『笑い声』 其の一

先日、灯台の本のことと、世界の灯台の霧笛(fog horn) のことを書きました。
それ以来、私はfog horn というものにいたく惹かれてしまいました。
『霧笛』と言うと、極めて日本の演歌的になって、『夜霧のブルース、男の涙』…
という感じになって、それはそれで私自身はとても好きなのですが、
今日は、世界のおもしろfog horn をご紹介しましょう。

ついこころがほぐれる、そんな映像をご覧ください。


灯台からの霧笛を聞きましょう。
まずはニュジーランドはノースランドにあるマ―ズデンベイ(Marsden Bay)の灯台。
そこのフォッグホーンをお聴きください。

http://www.youtube.com/watch?v=bMIlfL3LDxI

どうですか。今あなたはどんな反応をなさったでしょうか。
私は、フォッグホーンの音そのものよりも、それを聞いて笑い転げる女性の声を聞いて、
思わず引き込まれて笑ってしまいました。
彼女。なんていい人なのでしょう!ヒラリーさんという名前なのかな。
きっと、フォッグホーンが鳴るのを聞くまでは、どんな音だろう、と
真面目に待ち構えていたに違いありません。
ちょうどたった今、あなたがここでそうだったように。

ところが彼女。聞いた途端に笑い出してしまいます。
いい人だなあ、と思うのは、彼女が一所懸命笑いをこらえようとしているところ。
本当はここは笑うところでもないのです。
サウター灯台はサウスシールズ南2マイルのところにあって、マ―ズデン湾の断崖を
見下ろす位置に立っています。数十ダースもの船を難破させ多くの海の男たちの命を奪った
悪名高きウイットバーン・スティールの岩場と潮流のあるところ。
この灯台は1871年に建造され、大事な役割を果たしてきたわけです。
だから、このフォッグホーンを聞いてもそう笑うこともないハズなんですが…。
でも、音のおかしさを我慢して我慢して、ついに吹きだしちゃったこの女のひと。
なんていい人なんでしょう。
我慢のあまり、体をよじらせて笑っています。そしてカメラの外。人のいなさそうなところに
逃げていってそこで笑いを鎮めようとしている。
可愛い人だなあ、と思ってしまいます。見るたび私は吹き出してしまいます。

さて。次のフォッグホーン。
音が大きいので、びっくりなさらないでくださいね。

豪華客船クイーンエリザベス2世号とクイーンヴィクトリア号が、港で互いに
別れを惜しみ合います。こういうフォッグホーンの使い方もあるのですね。
一方は港にまだ停泊。一方は、出発準備が整って、次の目的地に向かって
しずしずと埠頭を離れていきます。
本当なら、ちょっと厳粛な、しみじみと旅情を誘われるシーン。ところが・・・
こちらの船の人々の反応が面白いです。

http://www.youtube.com/watch?v=e5wh098yEwE

どうですか。可笑しいでしょう?

もう一つ、笑ってくださいね。

これには三隻の船が参加します。
まずはカーニバル号が、それからもう一隻少し小さな船が、最後に
デイズニー・マジック号がフォッグホーンバトルを繰り広げます。

http://www.youtube.com/watch?v=yEKMp9bNp5s

ほんとにみんな楽しそう。つられて笑ってしまったのではありませんか?
私も笑ってしまいました。
でも、後で少ししみじみ考えました。

こういうふうに、人生をこころから楽しめるっていいなあ、と。
日本の客船も、こういう風にさばけたフォッグホーンバトルなどをするのでしょうか。
一見ふざけた鳴らし方のようにも思える。悪乗りしてるように思えるかも。
でも、船員も、乗客も、こころから航海を楽しんでいるんですね。
明るい笑い声。もっとやれよ、と励ますような口笛。手を振る人々。
ああ、人生を素直に楽しむってなんていいんだろう!と思ってしまいます。

