『エネルギー・環境会議意見聴取会』

今、国が全国11か所で行っている革新的エネルギー・環境戦略についての意見聴取会。
8月12日までのパブリックコメントと8月4、5の両日に行われる「討論型世論調査」。
これらの国民参加の議論を経たのち、8月中に、政府は日本の将来のエネルギー・環境の
大きな方向を定める革新的エネルギー・環境戦略を決定し、
政府として責任ある選択を行うのだそうである。

国民の意見を直接こういう様々な形で聞く…一見良さそうな試みである。
しかしながら、ここには大きな大きな落とし穴と欺瞞がある。

まず。一番問題なのは、この議論が、2030年度に原発をどうするか、という前提で
すべての設定が組まれており、今すぐ全原発を停止して、速やかに自然エネルギーへの
移行を図る、という選択肢が最初からおそらく意図的に排除されてしまっていることである。

第二に、大飯原発再稼働の手続きと同じく、この国民の将来を決定するような大事なことを
決めるのに、あまりにも急ぎすぎているということである。
福島第一原発は、プールが倒壊すれば日本の半分以上がもしかすると失われ、
世界に災禍を広くもたらすかもしれない4号機を含め、収束に向けた見通しは
まったくたっていない。住民は先の生活の見通しも立たない中、日々目に見えない
放射線に怯えつつ今日も福島で暮らしている。急ぐべきは4号機を初めとする
第一原発の現状把握と収束作業と、住民の安全確保と生活再建であって、
原子炉崩壊の状況もその原因もまだ見ることさえできない状態の中、他の原発の
稼働の予定など、語ることが許されていいものだろうか?
しかも、その議論というのが、3つの選択肢を決めるのには確かに一年という時間をかけたようだが、
国民参加の議論を謳うその肝心の国民への周知活動は、広報から、結論を引き出すまでに
わずかに期間正味1か月と少ししかない。
その上、その広報というのが、例えば私なども、パブコメのことは、河野太郎さんの
ツイッタ―でようやく7月6日になってから知ったのである。パブコメ受付が始まった7月2日の
4日後である。河野太郎さんのツイッタ―の文言に『ひっそりと始まりました』
とある通り、よほど政治に興味がある人でない限り、政府の広報におそらく掲載されていたのであろう
パブコメの開始に気づいた人は少なかったのではないだろうか。
原発のことに関心があって、しかもネットの使える環境にある人でないと見落とすに
違いない、『広』報とも言えない通知のしかたである。
確かに、7月8日の朝日新聞朝刊には、第7面に4段抜きで、今回の議論のことが出てはいた。
ただしパブコメについての記載はなし。新聞を精読せず、ネット環境にもない人は
今回のことはずいぶん後になるまで知らなかったのではないだろうか。
『国民的議論』と言うならば、すくなくとも主要新聞の第一面、そして主要テレビの
夕方7時のニュースくらいは使って、広くあまねく知らせる努力を国の責任で
行っておくべきではなかったろうか。
また、その議論の期間も、実質一カ月強ではあまりにも拙速。こんな大事なことには
充分に時間をかけ、周知広報活動にも時間をたっぷりかけて、一年くらいの議論は
必要なのではないだろうか。

第三に、その内容である。
まず、意見聴取会も、全国たった11か所、というのは少なすぎ、しかも時間が2時間あまり、
質疑応答もなしと言うのでは、あまりにも貧弱。
メインの企画であるらしい『討論型世論調査』にしても、たった300人が
一泊2日の議論。
私が一番不満に思うのは、政府が国民に提示する情報の不十分さである。
欧米では、3番目の『討論型世論調査』というものは、割合海外ではよく行われているらしい。
ただ、その準備段階として、中立的な委員会が資料をチェックし、人選も(電話ではなく)
訪問して決められるなど、準備期間として数カ月かけて
いるらしい。
先日、NHKの『激論 日本のエネルギー』というのを見ていたが、そこで誰だったかが
言っていた。ドイツの知人に「日本でこういう国民的議論を一カ月かけてやるんだ」
と話したら、大笑いされたと。「ぼくたちは10年20年かけて真剣に議論してきた」と。

