『TPPについて今一度』

自衛隊の集団的自衛権行使容認。従軍慰安婦問題。それに関しての朝日バッシング。…
福島県知事選。沖縄知事選。川内原発再稼働の動き。大規模自然災害への備え。
日米ガイドライン見直し。12月にも迫る秘密保護法施行。そして日中首脳会談…
当面の国内問題だけに限っても、まだ私が記事を書いていない問題がこんなに
溜まってしまった……

遡って書いて行っていてはとても現実の動きの速さに追いつかないから、とりあえず
直近の日中首脳会談について記事を書いていたところなののだけれど、
ある方が、TPPのことも思い出させてくださった。…そうそうTPP!
このTPP問題、交渉の年内の決着は見ることができそうになく、来年に先送りされることに
なりそうだという。(とりあえずはちょっと目を離しておけるか)
しかし、コメントの返事を書きながら、このTPP問題、もう一度整理し注意喚起し直しておいても
いいかと思った。
それで、コメントの返事をこうやって、本記事としてアップさせていただこうかと思う。
多分、またあらためてTPPについて書く気力や時間がないかも知れないので。
内容のほとんどは、かつて私が書いた記事の写しであることをお断りしておく。

                 *

公共事業版TPP、そういう言い方があるのですね。
そういう明確な概念ではとらえていなかったけれど、そのことは、私がTPPで むしろ
自動車などのことより一番恐れていることなんです。
まず、上下水道事業に関しては、2013年6月20日の記事で書いています。
なんと麻生財務相兼副総理自身が、愚かにも、日本の貴重な水資源を海外に
(要するにアメリカに)売り渡すセールストークをしているのです。

一部私の記事から載せておきます。
『このまま参院選に突入していいのか ①』

『その他にも、あろうことか、日本が国民のためにどんなことがあっても海外の
貪欲極まりない企業から守らねければならない上下水道事業を、副総理兼財務大臣である
麻生太郎氏が売るような発言をした。
これは、(2013年)4月3日。政府の成長戦略を話し合う産業競争力会議に、民間議員として出席した
あの竹中平蔵・慶大教授の行った見通しと提言を受けたものである。
公共施設などの民営化を急ぐべきだとの提言だ。
『競争力会議の試算では、空港や高速道路、上下水道といった公的な資産の総額は約185兆円。
負債を差し引いても約100兆円の価値がある。こうしたインフラなどの「運営権」を売却すれば、
「最低でも数十兆円になる』という竹中氏の提言。
麻生氏は、4月19日、G20財務相・中央銀行総裁会議の際、民間シンクタンクである
CSIS戦略国際問題研究所において、次のような軽々しい発言を得々として述べているのだ。
http://youtu.be/Qo9mq9PVae0
すなわち、日本の上下水道事業に海外の(悪徳巨大水産業を含めた)民間企業の参入促進を、
副総理自ら示唆して宣伝に努めているのである。
TPP交渉を前にして、なんという不用心なことであろう!』


あの、竹中平蔵氏のアドヴァイスを受けてのものですよ。こういう行為こそ、私はそういう言葉を
あまり使いたくないけれども『国を売る』と言うのじゃないかしらと思ってしまう。
その他にも医療・保険分野でのTPPについては、もうTPPの話が出た頃から、その危険性が
指摘されていますね。
日本は今、貧困層の増加から、国民健康保険の保険料を払えないために無保険状態に
陥っている人が多い。それでも、日本は一応世界もうらやむ皆保険制度が確立した
国です。上記のような生活困窮者が保険を取り戻す救済策も一応はある。
オバマ大統領がこの国民皆保険法案を成立させるまでにどれほど苦労したか…。

アメリカの保険会社を喜ばすような『混合診療』の解禁は、日本のそうした世界に誇れる
皆保険制度を根幹から揺るがしてしまいかねない。
TPPによって、保険診療と保険外診療を併用する「混合診療」の全面解禁が行われれば、
お金持ちは高価な保険外診療で最先端医療を受ける、貧乏人は従来の公的保険で、
という医療保険の二分化が進んでいくようになりかねません。
でも、貧しい人にはちゃんと従来の国民保険があるからいいんじゃないの、という
ことにはならないのです。

