『米韓FTAから学ぶべきTPPの危険』

さて。日本の農業であるが、実はTPP参加の如何という、いわば切っ先を喉元に 
突きつけられる前に、すでに、その土台は大きく揺らいでいたことは、みなさんご承知の通り。
農業政策の無策は、農業だけで農家が食べていけないという状態を多く作りだして
しまっている。牧畜業、酪農業、林業などはもっとひどいかもしれない。
TPP以前から、日本には海外から安い肉や乳や木材やが入ってくるようになっていて、
とりわけ林業などは、もう生業として成り立たなくなり、日本の山は
人間によって手入れされなくなって、荒れ始めている。
人間が細やかに枝打ちや間引きをしない杉やヒノキなどの森や林は、
荒れてその保水力も失い、それは大雨が降ると、山津波などの大被害を
もたらしたり、また地下水や川の水を少なくして、日本の水をだめにしていってしまう。

日本の農業は基本的に小規模経営農家によってまかなわれている。
それはいいこともあるのだろうが、無駄もまた多く、アメリカのような
大規模農場の合理的経営で生み出される作物に比べ、はるかにコストがかかる。
TPP云々という前に、日本の農林業は、根本的な見直しが必要な時が来ていた。
TPPなどに参加したら、それでなくても弱っている日本の第一次産業は
アメリカの大きな農業の攻勢にとても耐えていけないだろうと思うし、
ただ、補助金を出して農家を守る、といった付け焼刃的な農政では根本的にダメだろうと思う。

日本のTPP参加は、これももうあちこちで言われていると思うが、
対アメリカ貿易戦略をどうするか、ということとイコールである。
アメリカにとっては、TPP加盟国の中で最も大きな市場である日本が
ターゲットであるということ。

私がこれは本当にまずいんじゃないか!?と思うのは、
関税撤廃によって、日本の農業がアメリカの農産品につぶされる、ということ
以上に、『非関税障壁の撤廃』ということに関してである。

日本がTPPに参加したらどうなるか。
それには日本より一足早くアメリカとFTAを結んだ韓国の例を見ればいい。
日本がTPPに参加したら、アメリカはほぼ同じ要求を日本に対し
して来るであろうから。
民主党衆議院議員の齋藤やすのり氏のブログに、米韓FTAの実情。
先日締結されたばかりのそのFTAの詳しい情報がある。
韓国国民でさえ、実はこうしてことの詳しいことは知らないままに協定は
締結されてしまった。日本も韓国と同じ轍を踏むのであろうか…

『教えて!斎藤さん』
衆議院議員・気象予報士斎藤やすのりBLOG
http://saito-san.sblo.jp/article/48971807.html
 

その中の、米韓FTAの、大事な個所だけでも転載させていただこう。

(1)サービス市場開放のNegative list:
   サービス市場を全面的に開放する。例外的に禁止する品目だけを明記する。

(2)Ratchet条項:
   一度規制を緩和するとどんなことがあっても元に戻せない
、狂牛病が発生
   しても牛肉の輸入を中断できない。

(3)Future most-favored-nation treatment:
未来最恵国待遇:今後、韓国が他の国とFTAを締結した場合、その条件が
米国に対する条件よりも有利な場合は、米にも同じ条件を適用する。


(4)Snap-back:
自動車分野で韓国が協定に違反した場合、または米国製自動車の販売・流
通に深刻な影響を及ぼすと米企業が判断した場合、米の自動車輸入関税2.5%
撤廃を無効にする。

(5)ISD:Investor-State Dispute Settlement。
韓国に投資した企業が、韓国の政策によって損害を被った場合、世界銀行
傘下の国際投資紛争仲裁センターに提訴できる。韓国で裁判は行わない。
韓国にだけ適用。


(6)Non-Violation Complaint:
米国企業が期待した利益を得られなかった場合、韓国がFTAに違反していな
くても、米国政府が米国企業の代わりに、国際機関に対して韓国を提訴で
きる。例えば米の民間医療保険会社が「韓国の公共制度である国民医療保険
のせいで営業がうまくいかない」として、米国政府に対し韓国を提訴するよ
う求める可能性がある
。韓米FTAに反対する人たちはこれが乱用されるので
はないかと恐れている。

