『月見草』

2010_0728_092117-CIMG2407_convert_20100729085049.jpg

月見草。
私の好きな花の一つ。
もっと早い時期に撮りに来てやればよかったのに、
葉っぱが虫食いなどになってからでごめんね。
こんなところに咲いてると思わなかったの。

月見草。本当は、白い花で別に月見草というのがあるらしいのだが、
私にとっての月見草はこの黄色い花しかない。
別名、マツヨイグサ。竹久夢二風に言うと、宵待草。
これは、コマツヨイグサの方かな。

本当に月の出を待つように、夕方から朝にかけて咲く。
でも、我が家の界隈では見かけることが少なくなってしまった。
私の住んでいるところは、いつもご紹介するように、草木の多い川べりなのだが、
3年くらい前までよく見かけていたこの花が、めっきりここ2,3年で減ってしまった。

それは、行政、また個人が行う、神経質な川原の草刈りのせいかも。
私がここに越して来た頃は、一年か二年に一度くらいだった川原の土手の草刈りが、
個人でやるものも加えると、年に4,5回は行われる様になったのである。
電動式の、怖いような音を立てる円形の鎌で、花の咲く草もそうでないものも
ウィーン、キューン、ガガガガッ(小石をはねとばした音)と刈っていく。

「あっ、あっ!それは月見草よ!残しておいて!」
そう言いたくても、いつの間にかきれいさっぱり刈られてしまっている。
それが数年続くうちに、一本もいつもの場所に生えなくなってしまうのである。

そのたびに、風情のある植物が消えていってしまう。

以前はあって、今は消えてしまったもの。
れんげ、ホタルブクロ、ネジバナ、野イバラ、木イチゴ、金ミズヒキ…、その他にもたくさんある。
そしてこの月見草も、ほとんど今は生えていない。
この写真は、いつも私が通る道でなく、サイクリングロードに下りて、
草刈り機の及ばない川の斜面にかろうじて刈り残されていたものを撮った。

草刈りをした後の草の匂いはすばらしく、土手がさっぱり明るくなっていいのだろうが、
そうして、危険な蜂など害虫の巣にならなくていいのだろうが、
川原の植物がどんどん淘汰されて、植生が単純になっていってしまうのは寂しい気がする。
散歩をしても、あ!と思うような草に出会えなくなってしまった。

月見草。

ご覧になったことおありだろうか。
今でも、場所によっては、道路わきの草むらなどに生えているかもしれないので、
もし見つけて、ちょうど花が開いている時間帯だったら、ちょっと鼻を近づけて
この花の香りをかいでみてほしい。

あのね。お月さまの匂いがします。

昨日、一昨日は、美しい、ほんとに美しい月が出ていた。
もしあの月に、匂いというものがあるとしたら、きっとこんな匂い!
そう思うような、甘くて気品のある香りがする。

でも、咲くのが日没後から早朝にかけてなので、開いているところを
見るのは少し稀かも。
私の中学校は、なぜか校区の外れの川の河口近くにあって、大抵の子が
毎日3~40分ほど歩いて行かねばならなかった。
旧国鉄の本線と、ある国立大学の広い敷地の間のまっすぐな一本道を
延々と歩いて通う。夏は暑かったなあ。
その線路際の道に、このマツヨイグサがずっと生えていた。
夏は合唱コンクールの練習が本格的なとき。
友とパートに別れて練習曲をハモりながら朝練に歩いて通っていたな。
いつもこの花が咲いているのを見ていたような気がしていたのだが、
私たちが通う頃には、日没後から早朝までの一日花はもう閉じてしまっていたはず。

いつもこの花が見ていてくれた気がするのは…あれは幻だったのかな。


今日朝早く、月見草を撮りがてら散歩してきた。

小雨が降り始めていた。涼しい。
ああ、この涼しさと空気感は、もう、なんだか秋の気配さえする。
単に、先日ウィーンと刈られた芝地が茶色くなっているからだけかもしれないが。



今日の歌。先日もご紹介したヴァンゲリスが若い頃結成していたアフロダイティーズチャイルド
(Aphrodite's Child)の曲。ヴァンゲリスは『ブレード・ランナー』などの作曲をした人。
パッヘルベルのカノンがもとになっているのかな。

今日は全国各地に大雨の予報が出ているようだ…。


http://www.youtube.com/watch?v=nnf7ISLpQdw


スポンサーサイト

テーマ : 思うこと
ジャンル : 学問・文化・芸術

コメントの投稿

非公開コメント

Re: ノートさんへ

ノートさん、ありがとうございます。
たしかにこの河原も、雑草が伸び放題、というわけにはいかないんですよね。
刈ったばかりのときは、乾草の素晴らしい香りがして気持ちよく、
私なども、ああ、ちゃんと管理してくれるところがあってありがたいなあ、と思います。
以前は年に一度、町会で草刈りの日、というのがあって、私なども、鎌を持って、
早朝6時から、慣れない手つきで草刈りをしてました。大変でした。
今は、電動式の草刈り機を持った業者さんが来て、あっという間に刈ってくれる。

