『再び菅総理のこと』

菅総理。腹を据えませんか。
ここまで来たら、『脱原発』をはっきり打ち出すしかないじゃないですか。


海江田経産相が、佐賀の玄海原発に行って、『玄海原発の安全が確認された。
政府が保証するので、稼働して欲しい。』と言った。
玄海町長も稼働を容認した。
ところが、その直後、菅総理がストレステストのことを持ち出して来て、
玄海原発稼働は、御破算になってしまった。
海江田氏の面目丸つぶれ。
佐賀県も、玄海町長も、他の原発立地県も、政府の方針がこうもぶれているのでは
どうにもならない、と、嘆息する。
野党だけでなく、与党の議員も、菅さんの『梯子外し』に怒り、マスメディアも
菅さんを、部下を平気で裏切る極悪人扱い。

…確かにねえ。菅さんのやり口は、部下には嫌われるだろうなあ。

しかし。しかしである。
そんなことが、国の政治にとって重要?
菅さんが『いいひと』でなければ、国は動かないのか?
総理の性格が悪いと、皆でそれを引きずり下ろすのか?
政策の中身の検討は二の次で?国民の希望も考慮に入れず?

国民は今、何を求めているか。
アンケートの結果を見ても、原発に『No!』という人の方が3分の2。
それなのに、社共は除き、与党にも野党にも、原発から何れ脱却、という方針を
明確に打ち出しそうな政治家は、菅さんと河野太郎氏しかいない。

福島の悲劇のあとで、こんなことあり、なのだろうか!!!???
それが私には信じられないのである。

国民のアンケートの結果の比率をそのまま、政治の世界に持ち込めば、
民主党、自民党。みんなの党、…その他を含め、一応、菅さんの次の
総理候補として、一度でも名前が挙がったことのある人、またこれからでも
その可能性のありそうな人を挙げて見たとき、3分の2は、『脱原発』の
傾向のある政治家がいていいはずである。

ところがどうだろう!
菅さん以外には、河野太郎氏しかいない!
菅さんが「次に引き渡したい]と言った若手の次世代の政治家達…
しかし、どの人もどの人も、原発推進族または消極的な容認派である!

ああ。ここに、この国の抱えてきた闇が、如実に表れている!
いったい、どれほど、原子力発電は、電力9社は、政治の世界にも、
マスメディアの世界にも、その勢力の根を深く下ろしているのだろう!
原発推進族の多さといったら!

国民の間では、3.11以降、世界観がすっかり変わってしまったと思うほどに、
原子力発電に対する、そして電力業界に対する不信と疑問の気持ちは強いと思う。
しかし、政治の世界はそうではないのだな。
政治家というものは、国民感情とは別な尺度でもってうごめいているものなのだな。

今が一番大事なときなのだ。
折角2年前の選挙で自民党から政権を奪い、ようやくこの国にも政権を担える政党が
もう一つできたか!と、国民に期待を抱かせた民主党。一党が政治を長くになうと、
さまざまなところで弊害が生ずる。自民党が導入して推進してきた原子力発電。
そんな危険でお金のかかるものに対するチェック機能もなにも働かなくなったことも
一党支配の一つの悪い果実である。
国民が民主党にもとめたのは、自民党と同じことをせよ、ということではなかったはずである。
今は、原子力発電をこの先、日本がどうしていくか、
この国のエネルギー政策をどうしていくか、という大きな問題の転換点である。
と、同時に、二大政党制が消えていくか存続できるか、という意味でも転換点になっている。
何よりも、一日も早い復旧復興対策を待っている被災地の人々の生活。これは待ったなし!

それを認識できずに、野党自民党公明党などと一緒になって、菅下ろしにばかり
夢中になっている民主党の議員は愚かだとしか言いようがんない。
次の選挙の争点は『原発』になるだろう。いち早く、『脱原発』を打ち出した党が
勝利するであろう。
民主党の他の議員は、今、たとえば選挙をしたとして、勝てると思っているのだろうか?
『自分のところの党首である、菅下ろし』しかしてこなかった政党が、勝てると?
政治家としてのセンスが悪過ぎである!