(7)韓国政府が規制の必要性を立証できない場合は、市場開放のための追加措置
を取る必要が生じる。

8)米企業・米国人に対しては、韓国の法律より韓米FTAを優先適用 
例えば牛肉の場合、韓国では食用にできない部位を、米国法は加工用食肉と
して認めている。FTAが優先されると、そういった部位も輸入しなければな
らなくなる。また韓国法は、公共企業や放送局といった基幹となる企業にお
いて、外国人の持分を制限している。FTAが優先されると、韓国の全企業が
外国人持分制限を撤廃する必要がある。外国人または外国企業の持分制限率
は事業分野ごとに異なる。

(9)知的財産権を米が直接規制
  例えば米国企業が、韓国のWEBサイトを閉鎖することができるようになる。
韓国では現在、非営利目的で映画のレビューを書くためであれば、映画シー
ンのキャプチャー画像を1~2枚載せても、誰も文句を言わない。しかし、米
国から見るとこれは著作権違反。このため、その掲示物い対して訴訟が始ま
れば、サイト閉鎖に追い込まれることが十分ありえる。非営利目的のBlogや
SNSであっても、転載などで訴訟が多発する可能性あり。

(10)公企業の民営化
 


さて、こうやって転載しても、なかなかその中身は難しい。
ところがこれを極めて明快に説明し、TPPに激しく真っ向から
反対していられる方がいる。
この映像は、『きっと誰かに愛されている』ブログ
http://glorytogod.blog136.fc2.com/

の愛希穂。さんに
教えていただいた。愛希穂。さん。ものすごい勉強量です。
いつも教えていただくことばかりです。

中野剛志氏が語る 『米韓FTAよりひどいTPP交渉となるだろう』





10月29日付朝日新聞朝刊によると、
政府が示すTPP参加の経済効果は「10年間で2.7兆円」だそうである。
1年間では2700億円。日本のGDPの0.054%に過ぎない。

ところが、韓国が農家の所得補償など、2004年から2017年までに投じる
FTA関係の農業対策費は9兆円。日韓の農業産出額の差から日本に
単純に置き換えると、25兆円にもなるそうである。
14年間で25兆円ということは、1年では1.78兆円。
2700億円得るために、農家に補償などして1.78兆円つぎ込むと言うのか?

中野氏が、もう、情なくて笑ってしまうしかないような状況で、それでも
切々と訴える、TPPの危険性。まだこれはほんの一部である。
将来にとんでもない禍根を残すことになりそうなTPP。
それをごり押しして、その経済効果が差し引きマイナスになるのだとすれば、
いったい何のためのTPPなのだろうか…!
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Re: スキップさんへ

なんだか悲しくなってしまいますね。
TPPに参加しようがすまいが、このままでは日本の農業は先細り。
食の自給率を出来るだけ高く維持する、というのは、政治の大きな大きな役割だと思います。
日本の政治家は、もう長い長い間、農業の将来、ということについて、
真剣に考えてこなかったのだと思います。
今、TPPに反対している議員さんだって、中には、TPPそのものの
危険性を自覚して反対する、というより、農家が反対している、
それと歩を同じくしなければ、農協の組織票を失う!などと
考えて反対してる人もいるでしょうねえ。

日本の農業林業などをどう守って行くか…。ほんとに難しい問題です。
でも、絶対に、捨ててはいけないと思う。輸入に頼ってはいけないと思う。
若い人が農業をやりたくなるような、そんな道はないのでしょうか。
ないはずないと思うんですけれどね。

稲作文化を象徴とする、日本の文化…。
そんない簡単に捨てていいものとは思えません。

スキップさん。ありがとうございます♪ 

No title

 全国でも有数の農業県千葉(確か全国三位の農業生産額)でも、10年後は、農業が地域を支える産業ではなくなっていることは明らかです。子はいても後とりはいません。いま、50代の農民の子の多くは手伝いをしません。そういう農家が増えています。PTTは農業の寿命を短くするだけで、結ばなくても、農業は自然死します。
 もしそうなれば、日本人は文化の基盤を失います。200年の伝統を基盤にした日本文化は、全く違うものに変わってしまうことでしょう。私らが日本文化と言いたくない物に変わってしまうでしょうね。それが先ず耐えられませんね。
 さらに、食糧の不安です。12600万の世界9位(少し自信がない)の人口を擁しています。かき集める量は半端ではありません。そこを考えないと地震、原発事故より、恐ろしい結果を招きますね。
 みんな、その通りと思われていますよね。嬉しいような無駄なような。

