『満州の丘にて  さすらいのギター』



もうすぐまた、ペルセウス座流星群が見られる時期になる。
今年は今月11日~14日頃だそうだ。

去年は、やはり同じ時期くらいに3日間くらい、流れ星を求めて、
深夜一人、外で夜空を見上げていたなあ。
あのときも心に願い事があったんだったっけが。


私は流星群が大好き。
待っていても果たして見られるかどうかわからないのに、その
あてにならないものをひたすら待つ時間…。
それはなかなかにせつないものである。
待っても待っても、訪れる気配はない。
「もう帰ろうかな・・・。」
そう思ってはみるのだが、一つ見るまでは。
またそう思い返して、暗い川原に立ちつくす。

だ~れも通らない。
ほんの時折、向こう岸の道路を車が行くくらい。
ポツンポツンと立っている街灯の明かりを避けるようにして、待つ。

それは突然やってくる。
夜空をスーッと一筋、星が流れていくのを見ることができた時の感動!
なにか胸がドキドキするほど嬉しい。
慌てて願い事を胸の中で呟く。
3回言うなんて無理!だから、3個流れ星を見るまで待つ。

夜空を見上げていると、さまざまな想いが洗われていくような気がしてくる。
猜疑心や焦燥や、高慢や嫉妬や、自己嫌悪、などと言った諸々の悪い感情。
そういったものが、すうっと消え失せて、この宇宙に自分ひとりいるような、
心細いのだけれど、不思議に幸せでもある、一種の諦念…、
何かそういった寂しさに心が満たされていく。
寂しさに満たされる、というと変なようだが、実際そうなのだ。

ここに私という人間が、今、ひとりで、夜の星空を仰いでいる。
このときのこの思念というものは、私しか知らない私だけのもの・・・
それをしっかりとこの記憶に焼きつけておこう・・・
そんな静かな決意のようなものが、心に満ちてくるのである。


今日はこんな曲をお送りしましょう。

『Mandshurian Beat』 
Mandshurian というのは、『満州の』という意味。
『Mandshurian Beat』は、1963年。ザ・サウンズというフィンランドのグループが
日本に紹介し、以降、ここでアップしたThe Mustangsやベンチャーズ、スプートニクス、
また、小山ルミの歌などで、1960~70年代初めに、多くの人に聴かれた曲である。

実はこの曲。日本では『さすらいのギター』などというロマンチックなタイトルが
つけられ、甘美なグループサウンズの名曲として親しまれたけれど、
実は、ロシアの歌。原題は『満州の丘』。

日露戦争で、ロシアは日本に負けて、多くの戦死者を出した。
特に1905年の奉天の戦いではことのほか激しい戦闘で、ロシア側は33万の兵士のうち
89000人を失い、日本側は27万人中71000人を失ったという。
満州の丘は、それらのロシアの戦死者たちが眠るところ。
往きて帰らぬ戦士たちに、いつか仇を討ってやる、と切々と歌いかけた歌なのだそうだ。

まずその、ロシアの歌の方からお聴きください。

http://www.youtube.com/watch?v=fWDgs34wilk


『満州』・・・その語を聞いただけで、何か深い寂しさを感じます。
それから、太平洋戦争まで、ずっと暗い歴史の舞台となったところ。
でも、そこでその時代に青春を生きねばならなかった人々も多くいるのです。
そして、そこで儚くなってしまった人も。

さて、日本で流行った『さすらいのギター』の方は。
こちらはひたすら、浪漫チックで甘美です。
キレのいいリズムに、美しいメロディが乗せられています。

この曲には実は私はとても想い入れがあります。
聴いていると、さまざまなことを思い出して、胸がいっぱいになってしまう曲です。
私が懐かしむのは、実は他の演奏によるものですが、
流星にちなんで、こちらの映像にしてみました。

http://www.youtube.com/watch?v=K9gJuXeQasA


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テーマ : 思うこと
ジャンル : 学問・文化・芸術

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Re: ノートさんへ

たった今、一人流星群観測会から帰ってきました。
そしたら、ノートさんからのコメント。グッド・ターイミング!でした。

87個の流星!豪勢ですね。
いい経験をなさいましたねえ。
若いうちでないと出来ないことでしょうね。
「一晩で87個も見ると、流れ星が日常的な光景になる」
わかる気がします。
なんでもあんまりたくさん見ちゃうと、ありがたみが失せますよね。
でも、見てみたいです!うんざりするほど見たいですっ!(笑)

人工衛星。私も初めて見たときは感動しました。
ひとの作ったものが、あんなふうに宇宙空間を行く!と思うと。

・・・今晩は私は2個でした。

ノートさん、ありがとうございました。

87個と1個

中学生の頃、天文好きの友達数人でペルセウス座流星群の極大日に観測会をしました。

徹夜での収穫は、流星 87個、人工衛星 1個、UFO 0個。

ロマンチックもへったくれも無く、後半は流星群ハイとでも言うような状態で、妙に盛り上がっていました。

一晩で87個も見れば流れ星もただの日常的な光景になってしまいました。
むしろたった1個の人工衛星の方が感動だったりします。

そんなことを思い出しました。

Re: そらまめさんへ

星空を見上げながら眠りにつく・・・
あるいは、月光を顔に浴びながらいつしか眠りにつく・・・

憧れですよね。
蚊のいない所ならともかく、なかなかそんなことは実現しそうもありませんね。
こんなときはつくづく、男に生まれていれば、と思います。
男の方なら、野宿だってできるでしょうしね。
山歩きをなさる方なら、寝袋に入って星空を仰げるかな。
そういえば私、昼間でさえ、そんなに外で寝転がって
空を仰いだことないなあ。人生でも数えるほどしかありません。
一昨年かな。広~い公園のコスモス畑のそばで寝転がった時が、
小学生依頼の経験かもしれない。気持ちよかったなあ。