さて。その政府によって示された資料。それは十分なものだろうか。
まず、上に書いたように、海外でのそれのように、公正な中立的な委員会によって
チェックを受けたものであろうか。すべての選択肢について、国民が判断するのに
欠かせない正しい情報が充分に提示されているだろうか?
大体、即時全炉を廃止、という選択肢がないこと自体がもう十分に恣意的に政府に都合の
いいように設定されてはいないか。2030年と言えば、18年後である!
地震活動の活発化しているこの日本に、18年という余裕はあるのだろうか?
また、公平を期すれば、2030年に25%以上、という選択肢もあってもいいはずである。
つまり、日本は脱原発などしない!という選択肢も。一応は。
選択肢が3つということは、人間の自然な感情の動きとして、とりわけ日本人のように
自分で判断責任を負うことを回避したがり中庸を選びがちの国民に提示するには
真ん中が政府の求める正解だよ、ということが最初から意図的に仕掛けられているようなものである。

中身を精査してみよう。
資料は以下でご覧になれる。

『エネルギー・環境に関する選択肢[概要]』

さて、肝心の0%、15%、20~25%シナリオの3つの選択肢の、説明文であるけれど、
ここに巧妙な世論誘導の意図を感じるてしまう。
9ページのゼロシナリオにはこう書いてある。
『省エネ性能が劣る製品の販売制限・禁止を含む厳しい規制を広範な分野に課し、
経済的負担が重くなってでも
、相当高水準の再生可能エネルギー・省エネ、
ガスシフトを実施する。』


11ページの20~25%シナリオにはこう書いてある。
『原子力及び原子力行政に対する国民の強固な信認が前提となる』

さて。10ページ。選択肢真ん中の15%シナリオはどう表現してあるか。
『原子力に、再生可能エネルギー、化石燃料を組み合わせて活用するので、エネルギー情勢や
地球環境をめぐる国際情勢、技術革新の変化などさまざまな環境の変化に対し
柔軟に対応


なんだかここを読んだだけで、素人は、ああ、じゃあ、真ん中の
15%が一番いいんじゃない?と文句なしに思わないだろうか?
確かに、原発0%にするには、再生エネルギーの急速な拡大が必要だし、
強力な省エネも必要になってくるだろう。そして火力に一番大きく頼るからには
供給の不安定や価格高騰など、電気料金も含め、国民の我慢は一番大きく求められるのは
確かだ。しかし、どのケースでも、実はこれは同じことなのではないだろうか。
20~25%シナリオだって、石炭石油に頼らざるを得ない部分はあるわけだし、
省エネはしなければならない。ことさらに0%の場合だけが苛酷な国民の我慢を強いる、
というような誤解を生む記述はフェアではないのではなかろうか。

実際、マスコミなどはこれも意図あってのことかどうかはここでは敢えて問わないが、
0%シナリオの苛酷さだけを記事のヘッドラインにして、マイナスイメージを強調する。

一例が、0%シナリオだと、太陽光パネルは、『耐震性が弱い等により現在設置不可能な
住戸までも改修
して導入して、1200万戸』設置を目標、と書いてある。
また、『経済的負担が重くなってでも導入を促進』と。

ここだけ読んだら、『0%シナリオは大変だ!』と思ってしまわないだろうか?
15%、20~25%にはそんな苦労は国民に強いないのだろうか?
なにもきついことは一切書いていない。
でも、実際の数値目標を見てみると、この2つのシナリオの場合だって、
太陽光発電は1000万戸につけるのが条件なのである!!!
ただ1200万戸と1000万戸の違い…。それなのに0%の場合とのこの説明の差は何???