それについては、2011年11月8日のこちらに書きました。
="『基本に戻って考える』其の二 『TPP と混合診療』

要点はこうです。
『私たち自身が、お金さえ余裕があれば、よりよい医療行為を受けたいと
願う。それは当然である。また、医者の側も、点数の決まった保険治療よりも、
自由に診療報酬の決められる保険外診療を勧めたくもなるであろう。
…こうして、徐々に徐々に、保険外診療のシェアが伸びていくと、
保険診療は効率的でなくなり、加入者は減ってやがて経営的に苦しくなっていくであろう。
国や地方公共団体、企業にとって健康保険制度が重荷になってくる…
今でさえ、それらの団体にとっては、保険料の支払いが負担なのである。
アメリカ資本の参入とアメリカルールの押しつけ、また日本国民自身が自由診療を望むこと
などによって、徐々に国民皆保険制度はこうやって先細りになり、
やがて崩壊してしまうかもしれない!
…それを、TPPに反対する者は、憂慮しているのである……。


アメリカの保険、製薬会社の悪徳ぶりは、皆さんもご存じでおいでと思います。
堤未果さんがそのことについて何冊も本を書いていらっしゃる。
こわいのは、こうしたアメリカの保険・製薬会社などのあの悪辣きわまるロビイストたちが、
TPPに日本が参加すれば、今度は日本国家や自治体を相手取って、
日本の皆保険制度が自分たちの商売の障壁になっている、と訴えてくることです。
それが、私の一番恐れるISD条項やRatched条項、Non-Violation Complaintなどと
いうものです。詳しくは上記記事に書いています。
つまり、アメリカの一企業が、日本という国家や、地方自治体を相手取って国際機関に
『自分たちの自由な商売が阻害された』と訴訟を起こすわけです。
ところがこの『国際投資紛争仲裁センター』という世界銀行傘下の国際機関とやらが
曲者。これは国際間のトラブルを信義や商業道徳によって裁くところなんかじゃない。
『「投資の利便」を図るための国際組織』
であって、しかも世界銀行はアメリカの
息がかかっているというかアメリカそのものの機関なんです。
対カナダ、対メキシコなどとのFTAで、いくつも紛争が裁判にかけられているけれど、
ほぼアメリカの一企業が勝つのです。カナダやメキシコという国家に。
負けた方は巨額の損害賠償金をとられます。
Ratched条項は、一度緩和したら、二度と元に戻せないというこれまた恐ろしい条項。

でも、肉牛の輸入はTPP前にすでに量的緩和され、医療・保険は例の『国家戦略特区』で
東京圏で高度医療の規制緩和が行われるようだし、それから郵便も、TPP前に
アメリカに気を使って、昨年4月、日本郵政傘下のかんぽ生命保険ががん保険など
新商品を申請しても日本政府は当面認可しない、ということの日米間の合意文書を
出していると思います。TPP前に日本はもう、アメリカに気を使いまくり。
これはすなわち、米など主要農産物に関して、最低限のところは守り抜きたい
(農林族議員などの反発を恐れる)日本政府が、TPPの交渉以前にすでにアメリカに対して
重要な交渉カードを切ってしまった、ということを意味していると思います。
実はその、その頃気を使っていた農協票に対してさえ、現政府は、今、『農協解体』という
これまで自民党政権の誰も手をつけ得なかったことをやろうとしているのですけれどね。

保育・教育分野も、これまたアメリカ資本など入れるのは怖い!
これも、しかし、既に国家戦略特区で一部公立校の民営化を図って行こうと政府はしています。
『教育の民営化』ということは、今すでに公立校の教育内容と私立校のそれとの格差が
問題視される中、それをさらに推し進めることになる。
医療保険制度と同じで、私立志向の者が増えていけば、公立校のさらなる規模縮小と
教育の質の低下が進みかねません。アメリカではすでにその公立校の規模カットが進んでいる。
しかもそこにさらに外国資本が積極的に介入してくるということです。
アメリカの経営する学校が増えれば、英語をしゃべれる子が増える、日本の子供の国際化だ♪
などと単純に喜んでいると大まちがい。教育機関は価値観を子供に植え付けるところですから。
豊かなものの選択肢は増えるかもしれないけれど、貧しいものの選択肢と質は
ますます細って行く…
教育…医療診療…大事な大事なもので国民の二分化が進んで行くことになります。

TPPがこわいのは、それがアメリカの大企業のルールそのものだということです。
日本の農業の保護もすごく大事な問題だけれど、あと、食の安全もまた大きな問題だけれど、
これらと上にあげたような公的分野のものすべてにわたって、アメリカの大企業ルールが
これから適用されていくぞ、ということが一番怖いことなのです。

