『婆娑羅な衣装』



二泊三日の旅に出ていた。
旅に出る前に作っていたもの。

急遽、『作って欲しい、作れるか?』と問われて、性分として『出来ない』とは言えない。
衣装一式揃えて渡すまでの日数は4日しかない。
電話のあったその夜の内に大急ぎ、押し入れをひっくり返して、使えそうな着物を探す。




懸帯 ①




一つは、大相撲の関取さんの『化粧まわし』のようなものだ。

海辺の祭のこととて、大胆な海老の柄の名古屋帯をほどいて作った。
下部の方の縄模様?を描くための金色のブレードや裾のフリンジは、決まった様式がある。
それに適した材料を求めて近くの大きな手芸材料店2軒に行ってみたが、こんな金色の
長いフリンジなど特殊すぎて当然置いていない。
そもそももういろいろなものを手作りする人が少なくなって、手芸材料店そのものが、
ご多分に漏れず、もう売れ筋のものしかなかなか置かなくなってしまっているのである。
町の本屋が売れ筋のものしか置かなくなっているのと同じだ。
訪ねた2店も、『フリンジ』そのものを置いていなかったり、種類がほんとになかったりした。
新宿あたりまで買いに出れば、ぴったりの材料があるかも知れないが、日数がないので
その暇はもうない。

仕方ないので、フリンジもブレードも自分で作ることにした。
フリンジは、金色の、リリアン編みの糸くらいの太さの糸を買ってきて、それを撚って
100本ほどの縄にして縫い付けた。大きな縄模様を描くためのブレードは、鮮やかな
黄色の夏糸を買って、細編み3段で編んで作って縫い付けた。
回しの裏は、緋色の厚手の木綿布だ。







懸帯 ③



次は、衣装の長襦袢だ。
祭りの際に、男たちは、上の化粧回しをつけたその上に、長着を羽織って出るのだという。
元々は、女の長襦袢を羽織っていたものらしい。
『子供の着物のような派手な柄がいい』という希望なので、家にあった、本身裁ちの
少女用着物を半ばほどいて、身幅や裄を広げ袖を短くし、襟も襦袢仕立てに縫い直した。
長襦袢の掛け衿は、ほんとうは黒繻子かなにからしいが、もう徹底して遊び心で
松竹梅や鶴の柄の婚礼用黒振り袖の端布を縫い付けた。

化粧まわしの残りで角帯を一本。
当日の男たちの正式の着付けは、裸の腹にさらしを巻いたその上に化粧まわし(懸帯)を
つけ、長襦袢を羽織って、角帯を締める。その上にさらに、七五三の時に七歳の少女が
帯の上から重ねてするような派手な『しごき』を巻くのが、どうやら決まりらしい。
『らしい』というのは、私はその祭のことはほとんど何も知らず、ネットで得られた写真から
すべてはこういうものらしい、と推測して作るしかないわけで。
『しごき』も、家にあった着物の端布で3種類作っておいた。





懸帯 ④



で。
大変に婆娑羅な祭り衣装のできあがり。
地元の人に『様式にかなっている』と褒められたようで、まずはよかったよかった・・・



ふ~ぅ・・・・・・
溜息ばかりのこの頃だが、こうやって、無心に手を動かしているときだけが
精神的に落ち着いていられる・・・

台風18号が心配だ・・・。











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Re: しほさんへ

しほさん。こんばんは~。

はいっ。ありがとうございます。^^
新宿とかに行けば、きっとブレードもフリンジも金色のだってあるんだろう
けれど、家を空けられないし、何しろ期日も迫っていたので、自分で作って
何とかしちゃいました。
私の住む街の近くには、結構手広くやっている手芸店もユ●●ヤもあるんだけれど、
どっちにもなかったので。
ユ●●ヤも、吉祥寺あたりの店舗でさえも、ひと頃よりは売り場面積も
小さくなり、品揃えがちょっと寂しくなって行っています。
だんだん洋裁などする人も少なくなって行っているんだろうと思います。
毛糸なんかも、昔はほんとにたくさんいろんなのがあって、見ているだけで
楽しかったけれどなあ。布地も掘り出し物などときにはありました・・・