自民党の一部は、すでに世の中の風向きを読んで、『自然エネルギーがどうだのこうだの』
『脱原発』がどうだのこうだの、言い始めている。
民主党は党首下ろしに画策している間に、みすみすそれに遅れを取るのか?
自民党も民主党もどうしようもないな。


…それにしても、マスメディアの菅嫌い。これはいったいどうしたことだろう?

一人の政治家を、それも自国の総理を、ここまで貶めていいものだろうか?
何も破廉恥罪をやったというわけではない。
この国のマスメディアは、菅さんだけでなく、これまでも総理大臣を笑いものにして、
その些細な欠点を面白おかしく書きたて、結果、退陣に追い込んできた。
その政治的言動を、検証することもほとんどなく…。
麻生元総理。私も好きではなかったが、例の『みぞうゆう』発言。
それを面白可笑しく煽りたてて笑いものにするマスコミを、私は苦々しく思っていた。
それでは、それを笑う記者たちのいったい誰が、絶対に漢字の読み間違いをしないと
自信を持って言えただろう?
逆に、小泉元総理は、本当に万事そつがなく、演説はうまく人のこころを
掌握することには誠に巧みであった。記者のぶら下がり会見なども積極的にやって、
国民にわかりやすい言葉で語りかけ、今でも小泉再登場を願う国民は多いのでは
なかろうか。
しかし。しかしである。彼がやった構造改革。これは、日本のいいところも
ズタズタにしてしまったのである。貧富の差は拡大し、日本の屋台骨を
実はしっかり支えていた中小企業を駄目にしてしまった。
学問の世界を、セールスの場にしてしまった!

一国の総理というものは、人気なんかなくたっていいのである。
やることが正しいならば。

一連の菅下ろし。これには、やはり、原発推進をまだ考えている魑魅魍魎達の
意志が働いているなと私は早くから思っていた。
おそらく、3.11の直後から……。

『原発安全神話』は、原子力ムラが長年かかって築いてきた嘘の神話である。
同様に、『菅下ろし』の異常なしつこさにも、私はまた、なにか策謀の匂いを
感じ取ってしまうのである。
そもそもの初めから、菅総理に仕事はさせない、という暗黙の了解が、
官邸、というか、それを実質的に動かす官僚にはあったのではないか。
なぜならば、菅さんは官僚嫌いで、官僚を排する政治をやりたがっていたから。
事故当初、菅さんのところには、ろくな情報が上がっていなかったのではないか。
官僚を排した菅さんが、寄せ集めで作ったシンクタンクらしきもの。
それらが力をもっているはずもなく、菅総理が見事に失敗していくのを、
官僚たちは冷ややかに見ていたのではなかろうか。
そうして、マスメディアもその視点を同じくしていた。
なんとなれば、これまでの経過でわかってきたとおり、マスメディアも
原子力ムラの一翼を担ってきていたからである。
それを、事故が起こってからの菅政権のドタバタぶりを報道する、メディアの視線の冷たさ、
意地悪さに感じる。



要するに、官僚も、他の与野党の政治家も、マスメディアも、『菅嫌い』にのみ
意識はあって、被災地の国民の窮状をどうにかしよう、という意識は乏しかった気がするのである。
本当に国民を想うなら、好き嫌いなど超越して、とりあえず菅政権に協力し、
一丸となって救済に動いていなければ。しかしそうはならず、
菅総理を貶め、彼を引きずり下ろすこと、…それしか彼らはやってこなかったではないか。

無論、菅さんに問題がなかったわけではない。大有りである。
周りの協力がどうであろうと、今は彼が総理大臣なのだから、
一番の権力を持った人間なのだから、強力な意志をもって、被災地の救援に全力を尽くし、
福島原発周辺の人々の安全確保をなにがなんでもやらねばならなかった。
スピーディなどの情報は速やかに開示し、国民に正しい現状を即時知らせていくべきだった。
それをしなかったために、どれほど多くの人が、無駄に被曝をしたことであろう。
今もまだ、生活がめざましくは改善していない被災地の人々…。

これは明らかに菅政権の責任である。
しかし、何もかもを、菅総理一人の性格の悪さに帰してしまうような、
今の与野党の政治家の菅総理の追及の仕方、マスコミの菅バッシングは、絶対におかしい。
菅総理一人が悪い、この現状の悲惨さが菅総理一人の責任だというのなら、
逆に問いたい。
じゃあ、あなたたちはどんないいことをしてきたのか?!
彼の足を引っ張ることしかしてこなかったのではないか?!