TPP交渉の後ろにあってアメリカ政府そのものにプレッシャーをかけている大企業は、こんなに。
私たちはこういう大企業と戦わなければならなくなるのです。
『TPPで私たちが闘わなければならなくなる相手』

一企業が国家(国民)を相手取って訴訟を起こし多額の賠償金をせしめる…
それだけでなく、相手国の食糧自給や食の安全、水の確保、医療保険、教育制度…
そうした国民の生命や健康にかかわる事柄や、大事な大事な基本インフラさえ
ぐずぐずにしてしまいかねない恐ろしいもの…それがTPPだということです。
これらが海外の企業の思うようになり、日本政府の手さえ及ばない…そのことの
怖さを国民はよくよく知っておかなければならないと思います。
牛丼がさらに安くなる、などという問題じゃない!

そしてもう一つ、これはTPPに反対する新聞記事も評論家でさえも誰もあまり
言っていないけれど、日本がアメリカの犠牲になるという視点だけでは片手落ちです。
日本が、TPPに参加している他の国…失礼だけれど日本よりは弱小国に、
日本大企業の論理を押しつけるということだってありうるというわけです。
自分に都合のいいことにだけは口を噤んでいていいのか!?と思います…

TPPも、これからいずれ行われるであろうマイナンバー制度も…外国産の安い食糧が
買いやすくなるとか、いろんな公的手続きが一本化されて便利になるとか、
一見ソフトな外見を装ってはいますが、
秘密保護法や自衛隊の集団的自衛権行使などの誰から見ても明らかに強面な問題同様、
日本という国の形や精神そのものを変えて行く危険のあるものです。
簡単に考えてはいけないと思います。







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Re: 鍵コメさんへ

鍵コメさん、こんにちは~。

お体の調子のことでなくてよかった~。
でもね~、精神的に疲れちゃいますよね。

はいっ!今日もキャンドルナイトやります!
今、デジカメの充電慌ててしているところ。
どんなしつらえになるかな。楽しみにしていてくださいね。^^

『ロバの耳』には大爆笑。
はいはい、ロバの耳にでも猫の肉球にでもワトスン君にでも何にでもなります~(笑)。

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Re: しほさんへ

しほさん。こんばんは。
TPPの記事。しほさんへの返事というよりは、TPPの危険の再確認という
感じで書かせていただきました。^^
今度の中国での各国の外交交渉は熾烈ですね。
韓国と中国がFTAの合意に至ったとか。日本の外交筋や経済筋は焦るんじゃないですかね。
TPPはアメリカに対し絶対に譲れないことがあって(国民のためというより選挙のためですが)
進展していない。
本来ならば、TPPと同時に日中韓のFTAも進めるつもりでいたのに、中韓とこんなに
険悪になってはそれができなかった…日本を抜かしての中韓のFTAですからね。
下手をすると、日本はアジアからさえ置いていかれてしまうかも、と焦るでしょうね。

安倍さんの外国訪問が歴代首相に比べても異常なほど多いのは(血税もたっぷり使ってる!)
一つには、おじいさんの真似。
1957年。岸信介首相が組閣後の大仕事として取り組んだのが、日本の首相として初の
東南アジア諸国外遊。ビルマ、インド、パキスタン、セイロン、タイ、台湾を歴訪しています。
15年戦争敗戦後の『孤立した日本ということでなしに、アジアを代表する日本』
(文藝春秋「岸信介の回想」)を日本国の総理自身が身を持って内外に発信し、
戦勝国・米国に印象付けようとした、と考えられます。
帰国した岸は、同年6月に訪米、11月には再び東南アジア(南ベトナム、カンボジア、
ラオス、マレーシア、シンガポール、インドネシア、)オーストラリア、ニュージーランド、
フィリピン)を歴訪しています。
この、おじいさんの行動にそっくりなんですね。

また一つには、海外の小さな国にもお金をばらまいて、対中国の観点から世界を
日本の味方につけておきたいという、外交上の必要、というよりは半分恐怖心も
あるんじゃないでしょうか。

三番目に、やはり海外で一国の代表として迎えられ、演説や首脳陣と会い、
記者会見など開くということは、安倍さんでなくとも政治家の晴れ舞台ですからね。
いかにも『政治をしている』という気分になれる。国民の細かい目は届かないし。

