『参院選に向けて⑤ 猫とネズミ』

今日は2月22日。『猫の日』だそうである。
言わずもがな、222で、にゃんにゃんにゃん…

猫の日にちなんで、彼岸花作、『猫とネズミ』の寓話をひとつ。


猫とネズミ
写真は、こちらのサイトからお借りしました。http://nekomemo.com/
記事の内容と写真の引用先とは関係ありません。



というのは冗談。だが、少し苦言を呈しておきたい。

2010年6月、民主党菅内閣が成立。
成立時には61%あった支持率が、1カ月で39%にも下がった。
7月の参院選で民主党は惨敗し、衆参のねじれが生じてしまった…。
なぜ、発足直後はそれなりに支持率があった菅内閣の人気がわずか1カ月でガタ落ちし
参院選で大きく票を失ったのか。
鳩山由紀夫前首相が4年間は消費税を上げないと言っていたにもかかわらず、
菅内閣は参院選前の6月17日、マニフェストを発表。
そこで与野党の協議が調えば次期衆院選前にも増税に踏み切る可能性を示したのである。
『2010年代半ばまでに段階的に消費税率を10%まで引き上げる』

せっかく新内閣誕生で少し期待感が高まった国民感情に冷水を浴びせた、ということが
菅内閣支持率低下と選挙結果に大きく影響したのではなかったか。
株価もその後4ヶ月間ほどは低迷している。

しかし、消費税増税は、民主党だけの政策ではなく、自公もその必要性はとうに認識して、
実は菅氏が持ち出した消費税増税10%に、という数値は自民党案を採用したものである。
増え続ける国の借金と減り続ける人口。逆に増え続ける老人層と、それが今後
必要とし続けて行くであろう医療介護費など社会福祉費用の増大。
それは、与野党を問わない、国民全体の問題であったはずだし、今もそうだし今後もあり続ける。
その認識は誰もがもつものであろう。そしてその財源を消費税増税に求める、というのも
国民全般にほぼ共通した認識であったのではないだろうか(私は反対だが)。

しかし。消費税増税はそうした共通の認識でありながら、いざ実際増税ということになると、
経済界からも国民からも総スカンを食らう。そこで政府はなかなか、いついつ実施しますとは
言い出しにくいものである。下手をすると次の選挙結果に直接影響するからである!
言わば。消費税増税実施は、『猫の首に鈴をつける行為』と似ているのである。
猫の首に鈴がついてしまえば、ネズミたちみんなは安心である。だが?一体誰が、どのネズミが
自分の命をかけて猫の首に鈴をつけに行くのか? 
……誰も行きたがらない……
この場合、猫とは何を表しているか。『膨らむ社会保障費対策としての消費税増税』である。
ネズミとは誰か。猫の首に鈴をつける(=消費税増税を言い出すこと)という危険を冒せば
命を失う、すなわち国民の支持が下がる(=選挙に負ける)危険に直面する『政党・政治家』である。
また、ネズミとはある意味で国民自身でもある。猫の首に鈴をつけねばならないことはわかっていながら、
実際に消費増税によって自分たちの負担が増えることは厭い、それを言いだす政治家・政党を
嫌う人々…。

菅元総理は、言うなれば、猫の首に鈴をつけに行ったようなものだ。
『バッカだなあ!なにも参院選直前にそんなこと言いださなきゃいいのに!』とあの当時私は
感じていた……参院選が終わってからじっくり与野党で議論すればいいものを…と。

国民は、民主党政権に厳しすぎなかったか?
同じ消費税論議でありながら、10%増税の必要を言いだした菅内閣には2010年
参院選惨敗というきつ~いお灸を据えた。
その後、民自公の3党合意によって消費税増税は決まった。
2012年の衆院選で野田内閣の民主党は自民党に政権を空け渡す。
その後はどうか。あれほど2010年消費税増税に拒否反応したにもかかわらず、合意後は
国民は、その内容や実施時期に意外なほど鈍感だったのではないか。

決まる前は激しく拒否反応するが、一度決まってしまうと『もう決まったことだから…』と、
容易にすべてを受け入れて、その内容の検討や見直しなどに対しても急速に関心も怒りも
失ってしまう、この国の国民性を私はそこに見るのである。

原発再稼働しかり、TPP合意しかり、消費税増税しかり、安保法制しかり……。
国民だけではない。マスコミが率先してそうである。TPPや消費税論議などは、
朝日新聞の論調だって、なにか最初から『歓迎すべきもの』として決まったもののように
書かれ続けていた印象がある…
・社会保障費確保に消費税以外の方法はないのか。
・増税するしか道はないのか。
・TPPのデメリットの詳細な分析…
そういった視点からの記事が極めて少なかったように思うのだ。
私はそれをいつも不審視して来ている……今も。