もう一度言う。
この日本で、あまたいる次の総裁候補と目される政治家の中で、
原発を減らし、あるいは即時撤廃しようとする意志のある政治家が、
河野太郎氏一人だけ、という状況は絶対におかしい。
福島原発の事故の前ならともかく、あれだけの事故の後で、何一つ状況が
改善されていないこんな中で、原発は悪だ、これはやめないと!と思い、
それを自分の信条として明確に打ち出す次期総理候補とも目されうる政治家が、
河野氏しかいないなんて、絶対変でしょう?

政治家だけでなく、マスメディア、経済界こぞって、菅総理一人が悪い、という
論調はおかしいだろう…。

これが、長年にわたる政官経済界、学界、マスコミの癒着の構造のものすごさを
如実に表していると、私は思うのである。
そのおかしさゆえに、私は、菅さん、もっと上手にやりなさいよ、と
情なくは思いつつ、菅総理をいまだに応援しているのである。

政治は怖い。……国民の希望など、脱原発の願いなど、『原発推進の政府』が出来れば、
一夜にして、かき消されますよ。
そこのところを、国民もマスコミも、わかっているのかなあ…。

原子力ムラ…これは手ごわいぞ。
脱原発ムード。…そんなものは、政権が変わって、『原発容認』を新政権が
はっきり打ち出したら、あっという間にひっくり返されてしまうのではないか。
現に、玄海原発。それの稼働を海江田氏が容認するのを、他の原発を抱える
電力会社は、待ち構えていたではないか。
あそこが突破されていたら、他の原発は、うちも、うちも、と雪崩打って
再稼働に向けて走り出していたのではなかろうか。

海江田さんの心情などこの際悪いが気にしていられない。
ストレステストの話を唐突に持ち出して、原発再稼働をとりあえず止めた、
菅さん、あなたの『突飛さ』『思いつき』は、正解である!
もう!もう!ぶれないでくださいよ!
大体が、今回の焦点となっている、海江田さんの梯子外しだって、あなたがぶれないで、
海江田さんに『玄海原発再稼働は当面なし』と言いさえしていれば起こらなかったことである。  


マスメディア…これはいったい何なのだろう。
世の中のムードを作って行くもの…。
それが、これほどまでに見識がなくていいものだろうか…。

何代もの一国の総理を、いつも、かくもつまらない蔑み笑いの対象にしてしまう。
政治は人気取り番組ではない。お笑い番組でもない。
なにも菅さんを応援しろと言っているのではないのである。
少なくとも、政府のいうこと、野党のいうこと。電力会社のいうこと、官僚の画策…、
それらを鵜呑みにするのでなく、自分たちの調査で真実に切り込む力、
自分たちの頭でものを考える力をしめしてほしい。
物事のうわべをつかまえて面白おかしく煽るだけの報道…。それはもうやめてほしい。

ジャーナリズムがこの国では生きていないこと…
この国の腐敗構造は、ジャーナリズムの責任も重いと思う。

なぜ、ジャーナリズムが、電力会社に対し、もの言えないか。
それに楯突く菅さんのような人間を、すざまじくバッシングするか…。

ある方のところで見せていただいたビデオ。
ジャーナリズムの裏側を熟知した人の証言がある。
どれほど電力会社がジャーナリズムを飼い慣らしてきたか…
これを見れば、菅下ろしの激しさの異様さが、妙に納得できようというものである…