石原元都知事が演説をしたヘリテージ財団は、超保守系(ネオコン)民間シンクタンク。
そこでは07年、当時の久間章生防衛相が武器輸出3原則の見直しを発言している。
今回のTPPの記事で、日本の上下水道をどうぞお買いください、というような
演説を麻生さんがしたのは、CSIS(戦略国際問題研究所)というシンクタンク。
ここも超党派と謳ってはいるらしいですが、どうですか。

しほさんのおっしゃる通り、『海外で日本国の重大な事を発表する常套手段』は
自民党の政治家だけでなく、菅さんなども2011年ド―ビルでG8の際、
脱原発の方針を語って、『1000万戸の家庭の屋根にソーラーシステム』という
民主党のほかの閣僚からすれば『爆弾発言』をしていますし。^^
それで散々叩かれて笑い者にされた。
なんで菅さんだけ、みんなで叩くかなあ。麻生発言など国民のライフラインを
海外に売りますよ、なんて言ってるのに!

『マイナンバー法が成立したから環境が整ったと思います。
はて…何の環境か?
国民を守る方に使われないのだけは確かの様に思います。』

本当に………。おっしゃる通りですね。
マイナンバー制度と秘密保護法を合わせて考えると、ほんとうに恐ろしいです…
国民の言論統制が、ほんとうにこれで容易になりますから…。

そうやって徐々に徐々に、国民の恐怖心を煽って、自由な発言を自粛していくように
仕向けるのね。
…本当にいやな時代になりつつあります……。


こんばんは

安倍首相が又、精力的に海外へ出張ですね。
海外へ行く頻度が激増してます。

海外で日本国の重大な事を発表する常套手段は、前々都知事もよく「活用」してました。
尖閣諸島4島の内3島を東京都が買うと東京都民に断りなしに宣言してましたよね。
あれは米国の何とか財団でのスピーチで盛り込まれました。

今回は国同士の関係がこじれてるお国だから…そんな事は無さそうですが。

病気を克服したとは言え、命がけで海外へ行くのは止めにしてほしい。
その後が怖い。

彼岸花さんへ
本当に誰の為の政治なのでしょうかね。
マイナンバー法が成立したから環境が整ったと思います。
はて…何の環境か?
国民を守る方に使われないのだけは確かの様に思います。
バラバラにして、団結しにくくして、弱らせて叩くのだと思います。
一つひとつ、切れ目なくやっていってるのだと。



Re: 玄少子さんへ

こんにちは~♪

あ。ほんとだ。入れない…
タイトルが微妙に違ってた~。『このまま参院選に突入していいのか ①』
『も』が余計で、①の前にブランクが一こあった!(笑)
教えてくださってありがとう~~~~~♪

☂蕺ちゃん、これから買い物行くよ。今夜の晩御飯何にしようかな、
『ん、どうしよう・・・よし!うどん』
  (↑ へへ。自分で考えたのじゃないっす…[ TORMATO ] さんというかたのを拝借。)

うどんじゃなくて、ほんとは今夜の予定はお雑煮で~す。つれあいのご所望。                              
~~☂デモ加油☂☂☂ 若者ぐぁんばれ、
後は託した、…たのんだぞ~(よろよろ…)☂☂☂


リンクきれ見っけー

『このまま参院選に突入してもいいのか①』
アドレスがへんだよ~ん

☂玄ちゃん今から空を飛ぶじゃなくていまから寝るアルねー《←アナグラム
またーよませていただきにまいりやす

~~☂デモ加油☂☂☂
プロフィール

彼岸花さん

Author:彼岸花さん
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『しだかれて十薬忿怒の息吐けり』

『南亭雑記』の南亭師から頂戴した句。このブログになんともぴったりな句と思い、使わせていただきます。
十薬とはどくだみのこと。どくだみは踏みしだかれると
鮮烈な香りを発します。その青い香りは、さながら虐げられた若者の体から発する忿怒と抗議のエネルギーのよう。
暑い季節には、この強い歌を入口に掲げて、私も一民衆としての想いを熱く語りましょう。

そして季節は秋。
一足早いけれども、同じく南亭師からいただいた、この冬の句も掲げておきましょう。

『埋火に理不尽を焼べどくだみ荘』

埋火(うずみび)は、寝る前に囲炉裏や火鉢の燠火に灰をかぶせて火が消えてしまわぬようにしておいた炭火などのこと。翌朝またこの小さな火を掻き立てて新たな炭をくべ、朝餉の支度にかかるのです…

ペシャワール会
http://www1a.biglobe.ne.jp/peshawar/pekai/signup.html
国境なき医師団
http://www.msf.or.jp/donate/?grid=header02
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