『参院選に向けて⑦ 消費税と軽減税率 その1』

前の記事で、消費税導入の歴史をざっと見てきた。

国の財政がひっ迫してきたとき、まあ、それは、家計でも同じことだが、大きく言って
3つの対処法があるかと思う。
①節約して生計を切り詰める。
②借金をして当座をしのぐ。
③仕事を増やしたり投資をしたりしてとにかくお金を稼ぎだす。

第一次オイルショックによる戦後初めてのマイナス成長に陥った時、日本は
赤字国債を発行して当座をしのいだ、ということを書いた。つまり②の借金である。
(今、その日本の国の累積借金は1,000兆円!)
しかし、それでは後の世代に負担を残すことになる。そこで、③、国の収入自体を増やそうとした。
国の税収を増やすにはどうしたらいいか。いろんな方法を考えたろうと思う。
所得税、資産税などの増税…、法人税増税…だが、これらは国家の収入源としては
安定性がない。景気に大きく左右されるからである。それに…財産を多く持っているもの…
資産家や大企業や…といった、国政に発言権を持ち影響力を持つ者たちの
強い反対を受けるであろう。
そこで。『消費税』ということになったわけ。ごく単純化して言えば。


『消費税の政府にとっての利点』
  ①国民から否応なしに徴収できる
  ②赤ちゃんから老人まで全世代から徴収できる
  ③したがって、安定した財源である


今、国会予算委員会でも、また新聞などでも、盛んに消費税と軽減税率のことが
話し合われている。安倍政権は、消費税を8%から10%に上げることを、本来
2015年10月に実施するという当初の予定を2017年4月に先延ばし。
その是非と問うと言って600~700億円も費用をかけて衆院解散総選挙を行った。

今度の引き上げは、東日本大震災級の大事でも起こらない限りは絶対に実施すると言っていたが、
この頃、ちらほら増税実施は再引き延ばしか、といううわさも聴く中で、なぜか軽減税率の
話ばかりが妙に細部にわたり細かく報道されている…。

今本当に国民も交えて真剣に話し合うべきは、消費税増税が本当に必要なのか、
果たして8~10%に上げたとて、社会保障費を賄うのにどれほどの効果があるのか
また今まで、それは正当に社会保障費に回されてきたのか?ということの再検討なのでは
ないだろうか…



                   ***  

消費税(欧州などに置いては概ね『付加価値税』、あるいは『物品税』などと呼ばれるもの)を
国家の税収の主なものに据えようという動きは、これは何も日本だけのものではない。
多くの国がこれを導入しているのである。そしてまた、多くの国が、増税による国民負担感を
少なくするために、軽減税率を採用している。
次のグラフを見てほしい。これは2015年最新版。

『付加価値税率(標準税率及び食料品に対する適用税率)の国際比較』
消費税と軽減税率 各国比較 2015年
(備考)
1.日本の消費税率8%のうち、1.7%相当は地方消費税(地方税)である。
2.カナダにおいては、連邦の財貨・サービス税(付加価値税)の他に、ほとんどの州で州の付加価値税等が課される(例:オンタリオ州 8%)。
3.アメリカは、州、郡、市により小売売上税が課されている(例:ニューヨーク州及びニューヨーク市の合計 8.875%)。


これは財務省ホームページからお借りした。https://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/consumption/102.htm



文字が小さくて申しわけないが、
棒グラフの白い部分の高さが各国の付加価値税(≒消費税)の標準税率。すなわち
消費税税率。そのうち、青い部分の高さが、食料品に対する税率である。
白と青の差の部分が『軽減された分』すなわち軽減税率ということになる。
日本を見てみよう。2015年1月現在。消費税は8%。軽減税率はまだ適用されていないから、
日本人は、食料品にも他のものと同じに8%の税を払っていることになる。そうですよね。
では例えば、日本と大きく違う例から言って…イギリスを見てみよう。
イギリスの消費税率は20%だが、棒グラフが真っ白ということは、食品の税率が0%
ということである!
庶民にとって一番関心事の食事。その食品にかかる税率が0%の国は、他にも、カナダ、
オーストラリア、アイルランドなど結構ある。お隣の韓国もそうだ。
オーストラリアも韓国も、消費税は日本が17年からそうしようとしている10%だが、
食品の消費税は0%
それに対し日本は8%に据え置き、というだけのことである。

反対に極端な例を見てみようか。
福祉国家といわれる北欧諸国のうちデンマークは、消費税が25%。なんと、食料品も
25%
である!これはきつそうだなぁ!
…これについては後で書く。
同じく福祉国家ノルウエーでは消費税25%食料品の税率は15%である。これもきつい!
フランスではどうか。20%に対し食品5.5%である。食品5.5%はまあまあだが
その他が20%というのはやはりきついな。ドイツは、19%で7%。
ハンガリーに至っては、ここに掲げた諸国中最高税率27%で食品も18%だ!
国民の暮らしは、きついなんてもんじゃないだろう…
あとは。おひまにまかせてゆっくり各国の消費税と食品にかかる税を検討ください。


ここからなにをお感じになられるだろうか。
日本の消費税8%(2017年からは10%)は、諸外国、とりわけヨーロッパの
先進諸国からすると、まだまだかなり安い、ということではないだろうか。


先進国の中で、日本の消費税は、かなり低い水準にある……
このグラフからは、それだけしかとりあえず読みとれないだろう。
でも、本当にそうなのか?
日本および各国の詳しい実態を次の記事で見て行く。



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Re: 鍵コメさんへ

鍵コメさん。ありがとうございます。

早速読ませていただきました。導入した各国の実績がわかったのがとても
ためになりました~。

書かせていただきますね~! ^^

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Re:鍵コメさんへ

鍵コメさん。こんばんは。
お疲れ様です。
あれだけの内容のもの、お書きになるのさぞ大変でしたでしょう~~?
ほんとうにお疲れさまです。
私にも、いい勉強になりました。

メールの方に返事書かせていただきました。
偉い人たちは、庶民の感覚をこそ大事にしないとですよねっ。
ネットにも新聞の投書欄などにも憂慮の声は満ち満ちている……
今は党利党略などと言うみみっちいことは一切かなぐり捨てて、全身全霊で自公に
対決してほしいです。

ありがとうございます~!

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『南亭雑記』の南亭師から頂戴した句。このブログになんともぴったりな句と思い、使わせていただきます。
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暑い季節には、この強い歌を入口に掲げて、私も一民衆としての想いを熱く語りましょう。

そして季節は秋。
一足早いけれども、同じく南亭師からいただいた、この冬の句も掲げておきましょう。

『埋火に理不尽を焼べどくだみ荘』

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