消費増税に対する国民の反応のその後はどうか。
安倍政権の2014年4月には、消費税が5%から8%に増税された。
消費者は、それをどういう態度でおおむね受け入れただろうか?
粛々とその事実を受け入れ、対抗策としては消費を抑える、という行動に概して出たように思う。
…私もそうだった…
景気は10月まで停滞期を迎えたが、10月31日、黒田バズーカ第二弾と、GPIFの
運用比率を変えて内外株にその50%を注ぎ込めるようになったことで株価は持ち直した
ということも前の記事で書いた。
安倍政権は、5%から8%への増税実施という、猫の首に鈴つけを、まあまあ成功させた、
といってよかろうか。

だが。消費税率の目標値は10%まで持っていくことである。
自民党は10%への増税実施を15年10月から17年4月に先送りし、その延期判断について
国民に信を問うと言って、解散総選挙を2014年12月に行った!
この意味のない総選挙には600~700億円も費用がかかった!

(国民は、自民党を支持。このことで、結果的に国民は、秘密保護法もTPPも原発再稼働も
自衛隊の集団的自衛権行使容認を含む安保法制も…安倍政権の方針にお墨付きを
与えることになってしまった…安倍氏の任期も伸びた……)

さらには、今、自民党は、公明党に配慮して実際は『負担軽減』でもなんでもない軽減税率
持ち出し、国会の予算委員会でも盛んにその論議が行われているところである。
曰く。コンビニで買ったドーナツとコーヒーを、お盆にのせてもらって店の休憩コーナーで
食べれば10%になるが、袋のまま持ち帰れば8%のままですむ。
だがしかし、『持ち帰りです』と言って8%で買っておきながら、イスが空いているからと
言って店内で食べ始めた客に対して、店側は追加の2%分を請求できるのか?などなどと…。

以前載せたグラフの最近版だが、こんなデータをもう一度見てほしい。


法人税減税



消費税税収のデータと、法人税減税額の比較グラフである。
消費税で得た分が、法人税の減税でほぼ消えていることがわかる。
2014年から消費税が8%に上がったので、当然税収は増えているが、安倍内閣では
法人税減税をさらに進めていき、20%台にするというから、消費税増税分の大方は
やはり法人税減税分に取られていくのだろう。
消費税を上げても、それがそのまま活かされているとはいえない現状ではないだろうか。

果たして、消費税というものそのものが、社会保障費確保のために最も有効な方法
なのだろうか?
また、盛んに議論されている『軽減税率』というものが、本当に国民の税負担増の
軽減措置として有効なのか?
その根本のところの議論は国民によく説明もないまま、ひたすらこの政府は、消費税増税に関する
方針と日程をほしいままにし、出来レースを走り続けているように思えるのだが。
マスコミもまた…。
それでも、安倍政権の支持率は下がらない。
それが私には理解できないのである!

果たして、猫に鈴をつけることが、ネズミたちが安心して暮らして
いくための、もっとも良い方法だったのだろうか?


スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

彼岸花さん

Author:彼岸花さん
リンク、トラックバックご自由に。

『しだかれて十薬忿怒の息吐けり』

『南亭雑記』の南亭師から頂戴した句。このブログになんともぴったりな句と思い、使わせていただきます。
十薬とはどくだみのこと。どくだみは踏みしだかれると
鮮烈な香りを発します。その青い香りは、さながら虐げられた若者の体から発する忿怒と抗議のエネルギーのよう。
暑い季節には、この強い歌を入口に掲げて、私も一民衆としての想いを熱く語りましょう。

そして季節は秋。
一足早いけれども、同じく南亭師からいただいた、この冬の句も掲げておきましょう。

『埋火に理不尽を焼べどくだみ荘』

埋火(うずみび)は、寝る前に囲炉裏や火鉢の燠火に灰をかぶせて火が消えてしまわぬようにしておいた炭火などのこと。翌朝またこの小さな火を掻き立てて新たな炭をくべ、朝餉の支度にかかるのです…

ペシャワール会
http://www1a.biglobe.ne.jp/peshawar/pekai/signup.html
国境なき医師団
http://www.msf.or.jp/donate/?grid=header02
最新記事
最新コメント
リンク
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
カレンダー
06 | 2017/07 | 08
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31 - - - - -
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

FC2カウンター
検索フォーム
RSSリンクの表示
QRコード
QRコード