『ほととぎす』


5月28日深夜。いや、もう29日だ…

今年もまた、ホトトギスの初音を聴く…

深夜1時過ぎ。まだ起きて明かりを灯した私の部屋の上空を、ホトトギスが
啼いて過ぎていくのである。
その声といったら!……

毎年毎年、このホトトギスの訪れる日を楽しみにしているのだけれど、
今年は、いつも大体このあたりに来る、という時期が来てもなかなか来ない…
耳ざとい娘に訊ねてみたけれど、『いや、そう言えば、今年はまだ聴いてないね』とのこと。
『もういなくなってしまったのかな…』と悲しんでいたところだった。
ホトトギスはウグイスなどに托卵する。
ウグイスがいなくなれば、ホトトギスもいなくなるということなのだ。
人間が、とめどない開発で鳥や獣の住む場や食べ物を奪って、ウグイスやホトトギスの
住む場は随分少なくなっていっているだろう…ましてや市街地においては。
いつ、来なくなるかと、毎年毎年案じつつ、その声の聴ける日を待っている…

今年もそれが聴けたのである。
…なんというのかなあ。この幸せ感は……。
ただ幸せというのではない。毎年同じことを書くけれど、これしか私には言いようがないので…
生けるものの『魂極まる(たまきわまる)』声を聞いた、とでもいうような、共感の心に
胸が打ち震えるのである…

昨年もホトトギスのこと記事にしたけれど、その時、ある方に、崇徳上皇の歌を
教えていただいた。

ほととぎす夜半に鳴くこそあはれなれ闇に惑うはなれ一人かは



ああ…いいなあ……

『なれ一人かは』の『かは』は反語的表現の助詞である。
闇に惑うのはお前一人なのか、いやそうではない、(私もまた…)
と、自分の想い自分の孤独を重ねているのである…

崇徳院。保元の乱で讃岐の地に流され、二度と都に戻ることは無かった…
恨みを抱いて死んで、『怨霊』として描かれることもあるけれど、私には
この地上に、かつて在った、孤独なひとりのひと、でしかない…

配流の地で、深夜、一人聴くホトトギスの声。
その声は、そのさびしい胸の内にひときわしみじみと響いたことだろう…

文学というものの素晴らしいところは、時空を超えて、一飛びに、見知らぬひとの魂と
結びあうことができることである…
ここにもひとりの『孤独な魂』が……、という、
しみじみとしたひとりのひとへの共感と、人の世のはかなさへの同調の想いを抱く…

また、言葉の通じぬ一羽の鳥、姿さえ見ることのできぬ一羽の鳥と、
生きとし生きるものとしてのなんともいえぬ淡い魂の交感をすることでもある…

それは、とてもとても寂しいのだけれど、なんとも言えない幸せな感覚でもある。













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Re:しほさんへ

しほさん。おはようございます。

ありがとう。ちっと頑張って書いていっています。
怒りをエネルギーにして。^^

安倍さんは、もう恥も外聞も、信義もへったくれもないですね。
『改憲』>『全ての懸案』。
『アベノミクス』『アベノミクス』と、新聞などもそればかり強調して
安倍=経済政策、というイメージが作られてきましたが、あのかたの頭の中は
おそらく経済政策なんて、二の次三の次。
昨年暮れの、従軍慰安婦問題での韓国との合意。あれを見たとき、彼の
改憲への本気度をあらためて想って、私はぞうっとしたものです。
『従軍慰安婦問題』いわゆる歴史認識に絡む問題は、彼にとっては譲れない一線のはず。
それさえ一歩譲った。
慰安婦問題など大事の前の小事!祖父の悲願であった『改憲』が、いま目の前に見えて来ている。
それを成し遂げるためなら、政治家としての節を曲げるのなんて屁でもない。
サミット、オバマ広島訪問…何だって、参院選に勝つためなら利用する!