1000万戸に太陽光パネルをつける、という、野田政権が今回15%、20~25%シナリオで
提示したこの数値目標。1年前の5月26日、菅前総理がパリにおける経済協力開発機構(OECD)
で講演し、『1000万戸に太陽光パネルを』と言った時、野党のみならず、与党民主党までが
彼の言を荒唐無稽なものとして馬鹿にしたことは、皆忘れてしまったのだろうか?
それを今回、高々と目標として掲げている…
マスコミはこぞって菅前総理を、笑い者にし、その名を言うだけで失笑し、結局
彼を総理の座から引きずり下ろしたい原子力ムラのお先棒担ぎをしたことを
よもや忘れたとは言って欲しくない。
わたしは怒りを持って告発する!
原発事故直後の対応に不満がなくはないが、あの過酷な事故の悲惨を、与野党全国会議員の中で
もっとも生身で痛感し、脱原発にいち早く切り替えようとした人を、去年彼らは笑い者にし、
総理の座から無理やり引きずり下ろしたのではなかったろうか?!
そのあとに総理になった野田氏の悪政を見よ!彼のしようとしていることはおそらく
国民にとって50年100年の禍根となるかも知れない政策である。

菅総理を引きずり下ろしたことによって、少なくとも原子力・エネルギー政策のことに関して、
確実にわたしたちは、1年、という貴重な時間を失ってしまったのではないだろうか?

さらに、野田総理のやり口は、国民から民主主義への正当な希望をも奪ってしまった!
正当な手段を経て提出された750万もの原発停止を願う署名は握りつぶされた。
民主党党内の、そして国会の議論も、時間切れという理由で、
十分な議論が尽くされないまま、総理や裏で糸を引く仙石氏や前原氏などに
一任されてしまい、結局全員で議論したこともチャラ。
2大政党が切磋琢磨してこの日本の政治を良くしていって欲しいと願って
国民が2010年の選挙で民主党に託した願いは、野田総理が自公にすり寄り、
実質上の大連立をやってしまったことで、これも、少数派の意見、いや、国民大多数の
原発いやだ!という思いさえ、今、確実に踏みにじっていこうとしている!
選挙によって選んだ人が、議会で十分に議論を尽くしてくれて、国民の願いを
実現する方向へ持ってってくれる…これが民主主義の基本理念である。
ところが、これだけ多くの民が原発再稼働ちょっと待って!と声を上げていても、
野田総理は、数人の閣僚と利権に目のくらんだ立地自治体の首長との、
ごくわずかな人間の意志だけで、強引に巧妙に、大飯再稼働を決めてしまった!!!

今、多くの普通の市民が官邸前で、あるいは全国各地でデモを行っているのは、
原発問題だけのことではないと思う。野田政権がその姑息な強引な手法で、
国民の民主主義と『正しく善が行われること』への信頼を踏みにじってしまったことへの
大きな大きな悲しみと怒りで人々は集まって来ているのではないだろうか。

私は、野田政権のそうした国民の絶望を誘う政治手法に強く抗議するとともに、
マスメデイアの怠慢と意図的な世論誘導にも厳しく抗議したい。

話を元に戻すが、例えば風力発電。0%にすると、東京都の面積の2.2倍の土地が必要だ!
電気料金の国民の負担は、0%にすると、なんと今の2倍にもなる!
CO2削減も23%しか達成できない!

そういう見出しを踊らせはしまいか。普通の国民、私もそうだが、ニュースは
ヘッドラインしか見ないことも多い。すると多くのひとはこの見出しの数字だけを
記憶し、原発0%にするとなにかと厳しくなってしまう、と先入観念が独り歩きし始める…。
ところが。ところがよくすべてのケースの数字を自分で見比べてみれば、

風力発電は、15%シナリオの時でも、東京都の面積の1.6倍は必要である。電気料金は、新聞などの試算によって数値は微妙に違うが、私が見たものでは
0%が2倍、に対して15%では1.7倍~1.8倍であった。
政府の出した試算では0%の場合、月4千円~1万1千円のアップ。
         15%の場合、月4千円~8千円のアップ。
       0~25%の場合、月2千円~8千円のアップ
である。標準世帯で。
CO2 削減に至っては、おそらく政府お勧めの15%のシナリオでも、0%の場合と同じ、23%の削減である。
原子力発電依存20~25%の場合のみ、25%の削減という見込みを出している。

