『参院選は野党4党に ②』

Q10:安倍政権の暴走と言っても、実感としてありません。
  そうでしょうねえ…
  それでは、逆に質問です。

逆質問1:一般論として、時の一内閣や一部の人間に権力が集中するのは
 望ましいことですか?

  三権分立、というくらいですから、いいことではないでしょうね。
  ナチスドイツの例もありますし。日本の翼賛体制の例もありますし。


  
Q11:時の一内閣が暴走しないようにするためには、普通どんな
 歯止めがあるのですか?

  核心をついた質問ですね。
  大体以下のようなものが考えられると思います。
 
①立法府が立法府としての機能を十分に果たしている。すなわち、与野党の勢力が拮抗していて、
  そこで十分な議論が戦わされ、また、各政党の議員が、『党議』に縛られず、評決できている。

②与党内に、大局的に物を見る経験豊かな長老などがいて、また、若手が『党議』に縛られず
  研究会や議論を自由にする雰囲気があり、言わば『党内野党』ともいうべき、自浄勢力が
  あり、政権の暴走を防ぐ役割をする。

③内閣法制局がしっかりしていて、内閣が憲法にそぐわないような法案を提出するのを
  チェックできる。

④司法権が、立法府や行政府、あるいは地方自治体の長などの権力から、文字通り
  独立していて、必要な時、公平な判断を下す働きをする。

⑤ジャーナリズムがしっかりしている。間違っても権力と癒着などしていないし、権力に
 媚びたり妙な忖度などしていない。

⑥学校教育も、時の一政府の『指導監督』などというものによって萎縮したりしていない。

⑦最後の砦=国民。国民が、自分の頭で考える。政治に無関心などではなく、
 憲法によって保障された自分たちの権利を守るためには声を上げ行動するという
 政治的『成熟』をしている。声の大きいもの力を持ったものにむやみに迎合しない。


 実は、第一次第二次安倍政権下で、これらの歯止めが、恐ろしいことに①~⑥まで
 効かなくなってしまっているって、皆さん、考えになったことありますか?
 これは、安倍政権がどうのこうのいう問題じゃない。どの政権下でも大変にまずい状況です。
 一つ一つ見ていってみます。

立法府が立法府としての機能を十分に果たしている。すなわち、与野党の勢力が拮抗していて、
  そこで十分な議論が戦わされ、また、各政党の議員が、『党議拘束』に縛られず、評決できている。

  今、日本では衆参両院ともに、自公プラスおおさか維新など補完勢力が、多数を占め、
  どのような重大な案件も、与党の多数で可決成立していっています。
  昨年の安保法制の論議は十分に尽くされたでしょうか?それぞれに重大な問題の11もの法案を、
  一括審議しました。政府は衆参合わせて200時間以上も審議した、と胸を張っていますが、200÷11で
  個々の案件は、平均すれば僅か19時間しか審議していないことになります。
  これでじゅうぶんに国民にも納得してもらえるよう説明をつくした、と言えるでしょうか。
  しかもご記憶のように、野党の質問に対する政府の答弁は、同じ文言の繰り返し、新三要件
  とやらを読み上げるだけで、貴重な審議時間を無駄にしました…。
  そして、9月19日深夜。速記録も取ることが出来ないごたごたの中で、野党の隙を突くように
  して法案は採決され、可決されてしまいました。

  速記録もない採決を、正当な国会審議と言えるでしょうか?
  
  また、安倍政権に限りません、野党も同じですが、日本の議員たちは、『党議拘束』が
  強くかけられているため、個々の案件では党の方針に反論を持っていても評決時には
  党の決定に従うことがほとんどです。それは本来まずいのではないでしょうか。
  アメリカなどでは自由です。フランスも、党の方針と違う評決をしても罰則が緩い。
  『議会政治の父』と呼ばれる尾崎行雄は、1920年『憲政の危機 』という小冊子のなかで、
  こう述べています。
  『元来議会なるものは、言論を戦わし、事実と道理の有無を対照し、正邪曲直の区別を明かにし、
   もって国家民衆の福利を計るがために開くのである。しかして投票の結果が、いかに多数でも、
   邪を転じて正となし、曲を転じて直となす事はできない。故に事実と道理の前には、いかなる
   多数党といえども服従せざるを得ないのが、議会本来の面目であって、議院政治が国家人民の
   利福を増進する大根本は、実にこの一事にあるのだ』