一国の政治が、そういう一政治家の個人的情念に引っ張られて行っていいものでしょうか。
しかもね。それを堂々と表に出すならいいのです。『改憲したいんです!』って。
そうじゃないですものね。
『アベノミクス』『アベノミクス』の印象操作で、経済政策を前面に押し出して
選挙を戦い、見事国民がそれに応じて、選挙に勝ったら、今度は『改憲』も同様の
『安保法成立』にまっしぐら。今度の参院選でもまたぞろそれをやろうとしています。
参院選に勝つためなら、自分の過去の公約を破棄することなんてへっちゃら。

改憲勢力の参院選での三分の二達成は絶対阻止したいです。

昨日はほんと、全国で抗議行動ありましたね。
私も午前中は、地元の集会に行ってたんです。ほんとは、その後、国会前に
行くつもりでいました。
でも、連れ合いがこのところ少し心配で。
つい先日も夜中に『ふらふらする。気分が悪い』と言って、真っ青な顔している…
脳梗塞で前に倒れたときと似ていたので、脳梗塞再発か!と覚悟しました。
でも幸い違ったようで。
長時間家を空けることが今は心配。本人も『行かないで』というので、国会前は
諦めました。集会が終わって、皆さんそろって国会前に行ったのですが、
私は残ってまた一人で少し署名集めしてから家に帰りました…

そうそう。『応援してます。見ています』と、私も、こころで応援!です。^^
あのね。昨日の地元の集会にも、いただいたバーニーシャツ、着て行ったんですよ。^^
(おかげさまで、快適♪)
サンダースさんは、アメリカの良心、のようなひとですもんね。
ノーム・チョムスキー、ジョン・ダワー、そしてオリバー・ストーン…
しほさんがおっしゃるのは『オリバー・ストーンが語る もうひとつのアメリカ史』
のシリーズ映像のことでしょうか?
これ。私も見てみますね~。
記事を書いていて、世界の政治ってなんて怖いんだろう!とつくづく思うことしばしです。
その裏側の真実など、とてもにわか勉強の私などには掴みきれるものじゃない…
近衛文麿という一人を問っても、その周りで蠢いていた人々…無論、日本、
中国、ソ連、アメリカ……多くの人々が、それぞれの思惑で動いていた…
それらの総体が歴史を動かして行きます…
その総体の巨大さに比べれば、明らかになっていることなどはわずかしかない。
さらに私が集められる情報なんてそれこそちっぽけ。
そのわずかな情報を、あっちから見たりこっちから見たり、想像を駆使したり…
書いたことを消したり付け加えたり…いろいろしながら書いていっています。^^

『歴史』という巨大な忘却装置にうずもれたものの大きさに、無力感は常に
感じつつも…そうほんと!しほさんのおっしゃる通りなの!

『知らなかったより、知って良かったと自分に言い聞かせてます。』

私もまさに同じ想いで、知らなかったこと忘却装置に埋もれてしまったこと
ほじくり返しています。
知らないことが多すぎて呆然としてばかりなんですが。i-229

しほさん。ありがと~ぅ♪
ああ…見ていてくださるんだな…そう思うととっても勇気が出ます。
自分のための勉強でもあるし、またがんばって書いていってみますね~~♪
ほんとにありがとう♪

No title

彼岸花さん、こんばんは。
圧倒されるような記事に頭が下がります。
どれだけの調べ物、考察を重ねられたのかとお察し申し上げます。
生半可な言葉を残せずグズグズしてました。
このところオリバー・ストーン監督のスピーチを見てます。
2013年とあったと思いますが、中身は年月を全く感じられませんでした。
あれ程の警告を声に出していたのに…
新聞記事で読んでいたはずなのに…
知らなかったより、知って良かったと自分に言い聞かせてます。

オバマ大統領の広島訪問、献花は遠い昔みたいです。
隣にピッタリ寄り添う安倍首相のエズラが選挙の宣伝に都合よく使われそうで
嫌な感じです。

6/5今日はいろんなところで抗議のデモ、集会がありました。
少し見てみようと思ってます。
注目してるよと…気持ちを表したいです。

Re: NANTEIさんへ

NANTEIさん、こんにちは。

激励のおことば。ありがとうございます。
この記事ね。まだ終わってなくて、ほんのとば口に立ったところなんですよ。><
いつまでかかることやら見当もつきません。
でも、安倍政権は改憲にまっしぐら。全てがその一点のためにある…
アベノミクスも、オバマも、G7も社会福祉も…
じっとしてられなくて書いています。^^
ざっとした流れに過ぎませんが、若い方などは、多分あまりご存じないでしょうし、
通りすがりにでも一人でも見てくれれば、と願っています。

