べません。
当然…ビワが我が家の食卓に上がることもなく、
(父親に食べないことを強要されたことは一度もありませんが)
私の頭の中にも何となくビワは怖いものだという刷り込みが出来上がっているようで、
実は…今まで数えることができる程度しかビワを食べたことがないのです。

でも、ビワは素晴らしい植物なんですよね。
私はライフワークとして自然療法の勉強を少しずつしているのですが、
東城百合子さんの本などを読むと、ビワの葉っぱを使った温灸などが万能薬として紹介されています。
いずれ実家に帰ったら、ビワの木を庭に植えたいと思っているのですが、やっぱり親父が嫌がるかな~?

ありがとうございました。合掌

Re: 愛希穂さんへ

愛希穂さん。こんばんは。^^
おかげさまで体調回復しました。ご心配かけてすみません。
もともとそうたいした症状じゃないのです。(汗)

誉めていただくとこそばゆいです。
要するに暇なんですね~。^^
もう、子育ても完全に終わったし、孫は出来ないと決まってるし、
隠居して細々と地味~に生きているだけ。
買い物も別に急ぐ必要もないから、自転車で出てもそれに乗りさえせず、いつも
ここにおいでになるmorinofuneさんがお笑いになるんですが、
「自転車を『引いて』歩いてる」(笑)。
だから、川べりの風景など、見ながら帰るんです~。
そう毎日、面白いことがあるわけじゃないけれど、時々は「お!」と思うことも
出くわします。

私のことより、愛希穂さんの読書量にはいつも驚きです!
私は随分本を読むペースが遅くなってしまっています。一番困るのは、
最近本を開くとウソみたいに気持ちよく眠くなること!(爆)
それから、メモとったりする習慣がないので、いいこと書いてあったなあと思っても、
読み終わったころには、どこに書いてあったかわからなくなってる!
すぐ記事にすればいいのでしょうが、いつか、なんて思ってると、また最初から
読みなおさないととても考えなんて書けないです。
愛希穂さんは、いつも、メモみたいなことなさりながら読むの?
要点をほんとに上手に紹介してくださるので、どうやってらっしゃるんだろうって
いつも思うのよ。好奇心がないなんてとんでもないわ!^^

そうですねえ。私も、もっと広く色んなことに目を向けたいと思います。
家の周りだけじゃなくて、もっと気軽に出かけたいなあとも思うんだけど…
腰が重くってだめです~…

愛希穂さん。ありがとう~~~♪



No title

彼岸花さん、こんばんは。

体調を崩されていらしたのですね。もう大丈夫なのでしょうか?

他の方も書かれていますが、彼岸花さんは本当に文を書くのがお上手なのですね。そして、何気ない一コマに視線を向け、それを素適に描写される。羨ましいです。いやいや、それ以前に私には好奇心がなさ過ぎるかも。

私はカラスを見かけても、「どっか行けばいいのに~」なんて思いながら、通り過ぎていきます。
どこからかいい香りがしてきても、「ああ、いい香り」で済ませてしまい、その元が何なのか知ろうともしない・・・。

春はもうすぐですよね。この春は自然が見せてくれる色々な表情にもう少し注意を払ってみようと、彼岸花さんのエッセイを読みながら思いました。

Re: クウ―ママさんへ

あらっ?たった今、クウ―ママさんのところから帰って来たばかりです!
同じ時にコメントしてたんですね~♪
ありがとう。私は風邪の方は大したこと無かったんですが、別の症状で
ちょっとくたっとしてました。でももうだいじょうぶ。
クウ―ママさん。お風邪の時、無理なさっちゃだめですからね~~~。
お返事など気になさらないで、良くなられてからにしてくださいね。
お大事になさってね。

No title

とりあえず、体調良くなってよかったです。
頭ボォ〜っとしてるので、またきますね。

Re: 鍵コメさんへ

鍵コメさん、ご心配かけてすみませ~ん。
でももう大丈夫です。

鍵コメさん、私もね、似たようなことちょうど考えてたの。
方向性を変えなきゃなあって。
そしてその方向というのは、今、書いてくださったような方向じゃないか、と。
多くの人にちょっとでも見てほしいですものね。

そのお話、とても興味あります。
また具体化したら、教えてくださいね~。^^

ありがとう~~~♪



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Re: lily姫さんへ

lily姫さん。こんにちは~。
ありがとう~。もう大丈夫です。^^
今回は軽くてすみました~。

> うどんやおかゆやお稲荷さん、食べても大丈夫になりましたか?