電気料金は福島の事故もあったし、廃炉費用も必要だし、いずれにしても将来電気料金の
負担は避けられないことは国民が皆わかっているところだ。
ただこの各ケースの差。2千円から3千円の違いである。
わたしなら…わたしなら、月々2,3千円の差であったなら、生活の無駄使いをやめて
その分のお金を浮かし、原発におびえないで済む安心の方を選びたいと思う。

ただ、公正であるために言っておくが、確かに企業や商売をしている人々にとっては、
この差は大きいだろう。
しかしながら、夏場、工場の壁にわずかに霧状の水を流し、それによって放射冷却効果を
上げて、冷房費で25%の削減を果たした、ある中小企業の例をテレビで見た。
電気料金が上がる上がる、と騒ぐ前に、日本人なら出来る省エネ、節電の工夫は
たくさんあるはずである。
0%にすると電気料金が2倍になる…そこのところだけを意図的に切り取って
国民の不安を煽り、15%に結果的に誘導するような報道はやめてほしい!

今回の国民的議論、ということのために作られた一連の企画とその説明を見ると、
主に経済的側面からの情報しかあたえられていないことに気づく。
国民が、日本の将来のエネルギーをどういうふうに選択して言うか、ということを
考えるとき、ただ電気料金など、0%シナリオの場合の国民が負う経済的負担の
点だけ強調したような、このような広報は片手落ちではあるまいか。
ことは『原発をどうするか』という問題だ。
原発政策を維持する15%、20~25%のシナリオにおけるマイナス面ということを
正直に国民に情報として与えなければ、公平な議論など出来ないのではないだろうか。

ここには日本の活断の多さのこと、地震活動が活発化していること、
それに対し、各原発の対策は十分とはとてもいえず、もしどこかで福島と同じような
事故が起きたら、という場合の、経済的、環境問題的想定は一切されていない。
まるで18年後の2030年までは、大きな地震や人的ミスによる苛酷な原発事故は
起こらない、という想定で、この一切の議論は条件が設定されている。
またそこには、今、各地の原発で収容能力の限界に近付きつつある使用済み燃料が
新たにプールを作らない限り、全機を再稼働すれば5,6年で満杯になってしまう、
そのための費用や、その使用済み燃料に行き場がなくなった場合、原発は停止せざるを得ない、
という事情には一切触れられていない。
さらに大きな問題は、今回放射線被ばく量をごまかすために、ビルドアップ社が
作業員に線量計に鉛のカバーをするように進めていた件でも伺えるように、
福島原発の収束も、他の原発の稼働、停止期間中の管理も、皆、現場原発作業員の
被曝、ということを前提にしなければ、原子力発電というものは成り立たないのだ、という
基本的条件もどこにも考慮のうちに入れられていない。
2030年までは大地震も事故も起きません、ということを大前提にしてしまっているのと同様、
福島でも他の原発でも、かき集めれば誰か、危険な作業を引き受けてくれる者はいるさ、
という前提で、原発を動かそうとしてはいないだろうか。
私が去年の3月11日。福島第一原発で全電源喪失、というニュースを聞いたときすぐに
頭にうかべたのは、この危機的状況の中で、東電の社員、作業員たちは現場を放棄しないだろうか?
ということだった。
もし、彼らが自らの身の安全を守るため、持ち場を放棄していたら、
それは人間が、いや動物が身を守る本能であって、誰もそれを責められないと思うのだが、
そうなっていたら、福島第一の4つの炉。5,6号機も含めれば6つの原子炉は
一体どうなっていただろう!
ベント作業を決死の思いで行い、水を投入し続けてくれた人々がいてくれたから、
福島はさらなる最悪の事態を避けられたのだ。最悪の事態…それは何か、というと、
燃料を冷やすことが出来ずに炉内がもっと高温になって圧力容器自体が損傷し、
覆いのなくなった放射性物質が大爆発によってチェルノブイリのように広範囲に
飛び散ってしまうことである。しかも一基がそうなれば、もう人間など近付くことは
一切出来なくなり、他の機が次々と、6機も大爆発を起こすということだ。
その恐ろしさを考えてみてほしい。
そんなことが起きていたら、第二原発にだって人は近づけなくなっていたかもしれない。
東電社員、協力会社の社員、下請けの作業員たち、それから自衛隊、消防署、…
自分の身の危険を顧みず、高い放射線と爆発の恐怖におびえながら、冷却作業を
続けてくれた人々がいたから!何とか福島はあれで収まったのである。