4年前には、渋谷道玄坂の名店『マルナン』が、71年の歴史に幕を下ろし
ましたし、その前には同じく60年以上の歴史を持っていてものつくりの
人たちに愛されていた池袋などのキンカ堂も破産してなくなっちゃったし、
『マルナン』では、結婚式に参列するときのドレスの生地など若い頃からよく
買ってたし、娘の服地などもその折々の思い出と結びついているので、
なくなったときにはすごく寂しかったです。

今はネットでもいろいろ買えるのだろうけれど、私は洋服作るときは、
まず生地をあれこれ探しに行って、現場でその肌触りとか風合いとか手で
触れて、買ってきた布を前にしてどんなデザインにするかためつすがめつ見て
考えるという方なので、現物がないとイメージも湧かないのです。

既製品のお洋服はとても高いので、なかなか買えない。それで自分で作るように
なったのですが(><)、最近は私も、もっぱらジーンズで過ごすようになって、
自分のものなどほんとに縫わなくなっちゃったです。60歳くらいまでは、
自分の服も娘のもほぼ手作りでした。
今では時々、娘のとあとお婿さんに頼まれていろいろ縫うくらいです。

旅の話。はいっ。書きますね~。 ^^

しほさん。いつもありがとう~~~♪

No title

驚きです!
ブレードまで作られたんですか…
彼岸花さんの手はなんでも作り上げるんですね(^.^)
大量生産大量消費の対極です。

旅の話もいずれお聞かせ下さい。

Re: トニーさんへ

トニーさん。こんばんは。
トニーさんはやはり、あのトニーさんでいらしたのですね。^^
そうかな~と思いつつ、確信がありませんでしたが、オーディオ用アンプを
自作なさるとお聞きして、あ、やっぱりそうか♪ と嬉しくなりました。

はい。昔からいろいろ作るのが好きです。洋裁は、娘のものなど、オーバーから
パーティドレスのようなものまで何でも作ります。特に、古い日本の着物などを
リフォームして、ドレスなど作る。そのために家には骨董市などで集めた着物や帯が
たくさんあります。
たま~には、知人などから頼まれて作ることもありますが、もっぱら家族用ばかり。
正式に洋裁習ったわけではなく、本を見てああかなこうかなと自己流でやって
いますので、人様に買っていただくような立派なものは作れないのです。><
編み物、籠作り、木工の真似事、製本・・・なんでも見よう見まねでやりますが、
どの一つもプロの技に達するにはほど遠く、ひたすら自宅用にこちょこちょ
やっているだけなんですよ。w

『私もオーディオ用のアンプという電気製品を自作していますが、最近は
モノづくりをする人が減り、メーカーはどんどん部品を生産中止にしています。』

そうそう。ほんとですよね。あ~。わかります。
分野は違えど、洋裁も、昔は子供の服など作るお母さんなども多かったんですね。
和裁となると、娘の習い事として出来るのが当たり前、という時代もあったし。
今は、よほど大きな布地屋さんとか手芸材料専門店(都心のユザワヤとかオカダヤとか)
に行かないと、特殊な材料は手に入りません。自由に動ける頃は、日暮里の問屋街
などにも行ってオーバー生地など買っていましたが、今はもう遠出は大変。
オーバー生地のような厚手のウールなどは、地元では全く手に入らなくなって
しまいました。それに合うようなボタンなどもね。売れ筋は今は木綿ですね。
10数年前くらいまでは、地元の布地屋さん手芸材料店などにも、思いがけない
掘り出し物などあったりしましたが、店舗改装などしてお洒落で小綺麗になる
一方で、前のような雑多な中の掘り出し物などはなくなり、どこの布地やさん
にいっても同じような商品しかない、ということが多くなりましたね~。

