『黒い霧 政治というもの』 ②

貧困と無知の泥沼の中にいる若者に、政治という魔物が武器を与え、
「戦え」とささやくことがある、というところまで書いた。

豊かで平和な今の日本。そんなことは古くなってしまった映画のように、過去のこと。関係ないよ。

しかし、本当に関係ないのだろうか。こういうことはどうだろう。
豊かな国の象徴とも言うべき国アメリカ。

アメリカではベトナム戦争終結後の1973年から、徴兵制度というものは廃止されている。
ただし、選抜徴兵登録制度(Selective Service System)というものがあり、
2009年現在に至るまで名簿の作成が国防総省において継続されている。
米国に在住している市民権及び永住権を持つ男性は18歳になった時点で
郵便局において登録の義務が課せられている。
男性市民は登録しないと罰金刑の対象になる他、政府からの奨学金が受給できない等の
各種の不利益が科される。 (以上Wikipedea)

これは男性に対する性差別ではないか、という議論も少しはあったらしいが、合法、という
結論が出されている。
まあ、いざというときは、この名簿が、すぐに徴兵の基本資料となるのであろう。

徴兵をやめてどうしているか、というと、今は、州兵と志願兵で賄っている。
問題はこの志願兵である。豊かで平和な時代に、自ら軍隊に入りたがる人は、
あまり多くはないだろう。国を守ろうとする強い使命感に燃えた人か(これは少ないかな)、
単に武器弾薬が好きとかいう人もいるだろうが、多くはは生活の道として、という人。
それが実際は一番多いのではないのだろうか。
つまり他に職があれば兵士になどならなかった、という人。

兵隊が足りない。そうするとどうするか。
アメリカでは、軍隊のリクルート要員が、全国の高校生の名簿を徹底的に調べ上げて、
貧困家庭で、でも優秀で本人は進学したがっているような若者を青田買いする。
高卒後、軍隊に入って訓練を受けて、アフガニスタンなりイラクなり世界中の
激しい戦闘が行われているところに行って戦って、無事帰ってきたら、
大学に行かせてやるよ、と、甘い言葉をささやくのである。
勿論彼らが戦地から無事帰ってくるという保証はどこにもない。

軍務の義務は、法の平等のもと、すべての国民に等しく課するべきではないのか。
志願兵制度だと、貧しい家庭の若者が多く戦場に駆り出されるという、不平等
生みだしているのではないか。
そういって、兵役の見直しを真剣に議論しようという人もいるらしいが、
あくまで少数派。

さてこのアメリカの事情。どうご覧になるだろうか。
私は戦争に絶対反対なので、勿論軍隊を持つことにも反対。
したがって、徴兵制にも志願兵制にも反対である。

今回、日本は鳩山政権の終焉によって、政治が大きく揺れている。
ご存じのように、鳩山さんがやめざるを得なくなった要因の大きなものに、沖縄の基地問題がある。
沖縄の外に基地を、と言っておきながら、迷走した揚句、やはり沖縄に、ということに
戻ってしまった。
しかし、私は考えるのだが、誰がいったい他の考え方を示せたというのだろう。
沖縄の人は長い間、アメリカ軍に基地を提供するということを引きうけてきた。

気の毒だよ~。もうそろそろ沖縄の人を解放してあげたらいいんじゃない。
でも、うちの県に持ってこられるのは反対。
騒音問題、米兵による不祥事、何より、いざ戦時となったときには、真っ先にそこから
アメリカの軍艦や飛行機が飛びだす。攻撃されるのもおそらく真っ先。
そんな恐ろしいもの、うちの地域には絶対持ってこないでほしい。

これが国民の本音ではないだろうか。正直言って、私もそう出ないとは言い切れない 。
いわゆるNIMBY症候群というやつである。Not IN My Backyard
それは必要な施設かもしれない、だけどうちの裏庭にだけはごめんだよ、というやつ。