『今回の事故で直接死んだ人は一人もいない』…
意見聴取会に出た中部電力社員がつい本音を漏らしてしまって、ごうごうたる非難を
浴び、会社が謝罪する羽目にまでなったが、実は原発がこれからも必要だ、と考える人々は、
政府の人々も含め、実はこういうふうに心の中でたかをくくってはいないだろうか。
テレビのコメンテーターなどという人々によっても、そのセリフはどれほど
つぶやかれたことだろう…
もし、現場の社員、作業員、自衛隊、消防などの人々が、わが身の安全を守るという
当然の権利を行使して、福島の現場を放棄していた場合、日本がどうなっていたか!
どれほどの死者を出したろうか!ということは、そういう暢気な人々の想像の範囲には
入っていないのであろうか。

つまり、原発というものは、危険な現場で常に何がしかの被曝をしながら作業をする人々の
犠牲の前提に立って成り立っているものなのだ。
国民が2030年、将来の日本のエネルギー・環境のことを決定するに際して、
無論経済のことは大事だが、こうした理不尽な前提条件がある、ということも情報として
国民にあらためて示さなければ、片手落ちに過ぎるとは言えないだろうか。

この他にも、今回の議論の設定や、選択のために与えられた情報でおかしいと思うことは
私のような科学的に素人である者にとってさえ、いくつもいくつもある。
再生エネルギーを増やしていくのは大変だ!という叙述は上に述べたようにしつこすぎる
くらいに書いてある。しかし、与えられた条件は太陽光と風力の2つだけ。
再生可能エネルギーにはこのほかにも小水力、波力、潮力など有望なエネルギーが
日本にはたくさんあり、また火力の他にも、木質バイオマス、地熱、メタンガスなど
有望なエネルギーが日本にはたくさんあり、その技術も持っている。
ところがこれらの可能性は、最初からオミットされているかのようだ。
言い分としては、それらの技術開発がまだ、追いついておらず、将来のエネルギーとして
2030年、あと18年の間には実用化があてにできない、ということなのだろう。
原発がなければ日本はたちゆかない、という主張をする人々は、決まってこのことを言う。
『太陽光や風力は雨の日、風のない日にはあてにならない。』
『地熱や、日本海にたくさんあるというメタンハイドレード、潮力、波力発電などは、
まだ、実用化までには遠く、2030年(18年後)のあてにはできない』と。

しかし考えてもみよう。
携帯電話の急速な発達と普及を。今から18年前というと1994年である。
1994年以前の携帯電話はアナログだった。『携帯』出来る電話であったのに過ぎない。
90年代半ばにデジタルになり、90年代後半にインターネットにつながった。
覚えていらっしゃる方も多いと思うが、携帯が使われ始めたころは、持っている人はごく少数で、
そういう人が見せびらかすように電車やバスや歩きながら、携帯で話していると顰蹙を買ったものである。
それが今はどうだろう。この普及と機能の発展のもの凄さ!
私などはもう今の高性能の機種の機能にはまったくついていけない…

18年という同じ月日を、人は恣意的に長いものとして扱ったり、短いものとして
扱ったりする。原発がどうしてもいる、という人々は18年という月日を、
自然エネルギーが使い物になるようになるにはあまりにも短いと考え、大地震などが
その間に起きたら?という心配に対しては、ダイジョウブ、明日明後日に次の地震が
起きるわけない、と18年という長い月日を放置する考えである。
逆に言えば、私などは、18年あれば、自然エネルギーの実用化は、携帯電話の発展と同じように、
本気になりさえすればおそらく想像できないほど進むだろうと考える。
またその一方で、18年という月日を、危険を放置するにはあまりにも長い、と考えてしまう。