ただ、私たちが自分たちでやっていたときは、「それは月見草だから刈らないで」
とか、「もうすぐ十五夜だから、そのススキの一群れは刈り残しておいて」
などと言いあって、手加減しながらやっていたものです。
でも、業者さんはそんな暇、ありませんものね。

どこまで人間が自然に手を入れるのか、は、本当に難しい問題だと思います。
川原も刈らないで、枯れ草がぼうぼうのままにしておくと、そこで火事でも起きようものなら、
管理行政機関の責任になるだろうし。しかし、むやみな刈りとりは、植物相や
それを餌や住みかにする小さな鳥や虫の分布まで貧弱にしていってしまいます。

私が気になるのは、人間があまり潔癖になりすぎていっているような気がすること。
雑草はいらないもの、排除すべきもの、…そういう風になっていくのはこわいです。
本当に難しいですね。

雑草との共生

人が生活していく上で、雑草狩りは必要だと思います。
近所には繁殖したクズに覆われて枯れてしまった木もありますし。
といはいえ、雑草に中にもきれいな花が咲いて見る人を癒してくれるものもあります。

いろいろと考えるのですが、結局今の生活を維持していくためにはどこかで自然と折り合いを付けなればならないところがあると思います。

西洋風に人間ががちがちに管理して聖域にする方法もあるでしょうし、日本風に瀬活の中に取り込んでゆるい管理をする方法もあると思います。

記事を読んで、十把一絡げに雑草として刈ってしまうのではなく、メリハリをつけたコントロールも必要ではないか、と思いました。

Re: れんげちゃんへ

はい。ほんとに、もし、お月さまに香りがあるとしたら、
こんな香りじゃないかなあ、と思うようないい匂いなの。
甘くて、淡くて、冷たくて、気品がある香り。

探して、ぜひ嗅いでみてくださいね。
きっとそちらにはあちこちに生えていると思います。
我が家のあたりに少なくなっただけかも。
毎年、花の前にどんぴしゃりのタイミングで刈りとられるから。
そういう目に合わなくて済むところでは、川原や、道路沿いの空き地、
線路際などによく生えています。

でももうすぐ花の時期は終わるかな。どうでしょう…

考えてみたら、野菜の花も綺麗ですよね。
ああ、とれたての美味しいトマトが食べたい!(笑)

ありがとう~。いつもれんげちゃんが来てくださったあとは、
爽やかな風が吹き抜けていきます!

No title

ほえ~。。 お月さまの匂いかぁ~♪
嗅ぐっ!! 川原に行ったらあるか!!?
探してみるぅぅぅ!!!

Re: さかごろうさんへ

さかごろうさん。おはようございます。

旅の疲れはもうとれましたか?

さっぱりしてるでしょう(笑)。
気持ちがいいのはいいんですが、枯れ草がたくさん残ってて秋みたい。
私は勢いのある夏草がわ~っと茂っている川原の風景も好きなんです。
そこで、いろんな花や虫を探して歩く(笑)。
まあ、私個人の好みなので、こういう風にさっぱり何もない方がいい、
という方も多くていらっしゃるだろうと思います。

でも、こういう風にしょっちゅう刈っていると、虫なども少なくなってしまいますね。
蝶など虫は、それぞれ食べる草や吸蜜する花、卵をうみつける植物が決まっていたりするので、
その季節にそれらの植物が刈りとられてしまっていると、子孫を残していけませんものね。

面白い虫もいたんですよ。ナナフシとかね。
娘は、ミミズを「ミミたん!」とか言って、バケツで泳がせたりする子でした。
ナナフシを見つけた夏は、日光への旅行にまでナナフシを連れていきましたものね(笑)。

草刈りしないずぼら組が、私だけじゃなくてよかった!