は~い。もうだいじょぶ。
普通にごはん食べていま~す!
おかしいわね。病気になると、子供の頃の食の記憶が戻ってくるのね。
母のうどんやお稲荷さんがとても美味しかったの。
関東風の、醤油で煮しめたような、黒々としたうどんやお稲荷さんではなく、
lilyちゃんはわかってくれますよね、いりこだしのあっさりした、だけど
コクのあるうどんつゆ。醤油はほんの、色をかすかにつけるくらいにさすだけで、
基本、塩味と出しの味。うどんも実は讃岐風とは違うんだなあ…
あんなにしこしこしていない。もっと柔らかいの。^^
細かく刻んだ博多ねぎをぱっと散らすだけ。かまぼこ一、二枚入っていてもいいけれど。

お稲荷さんも、関東風の甘辛いのじゃない。
願わくは母のお稲荷さんのように、牛蒡とか人参とかの薄味で似たのが入っている
五目寿司飯のお稲荷さんがいいなあ…
でも、そんなの気分が悪い時には自分で作れないから、なるべくあっさりしたのを
買って食べます。
ああ、母のお稲荷さんや五目ずしが食べたいよう…!(笑)

身辺スケッチのお散歩する時は、いつも心の中で、lily妹が一緒よ♪ ^^

枇杷ね。私も、花がこんないい匂いだなんて、この年になって初めて知ったの。
花も遠くから、「ああ、枇杷の花だ~」と何となく見るくらいだったし。
枇杷はね、昔の人はそういうふうに、子供に用心させていたと思います。
現実に、私の姉の一人は、地面に落ちた枇杷を拾って食べて、疫痢にかかって
亡くなっています。私が生まれる前に3歳くらいで亡くなった姉。
私は、その名を貰った。きっと、そのこの分を長生きしてほしいと両親が
願ってつけたんでしょうね。
なんでも、兄と従兄弟たちが枇杷の木に登って食べていた。小さい妹に誰も
獲って分けてくれない。それで、落ちているのを拾って食べたらしいの。
可愛そうな小さな姉……^^

昔はほんと、玄関の横とか裏庭とかに枇杷の木があったわよね。
そんな言い伝えというか、一種の禁忌があって、枇杷とかいちじくとかは
庭になっていても、あまり食べなかったりしたんじゃないかなあ。
…それが今ではどちらの高級果物!
枇杷など見事に大きなものは、木箱に綺麗に詰められて贈答用にもなってる。
枇杷の可愛いおしり…そうそう。その面影が既に花やつぼみにうかがえますね。^^

ショウジョウバカマ。
あっ、lilyちゃん。もし見かけたら、匂いを嗅いでみて結果を教えてね♪
違う匂いでもいいの。
花ことばが『希望』。…いいないいな♪
ありがとう、lily姫さん。 そうよね。希望を持って生きないとねっ♪






>
> 彼岸花さんの「身辺スケッチ」大好きです
> ずっとずっと 浸っていたいくらいです
> わたしの田舎の村では、庭の隅に ビワの木がある家が多かったのですが
> ビワの花に気づいたことがありません。
> 実が食べごろになるころだけ、見上げていたのかしら?
> 香りに気づいたことがなかったのかしら?
> 食べごろと梅雨が重なっているビワとグミは
> 「○個以上食べたら、赤痢になって死ぬ」と脅かされたことしか覚えていません
> わたしの両親は、でたらめばかり言ってましたからね(笑)
> ビワの花のうぶ毛・・・・・そうですね
> あの実のおしりのとこ、そういえば・・・パフパフって・・・・・
> うぶ毛の感触がすこーし残っているような気がします
>
> ショジョウバカマ、ふるさとの田んぼの畦道とか、
> 子どもの足でも上れる小さな山の途中とかでも見てたような気がするけど
> 似た花と間違えているのかもしれません
> ふるさとを歩くとき、心に置いておいて、それとなく捜してみようっと。
>
> 彼岸花さん、ショウジョウバカマの花言葉は 「希望」ですって!!!

No title

彼岸花さん、お体、大丈夫ですか?
もうお元気になられましたか?
うどんやおかゆやお稲荷さん、食べても大丈夫になりましたか?

彼岸花さんの「身辺スケッチ」大好きです
ずっとずっと 浸っていたいくらいです
わたしの田舎の村では、庭の隅に ビワの木がある家が多かったのですが
ビワの花に気づいたことがありません。
実が食べごろになるころだけ、見上げていたのかしら?
香りに気づいたことがなかったのかしら?
食べごろと梅雨が重なっているビワとグミは
「○個以上食べたら、赤痢になって死ぬ」と脅かされたことしか覚えていません
わたしの両親は、でたらめばかり言ってましたからね(笑)
ビワの花のうぶ毛・・・・・そうですね
あの実のおしりのとこ、そういえば・・・パフパフって・・・・・
うぶ毛の感触がすこーし残っているような気がします

ショジョウバカマ、ふるさとの田んぼの畦道とか、
子どもの足でも上れる小さな山の途中とかでも見てたような気がするけど
似た花と間違えているのかもしれません
ふるさとを歩くとき、心に置いておいて、それとなく捜してみようっと。

彼岸花さん、ショウジョウバカマの花言葉は 「希望」ですって!!!