数年前。私は芦ノ湖を遊覧する船に乗りました。
海外からの団体客が30人ほど乗り合わせていました。英語、ドイツ語、スペイン語…
いろんな言語が飛び交っていました。
彼らが、本当に楽しそうなんです。
ここに出てくるような豪華客船とは比べ物になりませんが、それでも、
そんな豪華客船の旅でもしているかのように。
11月のもう寒い季節だったのですが、デッキに皆で出て、わあわあ言いながら、
向こうの島影などを指して笑いあったりしている。
それが本当にこちらも微笑みたくなるほど、旅を満喫しているふうなんです。
と言って、他の乗客に迷惑になるような騒がしさではない。

私自身は、どちらかというと、糞真面目で、あまり人生の楽しみ方を知りません。
でも、こういうこころからの笑い声を聞いていると、ああ、笑うっていいなあ、と思います。

どうでしたか。少し楽しんでいただけましたか。

最後に、フォッグホーンバトルの豪華客船の、本当に綺麗な映像を。
たまらなく船旅がしてみたくなります。夢でしょうけど…

憂き世の憂さを何もかも忘れて、波を蹴立てていく船に身を任せて…
美味しいカクテルでも飲みながら…

http://www.youtube.com/watch?v=Fpkg4g8peSQ

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テーマ : 思うこと
ジャンル : 学問・文化・芸術

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Re: asobo さんへ

楽しんでいただけたようでよかったです。
よその人でも、こういう風に屈託なく笑って心から楽しんでいる人を見ると、
こちらまで楽しくなってきますね。
神戸沖でご覧になったという豪華客船の沈没シーン、なんという映画になったのでしょう。
見てみたいものです。「ああ、asobo 少年がこちらで見てるんだな」、と思えますものね(笑)。

クイーンエリザベス号。取材なさったんですか。それだけでも一見の価値がありますね。
海の女王の風格をちょっとでも味わってみたいです。
豪華客船でのクルーズは、お金のあるなしがこれほどはっきりするものはないのでは
ないでしょうか。今は多少は、船室の等級によるあらゆる差別は、あまり感じさせないように
なっているのかしら。それともまだ昔のままでしょうか。

本当のお金持ちは、ケタが違いますから、私などの想像の外ですね。
まあそういう旅は埒外(笑)。
もっとささやかでもいいので、どこか船旅がしてみたいものです。

甲板に出て潮風に吹かれて、船室に戻ってひと眠りして…
夜は改まった服装に着替えて、食前酒からディナーへ。
遠くまたたく街の明かりを見ながら、夜のお酒を…

ああ。いいですねえ…!
これ、夢見てるだけで、到底実現しそうにない口ぶりですね(笑)。
どうせ夢見るなら、豪華な船旅の夢を見るとしましょう。

No title

とても楽しい映像とサウンドをありがとう。
ぼくが豪華客船を初めて見たのは中2の時。
神戸沖で映画のために沈められる豪華客船のすぐ横を関西汽船の船で通ったけど、自分たちの乗ってる船が小舟のように思え、ハリウッド映画のスケールの大きさに度肝を抜かれました。映画も公開時に見ましたよ。
仕事で、クイーンエリザベスの豪華な食堂を取材したこともあります。クラシックだけど、さすが海の女王だと感動。プエルトリコではカリブ海をクルーズする、巨大建築のような船を見たけど、本当のお金持ちは最初から最後まで乗りっぱなしではないようですね。もう少し滞在したい年では船を下りて数拍。しっかり楽しんだ後次の停泊地までジェット機で飛び合流住んだとか。
そういう船旅を一度でいいからしてみたいですね。

Re: ららさんへ

いろんなフォッグホーンがあって、聞き比べをすると本当に面白いです。

嵐の沖を行く船の無事を祈って、灯台の霧笛が鳴る…
船がそれに応答する…などというのは本当に海のロマンを感じさせるんですけれど、
真昼間、晴れた明るい空の下で、こう云う風に改めて聞くと、妙におっかしな
音が多いんですね。『mad bull』などという異名を持つものがあったり、
デイズニーの大型クルーズのフォッグホーンも、『星に願いを』がほんの出だしのとこだけ!、
というのもなんだか妙におかしいですし、
人間のすることって、ときどきこう妙におかしくて、それがとても愛しく
感じられることってありますよね。

