『72年目の夏に想うこと ③』


インパール作戦に関連してあと少し。

この8月21日付け、朝日新聞朝刊の『政治断簡』 は、偶然だが、インパールに関する
私の記事に重なる部分が多かったので、全文を引用させていただく。
なお、行変えや強調などは勝手ながら彼岸花がさせていただいた。


〈政治断簡〉『あなたが黙ると、窒息するのは…』 
     編集委員・松下秀雄 2017年8月21日付け 朝日新聞朝刊 


 記録も記憶も「ないない」という政権をみて、内部告発のありがたさに気づく。
ないはずの文書が漏れ、違うぞと証言する公務員がいなければ、いろんな事実が
闇に埋もれていただろう。
 危ういな、とも思う。匿名の告発や退職後の証言が続くのは、現役は「おかしい」と
思っても声を上げにくい環境にあるからじゃないか。
 もし周りにいるのが従う人ばかりなら、権力はやりたい放題できる。それを主権者の
目から隠すのも簡単だ。だから異議を唱え、告発する人に頑張ってほしい。
あなたが黙ると、民主主義は窒息する。
 むろん、私も黙らない。メディアの沈黙も、同じ結果をもたらすはずだ。

     *

 「従う人」で思い出したのが、ナチス親衛隊中佐、アドルフ・アイヒマンだ。
 ユダヤ人を絶滅収容所に送る責任者だった彼は、自身を裁く法廷で「命令を実行しただけだ
と主張した。裁判を傍聴した哲学者、ハンナ・アーレントは「悪の陳腐さ」を指摘した。
命令に従っているだけだと思えば、良心の痛みが軽くなる。凡庸な人にも非道な行為ができる。
 戦後のドイツは、自分で判断する「個人」を育てようとした。
軍人も、人の尊厳を傷つける命令には従わなくてよい、違法な命令に従ってはならない
という「抗命権」「抗命義務」を法に記した。
 「従っただけ」は、戦後の国際法廷では通用しない。
ボスニア紛争の際の「スレブレニツァの虐殺」(95年)で、住民を虐殺する命令に抗議した
ものの、ならばお前を殺すと上官に脅されて、手を下した人が有罪になった。
 自分の頭で考え、責任も負う。そんな「個人」像は日本に根づいているか。
「個人主義」とは「わがまま」を指すと思われていないか。

 前川喜平・前文部科学次官は、私も編集に携わる月刊誌「Journalism」9月号用の
インタビューで語った。

 「日本では、自分を捨てて全体のために尽くすのを美徳とする意識が根強い。
学校の部活動にも、そんな意識や旧軍的秩序が残っています。
たとえば、独裁者のような
教員の指図や先輩後輩の無意味な上下意識をなくし、一人ひとりが改善すべき点
などを考えて、自分たちで部活動をつくる。
考える訓練をしないと、ポピュリズムや全体主義に押し流される危険があります
 「民主主義がナチスの独裁を生んだドイツでは、なぜそうなったか徹底的に考え、
戦後の民主主義を作り直した。日本は『一億総ざんげ』で済ませてしまいました


     *

 戦後の日本では、戦争の悲惨さを伝え、平和憲法を守る運動が展開された。
けれどこの先も平和が続くのか、あやしげな気配が漂う。
かつての日本は何を間違えたのか、改めて考える時ではないか。
 その一つは、異議や疑問の封殺だと思う。旧軍では上官の命令は天皇の命令とされ、
命令の理由を聞くことも認められていなかった。そして、人命を限りなく軽んじる作戦や
行為が繰り返された。

 考える「個人」を、窒息させた結果だった。





          ◆


内部告発。
抗命権、抗命義務。
自分の頭で考える訓練。
異議や疑問の封殺。
前川喜平・前文部科学次官の言葉・・・。

これらについてそれぞれに書きたいけれど、とりあえず、松下氏のこの文章のどこに
共感したか、は、私の赤字、太字、アンダーラインなどの入れ方で、おわかりいただけると思う。
また、加計学園問題など記事を書き続ける中で、その都度取り上げてみたい。

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Re: んさんへ

んさん。こんばんは。

前原より枝野。
もう、前原なんかで行こうと考えている民進党議員およびシンパの気が
知れません。前原氏や、離党した細野氏、長島氏などは、全くの自民党亜流です。
自民党がだめなのに、それと同じような政党にしてどうするんだ!
ましてや、維新や日本ファーストなる極右的政党などと、民進党右派がくっついたら、
全くもうこの国の政治はお終いです。たぶん、選挙民は、小池氏の口のうまさや
ムードに騙されたように、『政治の受け皿』などという謳い文句を掲げられたら、
雪崩打ってまたその怪しげな新党に票を投じそうな気がします。
悪いが、若狭氏では、新党の顔になり得ない。><
でも、小池氏がもっと前面に出、橋下、細野、野田聖子氏らがもしまとまったら、
それは大きな魅力に成り得る。
立派な、『コウモリ政党』のできあがりです!(涙!)

ほんと、おっしゃるとおりですね。
民進党は、党の運命が、今度の代表戦にはかかっていると思うんですが、
それを個々の政治家が本当にわかっているようにはどうも思えない。
国民が求めているのは、明確に自民党と対抗しうる野党です。国民目線のね。
そこをしっかり抑えていないと、民進党はもうだめです。

・・・どうもな・・・わかっていそうにありませんね。溜息が出てきます。
自民に国民が鉄槌を下す・・・そのチャンスが来ているのに、何やってんだ。

そのことについて記事書こうと、今、書きかけています。

ふ~ぅ・・・・・・

んさん。いつもありがとうございます!

前原より

枝野の方が若干マシじゃの。

共産党とは共闘できん!と前原は宣ったそうじゃが・・・

器の小ささが知れたわ!まあ、今更じゃがの(笑)

でも、どっちもどっちだから次は無さそうじゃの。

民進党は消滅するんじゃないのかのう・・・

で、自民党亜種の「国民ファースト」の台頭は許せんのじゃが、馬鹿な国民はまた騙されるんじゃろうのう。(笑)

まあ、反自民の受け皿が無いのがそもそもなんじゃが「国ファ」は自民亜種ですよ!気をつけましょうね!キャンペーンをぼつぼつ打たないと落ち目の自民と連立政権なんて事になるとゾッとしますね(苦笑)

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『しだかれて十薬忿怒の息吐けり』

『南亭雑記』の南亭師から頂戴した句。このブログになんともぴったりな句と思い、使わせていただきます。
十薬とはどくだみのこと。どくだみは踏みしだかれると
鮮烈な香りを発します。その青い香りは、さながら虐げられた若者の体から発する忿怒と抗議のエネルギーのよう。
暑い季節には、この強い歌を入口に掲げて、私も一民衆としての想いを熱く語りましょう。

そして季節は秋。
一足早いけれども、同じく南亭師からいただいた、この冬の句も掲げておきましょう。

『埋火に理不尽を焼べどくだみ荘』

埋火(うずみび)は、寝る前に囲炉裏や火鉢の燠火に灰をかぶせて火が消えてしまわぬようにしておいた炭火などのこと。翌朝またこの小さな火を掻き立てて新たな炭をくべ、朝餉の支度にかかるのです…

ペシャワール会
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