今年は台風が近づいているから、流星群見られるか、心配しているの。

・・・私もね、出来なかったことばかりを悔やんでいても仕方ないなあ、
とこの頃ようやく思うようになりました。
もう先がそうはないから(笑)、とりあえず実行して行くしか
ないじゃないか、って。一つずつでも夢をかなえたい。

そらまめさんは、まだこれから、でしょう!
なんでも出来る、とお思いになった方がいいですよ。
私はね。おそらく夢が小さすぎたの。自分で限界を設けてた。
そらさんはそんなことしちゃダメですよ。

なんでもやってみること。
ホント、『ガンバレ自分!』ですよ。
彼岸花さんもまだこれからちょっと頑張ってみるわね!(笑)
ありがとう~。



No title

こんばんわ。
ペルセウス座流星群・・・確か去年は8月の下旬。
ちょうど祖母が亡くなったあたりに流れていたのを覚えています。

昔から星空を見上げながら眠りにつくのが憧れでした。
そんなことは例え田舎とは言えども家先では怖くて出来ません。(笑)
なので大人になって免許を取ったら山の高原に行ってそうするのが夢。
今となっては【蚊にさされる】危険を考えたら出来ませんけどね。
(またはビールを飲んで寝てしまうという・・・キャンプってそんなもの・笑)

あーだこーだ言いつつも、その場に実際に行ってみなければ、全ての
夢や憧れは本やテレビだけの永遠の空想なのでしょうね。
何事も、とりあえず行動あるのみ。

ガンバレ自分!

ちょっと言いたくなった・・・そんな夜でした。(失笑)

Re: HOBO さんへ

HOBOさん、こんにちは。
この曲いいでしょう。私は、若いころ、やはり『さすらいのギター』で
親しんだほうですので、思い出はこちらにあります。
というより、その頃は、それらのグループサウンズの曲に、元歌があって、
しかもそれがロシアの歌だ、などということは知りませんでした。
妙なことに、それを聞いたのは、娘から。
「あれね、満州で散った戦士を嘆く悲しい歌らしいよ。」と。
その時はふうん、と思っていただけでしたが、今回検索しているうちに、
この映像にぶつかりました。朗々としたバリトン歌手の歌うものや
赤軍合唱団のものなどもありましたが、この、少年の歌うものが
一番素朴で、哀調に満ちていて、いいと思いました。
ギターがいいですよね。

矢入のギターも知らなくて、今検索(笑)すみません。そんなことも知らなくて。
でも、Wikiをざっと読んだだけで、工房の感じまで伝わってきて、
ああ、いいなあ、と思ってしまいました。
日本人が情熱をこめて、いろいろなものを作っていた職人芸の時代を
彷彿とさせます。それが世界に通じていたんですね。

五木寛之さんは私も好きです。
あの人にも時代の香りがあります。
その身に漂わせている時代の香りが好きな気がします。

HOBO さん。ありがとうございます。

彼岸花さん

あ~っ!
この1曲目がいい。なんたってオリジナルの凄みがありますものね。
もの悲しいこころの叫びが。
昔、五木寛之さんの小説にはまっていたころ、五木さんはよくロシアの
民謡や歌謡曲のことを書いていましたね。戦争というものが残したもの、ふと、
『蒼ざめた馬をみよ』をおもいだしました。2曲目よりはこちらのほうがいい。
というか、別物のような気がします。
やっぱりこういうの聴いてると弾き語りの深さを実感します。ガットギターは
こころに沁みますね。ズンチャっチャっ、ズんちゃっちゃ。
いいな、これ。
いま押し入れから古いヤイリのガットギターを出すところです。
ほこりまみれのギターです。もの悲しいですねぇ~!


HOBO
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彼岸花さん

Author:彼岸花さん
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『しだかれて十薬忿怒の息吐けり』

『南亭雑記』の南亭師から頂戴した句。このブログになんともぴったりな句と思い、使わせていただきます。
十薬とはどくだみのこと。どくだみは踏みしだかれると
鮮烈な香りを発します。その青い香りは、さながら虐げられた若者の体から発する忿怒と抗議のエネルギーのよう。
暑い季節には、この強い歌を入口に掲げて、私も一民衆としての想いを熱く語りましょう。

そして季節は秋。
一足早いけれども、同じく南亭師からいただいた、この冬の句も掲げておきましょう。

『埋火に理不尽を焼べどくだみ荘』

埋火(うずみび)は、寝る前に囲炉裏や火鉢の燠火に灰をかぶせて火が消えてしまわぬようにしておいた炭火などのこと。翌朝またこの小さな火を掻き立てて新たな炭をくべ、朝餉の支度にかかるのです…

ペシャワール会
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