いずれにしても、18年後。私はおそらくこの世にいないであろう。
ああ…そのとき、日本はいったいどうなっているのであろう。
心配でしかたがない……

以上、今回の国家戦略室による『エネルギー・環境に関する選択肢』について
書いてみた。
一つ。意見聴取会の実際の映像をいくつかずうっと見ていて感じたこと。
0%を選択した人が、多くは自分でよく調べて自分のことばで語っているという印象に対し、
20~25%を選択した人のは、マスメデイアなどがヘッドラインでセンセーショナルに
マイナスのイメージを書きたてる、それをそのまま信じて使っている人が多いのでは
と感じた。「風力発電は、0%のシナリオだと東京都の面積の2.2倍も必要なんですよ。
それだけの土地確保は困難なのではありませんか?」などと。
ところが彼(彼女は)15%シナリオ、20~25%シナリオでも、1.6倍
必要だ、という数字は見ていないか、無視する…
15%を選択した人々は、経済のことがなければ、原発はないほうがいい、ということで
すこし発言に迷いと自信のなさがうかがえるように思う。

また一つ。原発を推進するひとが、原子力を無限のエネルギーと考えているらしいことにも
驚く。石油、石炭その他の鉱物と同じように、ウランも枯渇資源である。
現時点では、参照するものによって多少の数値の違いはあるけれど、大体80年前後、という
のが、予測される埋蔵量である。石油、石炭の奪い合いによる価格の高騰ばかりを
原発推進派は声高に論じて、それが電気代に跳ね返ることを脅しのように使うが、
ウランだって、これから中国、インドなど後発の国々がすごい勢いで原子力発電所を
稼働し始めたら、80年という予測はさらに短くなる。

みずほ情報総研 環境・資源エネルギー部 シニアコンサルタント 田原 靖彦氏は、
『世界で始まったウラン資源争奪戦』という記事の中で、こんなふうに書いている。
『中国やインドを中心に原発増設計画があり、今後ウラン需要は大幅に増加すると考えられる。
経済協力開発機構(OECD)と国際原子力機関(IAEA)の共同調査報告書「ウラン2005」の
高位予測(高めの需要を見込んだ予測)は、2015年にはウラン需要量が8万3,000トン程度まで
増加するとしている。つまり、2次供給減少とウラン需要増加を賄うだけのウラン鉱山の
新規開発がなければ、2015年ごろには深刻なウラン供給不足が発生する可能性がある。

供給不足を防ぐには、2015年までに年間の天然ウラン生産量を現在の約2倍に
引き上げる必要がある。』

http://www.mizuho-ir.co.jp/publication/contribution/2008/economist080624.html

まあ、この後に、カザフスタン、オーストリアなどのウラン鉱山の採掘が進めば
この事態は回避できる、という一文が続くわけであるのだが、それは石油、石炭、
天然ガス、シェールガス…皆同じである。つまり、ウランは枯渇エネルギーであり、
近い将来、石油の奪い合いと同じような激しい争奪戦が、この地球で行われることは
確かだ、ということ。そうしたら、今までは安い安いと言われていた原子力発電のその価格は
うなぎ上りに高騰して行くであろう。
安くもなく、大きな大きな危険をはらんだ原子力発電というもの。
ウラン鉱山で採掘にあたる海外の人々の被曝や、自国の原発の危険な現場で、
日々不当に安い賃金で被曝を続けながら働く人々の犠牲の上に立っているもの。
いったん過酷事故が起きれば、今、福島の人々が負わされているような、生活基盤の
根底からの崩壊と健康への不安と、将来への絶望、という重い重い犠牲を
立地自治体のひと、広く周辺地域の人々に押し付けてしまうものなのだ。

コストの面からだけ原発のことを語って欲しくない。
そんな安易な不公正な設定の『国民参加』で、国民の総意を問うた、などと言って欲しくない!