Re: 愛希穂。さんへ

日本は、というか、どこでもそうなのかもしれないけれど、
こんな大事なことなのに、流れがどちらかに傾いてしまうと、さあっと
議論が引いていってしまうというか、議論を放りだすようなところが
ありますね。あきらめが早いというかなんというか…
それではいけない。ギリギリのぎりぎりまで、考え抜いて、まずいことなら
潔く撤回しないといけないと思うんですけれど。
太平洋戦争も、こころある人がいても、「もう軍部の独走は止められない!」
とか言って、そうやって、多くのものがまずいと感じつつ、口を噤んでしまい、
日本は愚かな戦争に突入していきました。

新聞などを見ても、一昨日よりは昨日、昨日より今日、と、TPPの扱いが
小さくなっていっている気がします。
野田さんは、総理になってすぐ、経団連の米倉さんに挨拶に行きましたね。
菅さんと比べ偉い偉いといい子いい子されて、それから今度は、
オバマさんにもいい子いい子されたくて、
それで、前のめりになって、TPP参加を目指してるみたい。
彼の理想なんて、まだこれぽッちも伝わってきませんね。
原発に対する態度も曖昧なまま。日和見してるとしか思えない。
それなのに、ちゃっかり、外交面で目立とうとしている感じ。
何をやったって、今の日本は世界から軽く見られているだけなのになあ。
今は、原発事故の後始末を必死になってやって、そこから雄々しく立ち上がる…
新しい日本に生まれ変わる大きなビジョンを持って国作りをし直す。
自然エネルギーの模範国になる…
それが、日本の総理が海外に行って尊敬される、今は唯一の道だと思います。

ちっぽけな声だけど、あきらめないでTPP反対!と言い続けなくっちゃ、ですね。

愛希穂。さん。いつもほんとに情報ありがとう!



アメリカの外交のしたたかさ、怖さを、どうして感じないんだろう。

No title

今晩は。
本からの受け売りばかりですが、よく言って下さりありがとうございます。

TPPもうどうにもならないのかもしれないけれど、でも、やっぱりなんとか反対議員さんたちに阻止してもらいたいですね。

カナダがTPP参加にあたって、いろいろと要求したものだから、アメリカから門前払いをくったという噂ですが、となると、日本は何も要求しないでしょうね、いやできない、と言ったほうが正確かも。
日本が色々要求してそれで、門前払いになればいいですが。

ただ、本当に本当にどうにもならないのだったら、アメリカが日本で自由にできるというのなら、真っ先に電力事業に参入して電力会社の独占にストップをかけてもらいたい。

>将来にとんでもない禍根を残すことになりそうなTPP
そのことが分かっていて、TPPに前のめりになる野田内閣。どうせもっても2年だから、責任取らずに逃げ切るつもりなのでしょうか。

田中真紀子さんが「TPPに飛び込んで入水じさつするのか。野田佳彦首相は国論を二分している実情では『今は入りません』と言うべきだ」と言って、反対を表明したそうですね。
プロフィール

彼岸花さん

Author:彼岸花さん
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『しだかれて十薬忿怒の息吐けり』

『南亭雑記』の南亭師から頂戴した句。このブログになんともぴったりな句と思い、使わせていただきます。
十薬とはどくだみのこと。どくだみは踏みしだかれると
鮮烈な香りを発します。その青い香りは、さながら虐げられた若者の体から発する忿怒と抗議のエネルギーのよう。
暑い季節には、この強い歌を入口に掲げて、私も一民衆としての想いを熱く語りましょう。

そして季節は秋。
一足早いけれども、同じく南亭師からいただいた、この冬の句も掲げておきましょう。

『埋火に理不尽を焼べどくだみ荘』

埋火(うずみび)は、寝る前に囲炉裏や火鉢の燠火に灰をかぶせて火が消えてしまわぬようにしておいた炭火などのこと。翌朝またこの小さな火を掻き立てて新たな炭をくべ、朝餉の支度にかかるのです…

ペシャワール会
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