Re: NANTEIさんへ

NANTEIさん。こんばんは♪
たまにはこういうのもいいかなと思いまして。^^
静かに変化なく過ぎていく生活…そんな中にも、多少の驚きや喜びはあります…。

ね。この子規の句、いいでしょう?
NANTEI師匠にそう言っていただけると、あれ、私の観賞力も
まんざらじゃないかな、って嬉しくなってしまいます。
と言っても私には、高浜虚子の句と、子規の句の違いというのもわからない。
ど素人なので、ただ、自分に何となく分かる句はわかるという…それだけです。^^

何となくそういう場所の記憶があるからかな。
幼い少女の頃、家々の裏庭を通って近道したりしていた時の、
小便臭いような路地の匂いとか、崩れて苔むした石垣とか、
踏めば強烈に香るどくだみの匂いとか…枇杷の木の小暗い蔭とか…
「あそこんちはお妾さんが住んでいる」などという大人たちのひそひそ話とか…。

子規の句もどなたの句も、私にはちゃんとした観賞は出来ないんだけれど、
偉いと言われるそうした人々が、ふっと気を抜いたような感じで作った句が
なぜか好きですぅ…

子規の句で言えば

おそろしや石垣崩す猫の恋

とか。^^


内のチョマが隣のタマを待つ夜かな  正岡子規

恋猫のまなこばかりに痩せにけり   夏目漱石

なあんてのを読むと、嬉しくなっちゃいます!(笑)
素人で句の良さなんてはなからわからないから、作った人の人間性が期せずして
滲み出ているような句を読むとにこにこしてしまう。

鴉!^^
私も嫌いになれません。
見てるとほんとにおもしろいですよね!

『漆黒の体の中で一瞬白く輝くものがあります。
それは鴉が眼をくるりと廻したときの光です。
そういう時は必ずとぼけようとする時です。

真下に餌があるのに人が来ると知らんぷりするような(笑。』


爆笑!!
NANTEIさん、すごい!
確かに確かに!
鴉はとても賢いから、ほんとに感情も豊かな感じ。
観察してて飽きませんね。
犬もときどき、そんな目をすることありますね。(笑)
いたずらを見つかった時、しらばっくれようとしてそんな目つきをすることが!^^

こんにちは。

エセーの達人、久々四題^^。

いずれも身近な話なのに味わい深いですねぇ。
きっと人間が微妙に描かれているからでしょうね。
人間を描くに達者な人は、当然観察力も鋭い!

しかしこの子規の句はいいです!
私は最近、改めて子規を見直そうと思っています。
齢とともに高浜虚子が鼻についてきたこともありますが。

鴉は、今いちばん興味をそそられる生き物です。
飽きないですね、いつまで見ていても・・・
漆黒の体の中で一瞬白く輝くものがあります。
それは鴉が眼をくるりと廻したときの光です。
そういう時は必ずとぼけようとする時です。

真下に餌があるのに人が来ると知らんぷりするような(笑。
そのあともしつこく見ているナンテイもナンテイですが(爆笑!
プロフィール

彼岸花さん

Author:彼岸花さん
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『しだかれて十薬忿怒の息吐けり』

『南亭雑記』の南亭師から頂戴した句。このブログになんともぴったりな句と思い、使わせていただきます。
十薬とはどくだみのこと。どくだみは踏みしだかれると
鮮烈な香りを発します。その青い香りは、さながら虐げられた若者の体から発する忿怒と抗議のエネルギーのよう。
暑い季節には、この強い歌を入口に掲げて、私も一民衆としての想いを熱く語りましょう。

そして季節は秋。
一足早いけれども、同じく南亭師からいただいた、この冬の句も掲げておきましょう。

『埋火に理不尽を焼べどくだみ荘』

埋火(うずみび)は、寝る前に囲炉裏や火鉢の燠火に灰をかぶせて火が消えてしまわぬようにしておいた炭火などのこと。翌朝またこの小さな火を掻き立てて新たな炭をくべ、朝餉の支度にかかるのです…

ペシャワール会
http://www1a.biglobe.ne.jp/peshawar/pekai/signup.html
国境なき医師団
http://www.msf.or.jp/donate/?grid=header02
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