『私の花便り』

あちこちから満開の桜の便りが聞こえてくると、なんとなくいつも少し焦ってしまう。
「ああ、花が散ってしまう!花が散ってしまう!」と、気もそぞろになる。

でも、実は、東京でも外れの我が家のあたりの桜は、都心より例年ずっと遅れて咲く。
満開に近い樹もあるにはあるが、今日見に行くと、平均してまだ5,6分咲きというところ。
だから、桜満喫の散歩は数日後まで待つことにして、今日の散歩は他の花に
目をやりながら行った。桜はまだわざと見ないようにして。
だって、まだ完全に咲きやらぬ桜の花を見るのは、
なにか、『化粧中の美しき人を覗き見しているような』気がするんだもの。



だから今日はまだ桜ではなく、
他の花たちをご紹介。


2010_0403_151729-CIMG1729_convert_20100405020914.jpg


これはエイザンスミレ。
我が家の空いた植木鉢の中にどこからか種が飛来して、いつの間にか、
庭のあちこちに増えていっているたくましい草。
本当の花の大きさは指し渡し3センチほどもないが、こうやって真正面から
写真にとって拡大して見れば、豪華なランの花にも負けない意匠を
凝らしていることがわかる。

次も我が家の玄関先に定植して、健気にも根付いてくれたもの。

2010_0403_151452-CIMG1726_convert_20100405004935.jpg

これはハナモモ。源平桃という種類。
紅の部分と白い部分がまじりあって咲くのを、源平合戦の白と赤の旗に見立ててこの名がついた。
一つ一つの花が皆違う模様。絞りになっているものもある。



それでは玄関を出て、河原に散歩に行きましょう。

おや、これは何の花?実に鮮やかな赤い色である。

2010_0403_142306-CIMG1718_convert_20100405000927.jpg

これは実は花ではない。カナメモチという、生け垣などによくつかわれる植物。

2010_0403_142236-CIMG1716_convert_20100405002706.jpg

このように全体を見れば、そこらの植え込みによく使われている植物である。
が、この時期出てくる葉の新芽は、実に花と見まがうばかりの鮮やかな赤い色をしている。
葉っぱでこういう鮮紅色になるのは、ドウダンツツジの紅葉がこれに引けを取らない赤さだが、
あれは秋の季節。

鮮やかな色彩がまた、向こうにも見える。
あれは何かな。近づいてみる。

これはニワウメ。たぶん。

2010_0403_142513-CIMG1721_convert_20100405010248.jpg

まあ、びっしりとよく花を咲かせるものだ。これはこれで見事。

この川べりの道には、見事な桜並木がある。
桜の花は…撮るには撮ったけれど、今日はご紹介しない。
さっきも言ったように、もっと見事に咲いてから。


散歩を終えて家の近くまで帰ってきた。
最後にこれを。

2010_0403_142049-CIMG1713_convert_20100405010953.jpg

2010_0403_142113-CIMG1714_convert_20100405012834.jpg


まぁ!鮮やかな黄色!
私も若い娘の頃、こんな鮮やかな色のポロシャツにジーンズのスカート。
長いまっすぐな髪をポニーテールにして、かかとの高いサンダルを履いて
東京の街を歩いていたことがあったな。
またこんな色の服着てみようかな。着れるかな。

これはレンギョウ。
この花を見るたびに毎年、ふっと、『レンギョウの花明かり』
という言葉が口をついて出る。
まるで、煌々と明るく灯りを点したように、この花は春の比較的早い時期に
輝き咲き出ずる。
その一角が、ぱあっと明るんで見えるほどだ。
でも、私が自分で考えだした表現ではない。
何か出典があったはずである…。そう思って角川の現代俳句歳時記を開いてみた。

あったあった!



行き過ぎて 尚 連翹の花明かり  中村汀女

スポンサーサイト

テーマ : 思うこと
ジャンル : 学問・文化・芸術

コメントの投稿

非公開コメント

Re: 依里さんへ

依里さん、こんにちは。
依里さんは正直な方だなあ、という気がしてとってもかわいい。
一所懸命花のこと、考え考え書いてくださったんだなあ、ということが
伝わってきます。
その気持ちが私にはとても嬉しいです。
一所懸命に何かをしてくれる、それがまごころですよね。

花の名前はね、知らなくても別にいいんですよ。でも、知っていると
花に巡り合った時に愛着の度合いが違ってきます。
『星の王子さま』の中で、王子とキツネが話すシーンでそんな会話がありました。
十万匹キツネがいてもそれはただのキツネ。
でも友達になったら、そのキツネはもう他のキツネとは違う、
たった一匹の特別なキツネになるんだ、というようなお話。
薔薇についてお話しているときだったかな。

雑草でも、名前を知っていれば、もう雑草、とは呼べなくなりますしね。
お花も同じですね。人間もそうなんですよね。
依里さんは、もう私にとって、特別なひとなの。
他の人とは違う、『依里さん』という特別なひと。

でも、実は私もめちゃくちゃ花の名前に詳しいわけではありません。
昔はもう少し知っていたけど、どんどん忘れていっています。
昔は『山と渓谷社』から出ている、植物図鑑、樹木図鑑にいちいちあたって
名前を調べていたけどなあ、最近は本が重くて、億劫になっています(笑)。