それはもう、手作り関連商品だけでなくあらゆる商品にも言えることではないかしら。
本屋さんも、そのほかの商品も、似たようなことが言えますね~。どこの店も
売れ筋しか置かなくなると、皆似たり寄ったりになるんですね。それは、都心の、
六本木ヒルズとか銀座とかにあるような店舗でも同じ。美しくておすましで
めっちゃ高いけれど、置いているものに大差はない。
それよりかあたしなどは、店先にも中にも雑多に商品が積み上げてあるような
昔の庶民の店の、その雑多な中から、自分だけが「見~つけた!」というような
そんな出会いのあるお店たちが懐かしいです。そうして見つけたそういう材料たちを
使ってあれこれ工夫して、自分にしか作れないような服を作る。^^

トニーさんはいいご趣味ですね。^^
あたしは、そっち方面は全くだめです。音楽も聴ければいいや、という感じなので、
音にこだわりを持たれる方には、信じられないようないい加減さ。><
でも、男の方が、物作りに蘊蓄を傾けてらっしゃるのは、ただそばで見聞き
しているだけでも、いつもとても楽しくて好きです。

政治は全く困ったものですね。
私もさすがに、怒る気力を少し失っています。なんだか八方ふさがりで~・・・
安倍政権が、この国をどれほど歪めて行っているか・・・・・・それも安倍氏の
個人的な妄執のために。改憲を自分の手で成し遂げるまではどんなことでも
する。改憲のことだけでなく、安倍氏は、この国の政治モラルの破壊者です。
こんなに政治を私している総理大臣っていなかったんじゃないでしょうか。

それは国民もわかりかけている・・・でも、それでは代わりにどこに投票するんだ?
というと、ないんですね。
野党共闘もどうやらもう危ういですしね。
民進党の罪はほんとうに重いなあ!・・・公明党もね。

なんとかファ●スト、とやらは、ほんとうに食わせ物だと私は思っています。
小池氏も若狭氏とやらも、巧妙に本質を隠していますね。というより、
もしかしたら、実は、骨となる政治的信条など何もないのかも。><
改憲論、原発推進論、歴史修正主義、・・・そうしたものは表に出せない。
それを言うとなにかとまずいから黙って態度は不明確にしておこう・・・
そのくらいの知恵、というか、小ずるさはあるんですね。
でも、そうしたものを取り去ってしまったら、あとは政治哲学など何もない。
若狭氏が事もあろうに、新しく作る政治塾だか政党だかの真っ先に掲げる
方針に「一院制」などを持ち出してくるという愚かさで、あの方の底の浅さが
見えるというものです。

国民がなあ・・・そうしたことの本質を見抜いてくれればいいですが。

でも、そうですね。
『何とかファーストも、向こう3回くらいの国政選挙のうちに、消滅していくでしょう。
泥船から逃げ出した連中は、しばらく違う船につかまっているでしょうが、そのうち
泥が落ちたら、元の船に戻るでしょう。』

爆笑!!!
ほんと、今までもそうでしたね。
トニーさんにこういう風に言っていただくと、多少また元気が出てきます。^^

とにかく、国民は、ようく候補者のことを知って、ろくでもない政治家をどんどん
落としていくことですね。一方で、いい人を地道に育てていくしかない。
これは物作りの心も同じかもしれないですね。^^

トニーさん。ありがとうございます!





裁縫

彼岸花さん、手先が器用なのですね。以前より、裁縫のお仕事をされているのでしょうか。

お祭りなので、派手であればあるほど、価値がでるのでしょうね。
私もオーディオ用のアンプという電気製品を自作していますが、最近はモノづくりをする人が減り、メーカーはどんどん部品を生産中止にしています。

 儲かるものしか作らない、という姿勢はいかがなものでしょうか。

 さて、衆院解散の噂がでています。北朝鮮と民進党の崩壊の間に、内閣支持率が回復したのが要因だと、考えているそうですが、甘いです。

内閣支持率が41%、こんなの信じる人がいるのでしょうか。嘘ですから。

 国民は安倍総理に愛想を尽かしています。選挙ではとにかく、反安倍の候補に投票するでしょう。できれば無所属で安倍政権との対決姿勢を明確にしているひとが良いです。
 民進党が別に1人立てても、もう票は入らないので、野党の票が割れるということにはならないでしょう。