   多数党が数の論理でもって議論を十分に尽くさぬまま評決して、それで国会運営がなされて
   行く状況を、尾崎は憂えて、
   『衆議院にしていやしくも立言議定の府ならんや、賛否の議論、いまだ半ばに至らざるに当たって、
   討論終結の声、既に四方に沸く、わが国には表決堂ありて議事堂なし
』と、厳しく諫めています。
   昨年の安保法制審議・評決などは、まさにこの状態でした。
   昔は、与党野党に関係なく、尾崎のようなこういう正論を説く政治家がいたのです。

   Q12:だけど、民主主義は多数決の論理。選挙で多数を占め、国会で
   多数決を採って決めたことなら、正当の手続き踏んでいるんだから
   仕方ないでしょ。

    尾崎翁の言葉をもう一度かみしめてください。
    『投票の結果が、いかに多数でも、間違ったことを正しいとする事はできない。事実と道理の
    前には、いかなる多数党といえども服従せざるを得ないのが、議会本来の面目。
   
 議院政治が国家人民の利福を増進する大根本は、実にこの一事にある』!!!
   多数決には、必ず、『少数意見の尊重』ということが伴われなければ、それは民主主義とは
   言えません。
   
   Q13:『私たちは選挙で勝ったのだから、民意を託されているのです』
   などというのは、根本的に間違っているということですね。

   その通りなんです!今の自公政権は、オールオアナッシングになってしまう小選挙区選挙制度
   のために、全有権者の18%の支持票しか集めていないにもかかわらず、議席は68%もを
   獲得しています。反対票を投じた人プラス棄権した人は、実に全有権者の72%。(維新、
   次世代など自公の補完勢力がおよそ10%と計算して)
   それで『民意を全権委任されている』と考えて、選挙公約には最後の最後の方にしか
   書いてなかった安保法を、選挙後は最前面に打ち出しこのように強行採決。TPPも
   原発も、消費税増税先送りも沖縄も…少数者(実は多数者)の意見も反映されず決められていく
   政治というのは、おかしくないですか?
   沖縄の民意というのは、明らかに圧倒的に、自公の方針に反対。普天間の辺野古への移転に
   反対、沖縄からの米軍基地撤退を求めています!


  なぜこういうことが起きるのか。
  それは、自公プラス補完勢力が国会で多数を占めすぎているからです。
  自公の政治に反対する勢力が、もっと国会において大きくなれば(つまり国民の意思が
  そちらに働けば)、自公政権もその暴走を止めざるを得なくなります。
  せめて参院選で、『ねじれ』を生みましょう!



 
この記事続く。



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Re: んさんへ

んさん。こんばんは。

舛添さんの後に、誰が来るんでしょうか。
今度こそ、クリーンな人、選びたいものですね。
みんな後出しじゃんけん狙って、なかなか立候補者が見えてこないなあ。

参院選もいよいよですね。
私は疲れちゃって、今日はお昼寝、してました。^^

ありがとうございます!

「舛添」押しの

自公批判だけじゃ、弱そうじゃが・・・

与党の奴ら、「重箱の隅」突っ突いた「爪楊枝を顕微鏡で覗いたような小さい事」突っ込んできそうじゃな。

本当に人間的に小さすぎるわ(笑)でも、野党も負けずにもっと小ささっぷり披露してくれそうじゃがの・・・(やれやれ)

国民としては「目くそ鼻くその泥仕合は勘弁しろよ!」が本音で。

ま、自公に民進だけには、わしは投票はしない事だけは確実かな?

野党が民進しかなかったら・・・長考になるかも?
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『しだかれて十薬忿怒の息吐けり』

『南亭雑記』の南亭師から頂戴した句。このブログになんともぴったりな句と思い、使わせていただきます。
十薬とはどくだみのこと。どくだみは踏みしだかれると
鮮烈な香りを発します。その青い香りは、さながら虐げられた若者の体から発する忿怒と抗議のエネルギーのよう。
暑い季節には、この強い歌を入口に掲げて、私も一民衆としての想いを熱く語りましょう。

そして季節は秋。
一足早いけれども、同じく南亭師からいただいた、この冬の句も掲げておきましょう。

『埋火に理不尽を焼べどくだみ荘』

埋火(うずみび)は、寝る前に囲炉裏や火鉢の燠火に灰をかぶせて火が消えてしまわぬようにしておいた炭火などのこと。翌朝またこの小さな火を掻き立てて新たな炭をくべ、朝餉の支度にかかるのです…

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