もうすぐロンドンオリンピックだ。いつもなら夢中でテレビにしがみついて、
開会式や、素晴らしいアスリートたちの競演を見るところだ。
…しかし、このオリンピックムードに国民が酔っているうちに、野田政権が
いろんな大事なことをちょろちょろっと決めてしまいはせぬか。
もしかしたら、知恵者の官僚がいて、わざとこの国民参加の議論を、オリンピックの時期に
ぶつけるように設定したのでは?などと考えてしまう。
疑いすぎだよ、と自分を笑ってみはするが…。

しかし。意見聴取会。
それ自体は、参加者の真剣な発言もあって、一度は見るに値するものになっています。
どんな人々がどんなふうに、各シナリオについて考えているか…
是非、一度真剣にお聞きください。
素晴らしい意見陳述なさってる方がたもいらっしゃいます。どの立場のひとも真剣です。
見るには2時間もの長丁場ですが、こういう議論で、私たちの将来が決まるのだと思えば……














 

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Re: れんげちゃんへ

れんげちゃん、ご無沙汰♪

そうよね。あの事故を見て、日常がまったく変わらないと思う方が
不思議ですよね。この日本で起きてしまった・・・・・・
そして、それを契機に日本がいい方に変わっていくのならわかるけれど、
逆に悪い方に悪い方に国は持って行こうとしている。
しかもとても巧妙に。一体原子力ムラの人たちって、どういう人?って
思っちゃいます。

人間を疑いたくないけれど、あまりにも嘘だらけ。
なんか性格悪くなっちゃうよね!(笑)

『でもそれが自分にとって悲しい事とは思わない。
表面だけの一般的な放送も含めて、その背景や過去、その問題を解く鍵はないかと、
自分で調べて考えるクセがつきました。』

れんげちゃん、ありがとう!
そういう言葉を聞くと嬉しいです!よっしゃ!私もまだ踏ん張らなくっちゃ、って
思えます。
一人一人の国民が、れんげちゃんのように、『ん?待てよ。このことの真実はなんだ?』
と考えてくれるようになれば、橋下さんのような人にただ人気だけでくっついて行く、
などということもなくなり、野田総理のように、一見やわらかそうな物腰の
裏の顔は、親米の、自民党よりタカ派だってことわかってもらえるんだけどなあ。
彼が再選されたらこの国はお終いだ!

れんげちゃん。東京はもう仕方ないけれど、九州は放射性瓦礫や、汚染された
肥料などで汚してほしくないのよ。
原発だって危ないです。しっかり見張っていてね♪

なんかね~。れんげちゃんに会ったころは彼岸花さん、まだ心に潤いと余裕があったなあ。
今はちょいとぱさぱさだ~~~…
明日はデモです。官邸と議事堂をキャンドルで包囲するデモ。
提灯買った!(笑)電池だけどろうそくみたいに光が揺れるの。
百均で、あのコンサートとかで光る奴なんて言うの?あれも買いました。^^
また、れんげちゃんの応援、背中にしょって行くね~~~♪
ありがとう~~~♪

No title

彼岸花さん、こんにちはー。
そうねぇー。事故以来、ニュースとか見ても疑う、いちいち疑う。

でもそれが自分にとって悲しい事とは思わない。

表面だけの一般的な放送も含めて、その背景や過去、その問題を解く鍵はないかと、自分で調べて考えるクセがつきました。
あれ?ちょっとは大人になったのかなぁ。あはははは

Re: 鍵コメさまへ

わ~!ありがとうございます!嬉しいです♪

長い長い読みにくい記事だと思いますが、この国で行われていることの
実態を、みんなで考えていくためにも、多くの方に読んでいただけると
こんな嬉しいことはありません。
本当にありがとうございます。なんだか勇気百倍いただいた気分です♪
また、頑張って次のを書こうという元気をいただいた気がします!^^