原子力発電所や核再処理工場や処分場に関する考え方もまったくこれと同じである。
地球温暖化を防ぐには、もう原子力に頼るしかないでしょう。でも、うちの近くには
絶対作らないで。
事故があったら困るから、うちから遠く離れたところがいい。そう、沖縄とか六ケ所とか。

・・・・そういう考えかた。

沖縄問題は、その根本にある、日本の防衛をどうするのか、といったことを
考えなければ、結局いつまでも、沖縄の人々に過剰負担をかけ続けることになる。
ーこのまま日本は、アメリカの核の傘の下にいて守ってもらい、その代わりに基地や
お金を提供する。このままでいるのなら、沖縄問題はどうするのか。
ーアメリカに依存するのはやめて、自国の安全は自国で守ることを基本的に考えていく。
そうなると、自国の軍隊が必要になってくる。自衛隊を軍隊に格上げ(!)する?
その前にそうすると、憲法をいじらなければならない。平和憲法の見直しである。
ーそれとも、憲法九条の精神を守り抜いて、不戦に徹し、自衛隊も軍隊もいらない、
日本は徹底した平和主義のお手本の国となる。それが何よりの防衛となると信じる?

…そういったいくつかの考え方が、中途半端に議論されては、そのどれにも自信が持てなくて
結局沖縄問題は先送り先送りされ続けてきているのだ。

ここらで本当は、与野党などということを超えた、国民を巻き込んでの議論が
必要なのだろうとは誰しも思う。何年かかけるくらいのつもりで、徹底的に議論を重ねる。
そうして、国民投票でもなんでもして、日本の防衛をどうするか決める。・・・・・

だが、ああ!
それをするには国民にまだためらいがあるのだ。
今、沖縄問題を真剣に討議すれば、アメリカとの関係を意志決定しなければならなくなる。
アメリカに依存し続けるのか、それとも憲法を改正して、日本も軍隊を持ち、
自国を自力で防衛する方向に行くのか。
そのどちらを選ぶのか。
どちらにも自信がないのである。
楽なのは、このままアメリカに依存し続けていくこと。沖縄にお願いし続けていくこと。
その方が考えなくていいし、考えるのは面倒だから。
・・・そうやって何十年もが過ぎてきた。

本当は皆、本格的な防衛論議をやって、日本が武装化する、自国に軍隊を持つ、
ということに決まってしまうを恐れているのではないだろうか。
軍隊を持てば、韓国のように、一定期間若者は必ず軍役をしなければならない、という風に
ならないだろうか。その時、戦争が起こったら?
憲法はこのままでいいよ。平和憲法いいじゃない。
自衛隊の立場?今のまま曖昧でいいんじゃない。海外派遣も武器は携行させないでさ。

そうやって国民が、なんとなくブレーキをかけている。
それが、政府が憲法改正に踏みきり、自衛隊を軍隊に格上げして、核の装備を
日本にも行い、海外にも武器を持たせて派兵する、などということになるのに、
いい意味でのブレーキをかけている。
その一方で、自分たちは安全なところにいて、危ないこと、いやなことは一部の人に
押し付けている、という構造が、沖縄問題だけでなく、原発問題にも他の問題にも
できあがっていることにもなっているのだ。

こうやって書いている私にも、こうすればいい、といういい替案などない。
私は護憲の考え方を持っている。だから、日米安保条約は破棄してもらいたい。
そうすれば、米軍基地をどこに持っていくか、などという心配はなくなる。
だが、そう思いきってしてみた時、アメリカとの関係はどう変わっていくのか。
戦争放棄、日本は武器を一切持たない。それを言うだけで国の安全は守れるのか。
私にも全く自信がないのだ。