長いです。ゆっくりお時間があるときに、少しづつご覧ください。

http://www.ustream.tv/recorded/14559917

http://www.ustream.tv/recorded/14561970

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Re: その日暮らしさんへ

今日の朝日にアンケートが出ていましたが、70数パーセントくらいは
原発をだんだん減らして将来なくしたいと思っている。ところが、菅さんに関して聞くと、
辞めなくていいと思う人は20パーセントくらいしかいなくて、ほとんどが
辞めるべきと答える。でもね、菅さんの後に、岡田さん、前原さん、海江田さん、
そして谷垣さんなどが来たら、原発はあっという間に『容認』の方向に
戻ってしまうと思う。菅さん後を託す人がいない、というのが、本当に無念でしかたが
ありません。
いくら、脱原発の機運が国民の間に盛り上がっても、最終的に決断するのはやはり国。
その壁はやはり巨大です。庶民の声などあっという間にかき消されてしまう。

この想いを託せる政党はないのか!…そう思っちゃいますね。
既存の政党で言えば、社共なんでしょうが、彼らに対する国民のアレルギーの
強さを思うと、彼らは受け皿になかなかなれないだろう…
とすると、『緑の党』のような、一般市民も巻き込める政治グループが
やはり是が非でも欲しくなりますね。
中沢新一さんなどが、それに似たものを作る、と言っていた話は
どうなったかなあ。かなり期待したんですけれど。まあ、それにしたって、
時間がかかりますね。だから、今、国民に出来ることは、マスコミ報道を鵜呑みに
するのではなく、政治に関心を持ち、政治家に圧力をかける意味でも、
反原発、脱原発の声をあらゆる機会を通じてあげ続けていくしかないですね。

選挙で票を入れないぞ、お宅の商品買わないぞ、って。それしか武器がないんですもの。

あと大事なのは、関心のない人を、少しずつでも、関心持ってもらうように
していくことですね。これが一番大変そう…。
わかってる人は何も言わなくてもわかってくれてる。ところがね、新聞や
テレビしか、情報源のないお年寄りなどもたくさんいらっしゃるわけですから…。
どうやったら、うまくお話ひろげていけるのかなあ…。

ありがとうございます。

もどかしい

 ドイツでもイタリアでもない、現に原発事故を引き起こした当事者国の日本が何故明確に「脱原発」を打ち出せないのか。もうこれ以上理不尽に命や健康が脅かされることのないようにと願う立場からは全く理解に苦しむところです。
 すでに過半数を大きく上回ると見られる国民の脱原発へ切実な願いが、鉄のトライアングルと呼ばれる政・財・官の持つ強大な権力の壁によって阻まれています。菅さんが持っているかもしれない、「市民運動」出身者としての矜持に一縷の望みを繋ぐしかないとすれば、なんとももどかしい状況です。
 もう従来の枠組みの中で異を唱えるだけでは、希望は見出せないのかもしれません。節電問題だけに限らず、あらゆる価値観の見直しを図り、政治がどこを向いていようとも、脱原発に向けて一人ひとりがこれまでとは違った生き方や暮らし方を始めてしまうことが同時に必要になってきているように思います。 加えて、脱原発を目指す新たな政治集団を誕生させて、政治に対する無力感や閉塞感を打ち破ると共に政治においても攻勢に転じようとする積極性が求められているように感じています。
プロフィール

彼岸花さん

Author:彼岸花さん
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『しだかれて十薬忿怒の息吐けり』

『南亭雑記』の南亭師から頂戴した句。このブログになんともぴったりな句と思い、使わせていただきます。
十薬とはどくだみのこと。どくだみは踏みしだかれると
鮮烈な香りを発します。その青い香りは、さながら虐げられた若者の体から発する忿怒と抗議のエネルギーのよう。
暑い季節には、この強い歌を入口に掲げて、私も一民衆としての想いを熱く語りましょう。

そして季節は秋。
一足早いけれども、同じく南亭師からいただいた、この冬の句も掲げておきましょう。

『埋火に理不尽を焼べどくだみ荘』

埋火(うずみび)は、寝る前に囲炉裏や火鉢の燠火に灰をかぶせて火が消えてしまわぬようにしておいた炭火などのこと。翌朝またこの小さな火を掻き立てて新たな炭をくべ、朝餉の支度にかかるのです…

ペシャワール会
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