ね。いい歌でしょう。これもさかごろうさんにそう言っていただけると嬉しいなあ。
そう言えば、ちょうど同じころに、フールストップザレインをアップしてました。
それもなんだか嬉しかったです。

Re: 依里さんへ

依里さん。おはようございます。

あのね。ピンクのマツヨイグサみたいなのもあります。
ヒルザキマツヨイグサという、園芸種です。
花はとてもよく似ています。
あと、私は知らないんですが、白いのがあって、それが本来の
月見草なんだそうです。
でも、昔から竹久夢二の歌にもなり、私が子供のころ歌った
「月見草の花」などという唱歌に歌われているのも、黄色い
この月見草だろうと思います。

あんまりこれも見かけられなくなってしまいました。

月光浴!いいですねえ!
私も、それほど長く夜外に出ていられないけれど、月を見ているのは
大好き。残念ながら、うちの庭からはあまり月が見えないの。
だから川原に出るしかないんですけど、物騒でもあるし。
でも、流星群のときなどはずっと川原にいますけれど。
今度月光浴してみよう!
いいなあ。

Re: morinof さんへ

morinof さん、ありがとうございます。

ほんとに、いい川土手でしょう?
草刈りをした直後は、甘い乾草の香りがして、それはいい感じなのですが、
刈ったら刈りっぱなし、という個人の有志の方もいて、積み上げた
刈り草が茶色く乾いていたり、こんなふうに全体が、秋の終りででも
あるかのように茶色っぽくなって。
そうして、あとから生えてくるのは、強い外来植物ばかりなのです。
ハルジオンとかアルファルファとかあとは外来ではないけれど
繁殖力の強い葛とかタケニグサとか。
マツヨイグサも本当は明治のころ渡ってきた帰化植物なんですけど、
他の植物との戦いには弱いらしいのです。

盗人萩・洋酒山牛蒡・小待宵草・背高泡立草・オナモミ・数珠玉・ヨメナ
溝蕎麦・ススキ・荒れ地野菊

これらはこの河原にもありました。でも、小待宵草、数珠玉、溝蕎麦、ススキは
消えたか消えつつあります。
植物相がほんとに単純で面白くなくなりました。
草刈りのせいばかりでもないのでしょうけれど。
今、日本全国で、植物に限らず、帰化植物、外来の生き物が在来種を
脅かしていますものね。

ほんとに、神経質に草刈りをする人がいます。雪かきも同じ。
2,3センチほどしか積もっていない東京の雪を
朝から雪かきをして、道のわきに泥雪の山を作り、それをまた
日が照りだすとかき崩しては、シャベルで車道に投げるの。
車に轢かせて早く溶けさすように(笑)。

人間がせわしなくなっている気がします。

でも皆さん何であんなにむきになって草刈りするんでしょうね。

No title

さっぱりしてますねぇ(笑)

草は伸びたいだけ伸ばしてあげればいいのに、と思う私はただのズボラ者?


今日の歌。
いい歌ですねぇ。

じーっと聴き入ってました。

No title

私は紫色の花と勘違いしていました。
恐らく違う花と混同してしまったのかもしれません。
記憶を辿ってみるものの、見たかどうか定かではありません。
どこかに行った時、ちょっと目を凝らして見てみようと思います。

私も月、見ましたよ。
元気がイマイチの時など、空を見上げたりします。
そして月光浴。
日光浴より優しくて、何だか満ちて来るような気がします。

いい川土手なのに

 緩やかな川土手良いですねえ。右の方に見えるのは例の桜並木ですか。
子供のころには河原の草地は最高の遊び場でしたね。
鋸切り草・河原撫子・盗人萩・洋酒山牛蒡・大待宵草・小待宵草・背高泡立草
オナモミ・数珠玉・黄菖蒲・味噌萩・蒲の穂・ヨメナ・溝蕎麦・ススキ・荒れ地野菊
たくさん沢山ありましたね。月の広場の周辺に今でも幾つかは見られます。
でも皆さん何であんなにむきになって草刈りするんでしょうね。
プロフィール

彼岸花さん

Author:彼岸花さん
リンク、トラックバックご自由に。

『しだかれて十薬忿怒の息吐けり』

『南亭雑記』の南亭師から頂戴した句。このブログになんともぴったりな句と思い、使わせていただきます。
十薬とはどくだみのこと。どくだみは踏みしだかれると
鮮烈な香りを発します。その青い香りは、さながら虐げられた若者の体から発する忿怒と抗議のエネルギーのよう。
暑い季節には、この強い歌を入口に掲げて、私も一民衆としての想いを熱く語りましょう。

そして季節は秋。
一足早いけれども、同じく南亭師からいただいた、この冬の句も掲げておきましょう。

『埋火に理不尽を焼べどくだみ荘』

埋火(うずみび)は、寝る前に囲炉裏や火鉢の燠火に灰をかぶせて火が消えてしまわぬようにしておいた炭火などのこと。翌朝またこの小さな火を掻き立てて新たな炭をくべ、朝餉の支度にかかるのです…

ペシャワール会
http://www1a.biglobe.ne.jp/peshawar/pekai/signup.html
国境なき医師団
http://www.msf.or.jp/donate/?grid=header02
最新記事
最新コメント
リンク
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
カレンダー
09 | 2017/10 | 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

FC2カウンター
検索フォーム
RSSリンクの表示
QRコード
QRコード