誰にも、将来が見えていない。将来こうあるべき、という強い理念とそれに対する信念を持ちえない。
私などがその最たるもので、これは自嘲的に語っているのである。



私が一番恐れるのは、これによって国民の間、とりわけ若者の間に広がる
『しらけ』ムード、あきらめ、思考停止、である。
鳩山民主党政権に期待があまりにも大きかったあまり、がっかり感も強いのだろうが、
昨年せっかく生まれた、政権担当能力のある政党が少なくとも2つはあって、
(願わくは3つはあって)それらが、国民の投票行動という意思決定を経て、
切磋琢磨しながら国の政治を行っていく、という、民主主義の根本構造。
それは本当に去年生まれたばかり。
その芽を、短気な失望で摘んでしまってはいけないと思う。
辛抱強く立派な政治家、立派な国会、立派な政府を育て上げていくしかない。
投票行動と、そして、国民の声をもっと中央に通す手段を考えて。

いい政治を行ってもらうには、国民自身が成熟していなければならない。
マスコミの報道する数字にいちいち踊らされないことだ。
マスコミは視聴率や部数を稼ぐために、面白おかしく煽り立てる。
私たちはそれらをいちいち鵜呑みにしないようにしなければ。
マスコミを育てていくのも、私たち自身の成熟に負うところが多い。
何かもにお笑い芸人が登場する今のテレビ番組。そんなことに慣れてしまっては…。
小沢問題も鳩山献金問題も、真実はまだ霧の中。
その裏になにがあるのか、これは二人だけの問題なのか。
国民が目を光らせていなければならないことはたくさんある。
思考停止してあきらめてしまってはいけないのである。

先の記事でシチリアの山賊サルバトーレ・ジュリアーノのことを書いた。
その時、彼のことを『貧困と無知の泥沼』にいると表現した。
この『無知』という言葉。これは決して学齢うんぬんを言っているのではない。
彼を馬鹿にして言っているのではない。
500人もの荒くれた若者を束ねていく能力。これは並大抵の能力ではなく、
彼にはそういう優れた能力とカリスマ性があったということなのだから。

私がサルバトーレ・ジュリアーノの映画を見て感じた、『ひとはもっと良く生きられないのか!」という残念な想いや寂寥感は、シシリーという島の風景や、彼と彼の周囲の人々の無残な死から
感じるものだけではない。

大きな歴史の中で、個々の人間は、彼と同じに本当に一瞬先も見えずに生きていっている。
先のことを自信を持って「こうすれば絶対大丈夫!」などと言い切れる者などいない。
それは偉そうに見える政治家だって、軍の指導者だって、知識人だってみな同じである。
そういう意味では、皆、サルバトーレと同じように『無知』なのである。

皆が手さぐりしながら生きてきた、これからも生きていこうとしている。
それがいつか大きな歴史の流れになっていく。
個人の力、個人の意見など、その大きな流れの中では微々たるもの。
個人の感情などで、歴史が動かせるものではない。
恋愛一つだって、自分の感情だけでは、相手のこころを動かせないのだ。

そういった意味で、私はサルバトーレの物語を、まったくの他人事とは思えないのである。
いつかまた、今は一見平和で豊かな日本だって、不幸な時代を迎えるときがくるかもしれない。
その時に、一番の不幸を背負わされるのは、やはりきっと若者たちであろう。
太平洋戦争末期の昭和20年の日本人男性の平均寿命は24歳(女性38歳)。
「武器をとって戦ってこい」と言われて、若者たちが戦場に散っていった。

私は、貧困と無知の中にいる若者に、「銃をとってあいつらを殺せ!」などと
政府が言う時代には絶対に来てほしくないのである。
北朝鮮のような暗黒の国になってほしくない。
今日もきっと、沖縄の基地からは、まだ少年のような顔をしたアメリカ兵たちが、
戦地に向かって、この青い空と海の中に出立していっていることだろう。
そうしてそれを迎え撃つ側では、小学校にもろくに行けないで、
銃を持ち人を狙うことだけを教えられた少年兵たちが、
黒々とした瞳をふざけて銃の照準器にあてがい、ふっとそれを逸らせて
仲間と笑いあったりしているかもしれない。