何とかファーストが取り合えず、議席を増やすかも知れませんが、自民党は議席を大きく減らすでしょう。

 何とかファーストも、向こう3回くらいの国政選挙のうちに、消滅していくでしょう。

 泥船から逃げ出した連中は、しばらく違う船につかまっているでしょうが、そのうち泥が落ちたら、元の船に戻るでしょう。

 これは過去の歴史が証明しています。とにかく安倍総理がいなくなるなら、まずはそれに越したことはありません。

 彼は、また選挙後も総理を続けるつもりなのでしょうか。いつまでも事実が解明されないうちは、国会で加計・森友の追及は続くのに。

 おろかな人物です。

Re: んさんへ

んさん。ほんとに政治がひどいですね。
もう、『政治家』なんかじゃない。まるで『政治ゴロ』です。
政治の理想とかはどこを探してもなく、自分たちの次の選挙のことしか頭にない。
嘘。約束反故。裏切り。恫喝。開き直り・・・何でもありですね。

自民党の、安倍政権のひどさが、これほど国民の間でもわかりかけてきたそのときに、
なんとまあ、絶妙のタイミングで北朝鮮からの脅し。
なんとまあ、絶妙のタイミングで、民進党の内部からの崩壊。
わかっていたことじゃありますが、前原氏は、露骨に共産党外し。4野党が
2人候補者を立てて、自公に勝てるなどと思っているのか!
ばっかじゃないの!!! と罵りたくなりますね。
若狭氏などの新党は、いっておきますが、ほんとうにろくでもないものになりますよ。
『国会の一院制』などを言い出す政治家にろくなものはいません。これはもう
断言できます。

まあ、なんといっても、一番ひどいのは、安倍政権ですね。
この戦後最悪の政権を、他に選択肢がないから、と、国民はまた、大勝利させて
しまうのでしょうか。

一度、衆院選で、自公にぞっとするほど手厳しい国民の審判を下しさえすれば、
安倍氏も引っ込まざるを得なくなるんですけれどね。
またしても、安倍氏の得意顔や、麻生氏のにやにや笑い、菅官房長官の
さらに木で鼻をくくったようなあの顔を、私たちは見ることになるのでしょうか。

溜息、溜息、また溜息・・・です・・・・・・・・・

んさん。引き続き、台風にはご注意くださいね。


解散総選挙

まあ、自民党の奴らの余裕ぶっこいちゃってる姿に腹立たしいやら、野党のやられっぱなし感に悔しいやら・・・

それもこれも、北の威嚇やら見る間に崩壊していく無様な民進党のおかげで支持率回復に自信を取り戻したことに起因するらしい?と簡単な解説してたね。

国民ファーストなんて海のモノとも山のモノとも分からん(まあ、ワシ的にはブラック政党なんじゃがの)政党を結成される前に体制を維持したい為の解散とも言ってたのう…(なんじゃそれ?国民置いてけぼり解散じゃろがっ!)

まあ、暗澹たる決断に国民のブーイングは聞こえんのじゃろうのう、保身に躍起な政治屋どもには。
プロフィール

彼岸花さん

Author:彼岸花さん
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『しだかれて十薬忿怒の息吐けり』

『南亭雑記』の南亭師から頂戴した句。このブログになんともぴったりな句と思い、使わせていただきます。
十薬とはどくだみのこと。どくだみは踏みしだかれると
鮮烈な香りを発します。その青い香りは、さながら虐げられた若者の体から発する忿怒と抗議のエネルギーのよう。
暑い季節には、この強い歌を入口に掲げて、私も一民衆としての想いを熱く語りましょう。

そして季節は秋。
一足早いけれども、同じく南亭師からいただいた、この冬の句も掲げておきましょう。

『埋火に理不尽を焼べどくだみ荘』

埋火(うずみび)は、寝る前に囲炉裏や火鉢の燠火に灰をかぶせて火が消えてしまわぬようにしておいた炭火などのこと。翌朝またこの小さな火を掻き立てて新たな炭をくべ、朝餉の支度にかかるのです…

ペシャワール会
http://www1a.biglobe.ne.jp/peshawar/pekai/signup.html
国境なき医師団
http://www.msf.or.jp/donate/?grid=header02
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