鳥たちの季節ですね。
師匠の農園などでは、いろんな鳥の声が聞こえるんだろうなあ…
うちのまわりでは、コジュケイ、カッコウは、うう…、聴けません…
ほんと。鳥によっては、よくまあ、あんなに続けて鳴いてられるよな!って
心配になるようなのもいますね。カッコウとか、コジュケイとか、朝4時とかに
やってきて、そばでずうっと鳴いてたら、『うるさいよ!』って、思うかも。(笑)

私も野鳥たちは大好き。ツグミなどにも会いたいのですけれど、まだ会えません…

『高浜虚子』お嫌いですか。^^
師匠は、どこの結社、壇、同人…、などというおよそそういうものに属さない。
孤高を貫いておいでなのですよね。
私も、なんでも原則一人で自由なのがいいなあ!(笑)

『映像の世紀』。あれはいいですよね。
いいんだけれども、確かに、気が滅入る!(爆)
人間の欲望…憎しみ…野心…それらの総体が生み出す『時代』というもの…。
一旦激動に陥ってしまったら、個人などというものは波にのまれてしまう…
しばし、テレビの前でものも言えなくなることありますよね。

『そして厭世感→里山で吾に返り→暫くすると「映像の世紀」→→
というメビウスさん(>_<) 』

爆。^^
そうそう。鳥や草たちがそれを慰めてくれます。
我が家のようなちっぽけな庭でも、季節季節の花たちが。
うちの近くに、里山や谷戸があったらなあ!…おむすびとゆでたまご持って
出かけるのにな。^^
我が家の近くは自然に恵まれていそうで、意外とそうしたところが
近くにないんですよ~~~田んぼさえありません。
海からも遠いですしね。
なんと言っても、うちは車をもたないんで、交通の足がないのが大きいかなあ。
バスも長く乗ると酔うんであんまり好きじゃないしなあ。
出無精なのが、一番いけないですね。いったん出ちゃうととても楽しいんだけれど。

『資本主義というモンスターは、
知的でなく美しくなく、公正でなく道徳的でもない。
そして善をもたらせない。

だからといって、それ以外に何があるのかと思う時、
非常に困惑する。』


ほんとですね!
あのね。記事を書いていても、いつもはた!と立ち止まりますよ。
人類はどこへ行こうとしているのでしょう…
私には、それを見届ける時間もあまりないのですが。i-241

ええい!でもぉっ!!
いい季節、美しい季節ですもんね。^^
小難しい顔はそう長くはしてられないっす!(爆)

ありがとうございます~♪










Re: 周凍さんへ

周凍さん。こんにちは~。

勝手に引用させていただきました。^^
とても心に残る歌だったものですから。

ああ…ホトトギスは、県の鳥なのですね。いいなあ…
私のパソコンの待ち受け画面は、小豆島から高松の方を見た夜景なんですよ。
突堤にアオサギが一羽、ぽつんと佇んでいる…^^

ホトトギスの声は、夜聞くととりわけ物悲しいですね。
我が家の上空を飛んでいく子は、いつもの年は、午前一時と四時過ぎと一晩に二回、来ます。
でも、今年は、午前一時の訪れだけ。
四時ごろぱっちり目を覚まして、ずっと待っているのですけれど。^^

ほんとですね。ウグイスの初音。ツバメの飛来。そしてホトトギス…
それから、季節季節の花たち…
こうしたものがなかったら、私はきっと息が詰まってしまいます。
人間の世界は、愚かなこと悲しい出来事に溢れていても、鳥たちや植物たちが
季節がくれば変わらず姿を見せてくれる…そのことでどれほど心が救われるか…。

ああ…私も歌が詠めたらなあ!ってつくづく思います。^^

はい!私も、この季節は夜が楽しみなんですよ。今夜も会えるかな…
周凍さん、ありがとうございます~~~♪


Re: んさんへ

んさん。こんにちは。

ホトトギスもウグイスも、フクロウの声までおうちで聞こえるって
いいなあ!
我が家は東京の外れではありますが、一応市街地なので、森や林が
あまりないのです。鳥の種類なども少ないです。最近特に。
前は春先よく我が家にも来ていたメジロなども見かけませんし。
だから、ホトトギスもいついなくなってしまうか、毎年心配しています。