願わくは、私たち一人一人が『自分の判断力と意志』を持つことによって、
その流れをいい方に変えることができますように。
たとえば、シシリー島の人々が、マフィアの根絶に力を結集してきたように。

そうして、私は、民衆というものがときに『無知』と言えるほど愚かな方向に
突き進むものでもあるのを悲しむと同時に、民衆の底力というものも信じたい気が一方である。
民衆はときにとても賢い。そうして何よりたくましい。

何もかもサルバトーレにかこつけるようですが、まあ、これはもともと彼の映画の記事なので(笑)。

民衆のたくましさ。シシリーにはこんな歌もあります。
You Tubeでイタリア民謡を聴き漁っていて、偶然こんなの見つけました。
山賊で百人以上の人を殺戮している彼に、独立戦争の英雄としての、義賊としての
愛着と思慕を抱く、民衆のたくましい、ある意味おおらかなこころ。
不思議である。

http://www.youtube.com/watch?v=c3vWKOQq91s






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米軍基地について考える

私も漏れなく 米軍基地は国外へ移転すればいい そう思っていた 今や経済的メリットよりも 負担の方が大きいと聞いたからだ そう 例えばグ...

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No title

何がSelectiveなんだか。。。ホントにアメリカのする事は、言葉の響きだけはまっとうな感じがします。
実際は裏で半強制リクルート。
私はこの国のおかげで食べている様なもので、これ以上悪く言うのは偽善家のような気がするのでこの辺にしておきます。。。

さて、このシステムを日本に採り入れたら自衛できるか。
と言うと、今の日本でそれは現実的ではない気がします。
「皆、戦争行くの嫌でしょ?じゃ、USに守ってもらうしかしょうがないじゃないの」
そう政府は言いたいのでしょうし、そう言われると反論もできません。
だけど、本当にそんなに武装する程の有事が起きるだろうか?と疑ったりします。だからって、完全非武装と言う訳にもいかない気がして。。。
ある国の牽制の為にいるだけでしょ?と思うのですが、この地域で日本が他国から攻撃をしかけられる事がこの先皆無である、とは断言できない様な気がするからです。

基地問題からは目を逸らしてきました。
考えたくなかったからです。私のいる県には既に基地がありますし、さらに受け入れろと言われて、はいそうですね、と頷けない所があります。
基地がある事で、治安も然りですが、環境汚染も心配です。日本ではあまり報道されていませんが、グアムやハワイと同様、沖縄も苦しんでいるのではないかと、私は思っています。

駐在先の環境や人々に全く配慮されていない所からしても、本当は減らして欲しい。他の場所や国々に追いやるんではなく。
けれど、自衛はどうするの?そう聞かれたらやはり答えられない。
結局の所、グルグルと回って答えに辿り着けない。そんな風に思えてくる問題だと思いました。

Re: ららさんへ

ららさん。しっかりしたご意見をありがとうございます。
そうなんですよ。新聞もテレビも、何か、違うところを盛んにつついているような気が
してなりませんでした。鳩山さんの発言は軽薄だったかもしれないけれど、問題の本質は
そんなところにあるのじゃない。
国の防衛をどう考えるか。憲法9条をどうするか。アメリカとの関係をどうするか、
ということなんですよ。
ただ、それを持ちだすと、議論が両極端になってしまうんですね。それがもう目に見えている。
一方は改憲派です。アメリカの核の傘の下にいるかどうかは別にして、とにかく憲法を変えたい、と思っている人々がいる。理由は、アメリカからおしつけられたものだから(笑)。
おもに、9条を変えて、自衛隊を軍隊にして、日本も核装備でもなんでもして、
自分の国は自分で守ろうよ、と言いたい人々。
一方は護憲派です。9条は絶対守る。核の3原則は絶対守る。アメリカからも独立した平和国家を目指す。でも、本当にそれが出来るのか。北朝鮮の脅威は?