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Re: やっちゃんさんへ

やっちゃんさん。こんばんは~♪
長い長い記事でごめんなさ~い!
しばらく、野田総理とかに腹立てて、もの言うのがやんなっちゃって、お口「む!」ってしてたから、 
溜まってたこといっぱい書いちゃった!(笑)
山口県知事選もすぐだし、ここ2、3週間で、政府はばたばたといろんなこと
やりそうだし、また黙っている場合じゃなくなりました。
ちょうどね、オリンピックとぶつかってるところがね、なんだか私には偶然に思えなくて。
今はほんとに、野田中心の推進派と、原発いやだの民衆の力が熾烈な綱引きですよね。
綱を緩めるわけにいきません。

NHKは何なんでしょうね。
先日見た『NHKスペシャル~メルトダウン連鎖の真相』などはなかなかいい番組だったんですよ。
これは次くらいに記事にしたいと思っています。8月4日に再放送があるみたいだから
もし見てなかったらご覧くださいね。^^
明日のクローズアップ現代。どんな書き方するかな。
朝日新聞もそうですが、きっとねNHKの内部でも、反原発の良識派と、権力べったりの一派が
内部で熾烈な綱引きしてるんだと思う。
だから、記事によって、番組によって、スタンスが違ってきちゃうんだろうと思う。
今は国中で、その綱引きですね。

『なんだかやっちゃん性格悪くなっちゃった。』ってとこで爆笑!
やっちゃん、かわいい!!^^
でもね、ほんとそうなの。あんまり怒りたいことばっかりしてくれるから、
にこにこほんとはしてたいんだけど、そう出来なくなっちゃうのよね~!
彼岸花さんも、時々ふっと、『あたし、なんでこんなに怒ってなくちゃならなくなっちゃったのかな』
って思うことありますよ。健康に良くないよ~~~~~!
やっちゃんさんも、体壊すまで怒ったりはしないでくださいね。^^
時々息抜きして。
さて。彼岸花は、また起動するぞ! あら『起動』とか『再稼働』とかって言葉
使いたくないわね。関電、高浜動かそうとしてるのよ。
なんて図々しいの!!!あったま来ちゃう!!!

29日は官邸を取り囲むキャンドルデモに行きますよ~♪

彼岸花さん こんばんわ!

素晴らしい記事アップありがとうございます!
今度の意見聴取会、パプコメ、詳細に論理的に分析下さって、
「そうそう、そうなのよ~っ それが言いたかったのよ~っ」
と全然論理的じゃないやっちゃんはうなずくことしきり。

それにしてもこの札幌会議も相当あやしいですね。
特に「安定供給主張」の女性とかも、、、。
どっから見ても工作員。

さらに先日から連日NHKがスペシャルやってますでしょう?
不自然でしょう? 唐突にゴールデンタイムで連日のスペシャル番組。
「おのれNHK、、、狙いはなんだ? 何を誘導操作するつもりなんだ?」
と突っ込み入れながら見てます。
しかも明日クローズアツプ現代、デモのこともやるそうですし、
油断は禁物だと思って、、、。
なんだかやっちゃん性格悪くなっちゃった。
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彼岸花さん

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『しだかれて十薬忿怒の息吐けり』

『南亭雑記』の南亭師から頂戴した句。このブログになんともぴったりな句と思い、使わせていただきます。
十薬とはどくだみのこと。どくだみは踏みしだかれると
鮮烈な香りを発します。その青い香りは、さながら虐げられた若者の体から発する忿怒と抗議のエネルギーのよう。
暑い季節には、この強い歌を入口に掲げて、私も一民衆としての想いを熱く語りましょう。

そして季節は秋。
一足早いけれども、同じく南亭師からいただいた、この冬の句も掲げておきましょう。

『埋火に理不尽を焼べどくだみ荘』

埋火(うずみび)は、寝る前に囲炉裏や火鉢の燠火に灰をかぶせて火が消えてしまわぬようにしておいた炭火などのこと。翌朝またこの小さな火を掻き立てて新たな炭をくべ、朝餉の支度にかかるのです…

ペシャワール会
http://www1a.biglobe.ne.jp/peshawar/pekai/signup.html
国境なき医師団
http://www.msf.or.jp/donate/?grid=header02
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