『小林 旭』


最近いつも音楽をご紹介していますが、とりとめがないでしょう?
クラシックがあったり、ラテンミュージックがあったり、ポップスがあったり。
はい。今、勉強中で、いろんなのを聴いているのです(笑)。

今日、さらに、私の意外な?いや、ぴったりなのかな、新側面をご紹介しましょう。

わたし、実は、こてこての演歌、好きなのです。
今の演歌は全く聴きません。みな同じに聞こえるから。情景が見えてこないから。
わたしが好きなのは、昔の演歌です。
『昔の歌謡曲』といった方が正確かな。

皆さんご存じないでしょうけれど、藤山一郎とか、デイック・ミネとか、淡谷のり子とか。
ほら、ご存じない、ですよね(笑)。
子供の頃、ラジオから流れてくる歌謡曲はわたしの血や肉の一部になって、私の感性を
育てています。

その中で、今日は一人、ご紹介します。
小林旭。『あきら』と読みます。
石原裕次郎はご存知でいらっしゃいますよね。あの裕次郎さんと、日活映画の看板を
背負って立つ、それはビッグなスターでした。ギターを抱えた渡り鳥シリーズが
有名でした。美空ひばりさんは彼の元奥さんでした。

この小林旭さん。歌がとってもうまかった。
上手、というより、なにしろ、味がありました。
勿論、今の時代には合わないでしょう。でも、昭和30年代。日本が戦後から
復興しつつある時代だった。とは言いながら、まだ、貧しいものは貧しく、
若者は大学を出ても職がなく、地方の農村部は農業だけで食べていけないため、
中学を卒業すると、子供たちが東京などに『集団就職』したりしていた時代です。
街にはやくざさんの組織などが深くはびこっていました。
小林旭さん演ずる旅の風来坊は、その地で悪辣の限りを尽くしている悪いやくざの
親分と一人戦って、街に平和を取り戻し、またさすらいの旅に一人出て行きます。

といっても、映画スターとしての彼の顔や姿が好きだったというより、
わたしは、このひとを歌手として好きでした。
あと、正統派お坊ちゃんの裕次郎さんに対して、このひとは大部屋俳優からのたたき上げ。
そういったところを心ひそかに応援していた気がします。
『北帰行』『さすらい』『黒い傷跡のブルース』『惜別の歌』など、
小中学生のわたしは、旅にさすらう男の孤独を歌った歌が好きだった(笑)。

特に、『北帰行』は、これは名曲です。
もともとは、作詞作曲:宇田博。旧制旅順高校に在学していた宇田が作った望郷の歌。
旅順高校の愛唱歌となり、後に日本全国に広まっていった名曲です。
これをこの小林旭が昭和36年に歌ってさらに広めました。

でも、今日、お送りするのは、わたしが彼の曲の中でもう一つ好きな、『さすらい』。
わたしには、次姉と同じように、実は風来坊の血が流れているようです。
それは、娘にも伝わっています。

わたしが小林旭が好きなのを示すのが、これ。
いつの間にか、買ってありました。まだ見てなかったんだな。
買っただけで安心して、まだ見てなかったのね。
そんな古い映画が、まだ家にはいくつもあります。
森繁久弥の『地の果てに生きるもの』のVHSとか。これは北海道羅臼の
さびしいさびしい海辺の、ニシン小屋の番人として生きた男の生涯を描いたもの。
昭和35年。小6の時見て、あまりにもの寂しさにショックを受けて、忘れられない映画。
人の一生はなんて寂しいのだろう!というわたしの基本トーンがこのとき植えつけられた(笑)。


2010_0817_231849-CIMG2508_convert_20100818233641.jpg

『さすらい』は、彼の主演作『南海の狼火』のテーマ曲になっています。


http://www.youtube.com/watch?v=gbzl00Jw8Zc

小林旭さん。もっと評価されていい人なんじゃないかな。
『春来る鬼』という映画のメガホンを取っています。
わたしはこの映画がよかったという記憶があるのですが、映画界からは
わりと冷たい扱いだったかな。
裕次郎裕次郎と、石原裕次郎さんは日向に咲く向日葵のような晴れやかなスターとして
愛されましたが、わたしは、その陰で、少しよたった感じの雰囲気も持つ(笑)
このひとの方にずっと親近感を持っていました。