大方の国民にとっては、どちらも現実味を持って感じられない議論なんです。
だから、現状容認になってしまう。沖縄の人たちには悪いけどね~、と言いながら。
そうして私などもそうですが、もし、憲法論議をこの国で本格的に始めたら、
おそらく改憲論者が一方的に勝つと思うのです。護憲派は今はほんとに少数派ですから。
そうすると、雪崩を打って、日本は軍備を本格的に始めてしまう。

それが、国民にはなんとなくわかっているんじゃないか、と私は思うのです。
だから、本格的な議論はしたくない。現状を維持して曖昧なままにしておきたい。
その心情は私も持っているので、これを批判できません。

でもね。本当は、私もね、日本国憲法は世界に誇れる憲法だと思っています。
人から押し付けられたものであろうとなかろうと、いいものはいい。

日本が進むべき道はちゃんとあると思うのです。非戦を貫きながら、世界の
リーダーになれる道が。たとえば、中央アメリカのコスタリカは、憲法で
軍隊を持たないことを謳い、軍事費を教育費に充てる。周囲の国で紛争が起きると、
仲裁役を買って出る。アメリカのアフガニスタン侵攻に大統領が賛成の意思表示をすると、
大学生が、大統領の憲法違反を訴え、裁判所がこれを認める。それで、コスタリカは
アフガニスタン侵攻に賛成した条項を撤回してもらう、など、本当に、小さな国ながら
頑張っています。アリアス大統領という人はノーベル平和賞を貰っている。

日本がこういうことが出来ないとは私は思えないのです。
その力を持っていると思う。

ただ、まだ、日本は国民も政治も、未成熟だと思う。
極端に走らず、粘り強く議論を重ねて、最高の結論を引きだす。
そうしてそれを着々と実行していくには、なにかが決定的な資質が欠けている。

それは私は、『自分で考える力』だと思っています。
情報に流されるのではなく、情報を読み説く力。
そこから自分で何が正しいか、何が最善か柔軟に考えていける力。

これがね~。私を含めて、なかなか出来ないんですよね。
でも、沖縄の人々にはもう我慢できないだろうな。私も迷っています。

No title

普天間の問題ではなくもっと本質的な一番大切なことが曖昧になっている気がしてなりません。
これからの国防をどう考えるか、ということ。ここをきちんと考えることなく基地移設に関する鳩山政権の矛盾点をいくら挙げてもあまり建設的ではないと思います。
そろそろ戦後のこの曖昧な状態から抜け出す時期でしょう。
国防を侵略戦争と切り離して自分たちのものとして考える人は少数派です。アメリカの核の傘の下にいながら、平和憲法の下で、自衛隊の基地、アメリカ軍の基地を不要とするのは一面的過ぎるし、アメリカの核の傘のなかで核廃絶を叫ぶのはできるけれど、廃絶へと一歩前進するのは難しい。
世界の憲法の歴史で日本国憲法ほど、理想論的な美しい憲法は他にないと思うのですが、この憲法の下で安保体制以外に国家が平和を維持するためには、大変なハードルがあると思います。
戦争放棄の美しさをそのままに、日本は自国の力で諸外国からの攻撃から自国を守ろうとするにはどういう道筋を思い描けるのか。
それとも現代の世界情勢に合うような形で憲法を改正か、改正にはすべて反対なのか、どんな改正に反対しているのか、
こういう議論がこれまで以上になされなければいけないと思う。
それなしに、米軍基地容認でも自分のところでは反対するとか、鳩山さんの言動に慎重さがいかに欠けているかを列挙するとか、
そんなことに終始していたのではとても日本の先を描くことが出来ないです。世界経済の中でアメリカドルとは独立して円がその一翼を担って、力と力の均衡を努力の中で維持しているのと同じように
日本も国家として更に成熟してほしいなあと、何となく思ってしまいました。もちろん何がいいか、実は何も分からないのですが・・・

Re: そらまめさんへ

そうなんですよ。
『無知』という言葉を人に対して使うのは、とてもきつい失礼な言葉のようだけれども、
『無知』であるということはとても怖いことだと思っています。自分も含めて。