No title

花の写真が華やかですね。
ハナモモ綺麗ですね。うちの近所を花見散歩した時、見た気がします。
確か2色だったような気がするので、恐らく同じ花ではないかと。。。

カナメモチと言うのは、実は初めて見ました。花ではないと言うのが、何とも不思議ですね。
赤い葉。不思議です。
鮮やかな色だから、この植物だけでも十分見映えがしますね。

ニワウメはずいぶんずっしり花を咲かせるものですね。これも散歩で見たような、見なかったような。。。
家の近所から、ずっと用水路沿いに並木があるのですが、花に疎いのできれいだね、で終わってしまいます(笑)

最後のレンギョウ。
これはどこかで見た事があります。やっと名前が分かってすっきりしました。

Re: さかごろうさんへ

は~い。花は本当に綺麗です。
子供の頃からよく思ってた。花ほど綺麗な女の人いるかなあ、って(笑)。
自分は絶対そうじゃないってことが残念だった(笑)。

北国は、春いっせいに花が咲くって言うけど、ほんとですか?
私の住むところは、東京でも割合寒い方なんですよ。
だから、北国ほどではないにしても、結構いろいろ一斉に咲きます。
桜もまだ満開じゃない。今日見に行ったら八分咲きくらいでした。
今週末くらいが花吹雪で綺麗なんじゃないかな。
花吹雪に顔を打たれながら歩いてみたい。

この川べりの風景だけは、ここに越してきてよかったなあ、と思えます。
そちらもこれからが本格的な花の季節ですね♪

風邪治られたようでよかった。

No title

こうやってじっくり眺めていると、花は本当にきれいですね。

私が住んでいる周りにも、四季折々でいろんな花が咲いているはずなのに(これからの季節は特に.......)、私はまったく気づいてないんだなぁ。なんてもったいないんだろ。

彼岸花さんが住んでいらっしゃる周辺では桜が咲くのはこれからですか(笑)
枝々にこれでもかと咲き誇るであろう桜。さぞかしきれいでしょうね。
私のところもこれから咲き始めます。

楽しみですね!

Re: れんげさんへ

ああ、もう散り始めた。そうでしょうねえ。
そっちで桜見たかったなあ。

私は13日からです。ちょっと予定が遅くなったの。
愉快な旅の様子、いつも楽しく拝見してま~す。

Re: 手帳さんへ

手帳さんがおっしゃる通り、連翹や菜の花のあたりには、
夜の帳が落ちるのが遅いみたい。
菜の花には俳句の季語として、『花菜明り』という言葉が
ちゃんとあって、昔の人もそのことに気づいていたんですね。

ニワウメ、桃の花、サクラソウ、私の好きなむらさきはなな…、
これらのお花が『夕暮れでは青く浮かぶ』…
手帳さんの感覚、鋭敏で凄いなあと思います。
ほんとそうなんですよね。
きっとね、そのことにも、菜の花畑が明るいのにも
何か理由がある気がする。科学的に説明できるような。
悲しいかな、私にはそういう知識が無くって。

でも、いいのよね。夕暮れのお花畑は、きっとほんとに
別世界なのです。夜桜は、何か別の生き物になるのと同じですね(笑)。

No title

こっち、散り始めたよぉ~~~!!
あ、今こっちに来てるんだっけ、楽しんでねぇ♪

No title

私もレンギョウや黄色の菜の花畑は夜が遅いといつも思っていました!
ニワウメって名前なのですね。
このニワウメや桃の花、サクラソウやむらさきはななって夕暮れでは
青く浮かびますが、どうしてかなぁとと不思議です。
夕暮れのお花は違う世界の花のようです。
プロフィール

彼岸花さん

Author:彼岸花さん
リンク、トラックバックご自由に。

『しだかれて十薬忿怒の息吐けり』

『南亭雑記』の南亭師から頂戴した句。このブログになんともぴったりな句と思い、使わせていただきます。
十薬とはどくだみのこと。どくだみは踏みしだかれると
鮮烈な香りを発します。その青い香りは、さながら虐げられた若者の体から発する忿怒と抗議のエネルギーのよう。
暑い季節には、この強い歌を入口に掲げて、私も一民衆としての想いを熱く語りましょう。

そして季節は秋。
一足早いけれども、同じく南亭師からいただいた、この冬の句も掲げておきましょう。

『埋火に理不尽を焼べどくだみ荘』

埋火(うずみび)は、寝る前に囲炉裏や火鉢の燠火に灰をかぶせて火が消えてしまわぬようにしておいた炭火などのこと。翌朝またこの小さな火を掻き立てて新たな炭をくべ、朝餉の支度にかかるのです…

ペシャワール会
http://www1a.biglobe.ne.jp/peshawar/pekai/signup.html
国境なき医師団
http://www.msf.or.jp/donate/?grid=header02
最新記事
最新コメント
リンク
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
カレンダー
08 | 2017/09 | 10
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

FC2カウンター
検索フォーム
RSSリンクの表示
QRコード
QRコード