木魚の音もそうかな。なにもあんな音でなくても、と思われるような、
聞きようによってはユーモラスな音。

私は本来生真面目な人間だと思うのですが、この灯台での女の人のように、
フォッグホーンを聞いて、我慢できずに吹き出して、じっとしてられずに
おなか抱えて笑いながら我慢しようとする、などという人はとても好きなんです。

人がたまらず笑い出しちゃったりするのを見るのは大好き。
そんなわけで、フォッグホーンバトルで、思わず歓声を上げてしまう人々の
この映像も、とても気に入りました。つられて笑ってしまう。

ららさん。ららさんの記事にインスパイアされて書いた、というのは、
『城ケ島の雨』の記事よ。本当は港のお写真使わせていただきたかったんですけれど、
そういつもでは、ね(笑)。
海に行きたいですね。

ありがとうございました。

Re: 乙山さんへ

私も、船と船がこういう風に霧笛を鳴らし合うなんて知らなくて。
灯台から沖を行く船に、というのは哀愁があっていいのですが、
こういう港での交流というか、遊び心は楽しくていいですね。
船旅の喜びをますます高めてくれるように思います。
日本の船も、海外に行けばちゃんとこういう風に応えるのでしょうか。

私は船でクルーズってしたことないんです。せいぜい20分くらいの間、
小汚い連絡船に乗ったくらいで。
でも、港の風景、船腹を洗う波の音、エンジンの音と振動。
潮の香り、霧笛の音…タラップを踏んで乗り込むときの感じ…
ああ、船旅っていいですよね。
どこかで船旅してみたいなあ。沖から灯台など眺めてみたいです。

船乗り…。乙山さんは私よりずっとお若くていらっしゃるけれど、
ぎりぎり、まだ日本の海運業が盛んだったころの空気をご存じでいらっしゃるかなあ。
海の男、船乗り、ハワイなどの南の島、椰子やビンロウジュの葉影、南十字星…
などという言葉が大変な憧れだった時代が結構長く続いていたんですよね。

船乗り乙山さん、というのも、乙ですね(笑)。
船長さんの恰好がお似合いになる方のような気がしております。

ありがとうございました。

No title

この霧笛の音、、、聞きようによっては確かに可笑しいですね。
こんな低音で、
確かに哀愁に満ちた雰囲気なのですが、突然噴出したくなるような可笑しさがこみ上げてきます。お坊さんのお経のときの木魚の音もそうなんです。
思い切り笑ってみるのもいいですね~

ホーン・バトル

こんばんは。
船と船のホーン・バトル。
こういうのがあるんですねえ。

飛行機より、船のほうが好きです。
むかし「船乗りシンドバッド」なんていう本を読みまして、
半ば本気で船乗りになりたい、なんて思っていました。

船に乗って旅に出る、というのは、
なにかふつうではないわくわくしたものを感じる。
どうしてだかわかりませんが。

それが飛行機だと、ぴんと来ないのです。
これも、どうしてだかわかりませんが。
プロフィール

彼岸花さん

Author:彼岸花さん
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『しだかれて十薬忿怒の息吐けり』

『南亭雑記』の南亭師から頂戴した句。このブログになんともぴったりな句と思い、使わせていただきます。
十薬とはどくだみのこと。どくだみは踏みしだかれると
鮮烈な香りを発します。その青い香りは、さながら虐げられた若者の体から発する忿怒と抗議のエネルギーのよう。
暑い季節には、この強い歌を入口に掲げて、私も一民衆としての想いを熱く語りましょう。

そして季節は秋。
一足早いけれども、同じく南亭師からいただいた、この冬の句も掲げておきましょう。

『埋火に理不尽を焼べどくだみ荘』

埋火(うずみび)は、寝る前に囲炉裏や火鉢の燠火に灰をかぶせて火が消えてしまわぬようにしておいた炭火などのこと。翌朝またこの小さな火を掻き立てて新たな炭をくべ、朝餉の支度にかかるのです…

ペシャワール会
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