これは、そらまめさんがおっしゃるように本人の無関心から来る場合と、
環境のせいでそうならざるを得なかった場合と2種類あると思います。
まず無関心ということだけど、今の自分に直接関係ないと思うと関心も持たず、
想像を巡らせることもしないというのは危ないですよね。
それがいつかじわじわと自分たちの首を絞めることになっていっても
気がつかない。
たとえばかつての構造改革。何やらかっこいい宰相とその言葉に酔っているうちに、
どれほど国民の生活からゆとりを奪ってしまったか。
もう一つは、国自体が貧しいせいで国民が十分な教育を受けられないがための無知。
サルバトーレの場合などはこれにあたりますよね。
彼も殆ど学校に行っていない。きっとこれだけのカリスマ性と組織力があったんだから
優秀な青年だったろうと思うの。それが最初からチャンスを奪われている。
銃をとるしかない、という環境にいたんですよね。

彼のような少年は過去の映画の中の話では決してなく、アフガンの子供たち、
ソマリアの青年たち・・・、今も世界のいたるところにいます。
子供が銃を手にして煙草を吸い、大人と同じように戦闘に加わる。

彼らに一番必要なものは教育。世界を見る目。それがなくて、外国の押し付けによる
復興をいくらやろうとしてもだめですね。時間がかかっても教育をしていくしかない。
子供だけでなく大人も。

平和ボケしている日本だって、いつ嵐に巻き込まれるか、それが絶対にない
という保証はないです。周りがきな臭くなり、戦争の影が差し始めた頃には
もうとどめがきかなくなっている。
沖縄の人々などは、あの戦争の後始末をいまだにしているようなものですよね。
国民や政府の代わりに。

と、まあ、あの映画を見て、こんなことを感じたわけです(笑)。
でも、サルバトーレの写真をじっと見ているとせつなくなって。
なんでこんな青年が!と思ってしまいまして。

そらまめさ~ん、ありがとう~。
この記事には誰からのコメントも期待してなかったの。
長いし、話を広げ過ぎだし。
でも、そらまめさんのコメント読んでいて、頭の中がすっきりしてきました。
ありがとう~。

No title

無知はとても心配です。
それはつまり無関心ということだから。
ちょっと関心を持てば知りえるニュースでさえ、今の自分には関係ないと
目をそむける習慣。でも何かあった時には遅い。
関心を持つということは、いつかの自分の身を守るために必要なこと。
政治や町の流れを変えるとか、そんな大きなことじゃなくても・・・・。

教育も政治も情報もない・・・かの地で当たり前のように銃をもつ少年兵。
このままでいいわけがないと『自分の判断と意思』で立ち上がってくれる
地元の若者も大人も居ると信じてます。
そうでなくてはならない・・・。
結局、どこかの国の無礼な押し付けは不信しか生まないと思うから。
プロフィール

彼岸花さん

Author:彼岸花さん
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『しだかれて十薬忿怒の息吐けり』

『南亭雑記』の南亭師から頂戴した句。このブログになんともぴったりな句と思い、使わせていただきます。
十薬とはどくだみのこと。どくだみは踏みしだかれると
鮮烈な香りを発します。その青い香りは、さながら虐げられた若者の体から発する忿怒と抗議のエネルギーのよう。
暑い季節には、この強い歌を入口に掲げて、私も一民衆としての想いを熱く語りましょう。

そして季節は秋。
一足早いけれども、同じく南亭師からいただいた、この冬の句も掲げておきましょう。

『埋火に理不尽を焼べどくだみ荘』

埋火(うずみび)は、寝る前に囲炉裏や火鉢の燠火に灰をかぶせて火が消えてしまわぬようにしておいた炭火などのこと。翌朝またこの小さな火を掻き立てて新たな炭をくべ、朝餉の支度にかかるのです…

ペシャワール会
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