オバマ人気便乗で、安倍首相の人気が上がって、ほんと腹立ちます。
オバマの横にいても、顔見てると、あれは式の進行しか頭にない顔。
アメリカの大統領が広島を初めて訪れ献花して黙とうするということ
そしてそれに対する広島のせつない想いと、安倍内閣の支持とは、
ぜんぜん別の話なんだけれど、それでもやはり支持率上がってしまう…。
安倍首相が目指していることと、広島の祈りとは全く反対方向なんだけれどなあ。
日本人はもう少し政治におとなになって本質を見て欲しいですね。

ほんと。一時のオバマ来広ブームにして欲しくないですね。

ありがとうございます。^^

こんにちは。

7回にわたる、渾身の論文。
膨大な資料の検証を始めとして、非常にお疲れだったことでしょう。
ただただ頭の下がる思いです。
彼岸花さんの深く強い思いが、多くの方に伝わりますよう、
心から願っております。

ところで・・・
ホトトギス、コジュケイ、ウグイス、そして間もなくカッコウ・・・
あ、キジも^^
野鳥がいちばん活発になる季節ですね。

野鳥は総じて大の大好き!

畑の周り、その雑木林からは様々な鳥の鳴き声が喧しく、
よく喉を嗄らさないものだと、感心したり(笑

ただ、ホトトギスという俳句結社はその名を聞くのも鬱陶しいです。
私は「虚子」が大嫌いで、特に晩年、弟子たちをぞろぞろ引き連れて、
大名旅行を恣にしていた醜悪さには、虫唾が走る思いでいます。

ただ「家元制」」や「結社」はたまた「壇」というのは多かれ少なかれ、
そういうところがあるようで、師の寵愛を得ようとする周りが、
ちやほやするものだから大きな勘違いをするのでしょう。


不如帰もとんだところで、とばっちりを食ってしまったようです(^_^;)

また話が変りますが・・・
NHKで放映されていた「映像の世紀」をご覧になったと思いますが、
私は録画して繰り返し観ています。
観終わるとなんともいえない厭世感に襲われ、
暫く触れないようにしているのですが、また観てしまうのですね~。

そして厭世感→里山で吾に返り→暫くすると「映像の世紀」→→
というメビウスさん(>_<)
近現代の人類が自らの欲望で自らを滅ぼしてゆく、
そのスパイラルの恐ろしさに、
何度観ても言葉が無くなってしまうのです。


第2集であの経済学者ケインズは、こう言ってました。

資本主義というモンスターは、
知的でなく美しくなく、公正でなく道徳的でもない。
そして善をもたらせない。

だからといって、それ以外に何があるのかと思う時、
非常に困惑する。


こっちも、困惑しますよ(>_<)!

ホトトギス

香川県の県鳥なのですよ。
私も毎年初音を楽しみにしています。

ホトトギスも桜や燕と同様に私の中で特に一年の巡りを感じさせてくれます。
昨日の朝も聴けて、今年は既に三度目です。^^

我が家は

山の中なんで、鶯もホトトギスもけっこう鳴いてますよ。

比較的明るい時間だと、風呂に浸かりながら鳥の声が聞けたりもします。

時季によりますがフクロウの「ホーホホーッ、ホー」と鳴きごえが聞こえる事もありますよ。

あ、オバマ来広。
地元テレビでは一応の高評価で、これをきっかけに1歩でも半歩でも核廃絶のきっかけにして欲しいと報道してましたねぇ。

あ・・・先ほどのニュースでこの週末の原爆資料館の入館者が倍増したそうです。
単純な大統領来館ブームで終わって欲しくないなぁ。
プロフィール

彼岸花さん

Author:彼岸花さん
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『しだかれて十薬忿怒の息吐けり』

『南亭雑記』の南亭師から頂戴した句。このブログになんともぴったりな句と思い、使わせていただきます。
十薬とはどくだみのこと。どくだみは踏みしだかれると
鮮烈な香りを発します。その青い香りは、さながら虐げられた若者の体から発する忿怒と抗議のエネルギーのよう。
暑い季節には、この強い歌を入口に掲げて、私も一民衆としての想いを熱く語りましょう。

そして季節は秋。
一足早いけれども、同じく南亭師からいただいた、この冬の句も掲げておきましょう。

『埋火に理不尽を焼べどくだみ荘』

埋火(うずみび)は、寝る前に囲炉裏や火鉢の燠火に灰をかぶせて火が消えてしまわぬようにしておいた炭火などのこと。翌朝またこの小さな火を掻き立てて新たな炭をくべ、朝餉の支度にかかるのです…

ペシャワール会
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国境なき医師団
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