晴れやかな、翳のないヒーローより、ダークなヒーロー。
それも私の基本トーンです。

スポンサーサイト

テーマ : 思うこと
ジャンル : 学問・文化・芸術

コメントの投稿

非公開コメント

Re: asoboさんへ

『南国土佐を後にして』『夜霧の第2国道』。『南海の狼煙』。

asoboさんは洋画がお好きでお詳しいことは知っていましたが、日本の映画にも
詳しくていらっしゃるのですね。それも、小林旭などもご存じ、とは。
asobo さんのイメージからするとなんとなく意外で愉快です。
前の2つの映画は見たことがありません。『夜霧の第2国道』いいですか。
フランク永井の歌もありましたね。見てみたいけれど、あるでしょうか。
あったらぜひ見てみます。
『南海の狼火』は、『さすらい』という小林旭の歌と、舞台となった四国の
風景とがぴったりと合って、私は好きな映画の一つになりました。
特に、ある岩場の上で小林旭が朝丘ルリ子に『さすらい』を弾き語りして聴かせる
シーンは大好きです。
我が家は兄も姉も風来坊でした。『知らぬ他国を流れ流れて、生きていくのさ…』という
歌詞を聴くと今でもじんとします。私の中にもその血が流れているのかな。
幸せに浸っていられなくて落ちつけず、自らそこを飛び出してしまうようなところは
私の内にもあります。だからよけいこの映画に魅かれるのかも。












は彼の映画でいちばんヒットした作品と聞いています。

No title

小林旭には『南国土佐を後にして』という佳作があります。
個人的には『夜霧の第2国道』が好みです。
『南海の狼煙』は彼の映画でいちばんヒットした作品と聞いています。

Re: れんげちゃんへ

『ヤンマースーパーフォルテ』のコマーシャルかな?(笑)
彼が『赤いトラクター』という歌を歌ったから起用されたんでしょうね。

車の名前が次々に出てくる歌も歌ってた。『自動車ショー歌』っていうの。
ペット、日産、パッカード、シボレー、クラウン・・・とか、おりこめれた歌。

俳優さんとして好みってわけじゃなかったけど、歌が味があって、それに
いろんな側面持ってた。ひょうきんさとか、ね。

あのね~。れんげちゃんにはね、『夏の句から』という記事もちっと読んでほしいかな。
お茄子とか枝豆とかの句が出てきます。
お茄子の句は、ああ、これ、れんげちゃんなら「わかるわかるよ~!」って
言ってくれるだろうなあ、と思いながら載せた(笑)。
そこだけでも、ついでに見ていってくださいな。
収穫する喜びが出てる~。

No title

知ってる!トラクターの人だっ!!(笑)
プロフィール

彼岸花さん

Author:彼岸花さん
リンク、トラックバックご自由に。

『しだかれて十薬忿怒の息吐けり』

『南亭雑記』の南亭師から頂戴した句。このブログになんともぴったりな句と思い、使わせていただきます。
十薬とはどくだみのこと。どくだみは踏みしだかれると
鮮烈な香りを発します。その青い香りは、さながら虐げられた若者の体から発する忿怒と抗議のエネルギーのよう。
暑い季節には、この強い歌を入口に掲げて、私も一民衆としての想いを熱く語りましょう。

そして季節は秋。
一足早いけれども、同じく南亭師からいただいた、この冬の句も掲げておきましょう。

『埋火に理不尽を焼べどくだみ荘』

埋火(うずみび)は、寝る前に囲炉裏や火鉢の燠火に灰をかぶせて火が消えてしまわぬようにしておいた炭火などのこと。翌朝またこの小さな火を掻き立てて新たな炭をくべ、朝餉の支度にかかるのです…

ペシャワール会
http://www1a.biglobe.ne.jp/peshawar/pekai/signup.html
国境なき医師団
http://www.msf.or.jp/donate/?grid=header02
最新記事
最新コメント
リンク
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
カレンダー
07 | 2017/08 | 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

FC2カウンター
検索フォーム
RSSリンクの表示
QRコード
QRコード